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== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
; 「――女の話をしよう。
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; 「――女の話をしよう。<br/>  目覚めた時から、女は病理に繋がれていた。<br/>  重い鎖は満遍なく。つま先から頭まで、ミイラの如き死に化粧。<br/>  自由がない、と余人は憐む。<br/>  自由はない、と彼女は喜ぶ。<br/>  鉄のドレスは難攻不落。<br/>  城門開いたその奥に、在るのは乙女か魔性の罠か。<br/>  他人の秘密は蜜の味というが、さて」
;  目覚めた時から、女は病理に繋がれていた。
  −
;  重い鎖は満遍なく。つま先から頭まで、ミイラの如き死に化粧。
  −
;  自由がない、と余人は憐む。
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;  自由はない、と彼女は喜ぶ。
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;  鉄のドレスは難攻不落。
  −
;  城門開いたその奥に、在るのは乙女か魔性の罠か。
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;  他人の秘密は蜜の味というが、さて」
   
: 第一章『隷属庭園』冒頭の語り。
 
: 第一章『隷属庭園』冒頭の語り。
   −
;「――女の話をしよう。
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;「――女の話をしよう。<br/>  着替えた時から、女は衆目を集めていた。<br/>  虫も殺せない可憐さで、女は男を管理する。<br/>  節度のある生活を! なるほどそいつは聞こえがいい。<br/>  無駄のない人生を! いかにもそいつは素晴らしい。<br/>  待っているのは計算監獄。無垢なるものこそ残酷だ。<br/>  眉目秀麗、品行方正。なのにどうしてこうなった?」
;  着替えた時から、女は衆目を集めていた。
  −
;  虫も殺せない可憐さで、女は男を管理する。
  −
;  節度のある生活を! なるほどそいつは聞こえがいい。
  −
;  無駄のない人生を! いかにもそいつは素晴らしい。
  −
;  待っているのは計算監獄。無垢なるものこそ残酷だ。
  −
;  眉目秀麗、品行方正。なのにどうしてこうなった?」
   
: 第二章『計算監獄』冒頭の語り。
 
: 第二章『計算監獄』冒頭の語り。
   −
; 「<RUBY><RB>愛に濡れた唇は囁く</RB><RT>女の話をしよう</RT></RUBY>。
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; 「<RUBY><RB>愛に濡れた唇は囁く</RB><RT>女の話をしよう</RT></RUBY>。<br/>  <RUBY><RB>"貴方のすべてを、私に下さい"</RB><RT>愛を知った時、女は魔物に変生する</RT></RUBY><br/>  愛しみと憎しみは本来、別々のもの。<br/>  それが一つのものとして語られる時、<br/>  これらをつなげる感情が不可欠になる。<br/>  ――狂気だ。<br/>  狂おしいほど愛している。狂おしいほど憎んでいる。<br/>  他人への想いがこの域にまで達した時、<RUBY><RB>愛憎</RB><RT>かいぶつ</RT></RUBY>は現れる。<br/>  ……とかく、一目惚れとは暴力のようなもの。<br/>  する方は幸福だが、される方には不意打ちだ」
;  <RUBY><RB>"貴方のすべてを、私に下さい"</RB><RT>愛を知った時、女は魔物に変生する</RT></RUBY>
  −
;  愛しみと憎しみは本来、別々のもの。
  −
;  それが一つのものとして語られる時、
  −
;  これらをつなげる感情が不可欠になる。
  −
;  ――狂気だ。
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;  狂おしいほど愛している。狂おしいほど憎んでいる。
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;  他人への想いがこの域にまで達した時、<RUBY><RB>愛憎</RB><RT>かいぶつ</RT></RUBY>は現れる。
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;  ……とかく、一目惚れとは暴力のようなもの。
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;  する方は幸福だが、される方には不意打ちだ」
   
: 第三章『愛憎唇紅』冒頭の語り。
 
: 第三章『愛憎唇紅』冒頭の語り。
   −
; 「――女の話をしよう。
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; 「――女の話をしよう。<br/>  肥大化した自我は、女の人生を食い潰した 。<br/>  誰だろうと夢を見る自由はある 。<br/>  理想の自分。理想の快楽。理想の未来。<br/>  理想の他人。理想の恋人。理想の別離。<br/>  誰だろうと、安い夢を見る自由はある。<br/>  だが、その大半は<RUBY><RB>悪夢</RB><RT>わるいゆめ</RT></RUBY>だ」
;  肥大化した自我は、女の人生を食い潰した 。
  −
;  誰だろうと夢を見る自由はある 。
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;  理想の自分。理想の快楽。理想の未来。
  −
;  理想の他人。理想の恋人。理想の別離。
  −
;  誰だろうと、安い夢を見る自由はある。
  −
;  だが、その大半は<RUBY><RB>悪夢</RB><RT>わるいゆめ</RT></RUBY>だ」
   
: 第四章『麻酔城塞』冒頭の語り。
 
: 第四章『麻酔城塞』冒頭の語り。
   −
; 「――女の話をしよう。
+
; 「――女の話をしよう。<br/>  どうせ食べるのなら、まるごとがいいと女は思った。<br/>  支配者にして処刑人。<br/>  調理人にして毒味役。<br/>  美食を重ねること数百人。<br/>  堪能、溺愛、泥酔、絶頂。<br/>  ふしだらな食事のツケは頭に生えた異形の<RUBY><RB>魔羅</RB><RT>つの</RT></RUBY>か。<br/>  だがまあ、そう珍しい事でもない。<br/>  美しい少女を貪るのは、<RUBY><RB>男性女性</RB><RT>ニンゲンども</RT></RUBY>の本能だ」
;  どうせ食べるのなら、まるごとがいいと女は思った。
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;  支配者にして処刑人。
  −
;  調理人にして毒味役。
  −
;  美食を重ねること数百人。
  −
;  堪能、溺愛、泥酔、絶頂。
  −
;  ふしだらな食事のツケは頭に生えた異形の<RUBY><RB>魔羅</RB><RT>つの</RT></RUBY>か。
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;  だがまあ、そう珍しい事でもない。
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;  美しい少女を貪るのは、<RUBY><RB>男性女性</RB><RT>ニンゲンども</RT></RUBY>の本能だ」
   
: 第五章『血々純潔』冒頭の語り。
 
: 第五章『血々純潔』冒頭の語り。
   −
; 「<RUBY><RB>愛に溺れた瞳は語る</RB><RT>女の話をしよう</RT></RUBY>。
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; 「<RUBY><RB>愛に溺れた瞳は語る</RB><RT>女の話をしよう</RT></RUBY>。<br/>  <RUBY><RB>"私のすべては、貴方のために"</RB><RT>愛を守る時、女は女神と等しくなる</RT></RUBY><br/>  おまえの体が目当てだ、と男は笑った。まるでケダモノね、と女は言った。<br/>  おまえの心は俺のものだ、と男は笑った。ええその通りよ、と女は言った。<br/>  助けてくれ、と男は言った。ケダモノではまだ足りない、と女は笑った。<br/>  愛しているのに、と男は言った。ええその通りよ、と女は笑った。<br/>  男女はヴェールの向こうで一つになる。癒着する肌のように。熱に溶ける氷のように。<br/>  溺愛を具現する女は笑う。すべてを支配してこそ、真実の愛たり得るのだと」
;  <RUBY><RB>"私のすべては、貴方のために"</RB><RT>愛を守る時、女は女神と等しくなる</RT></RUBY>
  −
;  おまえの体が目当てだ、と男は笑った。まるでケダモノね、と女は言った。
  −
;  おまえの心は俺のものだ、と男は笑った。ええその通りよ、と女は言った。
  −
;  助けてくれ、と男は言った。ケダモノではまだ足りない、と女は笑った。
  −
;  愛しているのに、と男は言った。ええその通りよ、と女は笑った。
  −
;  男女はヴェールの向こうで一つになる。癒着する肌のように。熱に溶ける氷のように。
  −
;  溺愛を具現する女は笑う。すべてを支配してこそ、真実の愛たり得るのだと」
   
: 第六章『快楽臨界』冒頭の語り。
 
: 第六章『快楽臨界』冒頭の語り。
   −
; 「――最後の話をしよう。
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; 「――最後の話をしよう。<br/>  儚く現実に破れる、当たり前の恋の<RUBY><RB>結末</RB><RT>はなし</RT></RUBY>を」
;  儚く現実に破れる、当たり前の恋の<RUBY><RB>結末</RB><RT>はなし</RT></RUBY>を」
   
: 第七章『乙女ノ深層』冒頭の語り。
 
: 第七章『乙女ノ深層』冒頭の語り。
   −
;「――では、その女の話をしよう。
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;「――では、その女の話をしよう。<br/>  淫らに現実を侵す、おぞましい愛の<RUBY><RB>末路</RB><RT>はなし</RT></RUBY>を」
;  淫らに現実を侵す、おぞましい愛の<RUBY><RB>末路</RB><RT>はなし</RT></RUBY>を」
   
: 最終章『聖女ノ深層』冒頭の語り。
 
: 最終章『聖女ノ深層』冒頭の語り。
   145行目: 100行目:  
: 彼の在り方が最も端的に表れたセリフ。一見するとただの捻くれた奴だが、毒舌でこそあるもののそもそも批判も非難もしておらず、その人間の意志や生き方を尊重し、真実を彼なりに誠実かつ真摯に語っている。ただ、その毒舌ゆえに誤解されがちなのは否めない。
 
: 彼の在り方が最も端的に表れたセリフ。一見するとただの捻くれた奴だが、毒舌でこそあるもののそもそも批判も非難もしておらず、その人間の意志や生き方を尊重し、真実を彼なりに誠実かつ真摯に語っている。ただ、その毒舌ゆえに誤解されがちなのは否めない。
   −
; 「失敬、言い過ぎだった。だからよせ。本気でやめろ。
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; 「失敬、言い過ぎだった。だからよせ。本気でやめろ。<br/>  俺は肉体労働が何より嫌いなんだ!<br/>  分かった、牛女と言ったのは俺のミスだ。<br/>  なにしろ比喩がストレートすぎた!メロン峠とでも言うべきだったな!」
;  俺は肉体労働が何より嫌いなんだ!
  −
;  分かった、牛女と言ったのは俺のミスだ。
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;  なにしろ比喩がストレートすぎた!メロン峠とでも言うべきだったな!」
   
: マスターであるキアラをこき下ろした揚句に「令呪で迷宮に放り込もうか」と言われた際に発したセリフ。本気で嫌がっている事が窺えるが、まるで反省の色が見えず、よりアレな表現になっている。
 
: マスターであるキアラをこき下ろした揚句に「令呪で迷宮に放り込もうか」と言われた際に発したセリフ。本気で嫌がっている事が窺えるが、まるで反省の色が見えず、よりアレな表現になっている。
   157行目: 109行目:  
: キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。狐耳を「あざとい」と評され、「お子様にはわからない」と反論された時の切り返し。ちなみに狐はネコ目イヌ科だがそういう問題ではないらしく、彼の趣味がわかる一幕。誤字に定評のある奈須氏の自虐も込められているような…
 
: キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。狐耳を「あざとい」と評され、「お子様にはわからない」と反論された時の切り返し。ちなみに狐はネコ目イヌ科だがそういう問題ではないらしく、彼の趣味がわかる一幕。誤字に定評のある奈須氏の自虐も込められているような…
   −
; 「人間を愛し、人間に仕えたところで、待っているのは不理解による死だけだ。だが―――
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; 「人間を愛し、人間に仕えたところで、待っているのは不理解による死だけだ。だが―――<br/>  それを承知で仕えるからこそ、彼らの愛は人間の心を打つ。狐耳。お前の献身は、まあ、いつかは主に届くだろうさ」
;  それを承知で仕えるからこそ、彼らの愛は人間の心を打つ。狐耳。お前の献身は、まあ、いつかは主に届くだろうさ」
   
: キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。読者の呪いを受けた彼は「その人間がどう見えるかは主観による決め込み」と語り、人間に憧れ転生までしながら怪物視されたキャスターを「ごんぎつねと同じ」と評する。しかし、それは決して嘲っているわけではなく、その生き様を認め、励ましてさえいる。
 
: キャスター選択時に自分のサーヴァントについて尋ねた時のやりとり。読者の呪いを受けた彼は「その人間がどう見えるかは主観による決め込み」と語り、人間に憧れ転生までしながら怪物視されたキャスターを「ごんぎつねと同じ」と評する。しかし、それは決して嘲っているわけではなく、その生き様を認め、励ましてさえいる。
   −
; 「いいか。作者にとって本はたしかに魂の切り売りだが、それにも種類はある。書きたい話と書くべき話は別なんだ。
+
; 「いいか。作者にとって本はたしかに魂の切り売りだが、それにも種類はある。書きたい話と書くべき話は別なんだ。<br/>  作者が妄想を自由に羽ばたかせ、なにより作者本人が楽しいものが"書きたいもの"<br/>  作者を思想で磔にし、なにより作者本人が苦しいものが"書くべきもの"<br/>  多くの読者はそのあたりが分かっていない。だから、俺が残してきた多くの童話をそのままに解釈する。<br/>  そのおかげで、こっちはさんざんな呪いを受けている。腕は火傷の跡だらけ、脚は人魚の鱗まみれだ」<br/> 「見たか、このおぞましい風評被害!<br/>  "こんな本を書く人間は、よほど寂しい人間に違いない―――"<br/>  そんなおまえたちの、自分たちにとって楽しい思い込みが俺をこのように変貌させた」<br/> 「分かったか? 人魚姫を読んだ読者の呪いはすべて俺に集まっている。であれば、俺は作者以外の何物だというんだ」
;  作者が妄想を自由に羽ばたかせ、なにより作者本人が楽しいものが"書きたいもの"
  −
;  作者を思想で磔にし、なにより作者本人が苦しいものが"書くべきもの"
  −
;  多くの読者はそのあたりが分かっていない。だから、俺が残してきた多くの童話をそのままに解釈する。
  −
;  そのおかげで、こっちはさんざんな呪いを受けている。腕は火傷の跡だらけ、脚は人魚の鱗まみれだ」
  −
; 「見たか、このおぞましい風評被害!
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;  "こんな本を書く人間は、よほど寂しい人間に違いない―――"
  −
;  そんなおまえたちの、自分たちにとって楽しい思い込みが俺をこのように変貌させた」
  −
; 「分かったか? 人魚姫を読んだ読者の呪いはすべて俺に集まっている。であれば、俺は作者以外の何物だというんだ」
   
: アンデルセンの童話「人魚姫」を読んだ主人公が、あの彼が本当にこの話を書いたのかと疑問を持たれた時の返答。彼の創作思想とともに、その身に降りかかった呪いも合わせて語る。
 
: アンデルセンの童話「人魚姫」を読んだ主人公が、あの彼が本当にこの話を書いたのかと疑問を持たれた時の返答。彼の創作思想とともに、その身に降りかかった呪いも合わせて語る。
   −
; 「バッカ、そんなものオマエ、“書きたいもの”に決まっているだろう!!
+
; 「バッカ、そんなものオマエ、“書きたいもの”に決まっているだろう!!<br/>  ゆだった妄想にとりつかれ、一方通行の暴走をしたあげく、唯一の利点である美しさを台無しにするお姫さま!<br/>  書いていてたまらなく面白かったぞぅ!沸き立つジンマシンを堪えながら。リア充爆発しろ、と叫びたいのを堪えてな!」<br/> 「……まあ、なんだ、確かに、人魚姫はやりすぎた。あの時はついカッとなって書いた。反省している」
;  ゆだった妄想にとりつかれ、一方通行の暴走をしたあげく、唯一の利点である美しさを台無しにするお姫さま!
  −
;  書いていてたまらなく面白かったぞぅ!沸き立つジンマシンを堪えながら。リア充爆発しろ、と叫びたいのを堪えてな!」
  −
; 「……まあ、なんだ、確かに、人魚姫はやりすぎた。あの時はついカッとなって書いた。反省している」
   
: 人魚姫は「書きたいもの」だったのか「書くべきもの」だったのかと問われて。「乙女の恋心なんて書きたくもないけれど、教訓として記した“書くべきもの”なんだろう」という主人公の予想は性格破綻者の前に見事に外れた。
 
: 人魚姫は「書きたいもの」だったのか「書くべきもの」だったのかと問われて。「乙女の恋心なんて書きたくもないけれど、教訓として記した“書くべきもの”なんだろう」という主人公の予想は性格破綻者の前に見事に外れた。
   −
; 「そりゃあ愛だろうよ。より強く愛している方が、本当に“支配している”側と言える」
+
; 「そりゃあ愛だろうよ。より強く愛している方が、本当に“支配している”側と言える」<br/> 「これは全てに共通する結論だぞ。だからこそ世の中は馬鹿らしい!結局はそんなものでひっくり返るのだからな!」
; 「これは全てに共通する結論だぞ。だからこそ世の中は馬鹿らしい!結局はそんなものでひっくり返るのだからな!」
   
: 遠坂凛について尋ねた際に語る、「どちらが奴隷かはものの見方次第で変わる」という言葉の具体的な答え。マスターであるキアラは「乱暴な意見」と言うが、彼女のやったことと動機を考えればあながち間違ってもいない。
 
: 遠坂凛について尋ねた際に語る、「どちらが奴隷かはものの見方次第で変わる」という言葉の具体的な答え。マスターであるキアラは「乱暴な意見」と言うが、彼女のやったことと動機を考えればあながち間違ってもいない。
   191行目: 130行目:  
: 「月の裏側では善悪に差異はない」と語り不干渉の姿勢を見せつつも、「世界の存亡を放っておけるほどろくでなしではない」と主人公に対し「本当の敵」についてのアドバイスを送る。自身のスタンスすら曲げて送ったこの言葉が指す「本当の敵」とは…
 
: 「月の裏側では善悪に差異はない」と語り不干渉の姿勢を見せつつも、「世界の存亡を放っておけるほどろくでなしではない」と主人公に対し「本当の敵」についてのアドバイスを送る。自身のスタンスすら曲げて送ったこの言葉が指す「本当の敵」とは…
   −
; 「これは魔法の裁縫だ。知恵なき者には宝石に、知恵ある者には無価値に映る」
+
; 「これは魔法の裁縫だ。知恵なき者には宝石に、知恵ある者には無価値に映る」<br/> 「白鳥のように飛び立て。この池は、おまえたちの住む場所ではない」<br/> 「カイの欠片よ、命に刺され」<br/> 「ゲルダの涙よ、心を溶かせ」
; 「白鳥のように飛び立て。この池は、おまえたちの住む場所ではない」
  −
; 「カイの欠片よ、命に刺され」
  −
; 「ゲルダの涙よ、心を溶かせ」
   
: 自身の著作になぞらえた能力の行使。それぞれ裸の王様、醜いあひるの子、雪の女王。
 
: 自身の著作になぞらえた能力の行使。それぞれ裸の王様、醜いあひるの子、雪の女王。
   −
; 「お集まりの紳士諸賢、淑女の皆様。
+
; 「お集まりの紳士諸賢、淑女の皆様。<br/>  これよりアンデルセンが語りますは一人の女の物語。<br/> 愛にあふれ、愛にくるい、あらゆる不道徳を歓喜のうちに迎え入れ、あまねく欲にまみれた女。<br/>  女の名は殺生院キアラ。<br/>  キアラを討つべく集いしは、正しき目を持つ我らが希望。<br/>  善悪は定まらぬ者なれど、此度は明白、悪とは是れ殺生院、善とは是れ恋する<RUBY><RB>若者</RB><RT>かれら</RT></RUBY>。<br/>  この物語がいかなる終演を迎えるか、どうぞ皆様、最後まで目をお離しなきように――!」
;  これよりアンデルセンが語りますは一人の女の物語。
  −
; 愛にあふれ、愛にくるい、あらゆる不道徳を歓喜のうちに迎え入れ、あまねく欲にまみれた女。
  −
;  女の名は殺生院キアラ。
  −
;  キアラを討つべく集いしは、正しき目を持つ我らが希望。
  −
;  善悪は定まらぬ者なれど、此度は明白、悪とは是れ殺生院、善とは是れ恋する<RUBY><RB>若者</RB><RT>かれら</RT></RUBY>。
  −
;  この物語がいかなる終演を迎えるか、どうぞ皆様、最後まで目をお離しなきように――!」
   
: 彼は語り手として物語を語る。一人の女の物語を。
 
: 彼は語り手として物語を語る。一人の女の物語を。
   −
; 「フン、誰の味方かだと?決まっている。サーヴァントはマスターに味方するものだ。
+
; 「フン、誰の味方かだと?決まっている。サーヴァントはマスターに味方するものだ。<br/>  分かりきった事を訊くな。地獄の底まで共にする。<br/>  それがサーヴァントというものだろう」
;  分かりきった事を訊くな。地獄の底まで共にする。
  −
;  それがサーヴァントというものだろう」
   
: 誰の味方かと問われて。散々毒舌を吐いてはいたが、彼のキアラに対する忠誠心は本物だった…この文面だけ見るとそう思えるが、その直後のマスターとの会話の応酬や、後述のあるセリフ、そして決着時の主人公とのやり取り及び最期の言葉を見るに、普遍的な「忠誠心」とはまた異なる感情がこの言葉に込められていると言える。
 
: 誰の味方かと問われて。散々毒舌を吐いてはいたが、彼のキアラに対する忠誠心は本物だった…この文面だけ見るとそう思えるが、その直後のマスターとの会話の応酬や、後述のあるセリフ、そして決着時の主人公とのやり取り及び最期の言葉を見るに、普遍的な「忠誠心」とはまた異なる感情がこの言葉に込められていると言える。
   214行目: 142行目:  
: キアラの宝具「この世、全ての欲(アンリマユ/CCC)」を評して。いかなる心境か、本来は敵対関係にある主人公達に対して助言している。そして、実際に宝具の内容が余りにアレだった為に多くのプレイヤーが彼の台詞に共感したとか。
 
: キアラの宝具「この世、全ての欲(アンリマユ/CCC)」を評して。いかなる心境か、本来は敵対関係にある主人公達に対して助言している。そして、実際に宝具の内容が余りにアレだった為に多くのプレイヤーが彼の台詞に共感したとか。
   −
; 「……フン。今のは悪かった。たしかに笑いごとじゃない。詫びの代金だ、答えてやろう。<br> 愛は求める心。そして恋は、夢見る心だ」
+
; 「……フン。今のは悪かった。たしかに笑いごとじゃない。詫びの代金だ、答えてやろう。<br> 愛は求める心。そして恋は、夢見る心だ」<br/> 「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。<br> それがまっとうな男女の関係だ。死ぬ間際だが、それこそ心に刻んで反省しろ」
; 「恋は現実の前に折れ、現実は愛の前に歪み、愛は、恋の前では無力になる。<br> それがまっとうな男女の関係だ。死ぬ間際だが、それこそ心に刻んで反省しろ」
   
: 恋とは何なのかを聞くキアラに対して「この世で最も猥らな女がこの世で最も初心だったとは」と笑い飛ばした後、真摯に答えを口にする。<br>また、この恋、愛、現実の三竦みは7章開幕の語りにも引用されている。
 
: 恋とは何なのかを聞くキアラに対して「この世で最も猥らな女がこの世で最も初心だったとは」と笑い飛ばした後、真摯に答えを口にする。<br>また、この恋、愛、現実の三竦みは7章開幕の語りにも引用されている。
   221行目: 148行目:  
: 人を愛さないロマンチストな作家の、愛の告白。恋を知らなかった故に暴走して堕ちる所まで堕ちてしまった女の人生に、最後の一文(ひかり)を添える。そして、その告白を受けた女の返答は…!?
 
: 人を愛さないロマンチストな作家の、愛の告白。恋を知らなかった故に暴走して堕ちる所まで堕ちてしまった女の人生に、最後の一文(ひかり)を添える。そして、その告白を受けた女の返答は…!?
   −
; 「おまえたちはキアラを憎むがいい。あの女は本当に、心底からのド外道だ。赦される価値はない。
+
; 「おまえたちはキアラを憎むがいい。あの女は本当に、心底からのド外道だ。赦される価値はない。<br/>  だが―――どのような人間であれ、己の幸福のために人生をかけるのであれば、俺には尊い光に見える<br/>  幻の様な取るに足らない小さな明かりでも―――温かい、最後の灯に、見えるのだ。<br/>  これはそれだけの話だ、これはキアラの物語だったが、俺の読みたかった物語でもある。」<br/> 「ふん、かくして筆は折れ、物書きは忘れ去られる。何と清々しいことか!<br/>  さらばだ、悩み多き少年少女!せいぜい、人に恋し、愛に迷い、生に苦しむがいい!無駄に使える時間はないぞ!」
;  だが―――どのような人間であれ、己の幸福のために人生をかけるのであれば、俺には尊い光に見える
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;  幻の様な取るに足らない小さな明かりでも―――温かい、最後の灯に、見えるのだ。
  −
;  これはそれだけの話だ、これはキアラの物語だったが、俺の読みたかった物語でもある。」
  −
; 「ふん、かくして筆は折れ、物書きは忘れ去られる。何と清々しいことか!
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;  さらばだ、悩み多き少年少女!せいぜい、人に恋し、愛に迷い、生に苦しむがいい!無駄に使える時間はないぞ!」
   
:  マスターを追う様に消えた物書きの、主人公に対する餞。様々な人を観て、神に成ろうとした女に仕えた作家の深い言葉だ。
 
:  マスターを追う様に消えた物書きの、主人公に対する餞。様々な人を観て、神に成ろうとした女に仕えた作家の深い言葉だ。
  
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