;「いいえ。僕が兄さんの勝ちを願うことはありません。それは王の行いではない。<br> 冷たいようですが、僕の中には彼の勝敗で揺れ動くものは何もありません。<br> 彼の尽力は彼のものです。それが主君に届かなかったとしても、主君には何の関係もない。<br> なにより、願う意味がありません。最終的に、この戦いで勝ち残るのは僕だけなのですから。<br> いずれ、兄さんも僕に倒される。いま一時、彼の生を願ってどうするのです。<br> ただ、一つだけ救いがあるのなら、それは無意味な死ではない、という事。<br> 兄さんは、僕が世界を統治する為の礎になります。それは人々にとって、揺るぎのない成果でしょう」 | ;「いいえ。僕が兄さんの勝ちを願うことはありません。それは王の行いではない。<br> 冷たいようですが、僕の中には彼の勝敗で揺れ動くものは何もありません。<br> 彼の尽力は彼のものです。それが主君に届かなかったとしても、主君には何の関係もない。<br> なにより、願う意味がありません。最終的に、この戦いで勝ち残るのは僕だけなのですから。<br> いずれ、兄さんも僕に倒される。いま一時、彼の生を願ってどうするのです。<br> ただ、一つだけ救いがあるのなら、それは無意味な死ではない、という事。<br> 兄さんは、僕が世界を統治する為の礎になります。それは人々にとって、揺るぎのない成果でしょう」 |