反英雄は被害者でありながら、究極的な加害者でなくてはならない。人が生み出したモノでありながら、決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾こそがあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。英雄と称される生贄が食い殺されようが地中に埋められようが関係ない。貧乏クジを引かされた者、一方的に押し付けられた汚れ役が人々を救う偉業を成し遂げたのなら、それは罪人ではなく、英雄へと昇華される。大事なのは祭り上げる側の意識で、敬意や感謝、罪悪感などで祭り上げられて生まれるのはまっとうな英雄となる。ただ、純粋な反英雄はそうはおらず、存在しないモノ。そういうものがいてくれたら良い、という人間の願望。原罪を否定する為の生贄、人間の生み出した一つの終末(理想)。平穏と同義とされる、叶う事のない願いの一つが反英雄と呼ばれるモノ。 | 反英雄は被害者でありながら、究極的な加害者でなくてはならない。人が生み出したモノでありながら、決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾こそがあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。英雄と称される生贄が食い殺されようが地中に埋められようが関係ない。貧乏クジを引かされた者、一方的に押し付けられた汚れ役が人々を救う偉業を成し遂げたのなら、それは罪人ではなく、英雄へと昇華される。大事なのは祭り上げる側の意識で、敬意や感謝、罪悪感などで祭り上げられて生まれるのはまっとうな英雄となる。ただ、純粋な反英雄はそうはおらず、存在しないモノ。そういうものがいてくれたら良い、という人間の願望。原罪を否定する為の生贄、人間の生み出した一つの終末(理想)。平穏と同義とされる、叶う事のない願いの一つが反英雄と呼ばれるモノ。 |