魔神柱

2016年12月22日 (木) 22:01時点におけるアムナント (トーク | 投稿記録)による版 (→‎ハルファス)

魔神柱

  • 読み:まじんちゅう

Fate/Grand Order』に登場する、異形の存在。

略歴
本編第二章以降、各章の終盤にて登場人物が変貌することで現れる異形の存在。
個体ごとに名前を持っており、ソロモン王が召喚したとされる魔神の集団「ソロモン七十二柱」の魔神と同じ名を冠している。
レフの言葉によると彼らが『王』と呼ぶ存在から賜ることで変身能力を得られるらしく、これをレフは「我らの王の寵愛」と称している。
力を与えられた本人が変身するのではなく、聖杯の力で召喚者が他者の体を依り代に出現させることも可能である模様。
なお、戦闘開始時にはボスサーヴァント戦の「FATAL BATTLE」や「GRAND BATTLE」ではなく、赤字で後述の眼球の上に「魔神柱出現」と表示される独自の演出がある。
第四章にて彼らの主であるソロモンが現れ、魔神柱らも本物のソロモン七十二柱の魔神であることが判明。
伝承の魔神とかけ離れた姿をしているのはソロモンの計画のために受肉・新生した結果であり、人理焼却のためにあらゆる特異点へと投錨され、主人の計画を遂行する。
人物
見た目は幾筋ものどす赤い裂け目が走った巨大な黒緑色の肉の柱で、それぞれの裂け目からは奇妙な形の瞳孔が開いた異様な眼が覗いている。
根元の部分はぽっかりと開いた闇のようで、そこから斜めにそそり立つような形になっている。なお、五章に登場する魔神ハルファスは形状が異なり、従来の魔神達と比較すると黒緑色だった体の色は白色になり瞳孔は球体から菱形に、根本は赤色の結晶で覆われている。六章で現れるアモン・ラーは形状はハルファスと同様だが、体色は金色に、節目の色は青色になり、結晶の代わりに砂塵を纏っている。幕間の物語「幸せのパンケーキ」で登場するハーゲンティは形状はフラウロスらと同様だが、体色はピンク色で、根元の部分も白い霧のようなものとなっている。
これと相対した面々からは揃って醜いと評され、レフ自身も「この醜悪さがお前達を滅ぼす」とおぞましい外見であることを肯定している。
戦闘時には行動する際に形容し難い異様な鳴き声を上げるが自発的に変身したものは会話も可能であり、第四章で変身したマキリと第五章で変身したクー・フーリン〔オルタ〕は戦闘時も言葉を発する。しかし、魔神柱状態の戦闘時に発する台詞がバルバトスとハルファスに関しては略歴に関する内容と思われ、一時的に魔神に精神を乗っとられている可能性も捨てきれない。
なお、魔神柱らの外見や使用する技は全く同じ(スキル名は個体によって変更される)だが、略歴にあるように個体毎に固有名を持っている。
第二章終盤でレフが自ら変身。彼のフルネームにも名前が入っている。作中では言及されないが、元のソロモン七十二柱の序列は六十四位。
なお、ソロモン七十二柱の序列は実力や地位の順番で割り振られたものではなく、序列の前後が強弱や権力の差に繋がるわけではない[1]
スカサハ実装時の体験クエストでも『今までに出会った、あるいはこれから出会う脅威』として登場した。
この時はレフの登場はなく、登場から敗北による消滅まで魔神柱のままで言葉も発さなかった。
海魔フォルネウス。第三章最終戦にてイアソンがメディア・リリィにより変貌させられて出現。序列は三十位。
海魔と呼ばれているがこれはジル・ド・レェが召喚した異界の海魔と同じものを指すのではなく、フォルネウスは召喚されると海の怪物の姿で現れると伝えられていることから来る呼び名と思われる[2]
第四章終盤にて魔霧計画遂行のために現れたマキリ・ゾォルケンが変身。序列は八位。
この個体はスキル名の変更やボイスの差し替えが行われている。
  • 御使いの四柱(変身者:不明、あるいは無し)
第四章最終戦にてソロモンが直接召喚したことで四体同時に出現。他の配下が変身したのか、それとも彼らの主人であるソロモンは変身者不在でも呼び出せるのかは不明。
個体名は出てこないが、焼却式の名称から敗北時に消え去る個体は序列十三位のベレトである模様。
  • クラン・カラティン(変身者:不明、あるいは無し)
第五章終盤にて瀕死の状態である女王メイヴが北部戦線においてカルデアに味方しているサーヴァントらを一網打尽にするため、二十八体同時に召喚。幾匹もの魔神柱が融合した大樹とも触手の怪物ともいえる形状になっている。
現時点ではソロモンも行って無いが、聖杯を所有することやクー・フーリンを倒した『二十八体の戦士』の枠組みに魔神柱を押し込むことで召喚に成功している。
並大抵のサーヴァントでは手に負えない魔神柱の集合体であり、北部戦線で戦っているサーヴァント達の戦意を喪失させかけたが、テスラとアルジュナが加勢したことで形勢が逆転、撃破に成功する。
軍魔ハルファス。第五章最終戦にて聖杯を渡すまいとするクー・フーリン〔オルタ〕が変身することで出現。序列は三十八位。
バルバトスと同じくボイス有り。この個体はグラフィックが一新されている。
軍魔という名称はハルファスが「武器弾薬を満載した街を建造する」「軍勢を好きな場所へ転送する」といった、軍事行動に関する能力を持つと伝えられていることからきたものと思われる。
また、名前表記こそ「クー・フーリン・オルタ」のままだが、魔神本人が喋っているような台詞と口調に変わっている。
大神アモン・ラー。第六章にて自身と同盟を求める主人公らを試すため、オジマンディアスが聖杯に自らの血を注ぎ、変身。『ソロモン七十二柱の魔神アモン』としての序列は七位。
この個体もボイス有り。また、ハルファスと同じくグラフィックが一新されている。
召喚する際にオジマンディアスによってキリスト教による異教の神の悪魔化で魔神とされる前の存在、エジプトの最高神としての性質を取り戻している。
  • グラシャラボラス(変身者:なし)
コラボイベント「プリズマコーズ」にて、ナーサリー・ライムに召還されて出現。序列は二十五位。
メインシナリオではなく期間限定イベントで出現した黒ひつじさん魔神柱。出現経緯はともかく固有スキル、焼却式ともにきっちり本来の魔神柱と同様個別に設定されている。
なお、イベントそのものは第5章配信後に開催されたものだが、外見はフラウロスらと同様である。
  • ハーゲンティ(変身者:なし)
メディア・リリィの幕間の物語「幸せのパンケーキ」にて、メディア・リリィに召還されて出現。序列は四十八位。
メディア・リリィが「無限に食べられるパンケーキ」を作るための材料として、どんなに滅ぼしても再生する魔神柱の魔力因子を手にするためだけに召喚された。なんでさ。
魔神柱として初めて、明確に喋っており、召喚当初は威厳に満ちていたが、召喚者の目的を聞いた途端に困惑する意外な一面も見られた。
この個体もボイスあり。この幕間の物語も第5章配信後に実装されたものだが、外見は肉の柱をピンク色にしたことを除けばフラウロスらと同様。
能力
外見のみならず能力面も常軌を逸しており、Dr.ロマンによるとこの姿を現した時の魔力の反応は人間でもサーヴァントでもなく、伝説上の悪魔そのものであるという。また、最悪の問題点として1体1体を撃破されてもその場限りの撃退に留まり、根本的な打倒が出来ないという性質を持つ。これは「七十二柱の魔神」という存在自体が一つの術式・概念となっており、ソロモンの周囲に常に七十二柱が存在していることを前提とする使い魔であるため、撃破されていずれかの個体が消滅してもこの概念により再生され、常に「七十二体存在する」状態を保持されるためである。また、仮にいずれかの個体が失われたとしても主人であるソロモンによれば簡単に補填されてしまうため、一時的な撃退を続けるしかないのが現状である。
通常攻撃として黒い波動のようなもので相手全体を攻撃する他、狙った相手に火傷と防御力低下を与える「凝視」、自身の弱体状態を解除する「まばたき」といった特殊行動を取る。なお、フォルネウスのみクリティカル確定攻撃である「怒っている」といった行動をする。御使いの四柱のみ上記のスキルの上位互換である「閲覧」「嘲笑」を使用する。「閲覧」の効果は全体に防御低下と火傷の付与をする「凝視」の全体版。「嘲笑」の効果は自身の弱体解除とHP3000回復と言った「まばたき」の上位版である。ハルファスが使用する「見下し」は単体のスター発生を低下させてくる。アモン・ラーは「見開き」「見降し」を使用し、「見開き」は自身の弱体を解除し攻撃力上昇を与える。「見降し」は単体のNP獲得を低下させてくる。ハーゲンティは「凝視」を使用する他、通常攻撃の波動が黒からピンク色に変わっている(色以外は変わりなし)。グラシャラボラスは対象キャラの強化を解除する「透視」と「凝視」を使用する。

その他、以下の行動をすることがある。

・「覚醒の時きたれり」

魔神フラウロスが使用する。自身の宝具威力を上げる効果がある。

・「漂流の時きたれり」

魔神フォルネウスが使用する。フラウロスと同じく自身の宝具威力を上げる他、此方のNPチャージを減少させる効果がある。

・「岐路の時きたれり」

魔神バルバトスが使用する。自身の宝具威力とクリティカル威力を上昇させる他、此方のNPチャージを減少させる。

・「絶望の時きたれり」

御使いの四柱が使用する。自身の宝具威力とクリティカル威力を上げる一方で此方のNPチャージとスター発生を低下させてくる。

・「開拓の時きたれり」

魔神ハルファスが使用する。自身の攻撃すべてに防御低下の追加効果を付与する。

・「再生の時きたれり」

大神アモン・ラーが使用する。発動時に大量のHPを回復し、更にHP継続回復効果を自身に付与する。

・「戯れの時きたれり」

魔神グラシャラボラスが使用する。自パーティー全体の宝具威力を上げ、プレイヤー側キャラ全員のNPを減少させる。

・「変成の時来たれり」

魔神ハーゲンティが使用する。NP減少+プレイヤーのサーヴァント全員を5000回復させる。

宝具に相当する攻撃として「焼却式 ○○」という攻撃を使用(○○には各魔神柱の名称が入る)。眼球の数を三倍にして一斉に光らせる。この後の効果などは個体毎に異なり、フラウロスとフォルネウスは地面から紫色の火柱を噴き上がらせて全体攻撃しつつ宝具ゲージを減少させてくる。バルバトスは地面から紫色の火柱を瞬間的に巻き起こして全体に攻撃しつつ防御力を低下させてくる。御使いの四柱は味方の頭上に紫色の種火を出現させ、それを爆発させて全体に追加効果は無いが通常では耐えられないほどの大ダメージを与えてくる。ハルファスは地面から自身の根元に生えている結晶が巨大化したようなものを出現させ、それを炸裂させて強烈な炎に変えて攻撃しつつ宝具封印状態を付与する。アモン・ラーは黄金の粒子が舞った直後地面から砂の竜巻を発生させ攻撃しつつ全体の宝具ゲージを減少させてくる。
焼却式のエフェクトの変更に伴い、フラウロスとフォルネウスの焼却式の攻撃エフェクトは以降登場した魔神柱のクリティカルエフェクトと同一になっている。
サーヴァントではなくクラスは「UNKNOWN」と表記されているがタイプ相性はあり、三騎士のセイバーアーチャーランサーに対して有利、バーサーカーとは互いに弱点を突き、残るライダーキャスターアサシンに対して不利という特殊な相性になっている。
自発的に変身したレフやマキリは魔神柱の状態でも会話をすることが出来たが、強制的に変身させられたイアソンは変身時に絶叫していたことや解除時に周囲の状況を分かっていなかったことから理性を失っていた模様。
なお、撃破されると変身が解除されて元の人物に戻ってしまうが、魔神柱状態で受けた傷が解除時にどの程度影響するかは個々のケースで差がある。
レフとマキリ、オジマンディアスは不利になって解除したためか戻った後も行動に支障がある様子は見られなかったが、イアソンは瀕死になっていた。
また、一体を倒すだけでも複数のサーヴァントを必要とするほどの強さを持つが、レフの言葉によると魔神柱の力は「神殿」と呼ばれている場所から長期間離れていると「壊死」という現象を起こし弱体化していくらしい。

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
第二章以降、ボスキャラとして登場。
第二章ではレフ・ライノールがフラウロスへと変身し、主人公らに襲い掛かってくる。
第三章ではメディアがイアソンを変貌させる形でフォルネウスが出現、彼女と共に主人公達と交戦した。
第四章ではマキリがバルバトスに変身して立ちはだかり、最終戦においてもソロモンがベレトを含む四体を同時に召喚した。
第五章ではクー・フーリン〔オルタ〕がハルファスに変身して出現した他、女王メイヴが消滅寸前に二十八体同時に召喚した。
第六章ではオジマンディアスがアモン・ラーに変身し、主人公らへの試練として立ち塞がった。
スカサハ実装時のスカサハ体験イベントでもフラウロスがボスの一体として登場している。
メディア・リリィの幕間の物語「幸せのパンケーキ」ではある材料を手にするために彼女の手でハーゲンティが犠牲になった召喚された。
アーラシュの幕間の物語「孤独な戦士、獅子の如く勇敢な彼」では疑似エネミーとしてアモン・ラーが登場している。なお、この時は名義とクラスが変更されている。
イベント「プリズマコーズ」ではナーサリー・ライムがグラシャラボラスを召喚し、あそびと称して共に交戦してきた。

人間関係

ソロモン
人類史焼却を実行したレフ達の首魁であり、今回の事件の黒幕。
第四章ではベレトを含む四体の魔神柱を同時に召喚した。
伝承の通り、魔神柱達は使い魔として彼の意に従う。
レフ・ライノール
第二章でフラウロスに変貌。この姿を「王の寵愛」と称して誇っている。
イアソン
第三章でメディアの手によりフォルネウスへと変貌させられる。
メディア〔リリィ〕
第三章でイアソンを変貌させる形でフォルネウスを召喚。
後に幕間の物語でパンケーキの材料を手にするためにハーゲンティを召喚して犠牲になった
間桐臓硯
第四章で若かりし頃の姿で登場、バルバトスに変貌する。
クー・フーリン〔オルタ〕
第五章で主人公らに聖杯を奪われるのを阻止するため魔神柱ハルファスに変貌。
女王メイヴ
消滅寸前に自身の配下「二十八人の怪物」と組み合わせ、二十八体同時に召喚した。
オジマンディアス
第六章で主人公らへの試練としてアモン・ラーに変貌した。
ナーサリー・ライム
イベント「プリズマコーズ」にてグラシャラボラスを召喚した。

名台詞

「顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり」
魔神柱への変身や召喚に際して時折使われる詠唱。唱えずに変貌する者もいるため、必須というわけではない模様。

バルバトス

「高貴なる四つの魂を以て、バルバトス現界せよ。」
バルバトスの戦闘開始時の台詞。人理を焼却せんとする魔神の出現。
「高貴なる四つの魂」が何を指すのかは不明。ここまでに魔霧計画に加担し、消滅したサーヴァントの数とは一致するが…。
「お前には無理だ」
バルバトスの攻撃時の台詞。強大な力で主人公達を苦しめた。
「全てを知るが故に全てを嘆くのだ……焼却式。」
焼却式・バルバトス発動。何を見てきたと言うのだろうか。

御使いの四柱

「助けを乞え!怯声を上げろ!苦悶の海で溺れるときだ!」
魔術王降臨。四柱の魔神達を従える魔術王の規格外の強さになすすべもなく倒されていく英霊達。
「祭壇を照らす篝火だ!盛大に燃えるがいい!」
焼却式・ベレト発動。種火から発せられるのは人理と英霊達を焼き尽くさんとする炎。

ハルファス

「ソロモン七十二柱が一柱ひとはしら。序列三十六位。軍魔ハルファス」
「この世から戦いが消えることはない。この世から武器が消えることはない。」
定命の者にんげんは螺旋の如く戦い続けることが定められている」
第五章最終幕にて現れた際の台詞。名前表記こそクー・フーリンのままだが、名乗った名前も語る言葉も伝承の魔神そのものと化している。魔神柱の「意思」らしきものがあることが明確に分かるシーンでもある。
「我は闘争を与えし者。平和を望む心を持つ者たちよ。汝らは不要である……!」
自身の言葉に否を唱えたナイチンゲールとその仲間達に対して。
召喚されたから目の前の相手を斃すのではなく、初めて魔神柱が明確に自身に反する相手を排除しようとする意志を示した。
「今もって我ら不可解なり。汝ら幾度も互いを赦し高め尊び、されど慈愛に至らず孤独を望み、もはや我らの理解は彼岸の果て。死の淵より汝らの滅びを処す。奪い給え、焼却式ハルファス」
焼却式・ハルファス発動。長きに渡り人間を見てきたことと、しかし人間の在り方が理解できないという諦めとも呆れとも取れる感情が見え隠れする。

アモン・ラー

「七十二柱の魔神が一柱ひとはしら。魔神アモン――いいや、真なる名で呼ぶがよい。」
「我が大神殿にて祀る正しき神が一柱ひとはしら!其の名、大神アモン・ラーである!!」
魔神柱に本来の神性の名を上書きし、神殿の守護者として呼び出しての名乗り。
「後世で異教により自身らの最高神が魔神扱いされたことを把握している」というオジマンディアスの博識ぶりや、「魔神柱には本来の神性を内包している者がおり、元となった神性の属性を付加して存在の在り方を変えることが出来る」という様々な事実が明らかになった。
「メェエエリィイアメン……
ウセルマアトラー……!」
戦闘の合間に呟いている単語で、これはどちらもオジマンディアスの名前に関連するもの。
「メリアメン」はオジマンディアスの誕生名ラムセス・メリアメンより。意味としては「アメン神に愛される者」といったもの。
「ウセルマートラー」は即位名ウセルマートラー・セテプエンラーより。意味は「ラー神のマート(宇宙の秩序)は力強い」。セテプエンラーが「ラー神が選んだ者」という意味なので、意訳すると「宇宙の秩序たるラー神により選ばれた者」といったところか。

ハーゲンティ

「―――誰ぞ。
我が同属の断末魔を寄る辺に、我を呼ぶは誰ぞ。」
「―――ほう。神霊に連なるものか。
ならば認めよう。汝に呼ばれた我を認めよう。」
「我は七十二柱の魔神が一柱、ハーゲンティ。
水を富に、富を水に替えるもの。」
「女神の希望よ。貴様の望みを語れ。
人の絶滅か。人の衰退か。人の隷属か。」
よこしまな望みを言え。淫らな望みを言え。
聞くに堪えぬ呪いの言葉を捧げるがいい!」
メディア・リリィに呼び出されての名乗り。今まで現れた魔神柱の中でも飛びぬけてはっきりした自我を持っており、当初は、魔神に相応しい威厳溢れるような語り口で召喚者の望みを問うたのだが……
なお、台詞の「水を富に――」というのは、ハーゲンティは水をワインに変えたりその逆を行う、金属を黄金に変えるといった能力を持つと伝えられていることからきたものと思われる。
メディア・リリィ「はい!
貴方を倒して、貴方の魔力因子をいただきます!」
メディア・リリィ「率直にいって、私の料理の材料になってもらいます!」
「うむ、よい、よい言葉だ、人への呪いに満ちて―――
――――――なんです?」
望みを問われた召喚者の望みは、邪なものでも淫らなものでもなく、しかしある意味でそれ以上に恐ろしいモノであった。これには魔神柱も困惑するしかなく、呆気に取られて思わず敬語になる。そのまま次の言葉も次げないうちに戦闘が始まった。
「この世の終わりの予感……」
戦闘開始時の台詞。いや、貴方の上司が既にこの世をほとんど焼却しちゃったんですが……
「困っている!」「どうなっている!」「ふざけている!」「貞操の危機!」
戦闘時の台詞。他の魔神柱と比べてコミカルなものとなっている。
「とても暖かい!」
焼却式・ハーゲンティ発動。いや、それは暖めるというより焼けるというようなものなんですが……
「何故私だけがこんなあああーーー!?」
そして戦闘で撃破された際の断末魔。ご愁傷さまです……
「オオ―――オオオォォォオオオ……!
コンナ―――コンナ悪夢バカナァァアアア!」
霊核を破壊され、メディア・リリィに魔力を奪われながらの最後の台詞。
同僚達がストーリーで重要な場面の関門を担う中でのこの出来事は、まさに悪夢以外の何物でもない。

グラシャラボラス

「ぶぁぁぶぁぁぐらしゃらぼらすはぶゆうえにいぶらっどわのぶだせぶんてぃとぅでもんずぷれじでんとおぶへる」
正確にはグラシャラボラス本人の台詞ではなく、ナーサリー・ライムが召還時に唱えていた詠唱。
恐らく「Glasya-Labolas,Have you any blood One of the 72'Demons President of Hell」。
意訳だが「グラシャラボラス、あらゆる血を統べる72柱の魔神が一柱よ」といったところか。
元ネタはナーサリーライムの一曲「Baa Baa Black Sheep(メェメェ黒ひつじさん)」の一節、「Baa, baa, black sheep,Have you any wool?(メェメェ黒ひつじさん、羊毛ありますか?」
「ぶぁぁぶぁぁぐらしゃらぼらすいあるむなるうがなぐるとなろろよらなくしらりぶぁぁぶぁぁぐらしゃらぼらす!」
上記に続く詠唱だが、他の者を召喚するための詠唱とごっちゃになってしまっている。本来はクトゥルフ神話の神性を召還するための詠唱で、作中でナーサリー・ライムが魔神柱を呼ぶ黒羊という呼び名の元ネタと思われる”黒山羊”の異名を持つ神性「シュブ=ニグラス」を呼び出すためのものである。

メモ

  • TYPE-MOONにおいて設定は幾度か語られたことがある『悪魔』、それも魔神というより上位の存在の登場に多くのプレイヤーが驚愕した。
    • 一方、小事典にもある通りTYPE-MOONにおける悪魔は『第六架空要素。人間の願いに取り憑き、その願いを歪んだ方法で成就せんとする存在。悪魔に憑かれると他の要素に異常が起き、最後には肉体も変化して異形の怪物と化す。高位の悪魔ほど「症状」が表に出づらく検知が困難で、露見するのは大惨事が約束された後になりやすい』となっており、自発的に変身していたレフの様子から見ても以前語られた悪魔とは性質の違うものである可能性が高い。
    • しかし、人類史の焼却をレフ自身が行なわず「願いを持った英霊の手で滅ぼさせようとする」あたりは、悪魔らしい特徴と言えば特徴である。また、レフに関しても「レフ・ライノールという魔術師に悪魔フラウロスが憑依していた」という可能性は十分にあるので、必ずしも違うとは言い難い。
  • 上記のように様々な推察がなされていたが、第四章においてソロモンが操る使い魔であり、かつて定義された悪魔とは別種の存在というのがその正体であったことが判明した。
  • 注釈でも言及されているが、ソロモン72柱の悪魔たちは所謂序列の数字がそのまま実力を示すわけではない。あれらはいわば出席番号などのようなものであり、各悪魔の爵位や知名度の高さは連動していないことが多い(著名どころでは有名なベルゼブブと同じルーツを持つバアルは第一位だが、トビト記に記されるアスモデウスは第三十二位、死海文書など複数の外典・福音書で挙げられるベリアルは六十八位など明らかに実力順としてはおかしいものが多い)。
    • また、これらの悪魔については伝承に知られていないどころか能力・外見はおろか名前までかぶり気味な存在もあり、数合わせの存在なども混じっているのではないかという声もある。一説には十二星宮を六でさらに分割した領域の支配者として創作されたものではないか、とも言われている。
  • ゲーティアに限らず悪魔の中には他の宗教・伝説で語られていた存在がキリスト教が広がる中で他教排斥の口実のために悪魔として扱われたものがおり、その中には英霊と関わりのあるものも少なくない。第六章のボスとして登場するアモン=アモン・ラーの他にも、女神イシュタルと源流を同じくする女神アスタルテを魔神にした「アスタロト」、ゾロアスター教の悪魔アエーシュマを取り込んだ「アスモデウス」、ギリシャ神話の怪物ケルベロスを元とした「ナベリウス」、ただの伝説の生物である不死鳥までも悪魔扱いにした「フェネクス」などがあげられる。

話題まとめ

脚注

  1. TYPE-MOONで言えば死徒二十七祖の階位に近いと言えば分かりやすいか
  2. 古い挿絵などでは鯨の姿で描かれることが多い