ライダー (フラグメンツ)
- 真名:オジマンディアス
- 誕生日:月日/血液型:型
- 身長:cm/体重:kg
- サーヴァント階位:?
『Prototype』の世界で行われた、八年前の聖杯戦争に登場する、「騎兵」のクラスのサーヴァント 。
「太陽」の輝きを放つ、破格の王。
- 略歴
- セイバー・アーチャー・ランサーが繰り広げる混迷の戦場に突然現れ、三者を同時に真っ向から相手取り、その中でも自分と同じ「王」であるセイバーに強い関心を持つ。後に三騎のサーヴァントとまとめて決着をつける為、東京湾上に宝具である神殿を展開して、「“招聘” に応じなければ東京全域を焼き払う」と宣言し、彼らを待ち受ける。
- 挑戦に応じたセイバーを数々の宝具によって追い詰めるが、壮絶な死闘の果てにセイバーが解放した聖剣の一撃によって、固有結界ごと切り裂かれ敗れる。
- 人物
- 一人称は「余」。容姿は褐色の肌と太陽の色をした眼を持つ男性。
- 「王の中の王」を自負し、自身の絶対性を疑わない。
- かなり苛烈な王で、「東京を焼き払う」という宣言も脅しではなく、洞察力に優れるセイバーの見立てでは、確実に実行すると思われている。一方、使い魔越しで自分を観察していた美沙夜の器を見定めてその資質を評価するなど鑑識眼に優れ、自分が認めた者には大らかに接する。
- オフの時は、自信家な性格を示すように上半身の肌を堂々と晒して、その上に黒いジャケットを着ている。
- 能力
- 大英雄3騎を同時に相手取るほどの実力者。
- 聖杯戦争に参加する英霊の宝具はおしなべて強力だが、ライダーが操る宝具は全て、「彼以外は所有していない物」ばかりで、文字通り桁が違う。
宝具
- 闇夜の太陽の船(メセケテット)
- 由来:「太陽神ラーが復活する王を運ぶ船」、「王が空を翔ける時に使った船」として知られる『太陽の船』。
- ライダーが普段移動する際に使う箱舟。船全体が太陽と見紛うほどの輝きと灼熱を発しながら超音速で飛行し、数時間で東京全域を火の海に変えるほどの破壊光を放つ。
- 光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)
- 由来:ライダーが生前に建造した「王権」の象徴であり、世界最大規模の現存する葬祭殿。固有結界に類する。
- 光り輝く神殿が複層的に折り重なって偉容を為す、全長数kmにも渡る超大型の神殿。魔力光によって、星空が地上に降りて来たかのような偉容を誇る。
- 主神殿最奥は「神の眼」を模したシンボルを備えた空間で、膨大な魔力回路を思わせる幾筋もの淡い光に照らされている。ライダーはこの最奥の中でも、外の様子を細かく把握する事ができる。
- 内部に存在する“大電球”から生み出される超絶の雷撃は、太古の神々の神威さえ思わせる威力を持ち、セイバーを瀕死に追い込むほど。
- 熱砂の獅身獣(アブホル・スフィンクス)
- 由来:エジプト神話に伝わる、王家の守護聖獣。
- 天空神ホルスの地上世界での化身、荒ぶる炎と風の顕現として恐れられる、獅子の体と人の貌を持った幻想種。別名を「恐怖の父(アブホール)」といい、地中海から西アジアにかけて数多の伝説を有する事で知られる伝説の四足獣。
- 幻想種としての位階は“神獣”、つまり純粋種の竜に並ぶ存在であり、その力はサーヴァントに匹敵する。
- 大型トラック以上の巨体でありながら、物理法則を無視したかのような速度と移動を行い、空中を疾走して全方位からの攻撃を行う。主な武器は強靭な前足の爪と獅子の牙で、それらを衝撃波(ショックウェーブ)が発生する程のスピードとパワーで振るう。爪は魔力によって赤熱化させることも可能で、山を削るほどの威力の攻撃を防ぐセイバーの鎧でも耐えられない。突進の破壊力は、セイバーの剛剣に「風王結界」の段階的開放と魔力放出を併用しても尚、防ぎきれない。
- また極めて高度な知性を有し、セイバーの戦闘スタイルと狙いを見抜き、連撃の中に無駄な攻撃を敢えて差し込んだ「牽制」や攻撃によって発生した破片に魔力を付加させて飛び道具として使うなど獣とは思えない戦術を駆使する。
- 更に王の力を体現するとも称される咆哮は、灼熱の火炎と全てを破砕する大気を伴い、それによって爆炎の竜巻を引き起こす。その威力は東京国際見本市会場内敷地内の並木を一瞬で炭化させ、鉄筋コンクリートで作られた大型ドーム施設の東館を数秒と経たず融解させるほど。
- 生命力も異常で、頭部を斬り落とされても死なず、それどころか頭を失ったまま相手の動きを感知し、何事もなかったかのように戦闘を続行する。
- 実は姿の異なる獅身獣が神殿内部にまだ複数存在し、これほどの力を持っていながらライダーにとっては代えの効く駒に過ぎず、「我が威光、我が栄光の一欠けら」と呼び、斥候や先兵として扱っている。
登場作品と役柄
- Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
- ライダーのサーヴァントとして登場。
人間関係
- マスター
- 数十名を超す魔術師を束ねる一族の長で、東京西部の山岳地帯にて強固な結界や死の罠を何重にも張り巡らせた完璧な魔術工房を造り上げ、その奥で愛歌を待ち構えている。
- セイバー
- 目を付けた相手。自分と同じ「王」であるため他の2人より明確にライバル視していて、決着をつけることを熱望している。
- ランサー (フラグメンツ)、アーチャー (フラグメンツ)
- セイバーと同じように目をつける。
名台詞
- 「はは! 逃げろ、走れ、跳べ!
せいぜい足掻け。 喚け。 叫べ!
いずれ貴様ら三騎が悉く、我が光に灼 かれて消え去る運命よ!」 - セイバー・アーチャー・ランサーの三騎を一人で相手取り、高らかに王は叫ぶ。
- 「ほう、ほう。面白い! 三騎どころか、単騎のみで余の“獣”を相手取って見せるつもりか。
我が威光、我が栄光のほんの一欠けらとは言え、万軍さえ屠る熱砂の獅身獣を。
――いいだろう。ならば存分に足掻いて見せよ、光なきもの」 - 無辜の民を犠牲にするのを良しとせず、単独で現れて獅身獣に立ち向かうセイバーに。
- 無謀な挑戦者を嘲笑いつつも、戦う価値のある者と出会えたことへの歓喜を露わにする。
- 「凡骨どもの権謀術数もどき等にはさしたる興味はなかったが、成る程、良かろう!
小さきもの、斯様に小さく在れども自らの領内にあっては誇りと尊厳に満ちて眼開き続ける、その女王の気風に敬意を表し──」
「此度の同盟、余も認めてやろう。喜べ」 - マスターの意向で「同盟」の使者として寄越されたにも関わらず、自分の気に食わなければキャスターの“神殿”もろとも玲瓏館邸を吹き飛ばすことも考えに入れていたライダーだったが、使い魔の眼を通じて会見の場を覗き見ていた美沙夜の、王の視線に打ちのめされながらも屈せず、眼を逸らさなかった気概に免じて傲然と裁定を下す。
メモ
- 「幻想種」「兵器」「城塞」「固有結界」と「ライダー」のサーヴァントが宝具として使うイメージがある物全てを一人で所有する、かなり豪華な英雄。
- 高い実力とカリスマに裏打ちされた圧倒的な存在感、己を「王の中の王」と称し、他者を「凡骨」と見下して憚らない傲慢さはギルガメッシュと、クラスや一人称、固有結界や神獣を擁する戦力、「セイバーとランサー、アーチャーの揃った戦場を引っ掻き回す」というシチュエーションはイスカンダルと似通ったものを感じさせる。
- キャス狐、ガウェイン、カルナに続く、「太陽」と縁が深い英霊4人目。太陽神の息子であるクー・フーリンも加えると5人目になる。
- 実は宝具の説明でかなり真名のヒントは出ている。おまけに世界史で習うレベルの英霊であるため、察しの良い人にはすぐに分かってしまう。これでFate特有の影武者や英霊性転換や本物を越えるそっくりさん等の変化球でもない限りほぼ確定である。
- 実際その通り、多くの予想通りその正体は古代エジプト最高のファラオ、建築王にして太陽王、ラムセス二世であった。もっとも、名義はギリシャ語読みの「オジマンディアス」であったが。
- 桜井光氏のライアーソフトでの作品『白光のヴァルーシア-what a beautiful hopes-』にも、恐怖の王と呼ばれる怪物「アブホール」が登場している。尤も、彼の宝具の『熱砂の獅身獣(アブホル・スフィンクス)』との共通点は名前くらいの物で、関連性は特に無い。ただ、『白光のヴァルーシア』も西アジア・中東風の世界観で砂漠が舞台となるため、元ネタは同一であろう。
話題まとめ
- 危機にさらされる世界遺産
- 2012年に急進派のイスラム教指導者モーガン・ゴハリ氏がエジプトの民間テレビ局の番組に出演し、「世界遺産であるピラミッドとスフィンクスは破壊すべきだ」と発言した。またエジプトの民間放送局ドリームTV2の番組にも出演し、もし自分たちが実権を握れば、スフィンクスとピラミッドを躊躇なく破壊するだろうと語った。
- 作者である桜井光はこのニュースを見て、自身のツイッターで「なん……です……って……」とコメントし、懸念を表している。
- ゴハリ氏は、「自分はアフガニスタンで2001年3月に、タリバーンと共にバーミヤンの大仏破壊に加わった」とも公言する過激なイスラム原理主義者で、「シャリア(イスラム法)に従えば、偶像はすべて破壊しなければならない」「崇拝されている、あるいは崇拝されている疑いのある偶像、地球上で1人でも崇拝者がいる偶像は、破壊する必要がある」と繰り返した。
- ドリームTV2の司会者はこの発言にショックを受けた様子で、「あの仏像と同じように、明日目が覚めたらスフィンクスとピラミッドが破壊されていることになると?」と3度も同じ質問を投げ掛け、別の出演者も「スフィンクスとピラミッドはエジプトだけのものではなく、人類にとっての遺産だ」と訴えたが、ゴハリ氏の態度は揺るがなかった。同氏の発言を受け、「今のうちにピラミッドに行っておこう」と呼びかけるブログも登場するなど混乱が起きた。
- 桜井女史が危惧するように、紀元前2500年前から現在まで現存している建造物の価値は言うまでもなく、英霊の遺産や足跡を消すような軽挙は慎んでほしい物である。
- 歴史関連
- エジプト第19王朝のファラオで、年代は諸説あるが24歳で即位し、88歳~92歳で死没という長寿の王であった。
- 「建築王」の異名どおり数々の神殿や葬祭神殿を造営しており、その中で最も有名なのがナセル湖の畔に立つアブ・シンベル神殿である。
- この遺跡は1960年代に建設が始まったアスワン・ハイ・ダムの影響で水没の危機に晒されたが、1964年から1968年の間にユネスコの手で現在の場所に移築された。また、この移築を契機に世界遺産制度が成立する事となる。
- 体格は大柄で力も強く、専用に作られた弓は彼しか引けなかったという。
- 1881年にミイラが発見され、身長183cmもの大柄な体格であった事が明らかになっている。現在はエジプト考古学博物館に収められており、英霊の中でもその遺体を直接目にする事ができる唯一の存在である。
- 20世紀後半に防腐処置を行う為にフランスへ渡った事があるが、その時には儀仗兵が捧げ銃を行う国王への礼節をもって迎えられた。また、出国に際してはパスポートが発行された上に職業欄には「ファラオ」と記入されており、死してもなお絶大な権威を保っていることを伺わせた。