「アルジュナ〔オルタ〕」を編集中
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| 出典 = マハーバーラタ | | 出典 = マハーバーラタ | ||
| 地域 = インド | | 地域 = インド | ||
− | | 属性 = | + | | 属性 = 秩序・善 / 悪<ref group = "注">善悪両方の属性を持ち、[善]属性限定効果のスキル・[悪]属性限定効果のスキルが無条件で適用される。</ref> |
− | | | + | | 隠し属性 = 天 |
| 性別 = 男性 | | 性別 = 男性 | ||
| スリーサイズ = | | スリーサイズ = | ||
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| 二人称 = 貴方/貴女/おまえ、貴様 | | 二人称 = 貴方/貴女/おまえ、貴様 | ||
| 三人称 = 彼/彼女 | | 三人称 = 彼/彼女 | ||
− | | 異名 = | + | | 異名 = |
| 愛称 = | | 愛称 = | ||
| イメージカラー = | | イメージカラー = | ||
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| 好きな物 = 無し | | 好きな物 = 無し | ||
| 苦手な物 = 邪悪 | | 苦手な物 = 邪悪 | ||
− | | 天敵 = | + | | 天敵 = |
| デザイン = pako | | デザイン = pako | ||
− | | 設定作成 = | + | | 設定作成 = |
| レア度 = ☆5 | | レア度 = ☆5 | ||
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]] | | 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]] | ||
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; 略歴 | ; 略歴 | ||
− | : | + | : インド異聞帯の神として登場。 |
− | : 古代インド叙事詩『マハーバーラタ』における最大の戦乱「クルクシェートラ戦争」を経て、その地獄のような世界に絶望した[[アルジュナ]] | + | : 古代インド叙事詩『マハーバーラタ』における最大の戦乱「クルクシェートラ戦争」を経て、その地獄のような世界に絶望した[[アルジュナ]]は、インドのあらゆる神性を自身に統合したことで唯一絶対の神となり、自身が理想とする「完全なる世界」を創造するため、悪しきものを廃絶せんと世界の滅亡と創世を繰り返していた。 |
− | : | + | : 移動の際には白きヴィマーナに騎乗しており、アルターエゴの口添えを受けて[[スカンジナビア・ペペロンチーノ]]から[[アシュヴァッターマン]]を剥奪・クリシュナの呪いを付与して屈服させ制御下に置いたほか、[[哪吒〔バーサーカー〕|哪吒]]、[[アスクレピオス]]、[[ウィリアム・テル]]といったサーヴァントに神性の一部を付与し、「<ruby><rb>神将</rb><rt>ローカパーラ</rt></ruby>」として動かしている。 |
: 主人公一行が異聞帯に到着して最初のカリ・ユガを迎えた際、ヴィマーナに乗って姿を現すも特に興味を示さず、因縁の宿敵であるはずの[[カルナ]]にすらも碌に視線を合わせる事はなく「不出来で無価値、不要な邪悪」と見なしたのみだった。ユガが廻り、次に主人公らの前に姿を見せた際も最初こそ興味を見せていたものの、やがて失望し立ち去っている。 | : 主人公一行が異聞帯に到着して最初のカリ・ユガを迎えた際、ヴィマーナに乗って姿を現すも特に興味を示さず、因縁の宿敵であるはずの[[カルナ]]にすらも碌に視線を合わせる事はなく「不出来で無価値、不要な邪悪」と見なしたのみだった。ユガが廻り、次に主人公らの前に姿を見せた際も最初こそ興味を見せていたものの、やがて失望し立ち去っている。 | ||
− | : | + | : しかしながらその後カルデア側の決死の作戦決行によって少しずつ完全性が揺らいでいったこと、そして最終盤に復活したカルナから自身の正体・自らに残る人間性について指摘され、己の完全性を疑ったことで、ついにその神性は零落。空想樹スパイラルからの莫大な魔力供給を受け、カルナに対する執心を剥き出しにしながら全力で戦いを挑むも一歩及ばなかった。 |
: 最期は己の不完全さとその身に宿していた矛盾を認め、一人ごちて微笑みながら静かに消滅した。 | : 最期は己の不完全さとその身に宿していた矛盾を認め、一人ごちて微笑みながら静かに消滅した。 | ||
; 人物 | ; 人物 | ||
− | : | + | : 褐色の肌と長い白髪が目を引く青年。[[アルジュナ]]の面影を残してはいるが角や尻尾といった異形の要素が身体に現れており、また自我が薄いためどこか虚ろ。 |
− | : | + | : 無機質で無感動、ひたすら機械的であり、本来のアルジュナという人物が備えていた人間性は高位の神性を得た代償として塗りつぶされ、ほぼ失われている。 |
− | : | + | : 神性とともに「終末をもたらす者」から譲り受けた権能によってあらゆる悪を抹殺する使命を背負っているが、そのあまりにも高潔な精神性が災いし、無垢な子供や聖人を除いたほとんどの対象に「対邪悪」スキルが適用されてしまっており、滅亡と創世の果てに行きつく先は「完全なる世界」どころか何も残らない「無の世界」である。 |
− | : | + | : インド異聞帯においては、彼が究極の視覚を以て「不要」と認識したものは終末の裁きから逃れられなかった時点で「消滅」が確定する。人々は例え怪我・病気といった小さな傷であっても「不出来」と見なされ、次のユガには不要な存在として輪廻転生の輪から外されてしまっており、アルジュナはあらゆる神性を統合した弊害により少しの不出来も容赦しない概念として暴走状態にあった。しかしながら滅業の刃では自身を裁くことはできず、その結果、図らずも彼の内側で僅かに残った「[[クリシュナ (黒)|エゴイズムを司る人格]]」がギリギリのところで完全な機構と成り果てる事を阻止していた。 |
− | + | : サーヴァント「アルジュナ・オルタ」として召喚されてからは、再臨が進むごとに狂化ランクの変動・肉体性能の退行・人間性の再獲得が起こる。姿も髪色の変化を始め、次第に本来のアルジュナにより近いものへと変化していくが、最終段階まで進めても角や尻尾は残っており、やはり完全には戻らない。 | |
− | + | : 辛うじて人間性を取り戻した彼はオリジナルよりもやや素朴な印象の青年となるが、これはアーチャー・アルジュナが「マスターに相応しい存在であろうと気を張っている」一方でアルジュナ・オルタにはそれが欠けているためである。すなわち、彼から垣間見えるものは、「気を張っていない状態の」アルジュナが本来持ち合わせている穏やかな性格・純朴性である。 | |
− | + | : アーチャーのアルジュナはアルジュナ・オルタに対して「英雄としての理想像」を見ているが、アルジュナ・オルタはアーチャーのアルジュナに対して「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いており、言わば互いが互いに欠けているものを見出しているような関係にある。 | |
− | : | + | : 彼は異聞帯という特殊な環境下だからこそ発生し得た可能性、アルジュナのifの存在である。汎人類史においてはアルジュナがこのような選択・末路を辿ることは終ぞなく、故にアルジュナ・オルタも誕生することはない。 |
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; 能力 | ; 能力 | ||
: インド神話における神性を悉くその身に取り込んだ「超統合神性」であるため、その完全性が証明されている限りはあらゆる攻撃が通用せず、傷をつけることすら不可能。 | : インド神話における神性を悉くその身に取り込んだ「超統合神性」であるため、その完全性が証明されている限りはあらゆる攻撃が通用せず、傷をつけることすら不可能。 | ||
: クリプターと契約しているサーヴァントを奪うなど彼にとっては造作もないことであり、自身に統合された神性が所有する権能の一部を他者に分け与えることも可能。劇中では実際にクベーラ、ヤマ、ヴァルナ、ヴァーユといった神々の権能が「神将」たちに付与されている。 | : クリプターと契約しているサーヴァントを奪うなど彼にとっては造作もないことであり、自身に統合された神性が所有する権能の一部を他者に分け与えることも可能。劇中では実際にクベーラ、ヤマ、ヴァルナ、ヴァーユといった神々の権能が「神将」たちに付与されている。 | ||
− | : | + | : ユガの終わりには「限りなく神に近い英雄」より譲り受けた権能・『帰滅を裁定せし廻剣』を振るうことで、自身が「不出来・不要」と見なしたものを存在ごと消滅させる。たとえ次のユガに残ることが出来たとしても、消されてしまった存在に関する記憶は人々から失われてしまう。 |
− | |||
== ステータス == | == ステータス == | ||
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: 流石に天下無双のアルジュナといえども、サーヴァントとして召喚された状態では、この剣の力を完全に発揮して振るう事はできない。 | : 流石に天下無双のアルジュナといえども、サーヴァントとして召喚された状態では、この剣の力を完全に発揮して振るう事はできない。 | ||
: だが凝縮・限定された破壊を発生させるという点では『破壊神の手翳』と同じであり、アルジュナは使い心地をそれほど悪くないと考えているようだ。 | : だが凝縮・限定された破壊を発生させるという点では『破壊神の手翳』と同じであり、アルジュナは使い心地をそれほど悪くないと考えているようだ。 | ||
− | : この廻剣は通常時にアルジュナ・オルタの背後の肩あたりで浮いている<ref group = "出">[https://twitter.com/pakosun/status/1144896936438374401 | + | : この廻剣は通常時にアルジュナ・オルタの背後の肩あたりで浮いている<ref group = "出">[https://twitter.com/pakosun/status/1144896936438374401 pakoTwitte2019年6月29日18:14]</ref>。弓にも変形して矢を放つこともできる。 |
− | : 『Grand Order』では「敵全体のBuster攻撃耐性をダウン | + | : 『Grand Order』では「敵全体のBuster攻撃耐性をダウン<ref group = "注" name="3ターン">3ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP">オーバーチャージで効果UP</ref>&敵全体に強力な攻撃」という効果のBuster宝具。 |
== 真名:アルジュナ〔オルタ〕 == | == 真名:アルジュナ〔オルタ〕 == | ||
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: インド神話において、全てを終わらせ再び始める限りなく神に近い英雄が存在する。 | : インド神話において、全てを終わらせ再び始める限りなく神に近い英雄が存在する。 | ||
: その彼から滅びの権能を譲り受けたのが異聞帯のサーヴァント、アルジュナ・オルタである。 | : その彼から滅びの権能を譲り受けたのが異聞帯のサーヴァント、アルジュナ・オルタである。 | ||
− | : | + | : 彼は代償として人格を失いかけていたが、生来の英雄としての自我が残ったことで、どうにか彼を機械的な存在になることを妨ぐことができた。 |
− | : | + | |
+ | : 神々との関係が断たれ、ひとりの英霊として召喚されてからは再臨が進むにつれて、本来の人間性を取り戻していく。 | ||
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+ | : 本来は人間性をほぼ失った、完全なる破壊の徒として振る舞う。『終末をもたらす者』から権能として対邪悪スキルと神性を授かっているが故の代償である。 | ||
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+ | : ただし、再臨を繰り返すとかろうじてアルジュナの人間性が取り戻せる。 | ||
+ | : その場合、アーチャーのアルジュナよりやや素朴な青年としての姿が顔を出す。 | ||
+ | : アーチャーとしてのアルジュナはマスターに相応しいサーヴァントであろうと、気を張っている部分があるが、アルジュナ・オルタにはそれが欠けているからだ。 | ||
+ | |||
+ | : アーチャーのアルジュナは彼の在り方に英雄としての理想像を見出すが、異聞帯のサーヴァントであるアルジュナ・オルタはアーチャーのアルジュナに誇り高き英雄としての憧憬を抱いている。 | ||
: インド異聞帯において彼は完璧なる神として君臨した。 | : インド異聞帯において彼は完璧なる神として君臨した。 | ||
− | : | + | : 本来の人格は塗り潰され、正にデウス・エクス・マキナ…世界を輪廻させ続けるだけの概念に成る寸前に至った。 |
+ | |||
+ | : しかし、アルジュナのエゴイズム(それは、誰かに勝ちたい、優れた者でありたい、何かを憎み、怒りたいという程度のものであったが)を司る人格が残ったことで、皮肉にもその人間性を取り戻した。 | ||
+ | : 「今度こそカルナに勝ちたい」という願いと欲望が、彼を人間に引き戻すことができたのである。 | ||
+ | : インド異聞帯では、あらゆる神の権能を取り込むことにより暴走、少しの不出来も容赦しない概念となったが、サーヴァントとして召喚された彼が許さないのはマスターに敵対する邪悪なもののみであり、汎人類史のアルジュナが本来持つ穏やかな性格も窺わせる。 | ||
=== 関連 === | === 関連 === | ||
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: カルキはインド三大神の一柱・ヴィシュヌ神の第十化身であり、遠い将来に訪れるカリ・ユガの最後において、全ての悪を滅するために姿を現すとされている神性である。 | : カルキはインド三大神の一柱・ヴィシュヌ神の第十化身であり、遠い将来に訪れるカリ・ユガの最後において、全ての悪を滅するために姿を現すとされている神性である。 | ||
: またアルジュナの親友「クリシュナ」もカルキと同じくヴィシュヌ神の化身であり、何らかの関係性を推測することも出来るが、現状は詳細不明。 | : またアルジュナの親友「クリシュナ」もカルキと同じくヴィシュヌ神の化身であり、何らかの関係性を推測することも出来るが、現状は詳細不明。 | ||
− | : | + | : いずれにせよアルジュナはこの「終末をもたらす者」から「対邪悪」スキルと神性、『帰滅を裁定せし廻剣』を譲り受け、その代償として人間性をほぼ失った「破壊の徒」と化した。 |
; ローカパーラ | ; ローカパーラ | ||
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; [[Fate/Grand Order]] | ; [[Fate/Grand Order]] | ||
: Lostbelt No.4『創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ』配信後、期間限定で実装されたインド異聞帯の絶対神。 | : Lostbelt No.4『創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ』配信後、期間限定で実装されたインド異聞帯の絶対神。 | ||
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== 人間関係 == | == 人間関係 == | ||
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; [[カルナ]] | ; [[カルナ]] | ||
: 異父兄であり宿敵。インド異聞帯においては、終ぞ消すことの出来なかった彼への執心が「神たるアルジュナ」の完全性を崩す最後の決定打となる。 | : 異父兄であり宿敵。インド異聞帯においては、終ぞ消すことの出来なかった彼への執心が「神たるアルジュナ」の完全性を崩す最後の決定打となる。 | ||
− | : | + | : サーヴァント・アルジュナ〔オルタ〕として召喚された後もなお、彼に対してどこか掻き立てられるものがほんの僅かに残っている。 |
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; [[スカンジナビア・ペペロンチーノ]] | ; [[スカンジナビア・ペペロンチーノ]] | ||
: インド異聞帯を担当するクリプター。契約サーヴァントであるアシュヴァッターマンを剥奪した。 | : インド異聞帯を担当するクリプター。契約サーヴァントであるアシュヴァッターマンを剥奪した。 | ||
− | : | + | : 彼からは「いろんな意味で手に負えない」と言われていたが、人間性を取り戻したアルジュナが最期に見せた「悔しい」という感情には内心で同情を滲ませていた。 |
; [[アシュヴァッターマン]] | ; [[アシュヴァッターマン]] | ||
: 『マハーバーラタ』ではかつて兄弟弟子であり、後に敵対することとなった、因縁浅からぬ人物。 | : 『マハーバーラタ』ではかつて兄弟弟子であり、後に敵対することとなった、因縁浅からぬ人物。 | ||
: インド異聞帯においてはペペロンチーノから契約を剥奪し、クリシュナの呪いを与えて屈服させ「神将」として使役していたが離反され、自身の完全性を崩す窮極の一計を講じられる。 | : インド異聞帯においてはペペロンチーノから契約を剥奪し、クリシュナの呪いを与えて屈服させ「神将」として使役していたが離反され、自身の完全性を崩す窮極の一計を講じられる。 | ||
− | : | + | : カルデアでは顔を合わせるなり訝しまれ「いつものアルジュナに戻りやがれ」と怒鳴られるが、戻れないことを知ると困惑気味に。 |
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; [[ラーマ]] | ; [[ラーマ]] | ||
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; [[哪吒〔バーサーカー〕]] | ; [[哪吒〔バーサーカー〕]] | ||
: インド異聞帯における「神将」の一人。財産神クベーラの権能を付与した。 | : インド異聞帯における「神将」の一人。財産神クベーラの権能を付与した。 | ||
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; [[アスクレピオス]] | ; [[アスクレピオス]] | ||
: インド異聞帯における「神将」の一人。「理不尽な神罰を下さないだけギリシャ神性よりマシ」と認識されている。 | : インド異聞帯における「神将」の一人。「理不尽な神罰を下さないだけギリシャ神性よりマシ」と認識されている。 | ||
: 冥界神ヤマの権能を与えており、彼からの要請に応じて水神ヴァルナの権能も追加で付与した。 | : 冥界神ヤマの権能を与えており、彼からの要請に応じて水神ヴァルナの権能も追加で付与した。 | ||
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− | ; [[ | + | ; [[ウィリアム・テル]] |
− | : | + | : インド異聞帯における「神将」の一人。風神ヴァーユの権能を付与し、彼の息子に関する記憶を「不要」と判断して消去していた。 |
− | : | + | : その一方で、なぜ「人」の英霊である彼が召喚されたかについては、「神」と共に在る存在として相応しいものであることをアルジュナが無意識ながらも感じていたためであり、彼が最期に報いた忠告の一矢は、最後の最後でアルジュナにも届くことになる。 |
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; [[アルジュナ]] | ; [[アルジュナ]] | ||
: 汎人類史における自分自身。「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いている。 | : 汎人類史における自分自身。「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いている。 | ||
− | : | + | : 「人として足掻き、苦しみながらも立ち上がる英雄」である彼を「真のアルジュナ」とまで呼び、主人公には彼を導いてくれるよう頼んでいる。 |
− | : | + | : 一方で彼からはその姿に「英雄としての理想像」を見出されている。 |
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; [[クリシュナ (黒)]] | ; [[クリシュナ (黒)]] | ||
: 自身のエゴイズムを司る裏人格。彼の残滓が最終的にアルジュナの人間性を呼び戻すきっかけとなる。 | : 自身のエゴイズムを司る裏人格。彼の残滓が最終的にアルジュナの人間性を呼び戻すきっかけとなる。 | ||
− | : | + | : すなわち「蟻の一穴」であり、またアルジュナの中で輝き続ける「魂の灯火」である。 |
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===生前=== | ===生前=== | ||
203行目: | 172行目: | ||
: 維持神ヴィシュヌの第八化身にして、アルジュナの友人。神性を統合する過程でアルジュナが最初に取り込んだ神性が彼ではないかと推測されている。 | : 維持神ヴィシュヌの第八化身にして、アルジュナの友人。神性を統合する過程でアルジュナが最初に取り込んだ神性が彼ではないかと推測されている。 | ||
: 『マハーバーラタ』ではクリシュナがアシュヴァッターマンに呪いを掛ける場面があり、異聞帯でアシュヴァッターマンに付与されていた呪いもこれが由来。 | : 『マハーバーラタ』ではクリシュナがアシュヴァッターマンに呪いを掛ける場面があり、異聞帯でアシュヴァッターマンに付与されていた呪いもこれが由来。 | ||
+ | |||
+ | ; ビーマ | ||
+ | : アルジュナの兄。怪力無双の英雄で、風神ヴァーユを父に持つ。 | ||
+ | : 『マハーバーラタ』においては宿敵ドゥリーヨダナを打ち倒している。 | ||
; イーラーヴァット、アビマニュ | ; イーラーヴァット、アビマニュ | ||
: アルジュナの息子たち。クルクシェートラ戦争にて戦死した。 | : アルジュナの息子たち。クルクシェートラ戦争にて戦死した。 | ||
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== 名台詞 == | == 名台詞 == | ||
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: エクストラアタック(第三再臨前/第三再臨後)。背後で浮いている廻剣だが、なんと弓にも変形する。そこから放たれる矢は強力無比。 | : エクストラアタック(第三再臨前/第三再臨後)。背後で浮いている廻剣だが、なんと弓にも変形する。そこから放たれる矢は強力無比。 | ||
− | ; 「世界の歯車は壊れた。今こそ粛清の時、今こそ壊劫の時。我が廻剣は悪を断つ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」<br/>「創世滅亡輪廻。善性なるものには生を、悪性たるものには裁きを。廻剣駆動。滅べ!───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」 | + | ; 「世界の歯車は壊れた。今こそ粛清の時、今こそ壊劫の時。我が廻剣は悪を断つ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb> <rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」<br/>「創世滅亡輪廻。善性なるものには生を、悪性たるものには裁きを。廻剣駆動。滅べ!───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」 |
− | : 宝具解放(第三再臨前) | + | : 宝具解放(第三再臨前)。裁定と粛清の時は訪れた。寂滅の剣は廻り、善は生かし悪を滅するための絶対たる滅びがもたらされる。 |
− | ; 「星の灯火は消え、諸人は運命を裁かれる。我は神の力を継ぎ、その役割を果たす。世界は廻り、悪は滅する!『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───還るべき場所に、還るがいい……。」<br/> | + | ; 「星の灯火は消え、諸人は運命を裁かれる。我は神の力を継ぎ、その役割を果たす。世界は廻り、悪は滅する!『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───還るべき場所に、還るがいい……。」<br/> 「滅亡と創生は是、表裏一体。万物は流転し、死は生へと裏返る。されど人の世に邪悪なるもの、不要なり。『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───人よ、生きるべし……。」 |
− | : 宝具解放(第三再臨後) | + | : 宝具解放(第三再臨後)。マスターに敵対する「邪悪なもの」に対して一切の容赦はない。必滅の剣は廻り、人が生きる世界を救うための破壊が此処に振るわれる。 |
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====マイルーム==== | ====マイルーム==== | ||
278行目: | 242行目: | ||
; 「……今の私に……とっては……。この眼下に散見する異物、全て……等しく───<br/> <ruby><rb>不出来にして</rb><rt>・・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>未熟にして</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>無価値らしい</rb><rt>・・・・・・</rt></ruby>。」<br/> 「完全なる世界に……在るべきではないという意味で……それは……邪悪だ。<br/> ……<ruby><rb>不出来</rb><rt>邪悪</rt></ruby>なものを、神は視た。<br/> 次のユガには…………不要、なり…………。」 | ; 「……今の私に……とっては……。この眼下に散見する異物、全て……等しく───<br/> <ruby><rb>不出来にして</rb><rt>・・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>未熟にして</rb><rt>・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>無価値らしい</rb><rt>・・・・・・</rt></ruby>。」<br/> 「完全なる世界に……在るべきではないという意味で……それは……邪悪だ。<br/> ……<ruby><rb>不出来</rb><rt>邪悪</rt></ruby>なものを、神は視た。<br/> 次のユガには…………不要、なり…………。」 | ||
: 外の世界からやってきたラーマやガネーシャ、名乗り出た主人公らを一瞥し、「不出来にして不要」と結論を下す。 | : 外の世界からやってきたラーマやガネーシャ、名乗り出た主人公らを一瞥し、「不出来にして不要」と結論を下す。 | ||
− | : | + | : カルナですらもそれは変わらず、激昂する彼の視線すらも黙殺した。 |
; 「全神性……統合神力……抽出、凝縮、過程……完了。実行制御は……第十の……。<br/> …………。 展開、準備……開始。」 | ; 「全神性……統合神力……抽出、凝縮、過程……完了。実行制御は……第十の……。<br/> …………。 展開、準備……開始。」 | ||
286行目: | 250行目: | ||
; 「神は……視る。<br/> 不出来にして……不要。其は、即ち……邪悪、なり。<br/> 寂滅せよ、邪悪…… 新しきユガに、新しき世に……在る事、能わず。<br/> 私は……振るう。終わりの神の……剣を。<br/> 断たれるは……世界。その刃の、狭間に…… 透徹なる……浄化が、横溢し……<br/> 滅亡と、創世が……輪廻する───<br/> ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』───」 | ; 「神は……視る。<br/> 不出来にして……不要。其は、即ち……邪悪、なり。<br/> 寂滅せよ、邪悪…… 新しきユガに、新しき世に……在る事、能わず。<br/> 私は……振るう。終わりの神の……剣を。<br/> 断たれるは……世界。その刃の、狭間に…… 透徹なる……浄化が、横溢し……<br/> 滅亡と、創世が……輪廻する───<br/> ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』───」 | ||
: 全ての邪悪を断ち、理想の世界を創造せんと、滅ぼしの神は終末の剣を振り下ろした。 | : 全ての邪悪を断ち、理想の世界を創造せんと、滅ぼしの神は終末の剣を振り下ろした。 | ||
− | : | + | : 世界は神の手によって不要なモノ、すなわち邪悪なモノを取り除かれ、再構築される。そこからまた新しきユガが、始まる。 |
− | |||
; 「……否。それすらも……些事。もはや……私は……ただ、ユガを繰り返すのみ。<br/> おまえたちの……運んできた……力により。<br/> 緩慢に進んでいた……ユガの周期は……縮減を……果たした。<br/> 故に、私は……続ける。世界の<ruby><rb>邪悪</rb><rt>不出来</rt></ruby>を、滅罪の洪水にて……断ち続ける……。<br/> 神のみに視ゆる、<ruby><rb>ユガの周期が形作る周期</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>─── 大ユガの終焉は……近い……。」<br/> 「そして訪れるは……真に、善なる……真に、須要なるもの、のみが残る……<br/> 完全にして理想の……世界の創造───」 | ; 「……否。それすらも……些事。もはや……私は……ただ、ユガを繰り返すのみ。<br/> おまえたちの……運んできた……力により。<br/> 緩慢に進んでいた……ユガの周期は……縮減を……果たした。<br/> 故に、私は……続ける。世界の<ruby><rb>邪悪</rb><rt>不出来</rt></ruby>を、滅罪の洪水にて……断ち続ける……。<br/> 神のみに視ゆる、<ruby><rb>ユガの周期が形作る周期</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>─── 大ユガの終焉は……近い……。」<br/> 「そして訪れるは……真に、善なる……真に、須要なるもの、のみが残る……<br/> 完全にして理想の……世界の創造───」 | ||
307行目: | 270行目: | ||
: 言葉を絶するほどの悲惨な光景を見続け、感情すらも失われていき、やがて最後まで彼に残ったものは───「何故」という疑問だけだった。 | : 言葉を絶するほどの悲惨な光景を見続け、感情すらも失われていき、やがて最後まで彼に残ったものは───「何故」という疑問だけだった。 | ||
− | ; 愚かな戦争を、見た。<br/> 疑問だけが、残った。<br/> ……ああ。<ruby><rb>なぜ</rb><rt>・・</rt></ruby>、<ruby><rb>できない</rb><rt>・・・・</rt></ruby>? 本当は、誰も彼もが、わかっているだろうに。<br/> 理由は明白だった。優れていない、正しくない、劣り間違えているものの全て。<br/> それを一語で表すならば───<br/> 元凶は、悪だ。 悪を切り捨てぬからこうなった。<br/> 不出来は悪だ。不要は悪だ。不実は悪だ。不軌は悪だ。不寛容は悪だ。不信は悪だ。不義は悪だ。不忠は悪だ。<br/> 虚勢は悪だ。欺瞞は悪だ。忘却は悪だ。無知は悪だ。頽廃は悪だ。嫉妬は悪だ。愚昧は悪だ。貪欲は悪だ。<br/> 誰もが、それを理解していて。<br/> <ruby><rb>なぜ</rb><rt>・・</rt></ruby>。<ruby><rb>それを切り捨てることが</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>できない</rb><rt>・・・・</rt></ruby>?<br> 願った。他の世界では違うのかもしれないが、この世界での私は、願った。<br/> ───<ruby><rb>そうあれ</rb><rt>・・・・</rt></ruby>と。<br/> しかし、気づいたのだ。あの戦争の後に。<br/> | + | ; 愚かな戦争を、見た。<br/> 疑問だけが、残った。<br/> ……ああ。<ruby><rb>なぜ</rb><rt>・・</rt></ruby>、<ruby><rb>できない</rb><rt>・・・・</rt></ruby>? 本当は、誰も彼もが、わかっているだろうに。<br/> 理由は明白だった。優れていない、正しくない、劣り間違えているものの全て。<br/> それを一語で表すならば───<br/> 元凶は、悪だ。 悪を切り捨てぬからこうなった。<br/> 不出来は悪だ。不要は悪だ。不実は悪だ。不軌は悪だ。不寛容は悪だ。不信は悪だ。不義は悪だ。不忠は悪だ。<br/> 虚勢は悪だ。欺瞞は悪だ。忘却は悪だ。無知は悪だ。頽廃は悪だ。嫉妬は悪だ。愚昧は悪だ。貪欲は悪だ。<br/> 誰もが、それを理解していて。<br/> <ruby><rb>なぜ</rb><rt>・・</rt></ruby>。<ruby><rb>それを切り捨てることが</rb><rt>・・・・・・・・・・・</rt></ruby>、<ruby><rb>できない</rb><rt>・・・・</rt></ruby>?<br> 願った。他の世界では違うのかもしれないが、この世界での私は、願った。<br/> ───<ruby><rb>そうあれ</rb><rt>・・・・</rt></ruby>と。<br/> しかし、気づいたのだ。あの戦争の後に。<br/> 同胞たちの血に塗れた大地が。卑劣が卑劣を呼ぶ愚かな報復の連鎖が。<br/> 好敵手を撃ち殺した手に刻まれた感触が───何よりも雄弁に、語っていた。<br/> 世界は、自然に悪が正されるようにはできていないのだ、と。<br/> ……だから、誰かがやらなくてはならない<br/> ……誰もやろうとしないのであれば<br/> ……それは、自分がやるしかないのでは<br/> ……なぜなら<br/> ……あの地で最も人に血を流させた者は<br/> ……<ruby><rb>邪悪</rb><rt>愚か</rt></ruby>な戦場を最も象徴する者は<br> 即ち、最も<ruby><rb>邪悪</rb><rt>愚か</rt></ruby>であった者は───<br/> 望み求めたのは、正しき世界。<br/> 当たり前の、何の変哲もない。口に出す事も憚られるような。<br/> 赤子と神のみが信じる事を許されるような。<br/> 人が殺し合う事のない、正しき世界。<br/> 邪悪を糾し尽くし、そこへ辿り着くために必要なもの。<br/> そのための力は。幸いにして、すぐ傍にあった─── |
− | : | + | : 愚かな戦争の末路。本当は誰もが気づいていて、誰もやろうとしなかった。あらゆる悪と弱さを切り捨てなかったからこそ、あの戦争は悲惨な結末を迎えたというのに。 |
: だからこそ彼は願い求めたのだ。悪が糾され、純粋に正しく在る世界を。争いのない、穏やかな正しき世界を。誰が見ても正しいと思える、理想の世界を。 | : だからこそ彼は願い求めたのだ。悪が糾され、純粋に正しく在る世界を。争いのない、穏やかな正しき世界を。誰が見ても正しいと思える、理想の世界を。 | ||
: なぜなら、あの戦争で最も邪悪だったと彼が唾棄した存在は。彼が「誰よりも戦果を上げて栄光を勝ち取り、誰よりも手を汚し、誰よりも愚かであった」と憎悪した存在は、すなわち。宿敵に卑怯な矢を向けてしまった、自分自身に他ならなかったのだから。 | : なぜなら、あの戦争で最も邪悪だったと彼が唾棄した存在は。彼が「誰よりも戦果を上げて栄光を勝ち取り、誰よりも手を汚し、誰よりも愚かであった」と憎悪した存在は、すなわち。宿敵に卑怯な矢を向けてしまった、自分自身に他ならなかったのだから。 | ||
: そして───彼は、そうなるための力に手を伸ばし、壮絶な艱難辛苦を飲み込むことを選んだ。 | : そして───彼は、そうなるための力に手を伸ばし、壮絶な艱難辛苦を飲み込むことを選んだ。 | ||
− | ; 「……何故……だ。何故……邪魔を、する……?<br/> おまえも……視た、はず。あの、愚かな、戦争を……。<br/> 世から悪を……滅する。不出来で、不要なものを、排する……。<br/> それが……正義の、刃、である……。<br/> その刃にて、管理される……我が、世界は……絶対的に、正しい……。」 | + | ; 「……カルナ……知っている。おまえは、カルナ、だ……。」<br/> 「……何故……だ。何故……邪魔を、する……?<br/> おまえも……視た、はず。あの、愚かな、戦争を……。<br/> 世から悪を……滅する。不出来で、不要なものを、排する……。<br/> それが……正義の、刃、である……。<br/> その刃にて、管理される……我が、世界は……絶対的に、正しい……。」 |
: 再び己の前に立ち塞がったカルナに対し、同じ地獄を視た者として問い掛けるアルジュナ。自我と記憶がどんなに薄れようとも、カルナのことはやはり覚えていた。 | : 再び己の前に立ち塞がったカルナに対し、同じ地獄を視た者として問い掛けるアルジュナ。自我と記憶がどんなに薄れようとも、カルナのことはやはり覚えていた。 | ||
: 望むのは邪悪なき完璧な世界。彼にとってはそれだけが正義である。創世と滅亡を繰り返しているのも、彼の考える正義を貫くための行為に過ぎない。 | : 望むのは邪悪なき完璧な世界。彼にとってはそれだけが正義である。創世と滅亡を繰り返しているのも、彼の考える正義を貫くための行為に過ぎない。 | ||
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: 動揺を隠すことができず、同時に自身の存在を疑ったこの瞬間、「完璧なる神」としてのアルジュナの存在は大きく揺らぎ始めた。 | : 動揺を隠すことができず、同時に自身の存在を疑ったこの瞬間、「完璧なる神」としてのアルジュナの存在は大きく揺らぎ始めた。 | ||
− | ; 「目……ああ、ああ。目だ。おまえの、その、目だ。<br/> | + | ; 「目……ああ、ああ。目だ。おまえの、その、目だ。<br/> その目で、私を。私を、視るな……カルナ……。<br/> おまえはまた、その目で。私を……私の中の何かを、気付かせようというのか!<br/> それは、罪だ。邪悪だ。私は……おまえを、この手で、断罪する!<br/> <font size=5>カルナァァ───!!</font>」 |
: カルナに「おまえは不出来かもしれぬ自らを見据えたことはあるのか」と問い掛けられて。 | : カルナに「おまえは不出来かもしれぬ自らを見据えたことはあるのか」と問い掛けられて。 | ||
: アルジュナは、カルナの鋭い眼光で醜い己を暴かれる事が恐ろしくて仕方がなかった。カルナがその目で再び己を見定めようとするのであれば、もはや打ち倒すしかない。 | : アルジュナは、カルナの鋭い眼光で醜い己を暴かれる事が恐ろしくて仕方がなかった。カルナがその目で再び己を見定めようとするのであれば、もはや打ち倒すしかない。 | ||
− | : | + | : 完全性は剥がれ落ち、その下から現れた人間性が牙を向く。相対するのは神ではなく、戦士。決して癒えることのない宿命の大決戦がここに、幾千の時を越えて再び実現する。 |
; 「力を見せてみろ!カルナ……ッ!!」<br/> 「カルナァァーーーーーーッッ!!!!」 | ; 「力を見せてみろ!カルナ……ッ!!」<br/> 「カルナァァーーーーーーッッ!!!!」 | ||
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: そこにいたのは無感動な神ではなく、内なる感情を曝け出したただ一人の人間だった。 | : そこにいたのは無感動な神ではなく、内なる感情を曝け出したただ一人の人間だった。 | ||
− | ; 「粛清と壊劫を繰り返したは何の為か……! | + | ; 「粛清と壊劫を繰り返したは何の為か……! この世全ての悪を、踏破するためだ! 完全なる世界を、此処に───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!!!」 |
: 同上。宝具解放(敵専用)。決死の覚悟が垣間見える詠唱。神と成り果て、人間性を失くしてでも彼が必死に目指そうとした理想。 | : 同上。宝具解放(敵専用)。決死の覚悟が垣間見える詠唱。神と成り果て、人間性を失くしてでも彼が必死に目指そうとした理想。 | ||
: そして蘇った「今度こそ勝ちたい」という想い。それら全てを乗せた魂の叫びと共に、剣は廻る───。 | : そして蘇った「今度こそ勝ちたい」という想い。それら全てを乗せた魂の叫びと共に、剣は廻る───。 | ||
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: 勝負は決した。悔しさに歯を食いしばり、そうしてふと自分の中にある破綻に気がつく。 | : 勝負は決した。悔しさに歯を食いしばり、そうしてふと自分の中にある破綻に気がつく。 | ||
: 自分自身が「邪悪」だと信じて疑わなかった「貪欲さ」は自分の中にもあったのに、自分でそれを忘れてしまうほどの必死さで手を伸ばし、理想を追い求め続けていたに過ぎなかった。 | : 自分自身が「邪悪」だと信じて疑わなかった「貪欲さ」は自分の中にもあったのに、自分でそれを忘れてしまうほどの必死さで手を伸ばし、理想を追い求め続けていたに過ぎなかった。 | ||
− | : | + | : そう。最初から、彼は完全な存在ではなかったのだ。それにようやく気がついた時には、もはや全てが終わろうとしていた。 |
− | ; 「……敗因を理解した。私の滅業の刃は私の中には届かない。<br/> | + | ; 「……敗因を理解した。私の滅業の刃は私の中には届かない。<br/> どれだけユガが転輪しようとも、私の中からおまえに抱く執心という邪悪は消え去らない。<br/> その執心こそが、必要以上に私を真に完璧な神へと至らせようとした。<br/> 民を正しき世界へ導く、邪悪より生まれし最後の神の中に───<br/> さらに、消し去れぬ邪悪が、在った。<br/> それらはおそらく、私にとっては。世界よりも先に壊すべきモノだったのだが……<br/> 壊せなかったが故に、こうなった。愚かに、過ぎる……。」<br/> 「は……そうか。矛盾だ。<br/> 私は自らの不完全性に気付かず、完全と信じた。そしてその完全を信じた事すらも不完全の種子だった。<br/> ああ、そもそもが矛盾していた私は、最初から。<br/> 貴様が望む男にすら、なれてはいなかったのか───」 |
: 消滅の間際、宿敵たる英雄に諭されて己が抱えていた矛盾を理解する。 | : 消滅の間際、宿敵たる英雄に諭されて己が抱えていた矛盾を理解する。 | ||
− | : | + | : 最も消すべきでありながら決して消すことのできなかった「執心」は彼を必要以上の高みへと至らせ、そしてその「人間味」を以て孤独なる神の座から失墜させた。 |
− | : | + | : かつて世界に絶望して神となり、しかしその最後で人へと立ち返った英雄「アルジュナ」は、過ちと矛盾、後悔、どうしようもない「何か」を抱えつつも、どこか憑き物が落ちたかのように微笑みながら消えていった。 |
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== メモ == | == メモ == | ||
*[[アルジュナ|オリジナル]]が『Fate/Grand Order』を初出作品とするサーヴァントでは初となる「[[オルタナティブ]]」派生のサーヴァント。 | *[[アルジュナ|オリジナル]]が『Fate/Grand Order』を初出作品とするサーヴァントでは初となる「[[オルタナティブ]]」派生のサーヴァント。 | ||
− | **実装前の真名候補としては親友の「クリシュナ」や世界の終末に現れる「カルキ」、裏人格の「[[クリシュナ (黒)]] | + | **実装前の真名候補としては親友の「クリシュナ」や世界の終末に現れる「カルキ」、裏人格の「[[クリシュナ (黒)]]」といった面々が挙げられており、イラストレーターや声優、ビジュアルといった情報からも「アルジュナの関係者だろう」という予想は多かった。 |
− | * | + | *世界を輪廻させるシステムへと成り果てる寸前の状態まで至っているため、その話し方も機械的かつ無感情さが目立つ。一方で表情差分が大量にあり、実はオリジナルよりも表情豊か。霊基再臨を繰り返すと彼の中に辛うじて残っていた人間性がやがて表出し、オリジナル同様の柔らかな敬語口調に戻る。 |
− | + | **マイルーム、戦闘どちらでも霊基第一・第二段階と第三段階で異なるボイスが収録されている。それぞれを聞き比べると同じ台詞でもニュアンスが異なっていたり、言わんとすることが伝わりやすくなっていたりする。 | |
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**オリジナルの台詞と比較すると同じ敬語口調でも幾分優しい印象を受けるが、これは恐らくマテリアル情報の「アーチャー・アルジュナは『気を張っている』がオルタはそうではない」という素朴性の表れ。本来ならばオリジナルもオルタ同様に穏やかな性格をしていることが分かる。 | **オリジナルの台詞と比較すると同じ敬語口調でも幾分優しい印象を受けるが、これは恐らくマテリアル情報の「アーチャー・アルジュナは『気を張っている』がオルタはそうではない」という素朴性の表れ。本来ならばオリジナルもオルタ同様に穏やかな性格をしていることが分かる。 | ||
− | + | *'''「幸運」を除いたステータスが全てAランク以上'''かつ'''クラススキル・個別スキル・宝具がすべてEXランク'''という、あらゆる意味で規格外なサーヴァント。<br/>人間性をほとんど失っているが故の「狂化EX」だが、これほどの神性と力を得て「人の枠を超えてしまった」代償であればそれも致し方ないと言える。ちなみに「神性」のランクがEXに到達しているのは彼が初めてである。 | |
− | *'''「幸運」を除いたステータスが全てAランク以上'''かつ''' | ||
**アーチャー・アルジュナからして「ステータスの全項目がBランク以上」と相当高いスペックを誇っていたが、そこへさらに上乗せされた結果が上記のトンデモスペックなのだから恐ろしい。<br/>一方でオリジナルとなった人物をもっとも色濃く象徴する「幸運」のみが唯一、A++からCまで大きく下降している点を考慮すると、何とも感慨深いものがある。 | **アーチャー・アルジュナからして「ステータスの全項目がBランク以上」と相当高いスペックを誇っていたが、そこへさらに上乗せされた結果が上記のトンデモスペックなのだから恐ろしい。<br/>一方でオリジナルとなった人物をもっとも色濃く象徴する「幸運」のみが唯一、A++からCまで大きく下降している点を考慮すると、何とも感慨深いものがある。 | ||
*作中で騎乗していた飛行戦車「ヴィマーナ」は『[[Fate/Zero]]』で[[ギルガメッシュ]]が乗っていたものとは似ても似つかない形状をしている。カラーリングも異なっており、あちらは金ピカの英雄王仕様だったがこちらは純白である。 | *作中で騎乗していた飛行戦車「ヴィマーナ」は『[[Fate/Zero]]』で[[ギルガメッシュ]]が乗っていたものとは似ても似つかない形状をしている。カラーリングも異なっており、あちらは金ピカの英雄王仕様だったがこちらは純白である。 | ||
− | + | *メインシナリオの戦闘においては超統合神性という完全性の再現、および一切の邪悪を裁くものとして「弱体無効・攻撃耐性・攻撃バフ」が常時付与されており、いずれも解除不可能という状態で出現する。<br/>初戦は無敵貫通まで引っ提げてきており、こちらからは([[アンリマユ|例外に等しいある手段]]を除いて)ダメージすら一切与えられないという無敵要塞ぶりを発揮するが、実際には一度しか攻撃してこないだけまだ大人しい方である。<br/>問題はそれ以降であり、最終盤に至っては'''アルジュナの攻撃力が高すぎてダメージカットが仕事をしない'''、'''相性有利なはずの[[フォーリナー]]ですらクリティカルで吹き飛ばされる'''といった事が頻発し、'''HPゲージを2本割ると、避けようのない全体宝具が確定で飛んでくる'''などといった仕様も含めて非常に高い難易度設定がなされている。<br/>弱体効果による妨害も一切通用しないため、回避・無敵やターゲット集中を駆使するなど試行錯誤したプレイヤーも多かったことだろう。 | |
− | + | **第2部4章の最後の戦闘ではボイスが全て差し替えられており、ここでしか聴くことの出来ない専用ボイスが多数収録されている。また、エネミー名もそれまでの「神たるアルジュナ」ではなく「アルジュナ」名義になっている。 | |
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− | *メインシナリオの戦闘においては超統合神性という完全性の再現、および一切の邪悪を裁くものとして「弱体無効・攻撃耐性・攻撃バフ」が常時付与されており、いずれも解除不可能という状態で出現する。<br/>初戦は無敵貫通まで引っ提げてきており、こちらからは([[アンリマユ|例外に等しいある手段]]を除いて)ダメージすら一切与えられないという無敵要塞ぶりを発揮するが、実際には一度しか攻撃してこないだけまだ大人しい方である。<br/> | ||
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*[[カルナ]]は彼の正体を「何らかの原因でアルジュナの性質が『反転』した結果、表出した裏人格『“黒”』が主体となり、理想の世界を創るための力を得るために神性を貪欲なまでに獲得し続けた存在」と見ているが、これは「本来のアルジュナは『正義のための非道』は実行できない」と考えているためである。しかしながらアルジュナの幕間「問い掛け続けることにこそ」での出来事で、アルジュナが「あの矢を放ったのは俺だ」と悪性を認めている描写があるほか、バレンタインイベントでも「卑怯な矢」と言及するなど、他ならぬアルジュナ自身が成した事を「悪」だと認識している描写があるため、必ずしもカルナが考えている通りであるとは限らない。このため今のところ「本当に反転していた(=“黒”が主体)」のか、「そうでなかった(=“アルジュナ”が主体)」のかは読み手ごとに解釈が分かれる部分がある。 | *[[カルナ]]は彼の正体を「何らかの原因でアルジュナの性質が『反転』した結果、表出した裏人格『“黒”』が主体となり、理想の世界を創るための力を得るために神性を貪欲なまでに獲得し続けた存在」と見ているが、これは「本来のアルジュナは『正義のための非道』は実行できない」と考えているためである。しかしながらアルジュナの幕間「問い掛け続けることにこそ」での出来事で、アルジュナが「あの矢を放ったのは俺だ」と悪性を認めている描写があるほか、バレンタインイベントでも「卑怯な矢」と言及するなど、他ならぬアルジュナ自身が成した事を「悪」だと認識している描写があるため、必ずしもカルナが考えている通りであるとは限らない。このため今のところ「本当に反転していた(=“黒”が主体)」のか、「そうでなかった(=“アルジュナ”が主体)」のかは読み手ごとに解釈が分かれる部分がある。 | ||
− | **ただいずれにせよ、この「アルジュナ」という青年は『Grand | + | **ただいずれにせよ、この「アルジュナ」という青年は『Grand Order』第1部5章で[[ナイチンゲール]]が指摘していた通り「他者が思うほど誠実でもないが、自分が思うほど邪悪でもない」人物であることは言うまでもない。カルナのマイルーム会話では「元々潔癖性の男だったがそれをさらに磨き上げた結果か」と評されている。 |
**“黒”についても、オリジナル側のマテリアルでは「心に抱え込んでいるもう一つの人格(誰かを憎み、嘲り、奸計を謀る邪悪)」とされているが、オルタ側のマテリアルでは「アルジュナのエゴイズム(誰かに勝ちたい、優れた者でありたい、何かを憎み、怒りたいという程度のもの)を司る人格」すなわち「人間性を司る灯火」となっており、違う視点からの解釈に基づくものとなっている。アルジュナの思考回路がどのようなものかをよく表している部分とも言える。 | **“黒”についても、オリジナル側のマテリアルでは「心に抱え込んでいるもう一つの人格(誰かを憎み、嘲り、奸計を謀る邪悪)」とされているが、オルタ側のマテリアルでは「アルジュナのエゴイズム(誰かに勝ちたい、優れた者でありたい、何かを憎み、怒りたいという程度のもの)を司る人格」すなわち「人間性を司る灯火」となっており、違う視点からの解釈に基づくものとなっている。アルジュナの思考回路がどのようなものかをよく表している部分とも言える。 | ||
*イラストを担当したpako氏は「(第2部の)4章はあんな幸せそうなアルジュナを俺は初めて見たのでもう十分燃え尽きました。尽きてねぇ」とコメントしている<ref group = "出">[https://twitter.com/pakosun/status/1142406470765465600 pakoTwitter2019年6月22日21:18]</ref>。 | *イラストを担当したpako氏は「(第2部の)4章はあんな幸せそうなアルジュナを俺は初めて見たのでもう十分燃え尽きました。尽きてねぇ」とコメントしている<ref group = "出">[https://twitter.com/pakosun/status/1142406470765465600 pakoTwitter2019年6月22日21:18]</ref>。 | ||
− | ** | + | **また、pako氏は初日に宝具レベルマックスを達成している<ref group = "出">[https://twitter.com/pakosun/status/1142369766255972352 pakoTwitter2019年6月22日18:52]</ref>。 |
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*島崎信長氏は実装初日に宝具レベルMAXを達成し<ref group = "出">[https://twitter.com/nobunaga_s/status/1142363309686939648 島崎信長Twitter2019年6月22日18:26]</ref>、四日後には聖杯転臨も行い100レベルまで育て切っている<ref group = "出">[https://twitter.com/nobunaga_s/status/1143545696110272512 島崎信長Twitter2019年6月26日0:45]</ref>。 | *島崎信長氏は実装初日に宝具レベルMAXを達成し<ref group = "出">[https://twitter.com/nobunaga_s/status/1142363309686939648 島崎信長Twitter2019年6月22日18:26]</ref>、四日後には聖杯転臨も行い100レベルまで育て切っている<ref group = "出">[https://twitter.com/nobunaga_s/status/1143545696110272512 島崎信長Twitter2019年6月26日0:45]</ref>。 | ||
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== 脚注 == | == 脚注 == | ||
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* [[登場人物]] | * [[登場人物]] | ||
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