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== 真名:ギルガメッシュ ==
 
== 真名:ギルガメッシュ ==
ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた。<br>
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ギルガメッシュ。英雄王。太古の昔、後に「メソポタミア」と呼ばれるシュメールの都市国家ウルクを治めていた人類最古の王にして、伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメッシュ叙事詩』に記されたかつて世界の全てを手中に収めた半身半人の英雄。
人類最古の王にして、かつて世界の全てを手中に収めた半身半人の英雄。
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伝説だけでなく実在したとされる、人類最古の叙事詩『ギルガメッシュ叙事詩』に記された。
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彼の所有する蔵には有りと凡ゆる武具や神具蓄財され、それらは後世の英雄達の宝具の原典となっているとも言われている。
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先々代の王、ルガルバンダと女神ルマトの間に、人として最上級の肉体と真理に至る知恵を与えられ誕生した。元々は古代メソポタミアの神々が圧倒的な人の数による世界の変革を恐れ、神と人間両方の視点を持つ新しい次代の王にして、神と人間の決壊を防ぐための「楔」として生み出した存在。しかし、彼は神の思惑に従わず王としての己を定め己が感じたまま己を生きた。神にとっては自分たちの代弁者であり人間をいさめるために設計したが、逆に神々の旧時代終わらせる結果となった。
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幼年期は理想の統治者として人々を心酔させたが、万能のおごりからか成長すると共に民を省みなくなり、 ウルクを絶対的な力で支配した。これにはウルクの民だけでなく、彼を遣わせた神々でさえも困り果てギルガメッシュを戒めるモノが必要と判断し、ひとつの生命を地上に送り込んだ。その名はエルキドゥ。両者は激しい戦いの後、相手の武勇を褒め称え、無二の友人となった。対等の存在がいなかったギルガメッシュにとって、はじめて“友”と呼べるものが出来たのである。
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以後、ギルガメッシュはその独尊ぶりは変わらずとも、エルキドゥに諫められ圧政を軟化させた。理解者を得たギルガメッシュは森の番人、神の獣フンババを下し、 地上で最も優れた王としてあらゆる財を手中に収める。この頃のギルガメッシュは眩しく強大で、神々でさえ目を逸らせない存在だった。やがてそんなギルガメッシュに豊穣の女神イシュタルが恋をする。彼女から求婚されるも、イシュタルがどれほど移り気かつ残忍で、多くの男を破滅に追い込んだ魔女かを知っていたためギルガメッシュはこれをあっさりと跳ね除ける。イシュタルはギルガメッシュに侮辱されたと激怒し、報復として父であるアヌ神に泣きつき、嵐をまとう超高層の災害であり、地上に現れた時7年間の飢饉と破壊が訪れるとされる最強の神獣“天の牡牛”を地上に放ってしまってしまう。エルキドゥと協力して立ち向かい、見事天の牡牛を撃退するも、イシュタルの怒りは当然収まらず、人の身で神の獣を殺した事を罪として彼女は両名どちらかの死を神々に求めた。 結果、イシュタルの願いは聞き届けられ、両名のうち一人、神に作られたエルキドゥはその命に逆らう事が出来ずゆっくりと衰弱死した。
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エルキドゥを失ったことで自分に勝るとも劣らない力を持つ存在ですら死から免れないという事実に衝撃を受け、“死”の不安に苛まれたギルガメッシュは、不老不死を求めて冥界へと旅立つ。 長い旅路、数多の苦難の末、冥界に辿り着き、かつて地上を襲った大津波から逃れ生き続けるナピュシテムという老人と出会う。しかし、不老不死の秘密を聞き出すもその代償を知り、不老不死を諦めウルクに戻ろうとする。その時ナピュシテムから不老不死の霊草の存在を教えられ、宝として蔵に収めるため深遠に立ち寄り霊草を回収する。その帰路の途中、泉に立ち寄り水浴びをしていた最中に腹をすかせた蛇に霊草を食べられてしまう。それでも、最終的に永劫不滅の身では生の悦びを味わえない、そして死を恐れる必要はないと悟った。この時ギルガメッシュの精神は成熟に達した。その後のギルガメッシュは苛烈さこそあるものの穏やかに国を治め、次の王に都市を委ねて永眠した。
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=== 関連 ===
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; 史実・伝承との違い
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: 原初の英雄ギルガメッシュ。世界最古の神話「ギルガメシュ叙事詩」の主人公であり、古代メソポタミア初期シュメール朝の都市国家ウルクに実在したとされる王。史実におけるギルガメッシュはウルク第1王朝第5番目の王とされ、メソポタミア南方地域を征服し、シュメール都市国家群を堅固なものとしたという。
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: Fateでは「ギルガメシュ叙事詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、独自の解釈やアレンジが加えられている箇所が多々ある。
 +
 
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; ウルクの滅亡
 +
:「ギルガメシュ叙事詩」では若い頃は暴君だったが、エルキドゥと出会ってからは改心し、名君として国を治めたと語られている。史実でも「ウルクの城壁を築きし者(=ウルクを城郭都市として拡張させた)」と語られ、ウルクを発展させた重要人物とされている。
 +
: Fateでは『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュはやりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており辻褄が合わなくなっている。
 +
 
 +
;「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
 +
: 先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であり、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない。そもそも伝承では武器を使う場面自体が少ない(武器は黄金の剣と大斧、あと己の拳)。
 +
: なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
 +
: ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙事詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指していると思われる。
 +
: また、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様の意味と思われる。
 +
 
 +
;「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
 +
: 古代メソポタミアの創世叙事詩「エヌマ・エリシュ」が生まれたのは古バビロニア王国が興った頃であり、ギルガメッシュの時代から700~800年ほど後である。
 +
: 伝承の中で天地開闢の剣を振るうのは知恵の神エアの息子であり、バビロニアの主神であるマルドゥク。これはバビロニアがシュメールを征服し、メソポタミアを統一したことの証とされている。
 +
: 後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものがFateにおける乖離剣エアの実態であると推測される。
 +
:「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙事詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。
 +
 
 +
; 英雄王
 +
: ギルガメッシュの異名で英雄の王ではなく、「英雄たちの王」を意味する。その蔵には後の英雄たちを助けた宝剣の原典があり、英雄たちの命を奪った魔剣の原典も貯蔵されている。英霊にして、対英霊戦における絶対強者であることが、全ての英雄たちの王と呼ばれる由縁である。
 +
 
 +
; 不老不死と蛇
 +
:「ギルガメシュ叙事詩」では、ギルガメッシュは不老不死の秘薬を求めて冒険に旅立ち、その果てに秘薬の原料である「若返りの薬草」を手に入れるが、蛇に盗まれ飲まれてしまったと言われている。
 +
: しかし、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている。また、聖杯に不老不死を願うようなことも無い。その割りに苦手なものに蛇を挙げている。
 +
:『CCC』で彼本人から解説され、当時まだ未熟だった彼は死を恐れて不老不死を求め、ウトナピュシテムに秘密を聞き出すも半ば植物のような存在に成り果てなくてはならない代償を知り、諦めたという。しかし、珍品だった為に「王の財宝」に加えるには相応しいと思い手に入れるも、水浴びをしている最中にうっかりして蛇に食べられたとの事。しかし、本人としても心の何処かで期待していた不老不死を手に入れた事に対する友の雪辱や民の賞賛などの我欲を捨て去る事が出来、自身に不老不死など必要ないとハッキリと悟る事が出来たのでこれで良かったと納得している。尚、その後コレクターとして宝物庫を完成させるために再び不老不死の薬を採取したと語っている。
 +
:: イスカンダルはギルガメッシュを「ひとたび掴んだ不老不死をあっさりと手放した馬鹿者」としている。
 +
:: 蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこのためである。
   −
彼の所有する蔵には有りと凡ゆる武具や神具蓄財され、それらは後世の英雄達の宝具の原典となっているとも言われている。
   
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
; [[Fate/stay night]]
 
; [[Fate/stay night]]
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; [[言峰綺礼]]
 
; [[言峰綺礼]]
 
: 第四次聖杯戦争中盤以後のマスター。彼の有り様を「興味深い」と評し、その行く先を見ることを望んでいる。
 
: 第四次聖杯戦争中盤以後のマスター。彼の有り様を「興味深い」と評し、その行く先を見ることを望んでいる。
 +
; [[アルトリア・ペンドラゴン|セイバー]]
 +
: 幾度となく求婚。アンソロジーなどでは彼女のストーカー扱いされることも。彼女の生き方に執着しているのだが、『CCC』にて実は見た目も好みだったことが判明した。
 +
: 『unlimited codes』ではセイバーを打倒した際に興味を失い、「反抗する」という要素がなければセイバーに執着しないことが明かされた。つまり「我の后となれ」と言いつつ、「后になる(従順になる)」と興味を失うという、とんでもないギルガニズムが垣間見える。セイバーがまったく靡かないのは、こういう英雄王の性質を直感で感じ取っているのかもしれない。
 +
: もっとも彼に言わせれば、Fateルートで彼女に告げた通り「手に入らぬからこそ、美しいものもある」と言う事なのだろう。
 
; [[イスカンダル|ライダー]]
 
; [[イスカンダル|ライダー]]
 
: 第四次聖杯戦争中、唯一「王」と認め、全力で戦うに相応しいと認めた相手。
 
: 第四次聖杯戦争中、唯一「王」と認め、全力で戦うに相応しいと認めた相手。
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; [[間桐慎二]]
 
; [[間桐慎二]]
 
: UBWルートで契約したマスター。本人は歯牙にもかけておらず、あっさりと切り捨てる。
 
: UBWルートで契約したマスター。本人は歯牙にもかけておらず、あっさりと切り捨てる。
; [[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
  −
: 人間とホムンクルスの間に生まれた彼が嫌う「雑種」であるためか、人形と蔑み極めて冷淡な見方をしている。
   
; [[カレン・オルテンシア]]
 
; [[カレン・オルテンシア]]
 
: 繰り返される四日間でのマスター。人使いが荒いので苦手にしている。
 
: 繰り返される四日間でのマスター。人使いが荒いので苦手にしている。
; [[アルトリア・ペンドラゴン|セイバー]]
  −
: 幾度となく求婚。アンソロジーなどでは彼女のストーカー扱いされることも。彼女の生き方に執着しているのだが、『CCC』にて実は見た目も好みだったことが判明した。
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: 『unlimited codes』ではセイバーを打倒した際に興味を失い、「反抗する」という要素がなければセイバーに執着しないことが明かされた。つまり「我の后となれ」と言いつつ、「后になる(従順になる)」と興味を失うという、とんでもないギルガニズムが垣間見える。セイバーがまったく靡かないのは、こういう英雄王の性質を直感で感じ取っているのかもしれない。
  −
: もっとも彼に言わせれば、Fateルートで彼女に告げた通り「手に入らぬからこそ、美しいものもある」と言う事なのだろう。
   
; [[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕|セイバーオルタ]]
 
; [[アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕|セイバーオルタ]]
 
: セイバーが暴君に反転した姿。『unlimited codes』では「理想を捨てた貴様になど用はない!」「下らん!雑念に堕ちたな!セイバー」と嫌悪を見せている。
 
: セイバーが暴君に反転した姿。『unlimited codes』では「理想を捨てた貴様になど用はない!」「下らん!雑念に堕ちたな!セイバー」と嫌悪を見せている。
351行目: 386行目:  
; [[エミヤ|アーチャー]]
 
; [[エミヤ|アーチャー]]
 
: 贋作者(フェイカー)と蔑むが、戦った場合は非常に分の悪い相手。
 
: 贋作者(フェイカー)と蔑むが、戦った場合は非常に分の悪い相手。
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; [[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
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: 人間とホムンクルスの間に生まれた彼が嫌う「雑種」であるためか、人形と蔑み極めて冷淡な見方をしている。
 
; [[ヘラクレス|バーサーカー]]
 
; [[ヘラクレス|バーサーカー]]
 
: 自分と同じ半神半人ということもあり、大英雄として高く評価している。
 
: 自分と同じ半神半人ということもあり、大英雄として高く評価している。
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: 偽りの聖杯戦争でのマスター。
 
: 偽りの聖杯戦争でのマスター。
 
: 相変わらず高慢な態度で接するが、まだ価値観が形成されきっていない子供であることも考えてか導くような言動が多く見られる。
 
: 相変わらず高慢な態度で接するが、まだ価値観が形成されきっていない子供であることも考えてか導くような言動が多く見られる。
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;[[真アーチャー (Fake)]]
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: 「王の財宝」での数千発の一斉掃射をいなされた挙げ句'''「弱い」'''とダメ出しされ、乖離剣を抜けと挑発される。
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: 普段の彼を考えれば頭に血が上り激昂間違いなしの言われようだが、自分に並ぶ力を認め好奇心を抱く。
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=== 生前 ===
 
; [[エルキドゥ]]
 
; [[エルキドゥ]]
 
: 生前、数日間に渡る互角の決闘の末に唯一親友と認めた人物。『[[Fate/strange Fake]]』ではランサーとして召喚されている。
 
: 生前、数日間に渡る互角の決闘の末に唯一親友と認めた人物。『[[Fate/strange Fake]]』ではランサーとして召喚されている。
 
: 彼と共に過ごした時間や思い出は最高の「宝」となっている。
 
: 彼と共に過ごした時間や思い出は最高の「宝」となっている。
;[[真アーチャー (Fake)]]
+
; イシュタル
: 「王の財宝」での数千発の一斉掃射をいなされた挙げ句'''「弱い」'''とダメ出しされ、乖離剣を抜けと挑発される。
+
: 執拗に求婚を迫ってきた豊穣の女神。
: 普段の彼を考えれば頭に血が上り激昂間違いなしの言われようだが、自分に並ぶ力を認め好奇心を抱く。
+
: 彼女を振ったことで怒りを買い、結果的にエルキドゥの死を招いたため、彼女のような男を誑かす女性を最も嫌うようになった。
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; ナピュシテム
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: 神の列に加わり不老不死の力を得た賢人。その在り方を嫌ったギルガメッシュに不老不死の霊薬について教えた。
    
=== その他 ===
 
=== その他 ===
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: しかし、その宝具性能からサーヴァント3体分の火力を誇るため、本編の全サーヴァント中、単独でアルクェイドを上回るとただ一人明言されている。加えて、アルクェイドの出力が「相手自身の戦闘力を上回る程度」であるため、本体自身の戦力よりオプションの火力のほうが強力である彼にはどうしようもなく相性が悪い点も幸いか。
 
: しかし、その宝具性能からサーヴァント3体分の火力を誇るため、本編の全サーヴァント中、単独でアルクェイドを上回るとただ一人明言されている。加えて、アルクェイドの出力が「相手自身の戦闘力を上回る程度」であるため、本体自身の戦力よりオプションの火力のほうが強力である彼にはどうしようもなく相性が悪い点も幸いか。
 
: なお、この二人(というか真祖)は、'''「ガイアが力を強めていく人類を脅威に思い、対抗策として生み出したモノ」'''という共通点を持つ。真祖の中で、アルクェイドは十二世紀頃にデザインされた傑作なので、ギルガメッシュは5200年程年上の先輩ないし叔父に近い存在である。
 
: なお、この二人(というか真祖)は、'''「ガイアが力を強めていく人類を脅威に思い、対抗策として生み出したモノ」'''という共通点を持つ。真祖の中で、アルクェイドは十二世紀頃にデザインされた傑作なので、ギルガメッシュは5200年程年上の先輩ないし叔父に近い存在である。
; 伝承との違い
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: 原初の英雄ギルガメッシュ。世界最古の神話「ギルガメシュ叙事詩」の主人公であり、古代メソポタミア初期シュメール朝の都市国家ウルクに実在したとされる王。
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: Fateでも当然「ギルガメシュ叙事詩」内で語られる伝承を下敷きとしているが、独自の解釈やアレンジが加えられている箇所が多々ある。
      
; キャラクター造形
 
; キャラクター造形
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: 世界の文明・文化の起源はシュメールに遡るという説もあることから、Fateでは「宝具の原典」という形でこれらを独自に解釈し、統合したと思われる。
 
: 世界の文明・文化の起源はシュメールに遡るという説もあることから、Fateでは「宝具の原典」という形でこれらを独自に解釈し、統合したと思われる。
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; ウルクの滅亡
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:「ギルガメシュ叙事詩」では若い頃は暴君だったが、エルキドゥと出会ってからは改心し、名君として国を治めたと語られている。史実でも「ウルクの城壁を築きし者(=ウルクを城郭都市として拡張させた)」と語られ、ウルクを発展させた重要人物とされている。
  −
: Fateでは『stay night』及び『Zero』において、ギルガメッシュはやりたい放題した挙句に自らの国を滅亡させた暴君とセイバー、ランサーの両名から語られており、本人も否定していない。また『CCC』でも自身を暴君と認め、登場人物から国を滅ぼしたと語られている。しかし本人の話では宝物庫の完成と共にもはやこの世にコレ以上の楽しみは無いと悟り、国を確固のものにしてから次代の王に託し眠りについたと語っており辻褄が合わなくなっている。
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;「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」
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: 先述の「宝具の原典」を無数に繰り出す宝具であり、当然ながら「ギルガメシュ叙事詩」には登場しない。そもそも伝承では武器を使う場面自体が少ない(武器は黄金の剣と大斧、あと己の拳)。
  −
: なお、多くの宝具の真名は伝承の中の呼び名、または伝承の発祥地の言語に準拠しているが、この宝具はそのどちらでもなく英語である。奈須氏曰く、バビロンといえば黄金の都であり背徳の都であるから、らしい。
  −
: ここで言う「バビロン」は古代都市のバビロンのことではなく、地域としてのバビロン(メソポタミア一帯)や神話としてのバビロン(メソポタミア神話。「ギルガメッシュ叙事詩」「エヌマ・エリシュ」を代表的なものとして含む)を指していると思われる。
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: また、イスカンダルが劇中で彼を「バビロニアの英雄王」と呼ぶ際のバビロニアも同様の意味と思われる。
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  −
;「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」と乖離剣エア
  −
: 古代メソポタミアの創世叙事詩「エヌマ・エリシュ」が生まれたのは古バビロニア王国が興った頃であり、ギルガメッシュの時代から700~800年ほど後である。
  −
: 伝承の中で天地開闢の剣を振るうのは知恵の神エアの息子であり、バビロニアの主神であるマルドゥク。これはバビロニアがシュメールを征服し、メソポタミアを統一したことの証とされている。
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: 後にバビロニアはヒッタイト王国に征服されるが、ヒッタイト神話にも「エアの剣」が登場する。かつて世界を分け、神の宝物庫に収められていたと伝えられ、伝承を受け継いだことが窺える。これらの伝承を照らし合わせ複合したものがFateにおける乖離剣エアの実態であると推測される。
  −
:「エヌマ・エリシュ」に登場する剣に名は無く、「エアの剣」も通称である。無論、「ギルガメシュ叙事詩」には乖離剣エアや天地開闢に関連するような記述は一切ない。故に、乖離剣エアは「無銘の剣」と作中で呼ばれているのだろう。
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  −
; 不老不死と蛇
  −
:「ギルガメシュ叙事詩」では、ギルガメッシュは不老不死の秘薬を求めて冒険に旅立ち、その果てに秘薬の原料である「若返りの薬草」を手に入れるが、蛇に盗まれ飲まれてしまったと言われている。
  −
: しかし、『stay night』劇中で「興味が失せたのでそこらにいた蛇にくれてやった」と自ら放棄したことを語っている。また、聖杯に不老不死を願うようなことも無い。その割りに苦手なものに蛇を挙げている。
  −
:『CCC』で彼本人から解説され、当時まだ未熟だった彼は死を恐れて不老不死を求め、ウトナピュシテムに秘密を聞き出すも半ば植物のような存在に成り果てなくてはならない代償を知り、諦めたという。しかし、珍品だった為に「王の財宝」に加えるには相応しいと思い手に入れるも、水浴びをしている最中にうっかりして蛇に食べられたとの事。しかし、本人としても心の何処かで期待していた不老不死を手に入れた事に対する民の賞賛などの我欲を捨て去る事が出来、自身に不老不死など必要ないとハッキリと悟る事が出来たのでこれで良かったと納得している。尚、その後コレクターとして宝物庫を完成させるために再び不老不死の薬を採取したと語っている。
  −
:: イスカンダルはギルガメッシュを「ひとたび掴んだ不老不死をあっさりと手放した馬鹿者」としている。
  −
:: 蛇は薬草を飲んで以来、脱皮するようになったと言われている。時臣が「この世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石」を召喚の触媒に使ったのはこのためである。
   
; Fateの裏の顔
 
; Fateの裏の顔
 
: 現在発表されているFate作品のほぼ全てに参戦している。『stay night』、『hollow』、『Zero』、『Fake』、『Grand Order』に加え、『プリズマ☆イリヤ』シリーズではツヴァイ以降に登場、『EXTRA』シリーズでは『CCC』に主人公のサーヴァントとして参戦を果たしており、『Prototype』シリーズでも自身の元ネタが参戦しているため、『Fate』と冠したシリーズで全く登場しないのは『Apocrypha』だけである。
 
: 現在発表されているFate作品のほぼ全てに参戦している。『stay night』、『hollow』、『Zero』、『Fake』、『Grand Order』に加え、『プリズマ☆イリヤ』シリーズではツヴァイ以降に登場、『EXTRA』シリーズでは『CCC』に主人公のサーヴァントとして参戦を果たしており、『Prototype』シリーズでも自身の元ネタが参戦しているため、『Fate』と冠したシリーズで全く登場しないのは『Apocrypha』だけである。
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