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ジル・ド・レェ。15世紀フランスの貴族にして軍人。かの童話『青髭』のモデルとなった人物。誰よりも神を求めた「聖なる怪物」。
 
ジル・ド・レェ。15世紀フランスの貴族にして軍人。かの童話『青髭』のモデルとなった人物。誰よりも神を求めた「聖なる怪物」。
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百年戦争において聖女ジャンヌ・ダルクと共にオルレアンを奪回、「英雄」として讃えられる。深い信仰心の持ち主であり、清廉かつ豪胆な性格、芸術を愛した男。<br/>彼は軍人として最高の栄誉である元帥の称号を与えられたが、戦後では自らの領地にて近隣の少年を次々と拉致しては凌辱・惨殺するという所行を繰り返し、殺人鬼として処刑されてしまう。
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百年戦争において聖女ジャンヌ・ダルクと共にオルレアンを奪回、「英雄」として讃えられる。深い信仰心の持ち主であり、芸術を愛した男。<br/>彼は軍人として最高の栄誉である元帥の称号を与えられたが、戦後では自らの領地にて近隣の少年を次々と拉致しては凌辱・惨殺するという所行を繰り返し、殺人鬼として処刑されてしまう。
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なぜ彼が魔道に堕ちたのか――それは、聖女ジャンヌ・ダルクの存在にあった。<br >彼女はジル・ド・レェにとって全てと言ってもよく、この腐敗した現実にあって唯一無二の救いであり、同時にジルにとっては神が実在する証だった。
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なぜ彼が魔道に堕ちたのか――それは、聖女ジャンヌ・ダルクの存在にあった。<br >彼女はジル・ド・レェにとって全てと言ってもよく、この腐敗した現実にあって唯一無二の救いであり、同時にジルにとっては神の実在を証明していた。
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――だが、現実は彼の運命を狂わせるほど苦かった。そのジャンヌが異端として処刑されたことで深い絶望を味わい、神を見失う。<br >それから彼は闇に堕ち、残虐行為を重ねたが、それは悪徳を罰する筈の神はしない事を証明する手段でもあった。
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――だが、現実は彼の運命を狂わせるほど苦かった。そのジャンヌ・ダルクが異端として処刑されたことで深い絶望を味わい、神を見失う。<br >それから彼は闇に堕ち、残虐行為を重ねたが、それは悪徳を罰する筈の神の不在を証明する手段でもあった。
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最初は彼の友人であり、パトロンであったフランソワ・プレラーディとともに、財政難を賄うための金策として錬金術に手を出したが、いつしか当初の目的を見失い悪魔の召喚に傾倒するようになる。<br >そして、彼は処刑される事となるが、それは金策のために領土を敵国に売り渡す可能性を危惧され、領地を没収する口実としてその残虐行為と涜神への糾弾を断罪されたモノだった。
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最初は彼の友人であり、導師であったフランソワ・プレラーディとともに、財政難を賄うための金策として錬金術に手を出したジルだが、いつしか当初の目的を見失い悪魔の召喚に傾倒するようになる。<br >そして、彼は処刑される事となるが、それは、金策のために領土を敵国に売り渡す可能性を危惧され、領地を没収する口実としてその残虐行為と涜神への糾弾を断罪されたモノだった。
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神への信仰心が深すぎたが故に、神を呪い貶めることに取り憑かれたジルは、こうして神に裁かれることなく破滅した。
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神を讃えすぎたが故に神を疑わざるをえず、神を呪い貶めることに執心した男は、ついに神に裁かれることなく破滅した。
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――過去は決して変わらない。如何に優れた武人で国を救った英雄であっても、殺人鬼としての所業を覆すことはできない。<br>
 
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それでも彼は永遠に償いを求め続けなければならないのだ。
 
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――過去は決して変わらない。
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如何に優れた武人であろうとも、<br >如何に国を救った英雄であろうとも、<br >如何に聖女の死で絶望しようとも、
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彼が殺人鬼であることに変わりない。しかし、それでも彼は永遠に償いを求め続けなければならないのだ。
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なお、「[[Fate/Zero|第四次聖杯戦争]]」を始めとするほとんどの聖杯戦争においてジルはセイバーではなく、キャスターで召喚されることが多い。これは『青髭』としての悪名の方が世界に知れ渡っている為。
      
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