ニコラ・テスラ

2018年4月11日 (水) 01:22時点におけるアムナント (トーク | 投稿記録)による版 (→‎リンク)
アーチャー
真名 ニコラ・テスラ
性別 男性
身長 190cm
体重 80kg
出典 史実
地域 欧州
属性 混沌・善
一人称
二人称 君/貴様/ミスター・○○/ミス・○○
三人称 彼/彼女/ミスター・○○/ミス・○○
声優 稲田徹
デザイン なまにくATK
設定作成 桜井光
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

弓兵」のサーヴァント

略歴
Fate/Grand Order』第四特異点『死界魔霧都市 ロンドン』で「魔霧計画」最後の一手としてマキリ・ゾォルケンによって西暦1888年のロンドンに召喚された。
本来は人類史の焼却に加担するような人物ではないのだが、このときは狂化に似たスキルが付与されており、マキリの意図したままに行動を開始。魔霧の集積地帯に向かい、自身の放つ雷電でその魔霧を活性化させることでブリテン島の壊滅、ひいては人理の破壊を起こそうとした。
サーヴァントですら寄せ付けない活性魔霧を纏うことで悠々と歩を進めるも、玉藻の前の援護を受けた坂田金時との激突により魔霧を剥がされ、追いついた主人公一行により撃破されて消滅した。
自らの意志に反してロンドンを壊滅させかけた自分を止めたことを主人公らへの借りとして考えており、その借りを返すために西暦1783年のアメリカで密かにマーリンの手引きに応じて再度現界、第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』最終盤で絶体絶命の窮地に追い込まれたアメリカ軍の前に救援として駆けつけ、不本意ながらも犬猿の仲のエジソンと協力して魔神柱の猛攻を食い止めて見せた。
終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、アルトリア・ペンドラゴン〔ランサーオルタ〕と共にⅣの座を統括する管制塔バルバトスに挑む。
人物
雷電を操る叡智にして絶世の美男子。
自信家であり、非常に尊大な性格。自分を「天才」と公言して憚らず、それに見合うだけの知性を有している。
言動は常に舞台じみて大仰。いつも大言壮語を吐いているように見えるが、実は「本当に自分ならできる」と確信していることしか口にしていない。
詩人や芸術家、科学者、人智を超えた技を振るう要観察、要実験対象の武人などについては観察を開始することもあるが、マスターに対してはあまり興味をわかない。――が、マスターが「毒耐性持ち」等のイレギュラーであると分かった途端、すぐさま要観察、要実験対象とした。
自身を雷電に準え、ゼウス・トール・ペルクナス等の雷神さえ凌駕すると言い放つほどの傲岸不遜さである。その一方で良き師・紳士たろうとしており、未来へと目を向けるものを導こうと心がけている。
能力
宝具『人類神話・雷電降臨』の電磁操作能力により、電磁気を発生させ、基本的に電磁投射で攻撃を行う。
だが宝具について魔力の燃費が良くないため、スキル「ガルバニズム」によって魔光、魔風、魔弾など実体のない攻撃を瞬時に電気へ変換し、蓄積することで自らの魔力の補給を行いながら戦うのが、アーチャーとしての戦闘スタイルとなる。
シナリオ上では自身の雷電によって魔霧を活性化させ、常人なら触れると即死、サーヴァントであっても魔力を奪われて行動不能に陥る領域を展開するという大技も見せた。
「星の開拓者」のスキルを持つサーヴァントとしてはこれで三人目。長らく神のみが持つ権能だった雷電を地上へ引きずり下ろし、今日に至る電気文明の礎を作り上げた彼の宝具は文句なしのEXランクだ。

キャプテン☆ニコラ

『Fate/Grand Order』のイベント「セイバーウォーズ」のフリークエストに登場するニコラ・テスラ。
サーヴァントたちがサーヴァントらしく活躍する宇宙的な世界観、未来のサーヴァントユニヴァースからやってきたサーヴァント。
ユニヴァース界では暗黒触師サニティ・ジルがライバルとなっているらしい。
なお、イベントシナリオに現れた(サーヴァント界ではない方の)テスラとしては呼ばれるなら「ドクター・ライトニング」の方が良かった模様。
発明家な上、雷電に拘りがある彼としてはむべなるかな。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー 主人公 (Grand Order) D C C B D EX 対魔力:C
単独行動:B
ガルバニズム:A
天賦の叡智:A→EX
星の開拓者:EX
強化クエストクリアで天賦の叡智がAからEXにランクアップ。

宝具

人類神話・雷電降臨(システム・ケラウノス)
ランク:EX
種別:対城宝具
レンジ:1~99
最大捕捉:400人
「電気を人類に対してもたらす」という生前の偉業と、数々の超自然的な伝説による神秘が昇華された宝具。
真名解放前の時点でも極めて強力な電磁気操作能力を持ち、数多の神話で語られる雷電神たちの再臨を思わせる猛威を地上へともたらす。
基本的には電磁投射によって攻撃を行う。この遠距離攻撃の存在が、本来は弓や射撃武器を用いる英霊ではないニコラ・テスラをアーチャーたらしめている。
真名解放を行えば「限定的・擬似的な時空断層の発生」によって周囲一帯を破壊する。
攻防一体の宝具だが燃費の悪さが欠点であり、真名解放による魔力消費はあまりに膨大。使用すればあっという間にガス欠になるため、魔力残量には注意が必要。
『Grand Order』では、強力な雷電で敵全体を薙ぎ払う。低確率でスタンを付与し、「天」か「地」の属性を持つ敵に対してはダメージが増加されるが、自身もダメージを負ってしまう。

真名:ニコラ・テスラ

ニコラ・テスラ。十九世紀〜二十世紀にかけて活躍した発明家。
比類無き天才。現代のプロメテウス。絶世の美男子。発明王エジソンの好敵手。ゼウスの雷霆を地上に顕した男。壮絶にして華麗なる叡智の魔人こそ、彼である。
現在の主な電力システムたる交流電流技術を実用化に導き世界に光をもたらした星の開拓者。
作家マーク・トウェインは彼を指して「雷電博士」と呼び、この電気の魔術師が現れなければ我々が享受している電気文明は今よりもっと遅れたものになっていただろう。
8ヵ国以上の言語を事も無げに操り、世界が驚嘆するような発見をいとも容易く創造し、それを実用するための装置の設計図すら空想の中で組み立てきってしまうテスラは紛れもなく人類史上最高峰の知性を持った魔人だった。
1882年に回転磁界の原理を発見した彼はそこから技術を発展させ多相交流システムを開発。
出資者を得たテスラは交流配電の輪を広げようとして直流電流を推すエジソンと激しく対立する。
「電流戦争」と呼ばれるこのエジソンとの戦いをナイアガラ瀑布発電所に交流陣営側のシステムを採用させることで制し、これより世界中に交流電流の配電網が張り巡らされていくことになる。
テスラの叡智は留まることを知らない。高周波変圧器、水力発電、無線通信、X線、蛍光灯やネオン照明、ラジオ、リモートコントロール。挙げれば切りがないほどに現代の技術のあちこちにテスラの技術は生きている。
電気エネルギーによって稼働する現代社会の根幹を構築したこの男の名は今日に至るまで科学史上に眩く輝いている。彼が地上に降ろした雷電の燦然たる瞬きのように。
かつては天上の神々のものでしかなかった力によって稼働する巨大機械の数々で人類が得た発展と繁栄は、今や地上を超えて宇宙(ソラ)にまで手に伸ばさんとする文明を築いた。
現在は彼らのものかもしれないが、未来は私のものだ。
ニコラ・テスラ世界システムの夢破れた晩年は鳩のみを友人として愛し、住まいとしていたホテルの一室で誰にも看取られずにひっそりと事切れる孤独な最期だったという。

関連

星の開拓者
人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。
かつて神の領分であった「雷霆」を人類文明に引き寄せたことで、このスキルを有している。
ニコラ・テスラ世界システム
交流電流が空間そのものを行き交う世界。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
ストーリーガチャ限定サーヴァントであり、第四特異点『死界魔霧都市 ロンドン』クリア後ガチャに追加される。

その他

ちびちゅき!
体育祭の組み分けに難儀する生徒会に自動組み分けマシーンを提供するものの、文明破壊者人の区別の否定者予想通りの直流にボコボコに壊されてしまった。

人間関係

Fate/Grand Order

坂田金時
第四章にて敵対した相手。
自身と同じ「人の英霊」であり、「Mr.ゴールデン」と大絶賛した。
玉藻の前
第四章にて敵対した相手。
彼が不要と断じる「天の英霊」であることは見ぬいたものの、麗しきレディだということで礼を尽くした対応を取る。
彼女からはその魂を「素敵なイケ魂」と評されたが、狂化スキルに似た効果が付与されている状態であったためその心は「イケてない」とされた。
チャールズ・バベッジ
イベント「セイバーウォーズ」にて上記の金時と連れ立って登場。偉大な科学者同士として敬意を持って接しており「貴方ともあろう方」と呼ぶ場面がある。
トーマス・エジソン
生前の元上司であり、発明家としてのライバル。
史実での人間関係は最悪の一言であるが、こちらでも似たようなものらしく「凡骨」「悪鬼」とまで罵倒する。
ただし史実のようなガチの嫌がらせ合いではなく、トムとジェリーのような関係で憎まれ口合戦のコントになるのがお約束の間柄。
自分を本気にさせることができるのはこの男しかいないと考えているが、絶対口にはしない。
向こうとしても感情はだいたい同じようで、マイルームでは名指しで嫌われている。
エレナ・ブラヴァツキー
生前からの知り合い。
エジソンと喧嘩になっては彼女に仲裁&お説教されることが生前から多かった為か、頭が上がらない。
彼女も天才だと認識しており、宝具の円盤から電気の気配がするらしい。
フランケンシュタイン
人体に対して電気を使用するという行為を「実現」させているフランケンシュタイン博士の偉業には賞賛を惜しむつもりはなく、その結果であるレディも素晴らしいと思っている。
アルトリア・ペンドラゴン〔ランサーオルタ〕
第四特異点では彼の雷電とモードレッドの存在が彼女を呼び出すことになった。
終章で共闘した際には恭しく「クイーン」と呼び、天も地も気に食わないと前置きしつつ、ロンゴミニアドを「直流も交流も越えた星の極光」と大絶賛した。
……あるいは、玉藻の前同様、「体の一部」のサイズが琴線に触れたのかもしれないが。
加藤段蔵
絡繰仕掛けということで興味を持って接触し、動力に電気が使われていないと知るや出力アップと称して電力を勧めようとする。

サーヴァントユニヴァース

謎のヒロインX
ヴィランとして対立しているヒーロー。
謎のヒロインX〔オルタ〕
コスモカルデア学園から出奔した彼女を拾い、ヴィラン同盟へと導いた。
暗黒触師サニティ・ジル
対立している相手。おそらく彼もヴィランであろうが。

その他

ベンジャミン・フランクリン
雷電実験を果たした先達として、誰に対しても傲岸不遜なニコラが「雷電の神」と呼んで尊敬する人物。
アレクサンダー・グラハム・ベル
電話の発明者。
『Fate/Grand Order』のイベント『セイバーウォーズ』では彼に手伝ってもらい、10km先から主人公達の会話を傍受していたとか。

名台詞

「私は、ニコラ・テスラ。天才だ」
召喚時。第一声からこの調子である。
「ゼウス、インドラ、トール、ペルクナス、サンダーバード。古くより、人は雷電を畏敬した」
マイルーム会話の一つ。数多の神話で語られる雷電神たちの名を口にする。
「我が雷電を阻むことは出来ない。あの男、悪鬼エジソンを除いては」
マイルーム会話「絆Lv5」。
比類無き天才、雷電博士の歩みを止めるものは存在しない。文明の歴史で並び立つ、ただ一人の男を除いて。
「神の雷霆は此処にある……さぁ、御覧に入れよう!『人類神話・雷電降臨システム・ケラウノス』!」
宝具発動。円環を成す雷電が巡り、新たなる人類の神話がゼウスの雷霆の如く時空間を引き裂く。
「曰く、これが魔霧の活性というものだ。サーヴァントの魔力さえ際限なく吸い込もう!
 無論、私は例外だ! 接近すれば、活性魔霧は君たちの魔力をも吸収する!
 霊核ごと取り込まれることも有り得るだろうが、さて、それでも近づくかね?
 私を倒そうとするなら、まずはこの活性魔霧を完全に排除するしかなかろうなァ――――」
第四章にて、雷電で魔霧を活性化させ、サーヴァントさえまともに行動できない領域を作り出しておいての講釈。
「一度試してみたかった」らしいが、その理論は正しかったようでご満悦。そして能力の概要から対処方法まで懇切丁寧に教えてくれる。
自身の意志とは裏腹に人理を滅ぼすべく暴走するのを止めて欲しがっているのか、単なる自己顕示欲故か。何となく、両方のような気もするが。
「さあ来たれ! 私は是より天へと進まん! 運命の上空集積地帯へと至るがための足場を此処へ!
 呼び声に応じて此処に参じた大雷電階段!ペルクナス・ラダー 今許そう、私を何処へとでも運ぶがいい!
 ははははははははははははは! ははは!! もはや、私を止める者は何処にも現れはしないか!」
同上。倫敦に止めを刺すべく、バッキンガム宮殿上空へと自身を至らせる紫苑の大階段を築き上げ、喝采を浴びるかのように登りながら。
彼自身の能力を考えると、電磁力で飛んでいくことも余裕で可能と思われるため、最後のどこか期待するような言動も相まって追いかけてきてほしいようにしか見えない。
上記の言動のように、ド派手な演出は自己顕示欲の表れという見方も十分すぎるほどに成り立ってしまうのではあるが。
「―――成る程、雷神の子と言うだけはある!」
「活性魔霧の中でよくやる! 通常のサーヴァントであれば霊核を呑まれていよう!」
「流石は我が雷電の魔霧に招かれし人の英霊、人の希望を背負って立つか! だが、はは、ははは!」
「その霊核―――既に、些か亀裂が走っているようだな!」
「最早長くは保つまい! これよりは、我が雷電に灼かれて砕け散るのみ!」
第四章にて、並のサーヴァントでは触れることすら出来ない活性魔霧の中で戦う金時に対する賞賛の言葉。
「んん。実に美しい……。その笑顔、まるで太陽のような輝きで私の心を灼く!」
「フォクシィ・レディ! 貴女ならば我が神話に寄り添えるかも知れない!」
第四章で玉藻の前に対して言った台詞。自らの嫌う天の英霊であるにも関わらず求婚する。
「来たか――― やはり君たちは新たな神話を築かんとするか!」
「だが、哀しいかな不可能だ。活性魔霧がなくとも私の操る雷電はあまりに強力だ。」
「何故なら、私は天才だ。何故なら、私は雷電だ。」
「神とは――神とは何だ。そう、雷電だ。」
「遥か古代より多くの人々がそう信じ、実際のところ……」
「主神ゼウスや帝釈天インドラの名を挙げずとも、確かに神ではあるのだろう。雷。空より来たる神なる力。」
「見るがいい。私が地上へ導いたこの輝きこそ、大いなる力そのものだ!」
「新たなる電気文明、消費文明を導きしエネルギー! 旧き時代と神話に決定的な別れを告げる、我が雷電!」
「其は人類にもたらされた我が光・・・!」
「さあ! 君たちにもご覧に入れよう!」
「――人類神話・雷電降臨!」
第四章での台詞。地上に雷電を導いた星の開拓者との最終決戦。
「はは……! ははは、はははははははははは……!」
「いいや、そう残念と言う訳でもなかろうさ! 私は紛うことなき星の開拓者なれば!」
「真に、人類と世界の終焉など望むことはないとも。天と地の英霊は未だ以って邪魔ではあるが―――」
「世界の存続は我が雷電の文明の存続に他ならない! 礼を言おう、新たな神話を望む者ども!」
「希望の勇者たち! 現代に於けるゼウスたる我が身をよくもたおした!」
「なれば、素直に私は再び座へ戻るまで―――」
「はは! はははははははは!! それでは諸君―――」
―――さらば!!
第四章の撃破後の台詞。狂化に近いスキルを付与され人理定礎を破壊しようとしたが、その本質は星の開拓者であり、本心から人類と世界の終焉を望むことはない。
???「―――――――――ハハハハハ! 無様なり、無様なりエジソン!!!
    所詮は凡骨、この私の前に立ちはだかる資格などない! 疾く、項垂れ消え失せるがいい!」
エジソン「……この……この忌まわしい声と……無駄な高笑いは……。
     ま、まさか……おまえは……。」
???「そのまさか、だ!この真の天才、星を拓く使命を帯びたる我が名は―――――――」
エジソン「すっとんきょう! ミスター・すっとんきょうかぁ―――――――!!!」
テスラ「ニコラ・テスラ! である!」
第五章クライマックス、北部戦線において。魔神柱総計28柱という絶望的な敵の前に自爆を覚悟したエジソンの前で、その悲壮な有様を笑い飛ばす。
まさか第四章に引き続き終盤に来て登場と誰が予想しただろうか――と言いたいところだが…エジソンあるところテスラありという因縁があっては。
テスラ「エジソン。貴様はただ、この大雷電の美しさに臥せるがいい……!
    ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」
エジソン「むう、この日のために発声練習をしてきたとしか思えぬ高笑い! その周到さ、さすが天才である!」
……一応本編シナリオで、エジソンが大真面目に死を覚悟したというのにこの有様である。
四章でかけた迷惑。その借りを返すため、決してエジソンを救うためではなく、天才ニコラ・テスラは神から奪った権能を振るう。
「おっと、電気が滑った。」
エジソンの挑発を歯牙にもかけぬ―――ように振舞った直後、エジソンが「手を滑らせた」その報復。
電気が滑るだなんてTYPE-MOON作品群でも前代未聞である。もはやこのおっさん、登場するたびに名言と迷言を生み出しているような。
このあと勿論殴り合いが始まった。
「その通り、無理は禁物。敵など我らに任せるがいい!
 見よ!神鳴る雷霆は此処にあり!ふふ、ふははははははははは三相交流電流が冴え渡る!」
「大雷電階段の高みからゆっくり降りてきて失礼!左様、ニコラ・テスラ此処に在り!」
終章にて。いかなる状況でも必ず大仰に参上してくるのは彼の性らしい。
「はは、ははははははははははははは!素晴らしい!交流も直流も超える光の奔流、星の……!」
「天の英霊も地の英霊も実際気に入らんが、いいや、いいや、貴女は別だ嵐の王、ワイルドハント!」
「共に参りましょう、クィーン!雑兵どもはこの私が蹴散らしてご覧に入れよう!」
同上、管制塔制圧後の一幕。モードレッドと主人公の存在が呼び水となって呼び出された嵐の王に対して。
世を救わんとする英霊ではなく、魔神柱を粉砕するためにその聖槍を解放する彼女の傍らで、彼もまた英霊としてその権能を振るう。
「なによりアレは電気を必要としていない! そのようなテクノロジーなどあってはならない!
 そもそもノー・リスク、ノー・公害、ノー・テスラの夢のエネルギーだとぅ……?
 そこはニコラコイルと名付けたまえ! アルトリウムとか巫山戯ているのかぁああ!!!!」
『セイバーウォーズ』にてドゥ・スタリオンⅡ号やアルトリウムを評して。
本人はいたって真面目なのだが「激怒するのはそこなのか」「あやつも残念な天才」と呟いたネロの表情は沈鬱なものだった。
「キャプテンかぁ……」
『セイバーウォーズ』にて謎のヒロインXからサーヴァント界における自分に類する存在の呼称を聞き出しての一言。
常に尊大な彼らしくないぼやきである。キャプテンよりはドクターと呼ばれたいらしい。
「爽快だな。実に爽快だ。そして快適だ!
 輝く電気の下で読む本の、なんと眩しいことか!」
「ただでさえ増していくインテリジェンスが鰻登りと言わざるをえない!電気だけに!」
「……なに、分からない?鰻といえばあれだよ、あれ。
 発電器官を持つゴッドフィッシュだが……まあいい。」
「さて、では光量をもっと上げてみよう。
 500Wですらこれなのだ。その倍にしたらどうなるか?」
「おそらく光によって私の知性は神域に達し、もはや読書どころでなくなるのは明白だがね!」
「ははははははは!ではお見せしよう―――」
人類神話・雷電降臨!システム・ケラウノス
『空の境界 / the Garden of Order』にて。作中ではカルデアに召喚され、電力の一部を担っている模様。
現代の送電システムの主流が交流なこともあってか、その明りのもと、いつもに輪をかけてハイテンションな様子で読書を楽しむその姿は電気のムダ遣いを嫌うフランを激怒させた。
ちなみにこの後、さすがに彼の宝具の出力には耐えられなかったのかカルデアは停電、天才は「電気は大切にね!」という教訓を得た。
そして出奔したフランを連れ帰った主人公らに叱られた模様。
「は。ついに頭だけでなく心臓にまで毛が生えたと見えるな凡骨。確かに私は菜食主義だがそれは信条であって絶対ではない。
 肉を美味く食べるには野菜を定期的に摂るべきなのだ。
 肉と野菜の組み合わせこそ旨味がまし、また効率よく栄養を摂取できる。栄養学的に。
 ところで私はかねてからニホンの黒毛和牛が持つ脳細胞活性化成分に興味があってだね。
 そこでブラヴァツキー女史、どうだろう。キミの不思議な円盤でニホンまで買い出しに行く、というのは?」
概念礼装『ミートウォーズ』での一コマ。場面はエジソンとBBQのピットマスターの立場を争う姿をエレナに呆れられているというもの。
一応注釈しておくとピットマスターとはBBQにおいて調理の全てを取り仕切る者のことであり、アメリカにおいては家長たる者やその場のホストが行う仕事である。
アメリカではBBQは単なる食事以上の意味を持っておりそのピットマスターを務めるということは重大な責任と引き換えに尊敬を集める誉あること、ということになる。
ちなみに肉の焼き目はテスラのものは交流、エジソンのものは直流となっている。細かい。

メモ

  • 彼以前にも弓ではない遠距離攻撃を用いたり、弓よりも接近戦が主体となるアーチャーはいたが、「矢どころか実体のある物を何も飛ばさないアーチャー」というのは初。この後に、弓から音の刃を発するトリスタンも登場する。
    • 宝具について「遠距離攻撃の存在が弓や射撃武器を用いない彼をアーチャーたらしめている」と解説されているため、遠距離攻撃さえ可能であればそれがなんであろうと問題ないらしい。
  • 神々の領域とされてきた雷電を地上に降ろした英霊ゆえに、雷電神の名を口にすることが多い。以下は作中で話された神々の簡単な説明。
    ゼウス:ギリシャ神話の主神。雷霆(ケラウノス)は彼の持つ武器の名前である。
    インドラ:ヒンドゥー教の軍神にして、デーヴァ神族に属する雷を操る雷霆神。アルジュナの父でもある。
    トール:北欧神話の軍神。彼の持つ巨槌ミョルニルはあらゆるものを文字通り打ち砕く。Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤではベアトリス・フラワーチャイルドが彼の息子であるマグニの力を元に作ったバーサーカーのクラスカードを所持しており、彼を彷彿させるような怪力と雷を操る能力、ミョルニルを振るって戦っている。
    ペルクナス:リトアニア神話の雷神。最高神ディエヴァスに次ぐ主要な神。
    サンダーバード:北米のインディアン部族の間に伝わる神鳥。雷の精霊とされる。
  • 歴代サーヴァントで3つ目となる「対城宝具」の担い手。呂布奉先の「軍神五兵」の種別は正確には「対人・対軍・対城宝具」のため、純粋な対城宝具としてはアルトリア・ペンドラゴンの「約束された勝利の剣」以来2つ目となる。
    • さらに言えば、「EXランク」の対城宝具はテスラが初である。他サーヴァントと比較せずとも、20世紀という近代を生きた人物が得た宝具として見ても規格外のランクを持つ。ただし人類文明に電気という「光」を授けた彼の偉業や、雷電という神秘を昇華した宝具ということを考えれば、EXランクという破格の評価もあながち不思議でもないだろう。
    • そのランクと種別に違わず、極めて高い出力を誇る宝具。最大出力時には限定的な時空断層の発生という、ギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星」と同規模の現象を起こしうる。奇しくも両者は同じ弓兵クラスのEXランク宝具持ちという共通点がある。
  • 1856年生~1943年没と満86歳まで生きており、李書文を抜いて最も近代まで活躍した英霊である。
    • このため、本人と断定できる写真が残された初の英霊。上記の通り190cmの長身でハンサムと言える外見だが、流石にFateの彼ほどがっしりとした体格ではない。なお、写真やナイアガラの側に立てられた銅像では立派な口髭を生やしているのだが、なぜか本作に登場するニコラは髭を生やしていない。
    • Fateシリーズでアメリカ合衆国出身初のサーヴァント。なお厳密に言うと両親はセルビア人で1884年までオーストリア帝国に住んでいた。その後アメリカ・ニューヨーク市に移住し、1891年にアメリカ市民権を取得。
    • 経歴上は特にイギリスと関係はないはずだが、彼本人は英国紳士を志している。
  • 聖杯にかける願いは、「生前に提唱していた『世界システム』の完成」。一言でいうと、「電磁波で無線送電するシステム」である。もしも実現されるなら「家庭からコンセントがなくなり電子機器に直接送電できるようになる」「宇宙空間で大量発電して地表にエネルギーを送る」など、それこそ神の雷霆を地上に降ろした時以来のブレイクスルーが完全に成立することになる。
    • なお、この「完成」の方法についてだが、理論に存在する欠陥を聖杯で埋めるつもりなのか、聖杯で受肉して自力で研究を完成させるつもりなのかは不明である。
  • 竹箒日記ではダ・ヴィンチちゃんから「巨乳好き」だと言われており[1]、「セイバーウォーズ」では謎のヒロインXに対して体型的には魅力的ではないレディと評している。

話題まとめ

直流・交流論争
上記のように彼とエジソンの関係性は最悪であるが、その端的な例が「電気は直流・交流のどちらが良いか」という論争である。
テスラは交流を支持し、エジソンは直流を支持していたが、交流のほうが電圧を変更しやすいために長距離送電に適しており、交流から直流への変更も容易であるという利点もあった。
エジソンとしては直流のほうが白熱電球(エジソンの発明品で特許料の源泉)に向いていたために交流の存在を認可するわけにはいかず、悪質な嫌がらせを続けたとされる。
一例として、電気椅子の動力に交流の使用を提案し、それを論拠に「交流は危険である」というネガティブキャンペーンを行った(勿論、直流交流どちらでも人間は感電するのだが、当時は専門の人以外分からなかったのだろう)。この際、ウェスチングハウスの名を「交流電気で処刑する」という動詞として普及させようとしていたが、流石に定着しなかった。同じようなことをしたのならば、「悪鬼」と呼びたくもなるであろう。
1893年、ナイアガラ瀑布の発電設備にニコラの二相交流システムの採用が決定。これを切っ掛けにアメリカ合衆国、延いては世界の送電システムは交流が主流になった。
これら一連の流れはFGOで両者が登場する以前から『ジョジョの奇妙な冒険』等で知られる荒木飛呂彦氏の実在するマイナーな偉人や奇人を取り扱った漫画『変人偏屈列伝』でも取り上げられておりサブカルチャー方面ではそこそこ知られていた。そこでは荒木氏の作風によりFGOさながらに殴り合いまでして争っているエジソンとテスラがおり、「ほざくかッ!テスラーッ」「殴られたってやめないぞエジソン!」という同作のやり取りをFGOのテスラとエジソンにやらせる二次創作も定番というレベルで普及している。
交流は電圧の変更が容易なので遠距離送電に向いている上、規格(使用電圧)の違う電化製品に対応させる事が容易であるため、幅広い地域に電力システムを普及させるには交流が事実上必須である。また、交流から直流への変更は簡単だがその逆は面倒であるため、まずは交流で送電するというのは極めて合理的。
しかし実際に電化製品の内部で電力が使用される場合、基本的にはアダプタを用いて直流に変換してから使われる事が殆どで、特に現代社会において至る所に存在するバッテリー駆動の機器の場合、機器の中で送電が完結するため最初から直流電流である。
このように直流・交流ともに長所短所が存在するため言うまでもなく使い分けが肝要なのだが、テスラとエジソンの2人は個人的事情も多分に含め、どちらかに統一させようと日々殴り合いを演じているのである。
論争のその後
直流・交流論争に勝利したニコラだが、彼が設立に関わったウェスチングハウス社は1980年代後半から事業を縮小していき、1999年に解体。(2017年に乱脈経営で破綻した会社は、名称と事業を受け継いだ別会社である。)一方、エジソンが設立したゼネラルエレクトリック社は堅実な経営で存続しているが、エジソン自身は事業に口煩く干渉しすぎたせいで周囲から疎まれた結果、会社からはじき出されてしまった。
オカルトサイエンス
かくも偉大な発明を人類に齎した彼ではあるが、エキセントリックな言動やこれまでの利潤を全てつぎ込んで没頭した晩年の研究内容等から後世に至るまで理解者に恵まれず、その功績に反して世間的な知名度は低め。しかも、一部ではオカルト科学者の第一人者のような扱いを受けてしまっておりそちらの方面でのほうが名前が上がることが多いのが実情である。
そうなった理由としては、かの世界的に有名なデマであるフィラデルフィア実験の責任者だったという噂や、(理論上)「地球を分断出来る」といった大胆かつ挑戦的な言動、霊界通信機のような好年の研究内容によってマッドサイエンティストの烙印を押されてしまっていることが挙げられる。
生涯孤独の天才
作中でエジソンから「結婚もできなかった生涯独身」と誹られており、対してテスラは「私についていける女がいなかっただけのこと」とにべもなく返している。
これは史実でも実際にそうであり、上記の通り余りにも突飛な言動やオカルティックな研究に走ったせいであまり理解者に恵まれることがなかったという。
長身かつ端正な顔立ちのテスラは社交界の女性たちからモテたというが、その気難しい性格ゆえかあまり色恋話に熱を上げなかった。当時世界一の女優といわれたサラ・ベルナールの誘いすら無視したという逸話も残っている。数少ない恋仲の関係にあった、アメリカの大富豪J・P・モルガンの令嬢とも最終的には破局で終わっており、その結果研究費の援助も得られなくなってしまっている。
そんなに恋愛に無縁のテスラだが、晩年には公園で出会った一匹の鳩を深く愛していたという話を、彼自身の口から語られている。
雷電王
ファンから時々通称として用いられる二つ名。この名は、テスラがメインで登場する四章を担当した桜井氏の代表作である『スチームパンクシリーズ』で同名のキャラクターが主役として登場しており、そちらでの二つ名である《雷電王》に掛けたものである。
外見は青年然としたあちらと違うが、雷電を操る能力や、装着した機械式グローブの造形は非常に似ている。また作中でテスラが発言した雷電の神々の名も、あちらの作品で名が挙がったものと大体一致している。英国紳士を志している点も同様。
もっとも、蒸気王のチャールズ・バベッジに比べるとそこまでパロディといえるものではなく、あくまでキャラクター造形におけるエッセンス程度の要素である。
玉藻の前を好みだと四章で口説くのは、あちらのテスラの主役作である『黄雷のガクトゥーン』のヒロインにして語り部であるネオン・スカラ・スミリヤが玉藻と容姿(赤よりのピンク髪、金眼、巨乳)が似ているところもあるかもしれない。

脚注

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