ムーン・キャンサー | |
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別名 | 月の暈 |
全長 | 数千m(物質化後) |
一人称 | 私たち、俺たち、我々 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
『Fate/Grand Order』において発生した濾過人理補正現象。ないし、その現象が物質化・可視化されたモノ。
- 略歴
- 奏章Ⅲ『新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション』にて、ムーン・ドバイ世界の人類が「新たなアーキタイプを作り出したものの、霊長の座を譲り渡す事を認めなかった」ために人理によって発生。
- 西暦2999年に最初の発生が起こり、BBドバイが第三世代のAIに人間として生活してもらう事で一旦は終息。その後西暦3017年である奏章Ⅲ本編内において、BBドバイが倒された事で2999年に逆行し、二度目の発生を迎える。
- 二度目では第三世代のAIたちによってブルジュ・ハリファのテクスチャの簡易化を防がれた後、ゴールデンBBによって物質化・可視化されてカルデアらサーヴァントと交戦。
- 敗北してなお主人公を取り込むも、自分だけが特別でなくなることを認めた例外を知っている彼/彼女が、レオナルド・ダ・ヴィンチによって資格があると背中を押してもらったこと脱出を許し、消滅していった。
- 人物
- 発生直後は白い輪状の形をとっており、可視化後は先の輪の下に肩から無数の触手を生やした、巨大な白い人型のピクトグラムのような姿が現れる。しかし足はなく、手の指に当たる部分は三本の触手状である。また、その周囲には巨大な白い輪が存在している。
- その実態は「地球の魔術的な防壁である月の
天蓋 の幻想が極限にまで浸透し、現象化した」もの。「人類/文明はこのままで良い」という人間の集合的無意識。「永遠に霊長でありたい」「頂点のままがいい」という理念。人類が宇宙を目指そうとする際に現れ、あらゆる開拓や発展を阻害するにまで至った同調圧力。地球から離れようとする霊長を捕まえ、頭を掴み地球に引きずり下ろす月の暈。 - 科学が発達し、人間が賢くなるほど強大になっていく、人類では振り払えない「後ろから掴む手」。つまりは先頭に立つ存在を妨害するもので、人類の欠点である知性体の持つ攻撃性の究極。
- 発生・物質化された時点では言葉を発さなかったものの、主人公を取り込んだ際に内部の意識のようなものが語り掛ける場面が存在し、その際は複数の意識の集合体であるためか「私たち」「俺たち」「我々」と複数形の一人称を使用している。
- 能力
- 物質を霊子化する事でテクスチャを簡易化させ地球航海図にし、同時に人類は今の環境と合わせた思考レベル───思考能力が初期の自動計算機と同等かそれ以下になってしまう。そして全人類をムーンキャンサー化させ、人類の霊長の座を脅かすものを排除させる……という事象が段階を踏んで発生する。これらの変換は「当然のルール」となり、何の干渉もないために防ぎようがない。
- また、その際に「輪」が出現するものの、そう見えているだけなので物質化されない限りは干渉できない。輪の中には人間を取り込む事も可能。輪を構成するものは主人公には白い光、ないし糸のように見えていた。
- しかし、土地の存在証明をする事でテクスチャの変換を防ぎ、思考の停止及び知能の低下やムーンキャンサー化を防ぐことが可能。奏章ⅢではAIらによってコードキャストを用いられ、ブルジュ・ハリファの簡易化を防がれていた。
- 物質化後は手を地面に潜り込ませた後に地中から触手のように伸ばして攻撃する他、頭上の輪と周囲の輪を四つの板に変化させて電撃を放つ。
関連
- テクスチャの簡易化
- 事象収納とはまた別の現象。
- 空間における情報量を極限まで軽減させ、簡単に壊せるようにする。本来ならば1で受けるダメージが、簡易化されたテクスチャに対しては1億になる。
- 奏章Ⅲではムーン・ドバイが一面濃いピンク色の世界地図のような形となっていたものの、ブルジュ・ハリファのみはその形を保っていた。また、同章内では簡易化されたテクスチャが「地球航海図」と呼称されている。
宝具
- 不明。
- チャージ攻撃としてはブレイク前に「P.S」、1ブレイク後に「公正世界仮説(just-world hypothesis)」、2ブレイク後に「公正世界誤謬(just-world fallacy)」、3ブレイク後に「公正世界信念(belief in a just world)」を使用。
- 演出としてはどれも同じで、ムーン・キャンサーの足元から伸びた触手がピンク色の地球の各所へと拡散し、広がっていくというもの。
- ブレイク後の読みは全て元となった語の英名で、「公正世界仮説」とは人間の行いに対して公正な結果が返ってくるという思考であり、「公正世界誤謬」というのはその別名。「公正世界信念」はこの世界が公正であるとする信念のことである。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 奏章Ⅲ『新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション』にて、敵NPCとして登場。
- クラスはムーンキャンサー。
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- 奏章Ⅲにて相対した人類。
- 一度は知能を低下させたもののAIたちによって回復され、物質化された後に攻撃を許した。
- 敗北後は彼/彼女を取り込み、「霊長の座を明け渡す人類など存在しない」と捕らえていたが、彼/彼女がそれに反する人々を挙げ、その考えが下記のダ・ヴィンチによって肯定された事で脱出を許すこととなった。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 奏章Ⅲにて、主人公が召喚したサーヴァント。
- 星の開拓者にして万能の天才である彼に主人公が肯定された事で、主人公の考えを認める他なくなってしまった。
- アーキタイプ
- 霊長の座を明け渡す事を否定していた対象。
- それが保管されていたブルジュ・ハリファを倒壊させることで、その存在を抹消しようとしていた。
- BBドバイ
- ムーン・ドバイを統治するAI。
- 彼女によって一度目の発生を終わらせられ、対策として「ラスボス決定戦」を開催されるも結局二度目が発生した。
- ゴールデンBB
- BBドバイがBBコスモと融合し、変化した姿。
- 彼女により物質化と可視化をされた事で攻撃が通るようになり、敗北を許す結果になった。
- カズラドロップ
- ラスボス候補の一人であったサーヴァント。
- 彼女はBBドバイによってやられたのだが、その際のBBドバイは「新しい霊長は認めない」「霊長の座は永遠に我々人類のもの」と言っており、カズラが「アーキタイプを宙に放つ」と言ったことでBBドバイを通して倒したものだと思われる。
名台詞
メモ
- 作中のストーリーパートでは「月の暈」のルビとしてムーン・キャンサーという名称が用いられていたが、エネミー名などはそのまま「ムーン・キャンサー」である。
- 戦闘の際は「新霊長継続戦」「Moon Rise Obsession」という戦闘開始演出が流れる。
- この戦闘でサーヴァントたちが立つのはムーン・キャンサーの胸部あたり。そのためムーン・キャンサーの全体は見えないのだが、ブレイクする毎にムーン・キャンサーが攻撃する際のカメラが離れていって全体像が見えるようになる。
- 奏章ⅢでBBドバイはムーン・キャンサーの触手のような何かを出している事があったが、これが何だったのかは不明。
- BBドバイが触手めいたものを出すのはカルデアやカズラドロップと戦闘した際であり、彼らは「アーキタイプを宙に放とうとしていた(カルデアは結果的にそうなった)」という共通点があるため、「ムーン・キャンサーがアーキタイプの旅立ちを防ぐため、BBドバイの体を使って妨害しようとしていた」と考察する事もできる。
- しかし奏章ⅢでBBドバイが戦闘したのもカルデアとカズラドロップしかいないため、BBドバイの元々の能力であった可能性もある。ただしカルデアのBBドバイには同様の能力は見られないため、もし仮にそうだったとしても奏章Ⅲ限定だというのが落とし所だろうか。
- BBドバイが触手めいたものを出すのはカルデアやカズラドロップと戦闘した際であり、彼らは「アーキタイプを宙に放とうとしていた(カルデアは結果的にそうなった)」という共通点があるため、「ムーン・キャンサーがアーキタイプの旅立ちを防ぐため、BBドバイの体を使って妨害しようとしていた」と考察する事もできる。
- 岸波白野 (男性)曰く、「アーキタイプがありながら継承をしない」というのは価値がないどころか悪しき前例にあたるようで、人理も本気で潰しにかかると睨んでいた。
- なお、アーキタイプが現れないまま滅びるという結果になっても、その世界は剪定はされない模様。
- 同じ濾過人理補正現象として、『EXTRA』世界では「アムネジア・シンドローム」が発生していた。
- 『Fate/EXTRA material』の用語辞典によるとこれは二十一世紀に発生した感染症であり、感染者は脳神経を犯されることで自己と他人の境界が曖昧になって、最終的には記憶の認識が不可能になり生命活動が停止してしまうという。
- こちらは1970年にトワイス・H・ピースマンによって治療法が発見され、2030年にワクチンが完成した事で終息している。
- 一説には「集団無意識を同じくするものに感染する」とも囁かれていたらしく、もし本当にそうならばムーン・キャンサーとは「集団無意識」が関連するという共通項がある事になる。
- 『EXTRA』世界においてもアーキタイプが生まれていたものの、そちらはすぐに人類と相互理解を果たしたらしく、ムーン・キャンサーのような現象は起きずに宙に打ち上げられる事となっていた。
話題まとめ
脚注
注釈
出典