差分

102 バイト追加 、 2013年8月17日 (土) 18:20
編集の要約なし
2行目: 2行目:  
*真名:無銘
 
*真名:無銘
 
*身長:187cm/体重:78kg
 
*身長:187cm/体重:78kg
 +
*イメージカラー:赤
 +
*特技:ガラクタいじり、家事全般
 +
*好きな物:家事全般(本人は否定)
 +
*嫌いな物:未熟な自分
 +
*天敵:メルトリリス
 
*スリーサイズ:B97/W81/H96
 
*スリーサイズ:B97/W81/H96
 +
*属性:中立・中庸
 
*CV:諏訪部順一
 
*CV:諏訪部順一
   −
「[[クラス (アーチャー)|弓兵]]」のクラスの[[サーヴァント]]。[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]において、[[主人公 (EXTRA)|主人公]]によって召喚される。<br />赤い外套に身を包んだ武人。
+
「[[クラス (アーチャー)|弓兵]]」のクラスの[[サーヴァント]]。[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]において、[[主人公 (EXTRA)|主人公]]によって召喚される。<br>赤い外套に身を包んだ武人。
    
;略歴
 
;略歴
:主人公と共に戦うサーヴァント。主人公がマスターとして不完全であるため、当初はその霊格の全てを再現できない。<br />戦略的な理由から、真名と宝具の正体を明かさぬまま、聖杯戦争に挑む。<br />[[アーチャー|『stay night』のアーチャー]]を彷彿とさせる様々な共通点があるが、真名は「エミヤ」ではなく「無銘」となっている。<br />また、生前の自分と今の自分は別の存在であると語り、更には記憶の一部に損壊があるとも述べる。<br />主人公も、「アーチャーは嘘を言っていない。記憶が曖昧というのは本当だ。マスターとして彼の経歴を閲覧すると、所々ノイズが走る。無銘である彼にとって、英霊になる前の記憶はひたすら失われていくものなんだ」と述べている。<br />ただし、NPCとして再現された[[言峰綺礼]]に対し「実物はあんなものじゃない」とこぼしたり、様々な場面でエミヤを彷彿とさせる言葉を漏らしている。
+
:主人公と共に戦うサーヴァント。主人公がマスターとして不完全であるため、当初はその霊格の全てを再現できない。<br />戦略的な理由から、真名と宝具の正体を明かさぬまま、聖杯戦争に挑む。<br>[[アーチャー|『stay night』のアーチャー]]を彷彿とさせる様々な共通点があるが、真名は「エミヤ」ではなく「無銘」となっている。<br>また、生前の自分と今の自分は別の存在であると語り、更には記憶の一部に損壊があるとも述べる。<br>主人公も、「アーチャーは嘘を言っていない。記憶が曖昧というのは本当だ。マスターとして彼の経歴を閲覧すると、所々ノイズが走る。無銘である彼にとって、英霊になる前の記憶はひたすら失われていくものなんだ」と述べている。<br />ただし、NPCとして再現された[[言峰綺礼]]に対し「実物はあんなものじゃない」とこぼしたり、様々な場面でエミヤを彷彿とさせる言葉を漏らしている。
    
;人物
 
;人物
:容姿・性格共に『stay night』のアーチャーと同一。赤い外套を纏った浅黒い肌の男性。気障で皮肉屋な現実主義者。それでいて、根本的にはお人好しで世話好き。<br />主人公に対しても、口うるさく接するものの、結局その言葉は主人公を案じてのもの。ぶっちゃけオカン気質。CCCの女主人公は彼のことを「頼れる兄」か「少し気になる異性」と思っているのだが、その好意に鈍感でよくデリカシーのない発言をしては殴られたりしている。また女主人公の体重を勝手に計測するなど、世話焼きが過ぎてストーカーのようになったり、性に関する微妙な問題で女性陣に引かれるような発言をしてしまうなど残念なところが多い。<br />『stay night』のアーチャーと違い、ムーンセルに「正義の味方」として使役されているためか、堂々と「正義の味方」を自称する。だが同時に、「正義の味方である」とは語っても「英雄ではない」ことを強調して繰り返す。
+
:容姿・性格共に『stay night』のアーチャーと同一。赤い外套を纏った浅黒い肌の男性。気障で皮肉屋な現実主義者。それでいて、根本的にはお人好しで世話好き。<br>主人公に対しても、口うるさく接するものの、結局その言葉は主人公を案じてのもの。ぶっちゃけオカン気質。CCCの女主人公は彼のことを「頼れる兄」か「少し気になる異性」と思っているのだが、その好意に鈍感でよくデリカシーのない発言をしては殴られたりしている。また女主人公の体重を勝手に計測するなど、世話焼きが過ぎてストーカーのようになったり、性に関する微妙な問題で女性陣に引かれるような発言をしてしまうなど残念なところが多い。<br>『stay night』のアーチャーと違い、ムーンセルに「正義の味方」として使役されているためか、堂々と「正義の味方」を自称する。だが同時に、「正義の味方である」とは語っても「英雄ではない」ことを強調して繰り返す。
    
;能力
 
;能力
:[[スキル (サーヴァント)|スキル]]は若干異なるが、基本的には『stay night』のアーチャーと同じ能力。弓の腕前は勿論のこと、弓兵でありながら一対の夫婦剣を用いた白兵戦も得手とする。<br />マスターとの相性によるものか、投影宝具『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』の能力が格段に強化されており、「約束された勝利の剣」と同等の対城宝具「転輪する勝利の剣」すら完全に防ぎきる。また、飛び道具以外にも対応可能となり、[[ランサー|ランサー(EXTRA・青)]]の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』でさえ無効化する。その性能は最早'''別物'''と呼んでいいレベル。<br />CCCでは固有結界内限定とはいえ彼の[[セイバー|騎士王]]の聖剣を投影する『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』を披露。多大なMPを消費する代わりに凄まじい威力を発揮する。
+
:[[スキル (サーヴァント)|スキル]]は若干異なるが、基本的には『stay night』のアーチャーと同じ能力。弓の腕前は勿論のこと、弓兵でありながら一対の夫婦剣を用いた白兵戦も得手とする。<br>マスターとの相性によるものか、投影宝具『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』の能力が格段に強化されており、「約束された勝利の剣」と同等の対城宝具「転輪する勝利の剣」すら完全に防ぎきる。また、飛び道具以外にも対応可能となり、[[ランサー|ランサー(EXTRA・青)]]の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』でさえ無効化する。その性能は最早'''別物'''と呼んでいいレベル。<br>CCCでは固有結界内限定とはいえ彼の[[セイバー|騎士王]]の聖剣を投影する『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』を披露。多大なMPを消費する代わりに凄まじい威力を発揮する。
    
=== [[宝具]] ===
 
=== [[宝具]] ===
 
;無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)
 
;無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)
:錬鉄の[[固有結界]]。詳細は「[[アーチャー]]」のページを参照。<br />ゲーム的には、3ターンの展開中、自身のスキルの威力を大幅に強化する。
+
:錬鉄の[[固有結界]]。詳細は「[[アーチャー]]」のページを参照。<br>ゲーム的には、3ターンの展開中、自身のスキルの威力を大幅に強化する。
    
== 真名:無銘 ==
 
== 真名:無銘 ==
名前のない英雄。架空の英霊。フェイカー。<br />かつて正義の体現者として人生を費やした、錬鉄の魔術師の末路。生前、奇跡の代償として「死後の自分」をムーンセルに売り渡し、以後ムーンセルに使役されている「正義の味方」の概念。大衆が望む「正義の味方」が、人のカタチで起動した存在。<br />この英霊の元になった人物、そういった過去を歩んだ人物は確かに存在するが、彼が英雄として祀られた時点でその名前は人々の記憶、歴史から忘れ去られている。<br />正義の味方の概念が人のカタチで起動した存在。人々に認められなかった名も無き正義の味方の代表者。故に真名も生前の名「エミヤ」では無く、「無銘」である。<br />
+
名前のない英雄。架空の英霊。フェイカー。<br>かつて正義の体現者として人生を費やした、錬鉄の魔術師の末路。生前、奇跡の代償として「死後の自分」をムーンセルに売り渡し、以後ムーンセルに使役されている「正義の味方」の概念。大衆が望む「正義の味方」が、人のカタチで起動した存在。
   −
『アーチャー』は語る。あくまで一つの逸話、一つの参考として、「正義の味方」を志した人間である『彼』の物語を。<br />「サバイバーズギルト」。事故や災害で多くの人命が失われた後、生還者が抱く罪悪感や責任感といった強迫観念。<br />生き残ったのは自分が特別だから。あるいは、生き残った以上、死んでしまった者たちの代わりに、何か特別な事をしなくてはならないのではないか?そうでなければ、死んでいった人たちに申し訳がたたない。死んでいった人たちの代わりに、この悲劇を二度と起こさない。そんなふうに、『彼』は思った。<br />「多くの人間を助ける、正義の味方になる」。それが『彼』の誓いだった。<br />子供の夢。絵空事。普通ならそんな終わりを迎えるはずだったが、彼はその在り方を体現してしまう。<br />力あるものが私欲によって私欲を満たすのなら、人々の代わりにこれを撃つ。罪を犯すものがさらに罪を犯すのなら、犠牲者をだす前にこれを撃つ。正義の味方になるのはそう難しい事じゃない。私欲を殺し、理想に徹すれば、人間は簡単に正義の体現者になれる。<br />……致命的に間違えているコト、最も過酷だったコトの説明を意図的に省き、『アーチャー』はそれを何でもないことのように語る。<br />ボランティアやレジスタンスを通し、個人の力の及ぶ範囲で、多くの命を救った彼は「人々の噂になるぐらいには活躍した義賊」となる。独りきりだったのは数年で、後には理想に賛同してくれる友人を得る。マネージメントを友人に任せ、彼はますます自分の使命感に没頭していく。<br />自虐的に笑うものの、『アーチャー』にとって、これはこれで一つの青春だった。幼い頃に誓った理想に自分の全てを傾け、協力してくれる友人と、理解してくれる恋人もいた。だから「アレはアレで楽しかった」と、『アーチャー』は懐かしそうに微笑む。<br />だが、『アーチャー』は繰り返す。「客観的に見れば彼はただの犯罪者だ。正義の味方であっても英雄じゃあない」と。<br />「百人を助けるために、十人を見捨てるような理想が?食うに困り、家族のために窃盗を行うしかなかった集団を一方的に殺す事が?あるいは――これはどうだ。旅客機の中で危険なウイルスが蔓延し、一分単位で乗客が死んでいく状況があったとする。<br />その状況で、それでも乗客たちは死力を尽くして空港を目指した。罵りあいながらも、最後には手を取りあい。たとえ自分は死んでも、誰か一人でも助かるのなら、と 助け合った人々。<br />だが彼らが地上に降りれば、ウイルスの感染は本格化する。乗客五百人の命と、地上の都市三十万の命。どちらも罪のない人々だ。違いはただ多いか少ないかだけ。むしろ、地獄の中でなお生き残ろうと互いを励まし合い、助け合った旅客機の中の人々こそ最大の被害者だ。<br />その、最後まで人間としての誇りを捨てなかった人々を、彼は撃った。地上に降りれば、空港に不時着できれば誰かが生きて帰れる。そんな小さな願いごと藻屑にした。<br />それが彼の理想だった。"より多くの人々を助ける"という、偏った正義の体現だったんだよ」<br />「悪だ。どのような理由であれ、利益のために人を殺すのは、悪だ。<br />彼は『多くの人々の命を守る』利益のために引き金を引いた。結果的には、誰の命も救っていない」。『彼』が執着したのは「理想」であって「人間」ではない。<br />「英雄」とは、「理想」ではなく「人間」を救うもの。『アーチャー』にとって、それが生前の『彼』に対する結論だった。<br />理由はどうあれ、彼は人を切り捨てる。客観的に見て『彼』の選択は正しかった。どれだけ非人間的であろうと、その取捨選択はより多くの命を救ってきた。<br />――けれど。その、捨てられた命こそが、彼がもっとも救いたかった命だった。<br />結局、「正義の味方」という独善を執行する装置は、むしろ、犯罪者などよりもよほど恐ろしいものとして、人々の目には映ることになる。<br />情も、一切の交渉の余地もなく、「悪」を裁く正義の味方。一体この世のどこに、誰が。何の見返りもなく、他人に尽くす事ができるだろう――?<br />「あの男は、何か恐ろしい企みを隠しているのではないか?」「我々は彼の正義面に騙されているのではないか?」<br />疑心暗鬼。その結末は、社会の手による「正義の味方」への断罪。司法の手によって罰を受け、彼は法廷の名のもとに、その一生を終える。いかなる暴力、誘惑、脅迫にも屈しなかった彼は、しかし、「正義の味方」であるからこそ、人々の下した判決には逆らわなかったのだった。<br />彼を捕らえたのは、友人だった。<br />だが、友人が彼を裏切ったのではない。最初から、裏切っていたのは「正義の味方」だ。<br />「この男は、自分を好いているから力を貸してくれていると思っていたが――もし俺が大衆にとっての悪になれば、なんの躊躇もなく敵に回るだろう」<br />人間的な繋がりで仲間だと思っていた彼が、その実、肉親であろうと正義を執行する悪鬼だとしたら。もっと昆虫的な、システムの権化のような怪物だったとしたら。<br />……だから、友人は気づいたのだ。今まで彼によって抹殺された相手は、未来の自分の姿だと。権力者である限り、いつかは自分も倒されると。<br />ならば、急いで――この暴走した「正義の味方」を、陥れずにはいられなかった。<br />生前の彼も、今の『アーチャー』も、友人を恨みはしなかった。ただ一つ、心遺りだったのは――<br />いつか、自分が死ぬ時は、己が切り捨て、犠牲としてきた無辜の人々の、正しい糾弾によって……必要悪は、人々の善性によって断たれるべきだ、と。<br />それこそが、唯一と言えた人間的な救いであったのに……<br />誰かに憎まれての死ではなく、単に、誰かの利益にならないから殺された。<br />それが、理想の正しさだけを心の寄る辺にしてきた青年の、当然の末路。<br />
+
この英霊の元になった人物、そういった過去を歩んだ人物は確かに存在するが、彼が英雄として祀られた時点でその名前は人々の記憶、歴史から忘れ去られている。<br>正義の味方の概念が人のカタチで起動した存在。人々に認められなかった名も無き正義の味方の代表者。故に真名も生前の名「エミヤ」では無く、「無銘」である。<br>
   −
「――より多くの人々を守る」<br />
+
『アーチャー』は語る。あくまで一つの逸話、一つの参考として、「正義の味方」を志した人間である『彼』の物語を。<br />「サバイバーズギルト」。事故や災害で多くの人命が失われた後、生還者が抱く罪悪感や責任感といった強迫観念。<br>生き残ったのは自分が特別だから。あるいは、生き残った以上、死んでしまった者たちの代わりに、何か特別な事をしなくてはならないのではないか?そうでなければ、死んでいった人たちに申し訳がたたない。死んでいった人たちの代わりに、この悲劇を二度と起こさない。そんなふうに、『彼』は思った。
 +
 
 +
「多くの人間を助ける、正義の味方になる」。それが『彼』の誓いだった。<br>子供の夢。絵空事。普通ならそんな終わりを迎えるはずだったが、彼はその在り方を体現してしまう。<br>力あるものが私欲によって私欲を満たすのなら、人々の代わりにこれを撃つ。罪を犯すものがさらに罪を犯すのなら、犠牲者をだす前にこれを撃つ。正義の味方になるのはそう難しい事じゃない。私欲を殺し、理想に徹すれば、人間は簡単に正義の体現者になれる。<br>……致命的に間違えているコト、最も過酷だったコトの説明を意図的に省き、『アーチャー』はそれを何でもないことのように語る。<br>ボランティアやレジスタンスを通し、個人の力の及ぶ範囲で、多くの命を救った彼は「人々の噂になるぐらいには活躍した義賊」となる。独りきりだったのは数年で、後には理想に賛同してくれる友人を得る。マネージメントを友人に任せ、彼はますます自分の使命感に没頭していく。
 +
 
 +
自虐的に笑うものの、『アーチャー』にとって、これはこれで一つの青春だった。幼い頃に誓った理想に自分の全てを傾け、協力してくれる友人と、理解してくれる恋人もいた。だから「アレはアレで楽しかった」と、『アーチャー』は懐かしそうに微笑む。<br>だが、『アーチャー』は繰り返す。「客観的に見れば彼はただの犯罪者だ。正義の味方であっても英雄じゃあない」と。
 +
 
 +
「百人を助けるために、十人を見捨てるような理想が?食うに困り、家族のために窃盗を行うしかなかった集団を一方的に殺す事が?あるいは――これはどうだ。旅客機の中で危険なウイルスが蔓延し、一分単位で乗客が死んでいく状況があったとする。<br>その状況で、それでも乗客たちは死力を尽くして空港を目指した。罵りあいながらも、最後には手を取りあい。たとえ自分は死んでも、誰か一人でも助かるのなら、と 助け合った人々。<br>だが彼らが地上に降りれば、ウイルスの感染は本格化する。乗客五百人の命と、地上の都市三十万の命。どちらも罪のない人々だ。違いはただ多いか少ないかだけ。むしろ、地獄の中でなお生き残ろうと互いを励まし合い、助け合った旅客機の中の人々こそ最大の被害者だ。<br>その、最後まで人間としての誇りを捨てなかった人々を、彼は撃った。地上に降りれば、空港に不時着できれば誰かが生きて帰れる。そんな小さな願いごと藻屑にした。
 +
 
 +
それが彼の理想だった。"より多くの人々を助ける"という、偏った正義の体現だったんだよ」<br>「悪だ。どのような理由であれ、利益のために人を殺すのは、悪だ。<br />彼は『多くの人々の命を守る』利益のために引き金を引いた。結果的には、誰の命も救っていない」。『彼』が執着したのは「理想」であって「人間」ではない。<br>「英雄」とは、「理想」ではなく「人間」を救うもの。『アーチャー』にとって、それが生前の『彼』に対する結論だった。<br>理由はどうあれ、彼は人を切り捨てる。客観的に見て『彼』の選択は正しかった。どれだけ非人間的であろうと、その取捨選択はより多くの命を救ってきた。<br>――けれど。その、捨てられた命こそが、彼がもっとも救いたかった命だった。<br />結局、「正義の味方」という独善を執行する装置は、むしろ、犯罪者などよりもよほど恐ろしいものとして、人々の目には映ることになる。<br />情も、一切の交渉の余地もなく、「悪」を裁く正義の味方。一体この世のどこに、誰が。何の見返りもなく、他人に尽くす事ができるだろう――?
 +
「あの男は、何か恐ろしい企みを隠しているのではないか?」「我々は彼の正義面に騙されているのではないか?」<br />疑心暗鬼。その結末は、社会の手による「正義の味方」への断罪。司法の手によって罰を受け、彼は法廷の名のもとに、その一生を終える。いかなる暴力、誘惑、脅迫にも屈しなかった彼は、しかし、「正義の味方」であるからこそ、人々の下した判決には逆らわなかったのだった。<br>彼を捕らえたのは、友人だった。<br>だが、友人が彼を裏切ったのではない。最初から、裏切っていたのは「正義の味方」だ。<br>「この男は、自分を好いているから力を貸してくれていると思っていたが――もし俺が大衆にとっての悪になれば、なんの躊躇もなく敵に回るだろう」<br>人間的な繋がりで仲間だと思っていた彼が、その実、肉親であろうと正義を執行する悪鬼だとしたら。もっと昆虫的な、システムの権化のような怪物だったとしたら。
 +
 
 +
……だから、友人は気づいたのだ。今まで彼によって抹殺された相手は、未来の自分の姿だと。権力者である限り、いつかは自分も倒されると。<br>ならば、急いで――この暴走した「正義の味方」を、陥れずにはいられなかった。<br>生前の彼も、今の『アーチャー』も、友人を恨みはしなかった。ただ一つ、心遺りだったのは――<br>いつか、自分が死ぬ時は、己が切り捨て、犠牲としてきた無辜の人々の、正しい糾弾によって……必要悪は、人々の善性によって断たれるべきだ、と。<br>それこそが、唯一と言えた人間的な救いであったのに……<br>誰かに憎まれての死ではなく、単に、誰かの利益にならないから殺された。<br>それが、理想の正しさだけを心の寄る辺にしてきた青年の、当然の末路。
 +
 
 +
「――より多くの人々を守る」
    
因果応報。彼は彼が切り捨ててきたものと同じように、人間性を剥奪されて消え去った。
 
因果応報。彼は彼が切り捨ててきたものと同じように、人間性を剥奪されて消え去った。
169行目: 188行目:  
*CCCでは新スキル「永久に遥か黄金の剣」が発現。SNを知る者には剣を構える様に手を添える騎士王の姿を幻視できる。[[アーチャー|エミヤ]]は「作れば自滅、つまり消滅する」と言っていが、EXTRAの彼はなんの反動もなく投影、振り下ろすという恐ろしい活躍を見せた。<br />だが彼のそれは「約束された勝利の剣」ではなくあくまで「永久に遥か黄金の剣」であり、贋作の域を出ないと思われる。あるいは固有結界展開中のみ使用可能であることから、「無限の剣製」の中ではエクスカリバーを投影するプロセスを経ないため自滅せずに投影ができるということなのかもしれない。<br />また、以前語られた「型落ちの聖剣」ではないかという説も存在する。
 
*CCCでは新スキル「永久に遥か黄金の剣」が発現。SNを知る者には剣を構える様に手を添える騎士王の姿を幻視できる。[[アーチャー|エミヤ]]は「作れば自滅、つまり消滅する」と言っていが、EXTRAの彼はなんの反動もなく投影、振り下ろすという恐ろしい活躍を見せた。<br />だが彼のそれは「約束された勝利の剣」ではなくあくまで「永久に遥か黄金の剣」であり、贋作の域を出ないと思われる。あるいは固有結界展開中のみ使用可能であることから、「無限の剣製」の中ではエクスカリバーを投影するプロセスを経ないため自滅せずに投影ができるということなのかもしれない。<br />また、以前語られた「型落ちの聖剣」ではないかという説も存在する。
 
*CCCの彼のEDにて、主人公は聖杯戦争が始まる以前の時代に冷凍睡眠カプセルから起床し、英霊になる前の人としての彼と会合する。その時の彼は[[レジスタンス]]の一員であり、難民へのサバイバル技術の講義などを行っていた。当然アーチャーは英霊になった後の月での自分のことなど知らないが、主人公にはおぼろげながら月での出来事の記憶があるようだ。歴史が捻じ曲げられたのだろうか。
 
*CCCの彼のEDにて、主人公は聖杯戦争が始まる以前の時代に冷凍睡眠カプセルから起床し、英霊になる前の人としての彼と会合する。その時の彼は[[レジスタンス]]の一員であり、難民へのサバイバル技術の講義などを行っていた。当然アーチャーは英霊になった後の月での自分のことなど知らないが、主人公にはおぼろげながら月での出来事の記憶があるようだ。歴史が捻じ曲げられたのだろうか。
<!-- アーチャーENDの内容は、男主人公・女主人公両方にあるため、どちらかに偏った書き方は不適切です。また、情報の正確性を期すため、所謂「カップリング議論」のような書き込みはご遠慮ください。
+
 
 +
{| class="wikitable"
 +
|-
 +
| マスター || 筋力  || 耐久  || 敏捷  || 魔力  || 幸運  || 宝具  || 備考
 +
|-
 +
| 主人公 || C   || C   || C   || B   || D   || ?   ||「無銘」となった事で筋力と幸運が上昇している。
 +
|}
    
== 商品情報 == -->
 
== 商品情報 == -->