差分

273行目: 273行目:  
:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
 
:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
   −
;「いや、だから、みんな幸せになるんだぞ。最後におかしな機械が出てきてな。"<ruby><rb>色々あったが、神が出てきて解決した<rb><rt>デウス・エクス・マキナ</rt></ruby>"と」<br>「うん? うむ、確かに納得はいかない。だが演劇の脚本であるなら、これぐらいの夢は欲しい。<br> "色々あったが、解決した。" ……ああ、余はいい言葉だと思うぞ。<br> 人間の親愛や愛憎は、決して消え去らぬ。それを、機械仕掛けであれ、神が解決してくれるのだ。<br> 余はそこに、創作者の嘆きを見る。<br> 逆説的に言えば、絡まった愛憎の糸は人間では解決できないのだと、多くの創作者は分かっていたのだ。<br> だから、これは最後の希望なのだと思う。<br> 滅びに傾いたものたちが、絶望の中で、それでもどこかに解決できる者がいる筈だと請い願う。<br> ……そうだな、たとえばの話。あらゆる宗教を弾圧した王がいたとしたら、そやつは喜ぶであろうよ。<br> 祈る神のいないそやつにとって、この機械仕掛けの神こそが、己が憐れな最期を看取ってくれるのだろうからな」
+
;「いや、だから、みんな幸せになるんだぞ。最後におかしな機械が出てきてな。"<ruby><rb>色々あったが、神が出てきて解決した</rb><rt>デウス・エクス・マキナ</rt></ruby>"と」<br>「うん? うむ、確かに納得はいかない。だが演劇の脚本であるなら、これぐらいの夢は欲しい。<br> "色々あったが、解決した。" ……ああ、余はいい言葉だと思うぞ。<br> 人間の親愛や愛憎は、決して消え去らぬ。それを、機械仕掛けであれ、神が解決してくれるのだ。<br> 余はそこに、創作者の嘆きを見る。<br> 逆説的に言えば、絡まった愛憎の糸は人間では解決できないのだと、多くの創作者は分かっていたのだ。<br> だから、これは最後の希望なのだと思う。<br> 滅びに傾いたものたちが、絶望の中で、それでもどこかに解決できる者がいる筈だと請い願う。<br> ……そうだな、たとえばの話。あらゆる宗教を弾圧した王がいたとしたら、そやつは喜ぶであろうよ。<br> 祈る神のいないそやつにとって、この機械仕掛けの神こそが、己が憐れな最期を看取ってくれるのだろうからな」
 
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
 
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
   306行目: 306行目:  
:パッションリップとの最後の対峙。かつての自分と被る彼女と戦うのは、戦力差よりも心情的な問題の方が遥かに深刻だったらしい。だが過ちを知るものとして彼女の愛を糾すため、静かに対決を決意する。
 
:パッションリップとの最後の対峙。かつての自分と被る彼女と戦うのは、戦力差よりも心情的な問題の方が遥かに深刻だったらしい。だが過ちを知るものとして彼女の愛を糾すため、静かに対決を決意する。
   −
;「愛憎裏返ったか。その一途さを笑いはせぬ。余の愛も、貴様に似た愛のカタチだ。」<br>「だが―――貴様の愛は己だけのもの。愛とは共に育み、変化していくものを言う。」<br>「ただ相手を想うだけの愛、想ってほしいと乞うだけの愛は、伴侶の人生を食い尽くす。」<br>「それを余が教えよう。来るがいい、<ruby><rb>我が分身</rb><rt>アルターエゴ<rt></ruby>。その苦しみに引導を渡してやる!」
+
;「愛憎裏返ったか。その一途さを笑いはせぬ。余の愛も、貴様に似た愛のカタチだ。」<br>「だが―――貴様の愛は己だけのもの。愛とは共に育み、変化していくものを言う。」<br>「ただ相手を想うだけの愛、想ってほしいと乞うだけの愛は、伴侶の人生を食い尽くす。」<br>「それを余が教えよう。来るがいい、<ruby><rb>我が分身</rb><rt>アルターエゴ</rt></ruby>。その苦しみに引導を渡してやる!」
 
:決して届かない愛に狂い、ついに想い人に刃を向けるパッションリップを前に、セイバーは静かに剣を構える。
 
:決して届かない愛に狂い、ついに想い人に刃を向けるパッションリップを前に、セイバーは静かに剣を構える。
 
:愛が届かない苦しみや、それに耐えられないと嘆くパッションリップを『我が分身』と呼び、同情するも、自身の大切な奏者を殺させるわけにはいかない。
 
:愛が届かない苦しみや、それに耐えられないと嘆くパッションリップを『我が分身』と呼び、同情するも、自身の大切な奏者を殺させるわけにはいかない。
360

回編集