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| :しかしパニックになると慌てふためいた挙げ句泣き出し始め、周囲を混沌に陥れる点が本来のジャンヌと異なっている。 | | :しかしパニックになると慌てふためいた挙げ句泣き出し始め、周囲を混沌に陥れる点が本来のジャンヌと異なっている。 |
| :本人としては大人になったジャンヌ・オルタは、そのやさぐれっぷりが見ていて恥ずかしいようであるが、当人もまたマスターにどう甘えたいのにどうやって甘えればいいのか分からない。 | | :本人としては大人になったジャンヌ・オルタは、そのやさぐれっぷりが見ていて恥ずかしいようであるが、当人もまたマスターにどう甘えたいのにどうやって甘えればいいのか分からない。 |
− | :一方で、有用性と有益性が彼女を構成する全てと考えるほど論理的なものを好み、逆に無駄なものを好まない。頑固であることに加え、自身に禁欲を課し、辛いことがあっても強がっている。 | + | :一方で、有用性と有益性が彼女を構成する全てと考えるほど論理的なものを好み、逆に無駄なものを好まない。頑固であることに加え、辛いことがあっても強がっている。 |
− | :誰かの喜びが解らないが故に、プレゼントを贈ることに「喜びを感じておらず」、益の有無に拘るのも、何を贈れば喜ぶのかが分からない。 | + | :誰かの喜びが解らないが故に、プレゼントを贈ることに「喜びを感じておらず」、益の有無に拘るのも、何を贈れば喜ぶのかが分からない。そもそも生まれついて欲がない彼女には贈り物が分からず、自分がプレゼントを貰えることすらも分かっていなかった。 |
− | :「プレゼントは贈ったものが贈ったこと自体を喜んでいるだけの自己満足」「役に立たなければプレゼントなど意味はない」と考えている。 | + | :「プレゼントは贈ったものが贈ったこと自体を喜んでいるだけの自己満足」「役に立たなければプレゼントなど意味はない」と考えており、喜ばれるものよりも役に立つものをプレゼントする事を重視し、贈られた側が喜ばれなくとも実用一点張りという押しつけに等しい形で顕れている。 |
− | :その結果、喜ばれるものよりも役に立つものをプレゼントする事を重視し、贈られた側が喜ばれなくとも実用一点張りという押しつけに等しい形で顕れている。 | + | :願いを叶える者でありながら願いから逃避し、他者の「願いを叶える」という自身の願いを持ち、これをカタチにするサンタとしての本質を理解していない事の証左でもある。 |
− | :願いを叶える者でありながら願いから逃避し、他者の「願いを叶える」という自身の願いを持ち、これをカタチにするサンタとしての本質を理解していない。
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| ;能力 | | ;能力 |
| :赤と緑のリボンをあしらった槍を振り回している他、青い炎による攻撃を行っている。 | | :赤と緑のリボンをあしらった槍を振り回している他、青い炎による攻撃を行っている。 |
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| :ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィはその存在しない少女の、幼い頃の姿。[[ジャンヌ・ダルク|フランスを救った聖人]]ではなく、かといって[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕|フランスを滅ぼそうとした竜の魔女]]でもなく、ただ日常を謳歌する子供。 | | :ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィはその存在しない少女の、幼い頃の姿。[[ジャンヌ・ダルク|フランスを救った聖人]]ではなく、かといって[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕|フランスを滅ぼそうとした竜の魔女]]でもなく、ただ日常を謳歌する子供。 |
| :だが「元から有り得ない存在」であるジャンヌ・オルタの「本来存在しない者の幼少期」と化した姿であるが故に、自身の願いや希望は持っていない。 | | :だが「元から有り得ない存在」であるジャンヌ・オルタの「本来存在しない者の幼少期」と化した姿であるが故に、自身の願いや希望は持っていない。 |
− | :彼女は通常の英霊と違い、誰にも信仰されておらず、世界は彼女の存在を知らない。いかなる時間軸にも彼女の如き存在があった記録はなく、一夜の夢と共に消える運命。 | + | :彼女は通常の英霊と違い、誰にも信仰されておらず、世界は彼女の存在を知らない。いかなる時間軸にも彼女の如き存在があった記録はなく、人理が不安定なために、かろうじてその存在を許されていた。 |
| :それを悟った彼女はサーヴァントとして現界し続ける為に『何か』になる必要があり、彼女は己が希望ではなく、他者の希望を叶えるサンタクロースになろうとした。 | | :それを悟った彼女はサーヴァントとして現界し続ける為に『何か』になる必要があり、彼女は己が希望ではなく、他者の希望を叶えるサンタクロースになろうとした。 |
− | :プレゼントを誰よりも欲する側である子供が、公平無私に愛とプレゼントを贈る側であるサンタクロースになってしまった。 | + | :プレゼントを誰よりも欲する側である子供が、公平無私に愛とプレゼントを贈る側であるサンタクロースになってしまった。己の有用性を証明するために。 |
| + | :本当はその必要こそなかった。彼女はプレゼントを待つだけで良かった。傍にいる誰かが、必ず贈り物を届けてくれたが、彼女はそれを知らなかった。 |
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| :このままクリスマスが終われば、サンタの役目も終わり、そうなれば彼女は存在理由も自我も「消滅」してしまう。そこで、サンタクロースとしての活動を通して、彼女を救うことにした。 | | :このままクリスマスが終われば、サンタの役目も終わり、そうなれば彼女は存在理由も自我も「消滅」してしまう。そこで、サンタクロースとしての活動を通して、彼女を救うことにした。 |
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| :同上。今まで見たこともない海を見れて喜んでジャックとナーサリーは、サンタ・リリィに呼びかけるが―――。 | | :同上。今まで見たこともない海を見れて喜んでジャックとナーサリーは、サンタ・リリィに呼びかけるが―――。 |
| :子供の頃、彼女は海が見たかった。だがソレは一七歳で出立する頃には故郷に置き去りにした些細な夢。 | | :子供の頃、彼女は海が見たかった。だがソレは一七歳で出立する頃には故郷に置き去りにした些細な夢。 |
− | :旅を通じて小さな願望を叶えたサンタ・リリィは頬を濡らしていた。悲しみと喜びをジャックとナーサリーとともに分かち合いながら―――――。 | + | :厳しく、荒々しく、壮大な海。それは、思っていたものとは違う光景だったのかもしれない。 |
| + | :だけど、旅を通じて確かに願いは叶ったのだ。願いが叶えられることが、この世界には存在すると、そう理解した瞬間、サンタ・リリィは頬を濡らしていた。 |
| ;「<ruby><rb>トナカイさん</rb><rt>マスター</rt></ruby>! 私、こうして海に辿り着いて分かりました!<br> 私はサンタだけど、まだ<ruby><rb>子供</rb><rt>リリィ</rt></ruby>で。 未熟で、我が侭で、どうしようもなくて―――。<br> でも、それでも私は此処に居ます! 一生懸命、あなたのお役に立とうと思います!<br> だから、えっと、その、クリスマスが終わっても、春が来ても、夏が来ても、秋が来ても……!<br> あなたのそばにいて、いいですか?<br> ありがとうございます! ……すきです、だいすきです、<ruby><rb>トナカイさん</rb><rt>マスター</rt></ruby>!」 | | ;「<ruby><rb>トナカイさん</rb><rt>マスター</rt></ruby>! 私、こうして海に辿り着いて分かりました!<br> 私はサンタだけど、まだ<ruby><rb>子供</rb><rt>リリィ</rt></ruby>で。 未熟で、我が侭で、どうしようもなくて―――。<br> でも、それでも私は此処に居ます! 一生懸命、あなたのお役に立とうと思います!<br> だから、えっと、その、クリスマスが終わっても、春が来ても、夏が来ても、秋が来ても……!<br> あなたのそばにいて、いいですか?<br> ありがとうございます! ……すきです、だいすきです、<ruby><rb>トナカイさん</rb><rt>マスター</rt></ruby>!」 |
| :同上。彼女はありのままに願いを述べた。たとえ未熟であっても、たとえクリスマスが終わっても、「マスターのそばにいたい」。 | | :同上。彼女はありのままに願いを述べた。たとえ未熟であっても、たとえクリスマスが終わっても、「マスターのそばにいたい」。 |
− | :自分の願いを受け入れたマスターを抱きしめ、サンタ・リリィの旅は笑顔を以て締めくくったのであった。 | + | :自分の願いを受け入れたマスターを抱きしめ、サンタ・リリィの旅は笑顔を以て締めくくり、しかし彼女の物語は始まったのであった。 |
− | | + | ;「メリークリスマス! マスター、改めてジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ・ランサー・サンタ、召喚に応じ参上しました!<br> え? もう一度名前を言って欲しい? 今度は早口で?<br> ええと……ジャンヌダルクおるたしゃんたりゃりゃ……ふぎゃ! 舌、かんじゃいました……」 |
| + | :召喚時の台詞。マスターの<del>無茶ぶり</del>要望に応えようとするも、舌を噛んでしまって涙目になる。 |
| + | ;「サンタとして、マスターをしっかり管理してあげます。さあ、明日は朝5時に起床です!」<br>「朝5時はつらいですか? 夜更かししなければいいんです。論破です! ふふふ、論破できました!」 |
| + | :マイルーム会話絆Lv1とLv2。サンタとして、トナカイであるマスターを管理しようと意気込んでいる。 |
| + | ;「むにゃ……なっ! い、いえ寝てません! 夜更かしなんてサンタはしませんから……」 |
| + | :マイルーム会話絆Lv3。前述のLv1とLv2とは反対に、うたた寝していたところをマスターに見られて、慌てて誤魔化している。 |
| + | ;「えぇ!? 私にプレゼント、ですか……? そんなぁ、サンタにプレゼントとか論理的じゃありません! あの、でも……ありがとう、ごじゃいます……」 |
| + | :マイルーム会話絆Lv4。トナカイから労いを込めてプレゼントされたことに倫理的ではないと戸惑いつつも、思わず感謝せずにはいられなかった。 |
| + | ;「へへへー、マスターも一人前のサンタでありトナカイです。このジャンヌが太鼓判を押してあげちゃいます。<br> それから、これ袋の中に入ってて似合うかなーって思ったプレゼントです。よかったら受け取ってください。……ありがとうございます、やったぁ!」 |
| + | :マイルーム会話絆Lv5。絆を深めたマスターを一人前のサンタでありトナカイと認め、サンタ・リリィはその記念としてプレゼントを贈ることにした。 |
| + | :トナカイさんが受け取ったことで、幸せそうに喜ぶサンタ・リリィであった。 |
| ==メモ== | | ==メモ== |
| *そのあまりにも長い名前からユーザーからは略称に苦心していた。竹箒日記内での略称は「J・D・A・S・L」。 | | *そのあまりにも長い名前からユーザーからは略称に苦心していた。竹箒日記内での略称は「J・D・A・S・L」。 |
− | **当人も苦戦しており、召喚時には名前を早口で呼ぼうとして噛んでしまうシーンがある。
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| *作中でも言及していた『賢者の贈り物』とはオー・ヘンリーの代表作となった短編小説。 | | *作中でも言及していた『賢者の贈り物』とはオー・ヘンリーの代表作となった短編小説。 |
| **内容は貧しい夫婦が、一見「愚かな行き違い」で欲しいプレゼントを工面するために互いに大切にしたものを手放し、しかし互いに相手の喜ぶ顔を見たい志からくる「最も賢明な行為」という、皮肉ながらも暖かいモノとなっている。 | | **内容は貧しい夫婦が、一見「愚かな行き違い」で欲しいプレゼントを工面するために互いに大切にしたものを手放し、しかし互いに相手の喜ぶ顔を見たい志からくる「最も賢明な行為」という、皮肉ながらも暖かいモノとなっている。 |