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== 真名:ギルガメッシュ ==
 
== 真名:ギルガメッシュ ==
:ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた人類最古の王にして、伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメッシュ叙事詩』に記されたかつて世界の全てを手中に収めた半神半人の英雄。
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:ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた人類最古の王にして、伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメシュ叙事詩』に記されたかつて世界の全てを手中に収めた半神半人の英雄。
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:彼の所有する蔵には有りと凡ゆる武具や神具蓄財され、それらは後世の英雄達の宝具の原典となっているとも言われている。
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;英雄王
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:ギルガメッシュの異名。英雄の王ではなく、「英雄たちの王」という意味で用いられる。
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:世界各国の神話と英雄は、ギルガメッシュ伝承を模倣し派生したもの。あらゆる神話や英雄のモデルにされてきたと言っても過言ではない。
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:ギルガメッシュは英雄たちが持つ宝具の原型――各神話ごとにアレンジされるよりも前の、大本の宝具を所持していることになる。逆説として、原典であるギルガメッシュが所持していなければ、発展系である後代の英雄たちの元にその宝は伝わらないからからである。
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:ギルガメッシュが集めた財宝を収めた蔵には、英雄たちの命を助けた聖剣も、英雄たちの命を奪った魔剣も貯蔵されている。それだけでなく、英雄の弱点となりうる“伝説”さえも所持しているという。
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:英霊にして、対英霊戦における絶対強者。“全ての英雄たちの王”の名をいただくのは、天地においてギルガメッシュただ一人。
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:彼が英雄王――「英雄たちの王」と呼ばれる由縁はここにある。故に、「人類最古の英雄王」という肩書きの意味を、言葉の通り汲み取ってはならない。
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:先々代の王、ルガルバンダと女神ルマトの間に、人として最上級の肉体と真理に至る知恵を与えられ誕生した。元々は古代メソポタミアの神々が圧倒的な人の数による世界の変革を恐れ、神と人間両方の視点を持つ新しい次代の王にして、神と人間の決壊を防ぐための「楔」として生み出した存在。しかし、彼は神の思惑に従わず王としての己を定め己が感じたまま己を生きた。神にとっては自分たちの代弁者であり人間をいさめるために設計したが、逆に神々の旧時代を終わらせる結果となった。
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=== 過去 ===
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先々代の王ルガルバンダと古代の女神リマトとの間に生を受ける。 
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青年になったギルガメッシュの横暴さは増していき、“本来の使命”を果たしていないと見なされ、それを戒めるために一つの生命が地上に送り込まれた。その名はエルキドゥ。ギルガメッシュと同じ、神の血を与えられた神造の人である。
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両者激闘の末、どちらともなく倒れ込み相手の武勇を認め、無二の友人となった。対等の者がいなかったギルガメッシュにとって、初めて“友”と呼べる存在ができた瞬間である。
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:幼年期は理想の統治者として人々を心酔させたが、万能のおごりからか成長すると共に民を省みなくなり、 ウルクを絶対的な力で支配した。これにはウルクの民だけでなく、彼を遣わせた神々でさえも困り果てギルガメッシュを戒めるモノが必要と判断し、ひとつの生命を地上に送り込んだ。その名はエルキドゥ。両者は激しい戦いの後、相手の武勇を褒め称え、無二の友人となった。対等の存在がいなかったギルガメッシュにとって、はじめて“友”と呼べるものが出来たのである。
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以後、ギルガメッシュの王政は軟化を見せ、ウルクを守るために神獣フンババの退治に成功。この頃のギルガメッシュは眩しく強大で、神々でさえ目を逸らせない存在だった。
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やがてそんなギルガメッシュに、豊穣の女神イシュタルが恋をする。彼女から求婚されるも、イシュタルの残忍性を知っていたためにギルガメッシュはこれをあっさりと跳ね除ける。
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イシュタルはギルガメッシュに侮辱されたと激怒し、父であるアヌ神に泣きついた。報復として、嵐をまとう超高層の災害であり、地上に現れた時7年間の飢饉と破壊(ウルクの滅亡)を招くとされる最強の神獣“天の牡牛”を地上に放ってしまう。エルキドゥと協力して立ち向かい天の牡牛を撃退するも、イシュタルの怒りは当然収まらず、人の身で神の獣を殺した事を罪として彼女は両名どちらかの死を神々に求めた。
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結果、イシュタルの願いは聞き届けられ、両名のうち一人、神に作られたエルキドゥはその命に逆らう事が出来ずゆっくりと衰弱死した。
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:以後、ギルガメッシュはその独尊ぶりは変わらずとも、エルキドゥに諫められ圧政を軟化させた。理解者を得たギルガメッシュは森の番人、神の獣フンババを下し、 地上で最も優れた王としてあらゆる財を手中に収める。この頃のギルガメッシュは眩しく強大で、神々でさえ目を逸らせない存在だった。やがてそんなギルガメッシュに豊穣の女神イシュタルが恋をする。彼女から求婚されるも、イシュタルがどれほど移り気かつ残忍で、多くの男を破滅に追い込んだ魔女かを知っていたためギルガメッシュはこれをあっさりと跳ね除ける。イシュタルはギルガメッシュに侮辱されたと激怒し、報復として父であるアヌ神に泣きつき、嵐をまとう超高層の災害であり、地上に現れた時7年間の飢饉と破壊が訪れるとされる最強の神獣“天の牡牛”を地上に放ってしまう。エルキドゥと協力して立ち向かい、見事天の牡牛を撃退するも、イシュタルの怒りは当然収まらず、人の身で神の獣を殺した事を罪として彼女は両名どちらかの死を神々に求めた。 結果、イシュタルの願いは聞き届けられ、両名のうち一人、神に作られたエルキドゥはその命に逆らう事が出来ずゆっくりと衰弱死した。
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唯一の理解者であり、友人のエルキドゥ。彼の死が、ギルガメッシュにどれほどの影を落としたのかは後の彼の生涯が語っている。
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:エルキドゥを失ったことで自分に勝るとも劣らない力を持つ存在ですら死から免れないという事実に衝撃を受け、“死”の不安に苛まれたギルガメッシュは、不老不死を求めて冥界へと旅立つ。 長い旅路、数多の苦難の末、冥界に辿り着き、かつて地上を襲った大津波から逃れ生き続けるナピュシテムという老人と出会う。しかし、不老不死の秘密を聞き出すもその代償を知り、不老不死を諦めウルクに戻ろうとする。その時ナピュシテムから不老不死の霊草の存在を教えられ、宝として蔵に収めるため深遠に立ち寄り霊草を回収する。その帰路の途中、泉に立ち寄り水浴びをしていた最中に腹をすかせた蛇に霊草を食べられてしまう。それでも、最終的に永劫不滅の身では生の悦びを味わえない、そして死を恐れる必要はないと悟った。この時ギルガメッシュの精神は成熟に達した。
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;天の楔
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:神と人とを分かつまいと作られた『'''天の楔'''』。ギルガメッシュに与えられた本来の使命であり、神々に望まれた彼の在り方。
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:霊長類の時代の始まり、人が人として思うままに振る舞い始めた狂乱期の幕開けの時代に、王としてデザインされた一つの生命。これまでの支配者だった神の血と、これからの支配者である人の血。二つの特性を現す、全く違う生き物。
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:かくしてウルクに戻ったが、王が不老不死の探求にかまけ、放浪した事に呆れた民たちはすでに他の都市に移り住み、唯一残ったシドゥリも「一言文句を言わないと気がすまなかった」と快く思わなかった。新たな目的を探していたギルガメッシュは城塞都市を考案し、廃墟同然となってしまったウルクを立て直す事に成功した。
+
:古代メソポタミアの神々(自然現象に発生する意志と人格=古代の神)は、人が持つ圧倒的な世界の変革力による「古代の神が不要になる未来」が訪れることを恐れ、人間側でありながら神の陣営に属する新しい統治者を欲しがった。神々が言うに、ソレは「楔」。天と地を繋ぎ止めるものとして、神と人の決壊を防ぐべく打ち込まれた防衛措置。
 +
:まっとうな生の営みによって生まれたわけではなく、初めから神の代弁者として君臨し、人間をいさめるために設計されたモノ。神造の発明品。それがギルガメッシュである。
   −
:その後のギルガメッシュは苛烈さこそあるものの穏やかに国を治め、次の王に都市を委ねて永眠した。
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:『'''星の抑止力'''』によって生み出されたその本質は、人類の歴史の観測者にして裁定者という、いわばムーンセルと同種の存在であるという。
   −
=== 関連 ===
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:人と神、どちらの視点も持つが、最終的には神側に落ち着く超越者を作ったこと。自然崇拝から人が離れていくことを恐れた神々がとった対策は正しかった。
; 史実・伝承との違い
+
:最大の誤算は、作られた彼が、神の思惑通りに動かなかったことである。
: 原初の英雄ギルガメッシュ。世界最古の神話「ギルガメシュ叙事詩」の主人公であり、古代メソポタミア初期シュメール朝の都市国家ウルクに実在したとされる王。
+
:ギルガメッシュは王として己を定め、己が良しとする王道を見極めた。ウルクを治めたのも神の意に沿ったわけではなく、「ウルクがよいものだったから」。
:史実におけるギルガメッシュはウルク第1王朝第5番目の王とされ、メソポタミア南方地域を征服し、シュメール都市国家群を堅固なものとしたという。
+
:そんな彼が自身に定めた王道とは、「己に相応しい宝を獲得し、守護する」こと。「人間の守護者として、星の文明(みらい)を築く」こと。ギルガメッシュの根底はそこにあり、その仕事が済んだあとで対等に渡り合った者の死を目の当たりにする。
: 『Fate』では「ギルガメシュ叙事詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、独自の解釈やアレンジが加えられている箇所が多々ある。
     −
; ウルクの滅亡
+
;不老不死の旅
:「ギルガメシュ叙事詩」では若い頃は暴君だったが、エルキドゥと出会ってからは改心し、名君として国を治めたと語られている。史実でも「ウルクの城壁を築きし者(=ウルクを城郭都市として拡張させた)」と語られ、ウルクを発展させた重要人物とされている。
+
:友エルキドゥを奪った死を嫌い、怖れ、己の生に恐怖したギルガメッシュは、それまで生きてきたのと同じ年月をかけ冥界を目指し旅立つ。不死を得た賢者ナピシュティムに会うために。不滅の身を求めたのは何のため、誰のための行動であるかは分からなかった(真実は彼の王道にある)。
: 『Fate』では『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュはやりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており辻褄が合わなくなっている。
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:長らく荒野をさまよい冥界へと辿り着くと、かつて地上を襲った大津波から逃れ生き続けるナピュシテムという賢者(老人)に出会う。ところが、その賢人は神の序列に加わっただけで不死に秘密などは無かったのだということを知り、更に賢人が半ば植物と化ししてる事実を目にしたことで、冥界を後にした。
: これについては『Grand Order』において、王の不在に呆れた民がほかの都市に移り住んだことがウルクの衰退に繋がり、帰還したギルガメッシュがウルクを城塞都市として発展させたという形でクリアしている。
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:そのとき何の気なしか、ナピュシテムから「神に乞わずとも、深淵にある不老不死の霊草があれば不死になれる」と教えられ、宝として蔵に収めるため深淵に立ち寄り霊草を回収する。その帰路の途中、泉に立ち寄り水浴びをしていた最中に腹をすかせた蛇に霊草を食べられてしまう。
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:そのとき、ギルガメッシュに起こったのは“笑い”だった。
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:本人としても心の何処かで期待していた、不老不死を手に入れたことで友の雪辱を晴らすことや民の賞賛などの我欲を捨て去れた瞬間であり、ギルガメッシュが人として生まれた瞬間でもある。
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:元より未来を見通す眼(まなこ)がある自分に不滅の身など必要ないと悟り、未来永劫不屈の身で生の喜びを謳歌できるはずもないと、すがすがしい気持ちでウルクへ戻った。
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:その後、ギルガメッシュは苛烈さこそあるものの穏やかに国を治め、城壁と宝物庫を完成させると、次の王に都市を委ねて永眠した。
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;別視点で語られる過去
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:人と星を守護しその行く末を見届ける。ならば神を憎み人間を嫌う。幼年期は神を認め敬い人を愛して守り、成人後は神を憎んで廃し人を憎み好んだ。
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:この王道を定めたギルガメッシュ(彼)の半生を、「ワタシ(エルキドゥ)」から見たもの。
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:――ワタシと同じ、神に作られた人形に天罰を――。
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:エルキドゥは、ギルガメッシュがまだ幼年期にいる早い段階で作られたとされており、母親であるアルル女神から「楔を神の元へ戻すように」という使命を授かっていた。
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:神から見たらおごりきっていたが、幼年期の彼は理想の少年王であった。
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:ところが少年から青年へと成長した彼は、その数年の間に豹変し、独裁と圧政を行うようになっていた。
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:その理由は、「ありあまる力がありあまる孤独を生んだ」から。
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:人でも神でもない、超越者として作られた彼が持つ視点はあまりにも広く遠く、生命として孤立し、神々でさえ、彼が見据えるものを理解できていなかった。
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:それでも彼は、自らが自らに課した使命から逃げださず、王であることを捨てなかった。
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:そして二人は対峙する。万象自在に変化するエルキドゥに、ギルガメッシュは持ち得る全ての力を振り絞り、やがて追い詰められ、彼は初めて秘蔵していた財宝を取り出す。最後には楽しみながら惜しみなく、財を投入した。
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:戦いはどちらの勝利ともつかず、ギルガメッシュの晴れ晴れしい声の語りで結ばれる。
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:ギルガメッシュが孤立を選り好んだ理由。それは、彼が自身に定めた王道が、一人で進まなければならない道だったからである。
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:ギルガメッシュにとっての守護とは「見据えること」。人間が築く結果が生む“輝かしい過程”に、人間以上である彼が関わってはならず、王が手にできるのは結果のみである。その様を、エルキドゥは「裁定者にして収穫者」と例えた。
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:エルキドゥから見たギルガメッシュは、神の子として作られていながらその神々に逆らい続けた英雄であり、初めから魂と自由意志を持つ“本当の生命”で“真に価値のある星”だった。エルキドゥはギルガメッシュに憧れ、憎んだのである。
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:そんな彼と違い、自身を道具であると卑下するエルキドゥに、彼は“友”という唯一の価値を与えた。未来永劫、彼自身が孤独であることを代償にして。
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;王の帰還
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:不老不死の旅を終えかくしてウルクに戻ったが、長旅にかまけ放浪した王に民たち呆れて他の都市に移り住んでおり、唯一残ったシドゥリも「一言文句を言わないと気がすまなかった」と恨み節を展開。新たな目的を探していたギルガメッシュは城塞都市を考案し、廃墟同然となってしまったウルクを立て直す事に成功した。
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:この“帰国後のギルガメッシュ”は『Grand Order』にて初めて描かれたが、特異点になったウルクを治めながら魔術師としての姿を取っており、他の世界線での彼も同じ状態であるかは定かではない。統治具合や迎えた最期についても、『Grand Order』特有のものである可能性がある。
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=== 史実・伝承との違い ===
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:『Fate』では「ギルガメシュ叙事詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、所々で『Fate』オリジナルの潤色が行われている。
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;天の楔
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:「ギルガメシュ叙事詩」内で語られるギルガメシュは、ギルガメッシュ同様に「三分の二は神、三分の一は人間」の「神により創られた」半神半人とされているも、天の楔という出自事情は伝承には見られない解釈である。史実における“ギルガメシュ王が創られた理由”は語られておらず、幼年期の様子についても全く触れられていない。当然ながら、星の抑止力などの関連キーワードについても『Fate』独自の設定と言える。
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:似たような言葉で「天の鎖」というものがあるが、こちらは一般的にはエルキドゥを指し、同時にギルガメッシュの幼年期(肉体ではなく、精神の未成熟期=不老不死の旅を終えるまでの期間)も意味する。
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;エルキドゥの死
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:『CCC』いわく、エルキドゥかギルガメッシュ、どちらかの死を望んだのはイシュタルだが、伝承では異なりエンリル神が「神々が起こす会議の場」でエルキドゥの死を提案し、執行した。この会議において、イシュタルは一言も発言していない。
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;ウルクの滅亡
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:伝承によるギルガメシュ王は若い頃の暴君性を友との日々で改心して英雄となり、良き王としてこの世を去ったと語られているが、『Fate』では『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュは「やりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君」とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。
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:また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており矛盾が発生していた。
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:これについては『Grand Order』において、王の不在に呆れた民がほかの都市に移り住んだことがウルクの衰退(実質的な滅亡)に繋がったが、帰還したギルガメッシュがウルクを城塞都市として復興させたという形でクリアしている。
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; 不老不死と蛇
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:「ギルガメシュ叙事詩」によればギルガメッシュは、手に入れた不死になる薬を蛇に盗まれてしまったとされているが、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている(盗まれたのをくれてやったと表現した)。また、聖杯に不老不死を願うようなこともなかった。
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:蛇に霊薬を奪われたまま帰国した伝承と違い、ギルガメッシュが若返りの薬を持っている矛盾については『CCC』で本人から解説されたように、こっそり冥界に赴き盗まれた薬を取り戻したという余談によって辻褄合わせが行われた。
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: 蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこのためである。
    
;「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
 
;「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
: 先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であり、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない。そもそも伝承では武器を使う場面自体が少ない(武器は黄金の剣と大斧、あと己の拳)。
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: 先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であるが、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない(作中で確認できる武器は黄金の剣と大斧、己の拳)。
 
: なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
 
: なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
: ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙事詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指していると思われる。
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: ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙事詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指しているものとすれば、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様に地域一帯を意味していると思われる。
: また、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様の意味と思われる。
      
;「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
 
;「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
340行目: 408行目:  
: 後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものが『Fate』における乖離剣エアの実態であると推測される。
 
: 後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものが『Fate』における乖離剣エアの実態であると推測される。
 
:「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙事詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。
 
:「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙事詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。
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; 英雄王
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: ギルガメッシュの異名で英雄の王ではなく、「英雄たちの王」を意味する。その蔵には後の英雄たちを助けた宝剣の原典があり、英雄たちの命を奪った魔剣の原典も貯蔵されている。英霊にして、対英霊戦における絶対強者であることが、全ての英雄たちの王と呼ばれる由縁である。
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; 不老不死と蛇
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:「ギルガメシュ叙事詩」では、ギルガメッシュは不老不死の秘薬を求めて冒険に旅立ち、その果てに秘薬の原料である「若返りの薬草」を手に入れるが、蛇に盗まれ飲まれてしまったと言われている。
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: しかし、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている。また、聖杯に不老不死を願うようなことも無い。その割りに苦手なものに蛇を挙げている。
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:『CCC』で彼本人から解説され、当時まだ未熟だった彼は死を恐れて不老不死を求め、ウトナピュシテムに秘密を聞き出すも半ば植物のような存在に成り果てなくてはならない代償を知り、諦めたという。しかし、珍品だった為に「王の財宝」に加えるには相応しいと思い手に入れるも、水浴びをしている最中にうっかりして蛇に食べられたとの事。しかし、本人としても心の何処かで期待していた不老不死を手に入れた事に対する友の雪辱や民の賞賛などの我欲を捨て去る事が出来、自身に不老不死など必要ないとハッキリと悟る事が出来たのでこれで良かったと納得している。尚、その後コレクターとして宝物庫を完成させるために再び不老不死の薬を採取したと語っている。
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: イスカンダルはギルガメッシュを「ひとたび掴んだ不老不死をあっさりと手放した馬鹿者」としている。
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: 蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこのためである。
      
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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