;ヤツは強い。あまりにも強い。まさしくあの英雄こそ天上天下に最強最後の敵だ。<br>なればこそ、なぜ征服王が挑まずにおれようか。アレを乗り越えたその先こそが世界の果てだ。<br>『<ruby><rb>彼方にこそ栄えあり</rb><rt>ト・フィロティモ</rt></ruby>』―――届かぬからこそ挑むのだ! 覇道を謳い! 覇道を示す! この背中を見守る臣下のために!<br>最果てになど至りようもないと、そんな弱気に駆られたこともあった。愚かな、征服王がなんたる失態か!<br> 求めた果てが今 世の行く末に屹立している! ならば超える! あの敵の上を踏み渡り、<ruby><rb>最果て</rb><rt>オケアノス</rt></ruby>へと至る!<br>何を喋っている? 聞こえない。風の音も、何もかも。だが耳に響くこの音は――?<br>なぜ今になるまで気付かなかったのか。この胸の高鳴りこそが最果ての海の潮騒だ! <br>夢に見た波打ち際、波飛沫の感触、そう――夜は今海を夢見ている。<br>例えこの身が砕け、どれほど血に塗れようとも! この瞬間! この時に勝る至福があろうものか! | ;ヤツは強い。あまりにも強い。まさしくあの英雄こそ天上天下に最強最後の敵だ。<br>なればこそ、なぜ征服王が挑まずにおれようか。アレを乗り越えたその先こそが世界の果てだ。<br>『<ruby><rb>彼方にこそ栄えあり</rb><rt>ト・フィロティモ</rt></ruby>』―――届かぬからこそ挑むのだ! 覇道を謳い! 覇道を示す! この背中を見守る臣下のために!<br>最果てになど至りようもないと、そんな弱気に駆られたこともあった。愚かな、征服王がなんたる失態か!<br> 求めた果てが今 世の行く末に屹立している! ならば超える! あの敵の上を踏み渡り、<ruby><rb>最果て</rb><rt>オケアノス</rt></ruby>へと至る!<br>何を喋っている? 聞こえない。風の音も、何もかも。だが耳に響くこの音は――?<br>なぜ今になるまで気付かなかったのか。この胸の高鳴りこそが最果ての海の潮騒だ! <br>夢に見た波打ち際、波飛沫の感触、そう――夜は今海を夢見ている。<br>例えこの身が砕け、どれほど血に塗れようとも! この瞬間! この時に勝る至福があろうものか! |