幻想種
伝説・神話にて登場する生物の総称。文字通り、幻想の中にのみ生きるモノ。
外的要因によって生態系が変貌したモノ、ヒトの想念より生み出されたモノ、長寿により上の段階にあがったモノなどがいる。妖精や巨人と言われる亜人、日本の生粋の鬼や竜と言われる魔獣などがこれに該当する。特に竜種は幻想種の頂点に位置し、最強の幻想種であるとされている。
サーヴァントの宝具として召喚・使役されることもある。
「野獣」「魔獣」「幻獣」「神獣」という順にランクが上がっていく。
その多くはキメラ(掛け合わせ)が多い。魔獣ランクならば魔術師でも使役可能だとされる。
その在り方そのものが『神秘』であり、彼らはそれだけで魔術を凌駕する存在。神秘はより強い神秘に打ち消される。魔術が知識として力を蓄えてきたように、幻想種はその長い寿命で力を蓄える。特に千年クラスの幻獣・聖獣の類の神秘性は魔法と同格であり、魔術程度の神秘では太刀打ちできず、その存在を目撃するだけでも奇跡とされる。
長く生きた幻想種であるほど、この世界から遠ざかっていくため、現在、世界に留まっている幻想種はせいぜい百年単位のモノであるとされている。未だ未開の地の奥深くでなら発見できなくはないが、幻獣ランク以上のものは既に世界の裏側に肉体を捨て、魂だけでシフトしてしまっている。
捨てられた肉体は地下で石油等に成っている。
「幻獣」ランクで有名なのは、ペガサスやヒポグリフなど。
最高位の「神獣」ランクは、ゼウスに対するガイアの怒りから生まれた「怪物の王」テュポーンや、海の悪魔として恐れられる「白鯨」モビー・ディックなどが有名で、この位階になると英霊では手も足も出ない強さを持った者も少なくない。ただし、神獣の中でもその強さには個体差が存在する。
幻想種リスト
- 天馬
- 神代の幻想種。通常の天馬のランクは魔獣であり、そう強力な幻想種ではないが、メドゥーサが召喚する個体は神代から存在し続けてきた個体で、幻獣の域に達しており、護りに関しては既に竜種に達している。
- 飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)
- イスカンダルの『神威の車輪』を牽引する二頭の牛。地面だけでなく、空までも自らの領域として駆け抜けることが可能で、踏みしめた跡にはどこであれ雷が迸る。
ランクは神獣。
- 人狼
- 吸血鬼より遥かに古い起源を持つ、西欧の“森の人”。
- ランクは魔獣だが、一族の長、最高位の血統である銀色の毛並みを持つ人狼は幻獣の域とされる。
- ルゥ=ベオウルフ
- 金色の毛並みを持つ純血の最後の人狼。身に蓄えた神秘は三千年クラス。「魔でもなく幻でもなく、聖なるものにも留まらない」と称される。
- ヒポグリフ
- 魔獣グリフォンが餌であるはずの雌馬を孕ませた際に、生まれる上半身は鷲、下半身は馬という本来「有り得ない」魔獣。これは本来有り得ない存在。グリフォンが捕食者で馬が被食者である以上、この二者の間に子供が生まれるはずがないため。あくまで言語上、哲学的な象徴としてヒポグリフは存在するだけだった。
『狂えるオルランド』ではヒポグリフが登場する。これは「ヒポグリフが登場するのだから、如何なる不思議な話でも有り得ないということはないのだ」という意図が含められている。
存在そのものが不安定な本当の意味での「幻獣」。神代の獣であるグリフォンよりランクは劣るが、その突進による粉砕攻撃はAランクの物理攻撃に相当する。かなりの速度で飛行することが可能。
アストルフォの宝具『この世ならざる幻馬』として召喚・使役される。
- カリュドン
- 女神アルテミスが地上を罰するべく送り込んだ魔獣。幻獣に匹敵する霊格を持つ。一見は猪に見えるが、それは素体となる生物が猪だっただけ。カリュドンの皮を人が被れば、魔人と化す。
アタランテ]]は宝具『神罰の野猪』としてこのカリュドンの皮を所持している。
- バシュム
- 大毒蛇。神々を産み落としたバビロニア神話の原初の母・怪物ティアマトが生み出した十一の魔獣の内の一つ。海中で創られたという、色鮮やかな二本の角と前肢を持つ巨大蛇。竜種と比較しても遜色ない階位に到達したおぞましき大妖。幻想種の到達点、神獣の一種。
掠っただけで致命傷になる、ヒュドラ以上の毒が詰まった牙と、顎を開いて吐いた瞬間モードレッドを即死させるほどの毒息を持つ。
セミラミスが宝具『驕慢王の美酒』で召喚した。流石に一瞬で召喚することは出来ず、『Fate/Apocrypha』本編では上半身のみが召喚されている。
- 人理を否定する神獣
- 名称不明。ヘラクレスが十二の難行で倒した神獣。人が生み出すあらゆる道具を無効化する特性を持つ。
- スフィンクス
- 天空神ホルスの地上世界での化身、荒ぶる炎と風の顕現として恐れられる、獅子の体と人の貌を持った幻想種。別名を「恐怖の父(アブホール)」といい、地中海から西アジアにかけて数多の伝説を有する事で知られる伝説の四足獣。ランクは神獣。その力はサーヴァントに匹敵する。
大型トラック以上の巨体でありながら、物理法則を無視したかのような速度と移動を行い、空中を疾走して全方位からの攻撃を行う。主な武器は強靭な前足の爪と獅子の牙で、それらを衝撃波(ショックウェーブ)が発生する程のスピードとパワーで振るう。爪は魔力によって赤熱化させることも可能で、山を削るほどの威力の攻撃を防ぐセイバーの鎧でも耐えられない。突進の破壊力は、セイバーの剛剣に「風王結界」の段階的開放と魔力放出を併用しても尚、防ぎきれない。
また極めて高度な知性を有し、セイバーの戦闘スタイルと狙いを見抜き、連撃の中に無駄な攻撃を敢えて差し込んだ「牽制」や攻撃によって発生した破片に魔力を付加させて飛び道具として使うなど獣とは思えない戦術を駆使する。 - 更に王の力を体現するとも称される咆哮は、灼熱の火炎と全てを破砕する大気を伴い、それによって爆炎の竜巻を引き起こす。その威力は並木を一瞬で炭化させ、鉄筋コンクリートで作られた大型ドーム施設の東館を数秒と経たず融解させるほど。
生命力も異常で、頭部を斬り落とされても死なず、それどころか頭を失ったまま相手の動きを感知し、何事もなかったかのように戦闘を続行する。
生身のものと岩石で躰が構成されたものの2種類に分けられるが、備えている能力は変わらない。
ベディヴィエールによると、スフィンクスが栄養にするものは霊的なものとのこと。
オジマンディアスの宝具『熱砂の獅身獣』として召喚・使役される。 - 神獣スフィンクスを統率する王種、スフィンクス・ウェヘ厶メスウトも存在し、EX攻撃でその姿が見られる。
- ラミュロス
- 地中海世界に存在する、リュカオン王に端を発する「幻想種としての吸血種」。
若干色素が薄い以外は人間とそう見た目は変わらず、ステレオタイプな吸血鬼のような外観。- ヴォルフガング・ファウストゥス
- 『Fate/Labyrinth』の登場したラミュロスの一員。自身の霊器再臨を目論み、迷宮の聖杯戦争を開催する。
- 魔猪
- 肉を食み、鎧を食み、ルーンすら貪り食う猪。場合によっては勇者はおろか竜種ですら不覚を取るほど強い種も存在する。
- トゥルッフ・トゥルウィス
- かつて猪に変化し、七頭の息子と共にブリテンを食い荒らした魔猪の王で、『カルデアサマーメモリー 2016』第二部では体を機械化して二千年の時を経た事で、魔獣を通り越して神獣の域に至っている。
- ケツアルコアトルス
- ケツァル・コアトルの宝具『翼ある蛇』によって召喚される幻想種。
実際に白亜紀に棲息したケツアルコアトルスよりも遙かに強化されており、ランクは幻獣~神獣クラス。
- ケルピー
- イギリス・スコットランド地方の伝説で登場する、水面を闊歩する蹄と魚の鱗に似た尾を持つ青ざめた馬。別名アハ・イシュケ。人肉、特に少女の肉を好んで喰らう危険な魔獣。
- サーヴァントと戦える程の攻撃性と、ダイラタンシー流体を魔術的に成立させた防壁である魔の水膜を有する。また有翼の飛翔形態である「水の鳥(ブーブリー)」へと変身する事ができる。
竜種
ドラゴンとも称される、幻想種の頂点に立つ種族。
個体によって外見は異なるが、概ね巨大な爬虫類の姿と翼を持つ。
詳細は竜種を参照。
メモ
- 奈須氏は「怪物の王」テュポーンや、海の悪魔として恐れられる「白鯨」モビー・ディックなどに対して、「このあたりの神獣はもはや生き物というよりも超兵器みたいなもの」と言っている。