権能
権能
ウィザードの使うコードキャスト、サーヴァントのスキルや宝具とはカテゴリーの異なる特殊能力。
事象の変動、時間流の操作、国造りといった「世界を創造しうる」力の事を言う。
ただしFate/EXTRA等では、ゲームの仕様上スキル欄にまとめて記載することが多い。
現実においては、「神代」と呼ばれる現代からおよそ6000年以上前に神霊が振るっていた、物理法則が存在する前の世界の法たる力だった。
しかし、神秘の力が徐々に弱まり、人類の文明レベルが向上して世界の法が物理法則へと移行したため、西暦以降には神霊共々過去の時代に引退している。
通常のスキルは『このような理屈でこういう事が出来る』というものだが、権能は『ただ、そうする権利があるのでそうする』だけのもので大きな差がある。
この権能は神霊クラスならば持っていて然るべきとされる。最高ランクの英霊、特に半神の英霊ならば、権能相当かそれに近い能力ないし宝具を持っていても別段不思議ではない。
その代表的な例としては、ギルガメッシュが使うEXランクの『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』による時空流の発生がある。
また、ランサーが使うBランクの『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』も、権能一歩手前の超抜能力である。
上記のうち特に「国造り」、無や万物創造を司る力に至っては『大権能』と呼ばれ、サーヴァントでは絶対に行使出来ず、最古の英霊たるギルガメッシュの理解の範疇をも超える。
また、この時代の物質界でその権威を振るうという事は自身の崩壊を含んだ大きな代償を必要とする。
ムーンセルの中でさえ、神話礼装によってBBの振るう「バビロンの妖婦」の権能に対抗出来るまでになった主人公のサーヴァント達は、たった一度の変身でもかなりのリスクを背負っている。
具体的に言えば、サーヴァント数十体を収容可能で、BBの干渉からマスターを守れる程のリソースが残っていた旧校舎さえダウンしかねない程の、霊格の階梯の違いから来る凄まじい負荷がかかる。
これらの理由から、現代の現実世界において神代の「権能」に相当する力を有するのは、ムーンセルを飲込んで同一と化したモノ、とされる。EXTRAの世界ではムーンセルと同一化したBBごと取り込んだキアラが該当する。
メモ
- 言及されるようになったのはFate/EXTRA CCCからだが、実際は月姫の頃から登場している。
- 用語集「EXTRA material」においては、アルクェイド・ブリュンスタッドの「血の姉妹」も権能として解説されているが、あれは精霊種共通の能力「空想具現化」なので、神代の法則としての権能とは厳密には異なる。
- 定義の上では「空想具現化」も、「外周の自然現象限定ながら、因果律に干渉して任意の自然現象を選択して積み重ね、環境における事象の変動を成す」という点で、権能に近い能力と言える。
- アルターエゴ達の宝具も元になった神霊の権能をベースに造られている。
- 神話礼装ならBBのように神の権能を振るう相手にも対抗出来るが、それも「バビロンの妖婦」としての権能、『十の王冠(ドミナ・コロナム)』や『黄金の杯(アウレア・ボークラ)』まで。「原初の女神」としての大権能『百獣母胎』に対しては成す術が無い。
- BBは権能によって強大な力を発揮しているが、聖者のモノクルで確認出来る彼女自身のレベルは50である。現代で神の権能に相当する力を有するムーンセルを完全制御するには本来兆単位のレベルが必要なので、彼女と神代の神々の力とを比較すると個体能力が不足している。
- ギルガメッシュの『天地乖離す開闢の星』での、「時空流生成による空間変動」はムーンセルでのみ言及されている。
その理由として、「この能力は権能そのものであり、冬木等の地上で振るうと自己崩壊を起こすために、どの道地上では使用不可能だから」というものが挙げられている。