バーサーカー
- 真名:ナイチンゲール
- 身長:165cm / 体重:52kg
- 出典:史実
- 地域:欧州
- 属性:秩序・善
- 性別:女性
- CV:沢城みゆき / イラスト:高橋慶太郎
『Fate/Grand Order』に登場する「狂戦士」のクラスのサーヴァント。
- 略歴
- 実装に先駆けてイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にて真名を明かされない状態で先行登場。名前を含めた記憶を失くしており、アヴェンジャーによって「メルセデス」と名付けられる。
- だが彼女の正体はシャトー・ディフにおける本来の第七の「裁きの間」の支配者で、最終的に主人公の前に死霊と共に立ちはだかることとなる。
- 人物
- 奉仕と献身を信条とし、たったひとりの軍隊ともいうべき不屈性を持った信念の女。
- どのサーヴァントであろうとも絶対に挫けることなく、告げるべき言葉を継げる強靭な精神を有している。
- 『Grand Order』での現界に際しては、その精神性とクラススキルの狂化:EXが相まって、(恐らく)生前と異なり「人の話を全然聞かない」状態になっている。
- なお落ち着いた表情で言葉を話すものの、それらの言葉はすべて「自分に向けて」の言葉であるため、意思疎通は困難である。
- 能力
- 素手と拳銃を使用した白兵戦によって戦闘を行う。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バーサーカー | 主人公 (Grand Order) | B+ | A+ | B+ | D+ | A+ | D | 狂化:EX | 鋼の看護:A 人体理解:A 天使の叫び:EX |
宝具
- 我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ(ナイチンゲール・プレッジ)
- ランク:C
種別:対軍宝具
レンジ:0~40
最大捕捉:100人 - 戦場を駆け、死と立ち向かったナイチンゲールの精神性が昇華され、
- 更には彼女自身の逸話から近現代にかけて成立した「傷病者を助ける白衣の天使」という看護師の概念さえもが結びついたもの。
- 効果範囲内のあらゆる毒性と攻撃性は無効化される。回復効果も兼ねる。
- 『Fate/Grand Order』では、敵全体の宝具威力を1ターン低下させ、味方全体の回復+弱体化解除を行う。
- 演出上は「巨大な白衣の看護師が現れ、大剣を振り下ろす」というものだが、見た目に反して攻撃効果はない。
真名:ナイチンゲール
- フローレンス・ナイチンゲール。
クリミアの天使、小陸軍省といった異名を持つ女性。
- 裕福な紳士階級生まれで社交界の華とされながら、若き日の彼女は当時の時代では卑賎な職業とされていた看護婦(看護師)となることを希望した。
- 医師と看護の知識と技術を得た後、ロンドン・ハーリー街の委員で監督として看護体制改革に着手。私財を用いて近代的な設備を作り、看護師たちの状況改善にも努めた。
その後、知己であった戦時大臣シドニー・ハーバートの頼みを受けて大英帝国陸軍病院看護婦総監督としてクリミア戦争へと従事するが、彼女が見た光景は、まさに地獄と言うべきものだった。
医師や看護への不理解から来る不衛生や多数の前時代的な規則が横行し、地獄の様相と化した戦時医療の改革を務めるべく、彼女は奮起する。
- 一時期は「戦時医院での死亡率が跳ね上がった」ものの活動を続け、清潔な衛生と正しい看護を徹底し、惜しみなく私財をなげうって物資を揃え、40%近かった死亡率を5%までに抑制させる成果を導いたであった。
- ロンドンの新聞各紙は、彼女こそ戦場に舞い降りた天使そのものであると讃えた。女王の時代に現れた女性英雄に人々は熱狂した。数多の喝采があったが、彼女は微笑まなかった。自分は天使などではなく、ただ、人を助けるだけにあると。
- その後も彼女は活動を続け、戦時医療及び陸軍衛生の大改革に着手。ヴィクトリア女王さえをも味方として引き込み、改革を進めていった。
改革のために医院の記録分析を進めた行為は、統計学の先駆としても知られている。
登場作品と役柄
- Fate/Grand Order
- バーサーカーのサーヴァントとして登場。レア度はSSR(☆5)。イラストレーターは高橋慶太郎氏。
人間関係
Fate/Grand Order
- 巌窟王 エドモン・ダンテス
- 彼が「傲慢」の裁きの間の支配者となったことで、彼女は本来の役割と共に記憶を失った。
- そして監獄塔を彷徨っていたところを遭遇して、彼に「メルセデス」という名前を与えられる。
- 後に戦闘となり、相性の点では彼に有効ではあったが、ダンテスに「おまえの刃は優しすぎた」と言われ、敗れ去った。
生前
- シドニー・ハーバート
- 知己。クリミア戦争当時の陸軍大臣で、彼の要請によりナイチンゲールは従軍看護婦として戦場へ向かう。
名台詞
- 「私が来たからには、どうか安心なさい。全ての命を救いましょう。
全ての命を奪ってでも――私は必ずそうします」 - 召喚時。彼女の精神性の一端が垣間見える台詞。
- 「魔術による治療行為? 何を言っているのですあなたは、医療行為にオカルトなど必要ありません。全くもう、変な人ね…」
「聖杯? 何を言っているのです…ああですが、手を洗うためのボウルは必要ですね、大切な事です。いつでも手は清潔に」 - マイルーム会話。神秘やオカルトには一切理解を示さず、ただ現実的な手段で彼女は医療を行う。
- とはいえ、そう言う彼女自身がその魔術と聖杯による産物なのだが。
- 「清潔!」
「消毒!」
「殺菌!」
「緊急治療!」 - 攻撃時並びに、EXアタック時の台詞。こんな事を言いながら相手を殴ったり拳銃で撃ったりするので、物騒なことこの上ない。
- 「すべての毒あるもの、害あるものを絶ち、我が力の限り、人々の幸福を導かん…!
『我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ』――!」 - 宝具解放。強制的に作り出される絶対安全圏。
- 「天使とは、美しい花を撒く者で無く、苦悩する誰かの為に戦う者よ」
- 戦闘終了時。白衣の天使と呼称されたことに対する、生前の彼女自身の言葉から。彼女の名前である「フローレンス(花の女神フローラに由来する)」にもかかっているのであろうか。
メモ
- 宝具の名称の由来はナイチンゲール誓詞の一節「I will abstain from whatever is deleterious and mischievous」(我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ)より。読みの「ナイチンゲール・プレッジ(Nightingale Pledge)」も、ナイチンゲール誓詞の事。
- ちなみに、ナイチンゲール誓詞自体は、ナイチンゲールの作ではない。1893年アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にあるハーパー病院のファランド看護学校にて、校長のリストラ・グレッター夫人を委員長とした委員会が作ったもの。
- 医師の誓いである「ヒポクラテスの誓い」に倣い、ナイチンゲールの偉業を讃えると共に、看護師の在り方の誓いとして作られた。よってナイチンゲール本人が知る由もないものなのだが、所謂伝承系の宝具の系列であると言えるだろう。
- ちなみに、ナイチンゲール誓詞自体は、ナイチンゲールの作ではない。1893年アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にあるハーパー病院のファランド看護学校にて、校長のリストラ・グレッター夫人を委員長とした委員会が作ったもの。
- 殊に衛生には狂気的なほど執着する面が見られるが、これは戦時医院の患者の多くが直接的な傷病ではなく、院内の不衛生によって蔓延した感染症により命を落としたことに起因すると思われる。
- 実は『Fate/EXTRA CCC』の敵の新サーヴァント候補に最後まで残っていた模様。
- 結局その枠はエリザベートのものとなったが、奈須氏には彼女の『鋼の精神』を知らしめたいという思いが強くあったがために、『Grand Order』での登場と相成ったとのこと。
- 『Grand Order』で彼女がガチャに追加されたのは3月30日だが、偶然なのか彼女がその名を有名にしたクリミア戦争の終戦日である。
- 彼女の衣装は、19世紀末〜20世紀初頭にかけて(クリミア戦争当時)のイギリス陸軍のもの。このため、巌窟王のイベントでの初登場時から「彼女がナイチンゲールである」ことが一部では推測されていた。
- 第5章と監獄塔の時とで性格が違いすぎるとしばしば言われるが、岩窟王が「相性の点で有効」と言っていたことから、監獄島の時もクラスはバーサーカーであると思われる(アヴェンジャーはバーサーカーからの攻撃のみ被ダメ2倍)。
話題まとめ
- クリミア戦争
- クリミア半島のセヴァストポリ要塞が主戦場となったのでこの名称がついているが、細かい戦闘も含めると西はバルト海からドナウ川流域、バルカン半島、果ては極東のカムチャッカまでもが戦場となる非常に大規模な戦争であった。
- バルカン半島の民族問題や宗教対立に、ロシアとオスマン帝国が介入した事がきっかけとなって戦争が勃発し、更にイギリス、フランスがオスマン帝国と同盟してセヴァストポリに攻め込んだ事で一気に拡大した。
- 最終的に要塞の陥落でロシアが一応の敗者という形で終結するが、肝心のバルカン半島の問題は全く解決されておらず、100年余り後にまで影響を残した。
- 通常の聖杯戦争においての彼女の可能性
- 「通常の聖杯戦争」に呼ばれた場合どの程度勝ち抜けるのかについて登場当初から良く論じられている一騎である。確定で外れとまではいかないものの、いわゆる「芸術家キャスター」並みにマスターとの相性や立ち回りが要求されるサーヴァントとなると思われる。
- 「狂化」でスペックが底上げされているとはいえ、本来は非戦闘員で攻撃用の宝具を持っておらず、攻撃手段が「狂化」と「人体理解」によるごり押しにほぼ限定される。
そのため素で高いスペックや強力な宝具を持つサーヴァントとは基本的に相性が悪く、特に「人体理解」の対象にならない非人型の存在は天敵。
その他行動原理や狂化の性質もあって、バーサーカーであるにも関わらず「サーヴァントを前面に出して攻めていく」聖杯戦争の基本スタイルに向いているとは言い難い。 - 戦闘型のマスターや同盟相手のサーヴァント等、良くも悪くも他の戦闘要員のサポートに徹した方が輝くサーヴァントと言える。
- また、マスターが何らかの身体的問題を抱えていた場合、真っ先にマスターが治療の対象にされる可能性が高い。少なくとも彼の様なタイプは確実にアウトと思われる。
- また、彼女の憎む病魔そのものであるサーヴァントに宝具を以て対抗出来る数少ない存在ではないかとも言われている。実際のところ公式から両者が戦った場合どのような勝敗になるのかは未だ言及がないが。