ギルガメッシュ (Prototype)

2024年8月10日 (土) 19:58時点におけるMopheil (トーク | 投稿記録)による版 (→‎真名:ギルガメッシュ)
アーチャー
真名 ギルガメッシュ
性別 男性
サーヴァント階位 第三位
声優 中村悠一
デザイン 武内崇(原案)
近衛乙嗣(鎧デザイン)
中原(蒼銀)
初登場作品 Fate/Prototype
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概要

Fate/Prototype』に登場する、「弓兵」のクラスのサーヴァント

略歴
古代メソポタミア・シュメール王朝時代のウルクを治めた、人類最古の王。
当初、聖杯などに興味など無く、「自分こそ最強の英霊である」ことを示すために参加していた。だが戦いの中出会ったセイバーのマスター、沙条綾香に心奪われ、彼女を追い求めるようになりセイバーと幾度となく刃を交える事になる。
後に綾香が毒血を受けたことで、彼女を救える薬を宝物庫から取り出してセイバーを挑発し、副都心のビルを残骸に変えるほどの死闘を演じることになる。
人物
黄金の鎧を纏った破格の王。一人称は「我(オレ)」。
「王」として天上天下唯我独尊を地で行く男。だが冷酷であっても残忍ではなく、一目ぼれした女性には常に紳士的な態度で接する。英霊としても誇り高く、正面からの一騎撃ちを好む。また饒舌かつ無駄好きでもあるが、自分でもそれを悪癖と心得ているため、場の空気を読まない言動は行わない。
自分よりサーヴァント階位の高いセイバーをライバル視しているが、自分に並ぶ力を持つセイバーには彼なりに敬意を払っており、「好敵手」「心底から殺し尽くしたい相手」と呼んでいる。
能力
「奉る王律の鍵」からの宝具の射出と双剣による攻撃を織り交ぜた戦闘スタイルをとる。
特に双剣の技量は最高峰の剣技を誇るセイバーと互角に渡り合うほどで、「弓兵」でありながら白兵戦の能力も高い。
また非常に打たれ強く、セイバーとの死闘で頭から血を流すほどの重傷を負いながらも、戦意と技量は一切衰えない。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー ??? C C B A B EX

宝具

奉る王律の鍵(バヴ=イル) 
人類の知恵の原典にしてあらゆる技術の雛形を収めた宝物庫の鍵であり、人類最古の王を示す証である刺青。
『stay night』のギルガメッシュの宝具『王の財宝』の原型であり、効果・解説は基本的に同じ。だが面制圧型の『王の財宝』と異なり、アーチャーを取り巻く形で財宝が円形に配置される。
綾香の毒血を治せる「この世のあらゆる毒を癒す薬」も収蔵されている。
終末剣エンキ
由来:メソポタミア神話の創造神エンキ。
アーチャーの主武装である双剣。セイバーの振るう最強の聖剣と互角に撃ち合えるほどに力を持った神造兵装。「剣」ではあるが、柄は可動可能な構造になっており、変形させて「トンファー」、双剣の柄尻を繋ぎ合わせて「弓」として使うことが出来る。
だがエンキの本質は単純な武器ではなく「水を呼ぶ剣」であり、最大の破壊力を発揮する際は弓型に変形させて使用する。発動から一日経つごとに破壊力を増し、7日を迎えた時、遥か上空・衛星軌道上で光る7本の矢がアーチャーの放った黄金に輝く矢に呼応して一つとなり、地に落ちる。そして、ノアの大洪水の原型であり、かつて世界を滅ぼした大海嘯「ナピュシュティムの大波」を引き起こし、地上全てを洗い流す。
なお、エンキはバビロニア神話の創造神・エアの原典である。

真名:ギルガメッシュ

人類最古の英雄譚『ギルガメシュ叙事詩』の主人公である、「英雄王」と称される男。

登場作品と役柄

Fate/Prototype
アーチャーのサーヴァントとして登場。
とびたて!  超時空トラぶる花札大作戦
アヤカ達に発破をかけ、聖杯温泉目指して出発。相変わらずの王様振りだが、最後に大きく株を上げる。
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
現代編から登場。
コハエース
セイバーより早く登場。平行世界の自分がどのような醜態をさらしているのか、と戦々恐々。
ちびちゅき!
生徒の一人。どんな世界だろうと綾香最優先で、彼女が眼鏡を外すとすぐに現れる。
カプセルさーばんと
さーばんとの一匹。
召喚すると空中から足下に攻撃してすぐ消える。攻撃力は高く、その瞬間火力はさーばんと中最強。
相手の前線、壁、拠点などを直接狙うとかなり効果的。味方では頼もしいさーばんとだが、手に入るのはトーサカを倒さなければならない。出現率も非常に低いので、出鱈目な強さのトーサカと何度も戦う羽目になることも。

人間関係

アーチャーのマスター
令呪を頬に刻んだ青年。本名は不詳。普段は前髪で令呪を隠している。
高層ビルのオーナー兼社長。
一応命令は聞いているが、綾香の自滅を待つ彼の戦術を無粋と思い、セイバーとの格付けにも拘っているため、独断でセイバー陣営と戦闘を行う。
沙条綾香
「アヤカ」と呼び、出会った当初から「我が姫」として猛烈なアプローチをかける。
綾香は押しが強過ぎる彼の性格はちょっと苦手だが、実は周りのお兄さん達の中で一番紳士なので、結構信頼している。
セイバー
宿敵。サーヴァントとしても、綾香を取り合う相手としても。
ランサー
狗。
セイバーと同じく、ランサーが綾香を密かに狙っているのに気づいており、対抗意識を燃やす。
沙条愛歌
女神イシュタルに例えられ、「自らの美に疑いを持たぬ女ほど、醜悪なモノはいない」と評され嫌悪している。
ギルガメッシュ (stay night)
もう一人の「英雄王」。とある時空で偶然遭遇し対決する。
「原典」として、真の英雄王の貫録を見せて勝利し、敗者の証としてその全身黄金の鎧を剥ぎ取った。またその酷過ぎるファッションセンスを酷評している。

名台詞

Fate/Prototype

「この戦い自体は良い。 良い趣向だ。
 宝を求め、英雄同士が覇を競い合うとは素晴らしい!
 なぜ生前思いつかなかったかと歯噛みするほどだ!
 我は今、かつてない喜びに感動している!」
初登場シーン。夕暮れの教室で良い雰囲気になりかけていた綾香とセイバーの元に、ガラリと教室の扉を開けて突然現れ、いきなり熱弁する。喜んでいるのは分かるのだが、彼のテンションにセイバーはついていけず、綾香はドン引き。
「美しいにも程がある!
 我がウルクにすら、これほど我好みの女はいなかった!」
「少女よ、どうか誓ってくれ。我はセイバーを倒す。その後我が后となることを」
一目惚れした綾香への情熱的すぎるプロポーズ。
話の流れから「また『最弱のマスター』ってバカにされるんだろうなぁ」と身構えていた綾香の度肝を抜いた。プロトアーチャーというキャラクターの方向性が決定づけられた瞬間でもある。 
「全くもって度し難い。あの男は慎重になる余り、あらゆる馳走を見逃すタイプよな。
 勝利は重要だ。だが時に憎たらしい好敵手は黄金より貴重である。
 心底から殺し尽くしたい相手など、一生に一度いるかどうか。
 そう思わんか、セイバー?」
セイバーとの地下鉄での対峙。綾香を治せる薬を手に挑発するが、節々に自分に並ぶ英雄であるセイバーに対する敬意が込められている。
「天を見よ! 滅びの火は満ちた!
 来たれナピュシュテムの大波よ!
 これが世界を滅ぼすという事だ!
 凡百の英霊が、この英雄王に歯向かった愚を呪え!」
宝具解放「終末剣エンキ」。

とびたて!超時空トラぶる花札大作戦

「ふっ、戯け共め。貴様ら、それでも地に敵なしと謳う英霊共か?
 我らは元より戦場に咲くもの。挑戦には応え、敵は蹂躙し、宝物は蒐集する――
 どこぞの戦争かは知らぬが、聖杯戦争であるなら英霊が集うは道理。
 この挑戦に応じなくて何が原初の英霊、聖杯戦争の先輩か!」
冬木の聖杯戦争に参加するのを渋るセイバーとランサーに対して。
二人はこれを聞いても納得いかなかったが、綾香は冬木のマスターやサーヴァントなど自分たちの舎弟に過ぎなかった事を思い出し、参加を決意する。
セイバー「余計な事をしてくれたなアーチャー……」
「見たかアヤカ、俺の活躍を。花札であれ俺が最強である事は変わらぬ。
 おとなしく、そして安心して恋に落ちていいのだぞ?」
勝利イラストも相まってまるで乙女ゲーのようだ。
「たわけ、凡百の英霊が我の前に立つな!
 特にそこの金色!全身黄金甲冑など品が無いにも程がある!
 それはそれで我が貰っておこう!」
真の原初の英霊の力を見せつけ、「英雄王」を僭称する愚か者を討ち取った際のセリフ。
「品が無い」と酷評しておきながら、それでも財宝をむしり取る彼もやっぱりジャイアニストである。
ちなみに、「それはそれで~」のセリフは取られた方もかつて宣っている。
「待てぃ!貴様ら、それでも名だたる英雄かっ!
 恥じらう少女の気持ちを汲まずして何とする!」
「バカ者共め、水をかぶって反省するがよい!
 寝屋での戯れならば互いの秘密となるが、ここは温泉!清く正しい男女交際の場だ!
 そもそも、花嫁の裸身を見るのは正しく婚姻を交わしてから!
 アヤカの許し無くして、この壁を破壊する事はこの英雄王が許さぬ!
 さぁ、そこに直れバカ者共め。いいですか、我の目が黒い内はアヤカの清純は汚させません!」
混浴を恥ずかしがったアヤカが聖杯温泉の力で作った壁を無理矢理壊そうとするケダモノサーヴァントたちに対して。圧倒的真面目オーラであり、セイバーからは「君はアヤカのお母さんか!?」と評されている。
ちなみに「水をかぶって反省」のフレーズは、セーラームーンの登場人物の一人セーラーマーキュリーの決め台詞のオマージュである。

船上のメリークリスマス殺人事件

「そうだ!
 このような事より、今宵のアヤカの圧倒的な美しさに、我は心奪われた!!
 この気持ち、まさしく愛だ!!
 抱きしめたいな、アヤカ!!」
ランサーに同調し、殺人事件が発生してもパーティ続行と阿修羅すら凌駕しかねない思いを込めて愛を叫ぶ。多少強引でなければアヤカは口説けません。
元ネタはガンダムシリーズにおけるTVシリーズ第12作『機動戦士ガンダム00』より、中村悠一氏が演じたキャラクターであるグラハム・エーカーの発言。中村悠一氏によれば「グラハムのガンダムとの戦闘中の発言は、自分を奮い立たせるため」とのことらしいのだが……。
「おしりが大変なことになっているのか!!」
殺害現場の暗号を解読して。「た」を抜いて現れた「こんやじゅうじにころす」という文を「ビーストのお尻が痔で大変」と読み取る。
一体どう見たらそうなるのか……。

メモ

  • ギルガメッシュの元となったキャラクターで、性格や設定が引き継がれているが人物的な印象はかなり異なる。『stay night』のギルガメッシュに対し、『Prototype』のギルガメッシュは同じく偉そうでも、「口煩く世話好き」という所謂オカン属性を持つ。
    この属性は双剣を使った戦闘スタイルと共にアーチャーに引き継がれている。
    • また彼の言い回しは『stay night』のギルガメッシュのようにネチネチしておらず、傲慢ではあるが明朗で、むしろ赤セイバーに近い。
  • 「終末剣エンキ」は普段、双剣の状態で黄金の鎧の両肩部分に取り付けられており、ウサギの耳に見える事ため奈須氏から「ラビットアーマー」と呼ばれている。
    双剣を組み合わせて弓に変形するというギミックもケレン味たっぷりで、奈須氏の80~90年代伝奇小説への深い愛情が込められている。
  • 彼がセイバーと激しい白兵戦を行う様が、財宝に頼りっきりで技量はかなり低かった『SN』のギルガメッシュとの間でかなり大きなギャップを生んでいる。
    だが伝説に伝わるギルガメッシュという英雄は、余り道具に頼る事は無く、怪物たちとの戦いでかなりマッシブな逸話を残している。そのため、肉体派のプロトアーチャーの方が原典のイメージに合ったキャラクターをしていると言える。
  • 『stay night』のギルガメッシュが余りにアレだったせいか、公式で「ギルほど空気読めない男ではない」と明言されている。
  • 『Prototype』冒頭のアーチャーとセイバーが地下鉄のホームで対峙する伝奇風のシーンは、奈須氏が上京した際に地下鉄の駅を見て発想を得たらしい。

話題まとめ

ギルガメッシュ王と洪水神話
イシュタルの差し向けた「天の牛」を殺した報いにより親友エンキドゥを喪ったギルガメシュ王は悲しみ、やがて己にも訪れるだろう死を逃れるため、永遠の命を求めて放浪の旅に出る。幾多の冒険を経た末、不死を得ているというウトナピシュティムに出会ったギルガメッシュは、彼がなぜそのような特権を得たのかを訊ね、次のような話を聞いた。
本来、人間とは神々の労働を肩代わりさせるために粘土とウェー・イラ神の血肉を混ぜて作り出された存在だったが、いつしか人間はあまりにも増えすぎ、それにより生じる騒音は神々を悩ませるようになった。神々は主神エンリルの裁定により地上へ「大洪水」を送り込むことに決め、それを良しとしなかった知恵の神エンキ(『ギルガメシュ叙事詩』ではエア神)はシュルパックの町に住むアトラ・ハシース(「最高の賢者」の意)、すなわちウトナピシュティムに彼の家を解体して方舟を作り、一族や動物たちと共に乗り込むよう告げる。大洪水は六日の間荒れ狂い、方舟はニシルの山に流れ着いた。ウトナピシュティムは鳩、燕、大烏を順に放して大地から水が引いたことを確かめ、方舟を降りて神々に感謝した。神々の間ではウトナピシュティム一族を助けたことについて議論が交わされたが、最終的に彼らには永遠の命が与えられ、遠方の河口に住まわされることとなったのだという。
ギルガメッシュは旅の疲れから六日六晩眠りこけてしまい、肝心の永遠の命の秘密を知ることが出来なかった失望のうちに故郷へ帰ることにしたが、ウトナピシュティムの妻は彼を気の毒に思い、海中に生える若返りの草について教えた。喜び海に潜って若返りの草を手に入れたギルガメッシュだったが、帰路の途中で水浴びをしている間に蛇がその草を食べてしまい、それ以降、蛇は脱皮をして若返るようになった。
19世紀にアッシリアの遺跡から発見された粘土板の解読により、この洪水神話が再発見された際には『旧約聖書』の更に古い原典と目されたこともあって、学術的にも宗教的にも一大センセーションを巻き起こした。
実際のところ、ギルガメッシュ自身は洪水神話とは何の関わりもないが、この場合は宝具・終末剣エンキに備わった能力と解釈するべきであろうか。
それはそれで、大洪水を起こしたのはエンリル神の方であってエンキ神ではないのだが。

脚注

注釈


出典


リンク