: ベディヴィエールは他の騎士たちと違い最後までアーサー王を信じていた。宮廷では孤立し、騎士たちからは疎まれ、民からは恐れられてもなお、私情を見せずに常に理想であり続けた王の事を誇りにさえ思っていた。近衛にまで上り詰めたのも、常に公平無私であろうとして誰にも本当の顔を見せない王の人間としての笑顔が見たかったためでもあった。だが他のどの騎士より身近に控えアーサー王の顔を見続けても、彼の王が笑う事などただの一度も無かった。祖国の統一を成し遂げ、栄光の中にいるはずの王が一度も安らかな顔を見せなかった事に怒りを覚え、いつか王の顔に光が与えられることを願い続けていた。 | : ベディヴィエールは他の騎士たちと違い最後までアーサー王を信じていた。宮廷では孤立し、騎士たちからは疎まれ、民からは恐れられてもなお、私情を見せずに常に理想であり続けた王の事を誇りにさえ思っていた。近衛にまで上り詰めたのも、常に公平無私であろうとして誰にも本当の顔を見せない王の人間としての笑顔が見たかったためでもあった。だが他のどの騎士より身近に控えアーサー王の顔を見続けても、彼の王が笑う事などただの一度も無かった。祖国の統一を成し遂げ、栄光の中にいるはずの王が一度も安らかな顔を見せなかった事に怒りを覚え、いつか王の顔に光が与えられることを願い続けていた。 |