キャスター
- 真名:トーマス・エジソン
- 身長:182cm / 体重:88kg (生前とは肉体組成からして異なるため、身長・体重も変化している)
- 出典:史実
- 地域:北米
- 属性:秩序・中庸 / カテゴリ:人
- 性別:男性
- CV:寺島拓篤
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第五章ではAD.1783のアメリカに召喚され、世界を滅ぼそうとするケルトに対抗する陣営のトップとして行動している。
- 本来なら対抗する立ち位置にある歴代のアメリカ大統領は自分たちが全員顕現しても勝てないと悟り、力を一人に集約させる為に最高の知名度を持つエジソンを選んだ結果、現在の姿になった模様。
- 当初は大量に召喚された勇猛なケルト兵を主力として大陸を蹂躙するケルト軍への対抗意識から、武器や戦力の大量生産や過酷な労働、機械化兵士の投入に基づいた近代的な物量作戦で戦い、ケルト軍の侵攻を食い止めていた。しかし、使える資源も人材も限られ、戦力の質や数でもケルト軍に劣っている自軍が、戦い慣れした強力な兵士やモンスター、サーヴァントを短時間かつノーコストで無限に召喚できる聖杯を擁したケルト軍相手に自分のやり方だけで勝利するのは流石に厳しく、辛うじて戦線を維持しながらも少しずつ確実に追い込まれていた。だが、そこまで厳しい状況に陥ってもなお彼は自身の得意分野である大量生産で負けを認める事が出来なかったため、方針転換に踏み切れずにいた。更に彼は自身に力を貸していた歴代アメリカ大統領の意志や使命に影響され過ぎており、アメリカの存続さえ確保できれば他の土地や時代がどんな事になろうともどうでもいいと考えていたため、世界や人理を守る為に戦おうという考えは微塵も持っていなかった。
- 序盤では最終目的の違いから主人公一行と反目関係になってしまい、彼らが自分達の元を去った後もそのまま自分のやり方を貫き続けてきたが、最終的にはナイチンゲールと主人公一行、自軍の仲間達の説得や協力によって柔軟な思考と人理の為に戦う意志を取り戻して立ち直り、その後は主人公一行と協力して人理修正の懸かった大戦争を最後の最後まで戦い抜き、見事人理を修正して見せた。
- 人物
- 筋骨隆々とした肉体に獅子の頭という異様な風貌をしている。
- 威風堂々として非常に尊大な性格。常に前向きで暑苦しく、一度や二度の失敗ではへこたれない。
- 若干ワーカホリック気味なところがあり、一日二十時間の労働を心がけていて、マスターにもそれを要求してくるほど。
- とにかく我が強くて饒舌で、喜怒哀楽が物凄く激しい人物であり、生前とは似ても似つかない風貌であるにも関わらず、彼の人となりを知ってる人物が見れば「彼がエジソンである」とすぐに確信を持たれる程に強烈で特徴的な分かりやすい個性・性格の持ち主。
- エレナから指摘されていた通り、割とナイーブで落ち込みやすい性格。作中では途中で改心して一からやり直しを図るものの、何だかんだでそれまでの行動を振り返って後悔したり非常に落ち込んでいる描写が多く存在する。
- 非常に頑固な性分でもあり、自分のやり方や使命に拘り過ぎている。自分の方針に確固たる自信を持ち、それを貫いてきた事で幾つもの成功を成し遂げた彼を支えてきたものであるが、生前の人間関係や第五特異点での大失態から見られるような悪い方向に働いてしまう所もある。ただし、必ずしも頑固一辺倒で話を全く聞かないと言う訳ではなく、自らの非を論理的に指摘されてそれに納得すれば素直に非を認めて改める度量も持ち合わせている。
- 独り言癖があり、廊下から部屋の中まで聞こえるほどうるさい。エレナからも注意されているが、治る気配はない。
- 能力
- 世界有数の知名度を誇るが、その新しさ故にサーヴァントとしての力量はやや劣る。『Fate/Grand Order』ではそれを補強するため、アメリカという国家を支えた歴代大統領が「エジソン」という概念を補強する一種の礼装として扱われた。
- キャスタークラスではあるが魔術はまったく使用せず、主に電気の放出、自分の発明品の利用によって戦う。また筋骨隆々とした肉体で白兵戦を行うこともあるが、筋力はあまり高くない。
- 斬新な発明をするよりも、先達の発明をより普及に適した形に再構築するという点において極めて優れており、まったく無関係の人物同士の宝具概念を繋ぎ合わせて新しい宝具を創造してしまうほど。
- 第五章作中では高度な魔術システムによる理論が使われているというカルデアの通信システムを自ら再現し乗っ取った。しかも先に電気で再現できないか発言していたので恐らく科学的要素だけで再現した可能性が高い。
- 幸運を除けばEランクかEXしかない極端なステータスであるが、これは特殊な召喚状況であるためで、実質的な能力はD~Eランクである。クラススキルも「D」相当のEXランクである。なお、耐久のEXランクもダメージへの耐性的な意味ではなく、「何日徹夜しても能率が落ちない」的な意味らしい。
- 最新の英霊である上に、それが歴代大統領によって補強されているため、ステータス表示に若干の混乱が見られるようだ。
- 第五章では未遂に終わったが、超人薬を使用することで雷音強化(ブーステッド)を行い、トーマス・マズダ・エジソンに変身することができるらしい。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 主人公 (Grand Order) | E | EX | E | EX | A | EX | 道具作成:EX(D相当) 陣地作成:EX(D相当) |
変化:C 大量生産:A 概念改良:A+ |
宝具
- W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)
- ランク:EX
種別:対民宝具 - 彼の三大発明である「電球・蓄音機・映写機」による幻想支配宝具。
- 闇を照らし、ありのままの音を写し取り、現実をありのままに映し出すことによる世界信仰強奪。
- 隠されていたからこそ意味を持っていたものを暴きたて、エネルギーでは計れないものを零に固定し、民衆からの信仰を「存在しない」と無へと貶める。正確には、「元からあったものを彼が強奪した」という扱い。
- また、この宝具は暴走させることで自爆することが可能。
- 『Fate/Grand Order』では、敵全体にダメージを与えつつ、クリティカル発生率をダウンさせ、宝具・スキル発動を1ターン封印する。
- ビジュアルは「二十○紀FOX」そっくりのEDISONロゴの上でポーズを決め、光ですべてを照らし出すという色々な意味で危険な代物。
- エジソンはハリウッドとは確執があったはずだが、大丈夫なのだろうか。
真名:トーマス・エジソン
- トーマス・アルバ・エジソン。19世紀に生まれた人間としては世界有数の知名度を誇るアメリカ出身の発明家。
- 現代の日常を形成する多くの製品の礎にはエジソンの発明が存在しており、彼の業績を改めてここに書く必要はないだろう。
登場作品と役柄
- Fate/Grand Order
- キャスターのサーヴァントとして登場。
- 〔キャスター〕キャラクターデザイン:pako / 設定作成:??? / レア度:SR(☆4)
- メインシナリオでは第五章に登場する。
- ちびちゅき!
- お月見団子盗難事件にて、月へ行く方法についてノリノリで意見を出してきた。
人間関係
Fate/Grand Order
- ニコラ・テスラ
- 同時代の発明家。終生のライバル、宿敵であり、嫌いなものとして名指しで挙げるほど。エジソン曰く「ミスター・すっとんきょう」。
- ベルやバベッジとは節度を保った付き合いを心がけているというエジソンだがなぜかテスラだけは常に例外で、出くわせば殴り合いが起こるという。
- 一方で5章において協力関係となった時では同じく電気を操るサーヴァントとして張り合いながらもその能力に関しては一目置いてる所もあり、必要ならばうまく協力し合う。しかし戦いが終わるとどちらが優れているのかで言い争いを始め、結局は殴り合いを始める事になる。
- 同じカルデアに居る場合でもそれは同じで、何かにつけて互いを貶したり喧嘩を売るような事を言ったりしては睨み合いになり、すぐに戦いを始めようとする。
- チャールズ・バベッジ
- 同時代の発明家。テスラを相手にした場合とは違い、エジソンは彼とは節度を保った付き合いを心がけている。
- しかしエジソンは彼の宝具によって創造されるヘルタースケルターの技術を勝手に流用し、さらに「蒸気より電気」という考えで改造して機械化歩兵にしている。
- 第五章では、「破産するまでは負けじゃない」と自分の人生の失敗を皮肉ったようなメッセージをモールス信号で送り、現状の厳しさを受け止めて酷く落ち込んだエジソンを応援した。
- エレナ・ブラヴァツキー
- 生前の友人。彼女が主催していた神智学協会にも関わっている。
- 第五章では仲間として共に戦っていた、作中で彼の一番の理解者。エジソンの歪みを理解してなお王として認め、彼が落ち込んだ時も何度も叱咤し励ましていた。
- ただ、そんな彼女でもニコラ・テスラと顔を合わせる度に下らない内容の喧嘩を売り買いしてヒートアップする彼の悪癖には呆れている模様。
- カルナ
- 第五章で仲間として共に戦っていた。最初はエジソンがカルナに協力を請うた事で従っていたが、後にエジソンが改心した後は真に友人関係にもなった。
- 彼によるとエジソンはドゥリーヨダナに似ているらしい。
- エミヤ
- 宝具の改造に抵抗が無い者同士で意気投合する。
生前
- グラハム・ベル
- 同時代の発明家。エジソンも認める天才性の持ち主。
- テスラを相手にした場合とは違い、エジソンは彼とは節度を保った付き合いを心がけているらしく、エジソンは「天才たちをうまく使ってこその社長」と述べている。
名台詞
- 「サーヴァント、キャスター。トーマス・アルバ・エジソンである!
顔のことは気にするな! これは! アメリカの象徴である!」 - 召喚時。最初から尊大さ全開。そして、気にするなと言われてもやはり気になる。
- 「バッドテイスト? いいか、一つだけ、言っておく。
私の前で……ニコラ・テスラの話はするな! 断じてなぁ!!」 - 嫌いなものについて。個人を名指し、それも話題にすることすら許さないレベル。
- 「ふっ…ふっふっふっふ。嫌な名前を聞いたなぁ。テスラがここにいるだとぉ……?
よろしい! 発明王世界一決定戦だぁ! ゴングを鳴らせぇ!」 - ニコラ・テスラ所属時。即座に喧嘩を売る気満々。
- 向こうからしても「悪鬼」呼ばわりしているため、顔を突き合わせた瞬間に争いが勃発すること必至であろう。
- 「トーマス、大変身、大改造の時である!
この人間味あふれた紳士の体を捨てて、今こそ獣の如き雷音強化 !
トーマス・マズダ・エジソンに変貌してくれ――」 - 第五章にて。主人公一行に敗北したエジソンは、切り札の「超人薬」で人の体を捨てた『変身』を行おうとする。
- 直後に彼の身を案じたカルナに薬瓶を破壊され阻止されたが、実行していた場合は果たしてどうなったのかは気になるところである。
- 「GAohoooooooooooooo!?」「GAFU……GAFUUUU……ッ!」
- 第五章にて。世界を救う使命から目を逸らし、絶対に勝てない「ケルトとの消耗戦」に身を投じてしまった彼を説き伏せ、とどめに「そんなだからニコラ・テスラに敗北する」とナイチンゲールに言い放たれた際の悲鳴。
- あまりのショックに倒れてビクビクと痙攣していた。やはり仇敵であるテスラへの負けを認めさせられるのは相当な屈辱なのだろう。
- 「ハハ、伝記本でも読んだのかな?
子供向けであれば、私はさぞかし格好良かったのだろう。
……その伝記に真実の姿が負けぬよう、精々この任務を全うすると誓おう」 - 第五章にて。ケルト軍との決戦を前に、主人公から「あなたは子供の憧れだ」の言葉をかけられて。
- 「エジソンは偉い人」と誰もが憧れたアメリカ最大の大英雄は、自身の名に恥じぬ戦いを誓うのだった。
- 「私には彼らを――おまえたちを、ほんの少しでも長く守る責務がある!
アメリカ大統王としてではない! 発明王だからでもない! トーマス・アルバ・エジソンだからでもない! 私は人間だからだ!
遠い未来、この土地を収奪し、この国に住まうようになった人間として――その責務がある!!」 - メイヴが呼び寄せた「クラン・カラティン」―――魔神柱の集合体に苦戦するサーヴァント達を守るため、エジソンは宝具を暴走させる。
- 自身の身を滅ぼす結果になる事も大した時間稼ぎにもならない事も知っていながらも他のサーヴァント達からの制止も聞き入れず、アメリカに住まう人間としての責務を果たして力尽きようとした。しかしこの直後…
- 「すっとんきょう! ミスター・すっとんきょうかぁ――――!!!」
- よりにもよって宿敵、ニコラ・テスラが現れた。結果的にエジソンの自己犠牲は防がれたが、テスラはエジソンを助ける気はなく、ロンドンを滅ぼそうとした罪滅しとして人理焼却に立ち向かうサーヴァント達を手助けしに来ただけだと宣う。
- 緊迫した場面であるのにいつものような口論が始まってしまい、ロビンから呆れられてしまう。
- 「あと一歩のところで詰めが足りん。
そんなだから、貴様はロクに伝記も書いて貰えんのだ。
ちなみに私の伝記は全世界レベルで流通しているぞ」 - 魔神柱への雷撃の加減を誤ったテスラを「援護」しつつ、『星の開拓者』でありながら知名度で自身に劣る宿敵を徹底的に煽る。
- 戦いの際には見事なチームプレーによって大量の魔神柱を一網打尽にし、この絶望的な戦いの突破の糸口を開いて見せたが、最後の戦いが終わった後もお互い煽り続け、最終的には殴り合いに発展していた。
- 「さてさて、うりぼう文明はどうなったかな?
異世界との高速通信くらいは軽く出来る程度の文明レベルには到達していると予測しているのだがね!」 - スカサハ「滅んだぞ。」
- 「Nooooooooooooooooooo!!!
ほ、本当に滅んでいる! イカれた時代にウェルカムという訳か!?」 - 2016年夏イベント第二部『カルデアヒートオデッセイ』中盤より。主人公その他勢が島を自作の船で脱出したのち、うりぼう達だけとなった島に召喚されたエジソン。
- 主人公達が島にいたこと、そして時空の乱れで元の島に帰ってくる事を予測し、うりぼう達に自分の知りうるテクノロジーを(親切心で)全て教え、自作コールドスリープに眠っていた。
- そして主人公達と合流したわけであるが、起きた時にはものの見事にうりぼう達の文明は復活した魔猪達の蹂躙により崩壊していた。
- …「イカれた時代にウェルカム」の部分は同じく文明崩壊後の終末世界が舞台の漫画『北斗の拳』アニメ第二部のOPソング「TOUGH BOY」の歌詞「いかれた時代へようこそ」のパロディか。
- 「ああ、何ということだ! この私が! 現代の知識をありったけ伝えたのに!」
- マシュ「大変な事をしてますね……。」
- 「それがモンスター如きに木っ端微塵にされるとは! おのれ、許さんぞ魔猪!
貴様たちを一頭残らず食肉加工産業に組み込んでやる! 全国どこにでも安定供給してやる!」 - 上より続けて。よかれと思って手助けしたうりぼう達の文明発展をすっかり台無しにさせられた魔猪達に憤り、暴言を吐き散らす。それもやけに実利主義的な内容の。
- アメリカは国土が広く生鮮食品の配送が建国当初からの課題であった為実にらしい言葉である。
メモ
- 筋力のステータスはこの風貌で「E」。本来ただの発明家であることやクラスがキャスターであることを考えれば仕方ないかもしれないが筋肉はハリボテである。
- エジソンの生前の異名の一つに「メンロパークの魔術師」というものがある。キャスタークラスとして召喚された由来はこの異名なのかもしれない。
- 頭部がライオンとなっているが、これは第五章においてケルトの軍勢に対抗する為に取った非常措置としてエジソンを選んだ大統領の礼装の影響によるものであり、恐らく通常の聖杯戦争で召喚された場合はこの通りの姿である可能性は低い。
- ちなみに最終学歴は小学校中退。知的好奇心が旺盛で一局集中でのめり込む性格であったため、学校では教師に自分の疑問をぶつけるばかりで成績は散々だったとのこと。そもそもニコラ・テスラとの電流戦争も微分積分等の高等数学が理解できなかったのが原因の一つである。
- なお、彼を小学校から中退させたのは、彼の母親である。彼の成績に苦言を呈した学校側の対応に激怒して退学に踏み切り、以降は母親が全教科を付きっきりで教育したという。ただ彼女の専門外であり詳しく教えることのできない理系に関しては図書館で自力で学習したらしい。
- 近年、史実のエジソンは注意欠陥多動性症候群(ADHD)や発達障害等を持っていた可能性も考慮されている。これらの患者は己の臨んだ分野に関しては驚くべき集中力を発揮し、特定の分野で成功する人物もいる。実在の人物では、アルバート・アインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ等が存在する。
- 非常に珍しい、名称がすべて横文字(漢字、ひらがなを含まない)の宝具の持ち主。他に該当するのは、存在そのものがかなり特殊なBB の「C.C.C.(カースド・カッティング・クレーター)」くらい。
- 戦闘BGMや宝具専用BGMを除けば、本作の中では唯一の会話劇中における専用BGMを持つサーヴァント。ご丁寧に「エジソン」と呼ぶコーラスまで入ってる。
話題まとめ
- 三大発明
- 彼の発明とされる白熱電球、映画(キネトスコープ)、蓄音機だが、このうち、本当に彼の発明と言えるものは蓄音機くらいである。
- 白熱電球自体の発明はエジソン以前にジョゼフ・スワンという人物の手で行われており、エジソンの功績はむしろ、フィラメントに竹を使用することによる寿命の大幅な延長と、合弁会社を設立して配電に関するインフラを確立したことにある。
- 映画もル・プランスやリュミエール兄弟といった同時期に発明を行っていた人物たちがいる。エジソンは映画フィルムや特許の管理を行う会社を設立し、映画の配給方法を確立させたことでも知られているが、彼のキネトスコープ自体は後に主流となるスクリーン投影方式のシネマトグラフに駆逐されてしまう。
- さらには映画関係者でエジソンの囲いこみに入れなかった者やエジソンの訴訟攻撃から逃れた者はハリウッドで活動を続け(宝具項にあるハリウッドとの確執とはこれのこと)隆盛し、一方エジソンの特許管理会社は独占禁止法にてあえなく終焉を迎えるという皮肉な結果となった。
- これらの権利関係に関してきっちり法で自分の利益にしていた一連を指して、「発明王」とは別に「訴訟王」という異名も彼にはある。
- 本作でも言及されている通り、「他者の革新的発明を普遍的に万人へ普及させる」ことにおいて天才なのがエジソンであり、「発明王」と言われるほどオリジナルワンな発明をしたわけではない。
- 敏腕経営者
- 彼を語る上で外せない要素の一つとして才覚に溢れた経営手腕と、三大発明の項で触れられた生涯大小合わせると数十とすら言われた訴訟の数々があげられる。
- 独立一世紀を経て法整備の急激に進んだ当時のアメリカは、権利(利権)が既に非常に大きな力を得ていた。エジソンは若い頃に特許が安く買いたたかれるという失敗を経験したり、逆に経験を積み重ねた後に特許の売却によって大きな利益を得る経験もしてきたため、特許がどれ程大事なものなのかを身にしみて理解していた。
- その結果として、彼は彼自身の発明と彼の会社を守るために、新たな利権を得るための私設法律顧問団を結成したという逸話がある。特に、三大発明の項にある特許管理会社創設の際には、特許庁に一度は新規性がないと却下されたにも関わらず、法律顧問団の力を使って内容にほぼ変更を加える事なく強引に捻じ込む形で特許を得ている。
- 他にもマスコミの扱いにも長けており、ライバルに対して強烈なネガティブキャンペーンを展開したり、自分の商品を売り込むために私の頭脳は一日三食の健康的な食事から生まれるとして、アメリカ全体の食生活に多大な影響を与えたりと、その実例は枚挙に暇がない。ニコラ・テスラと電流戦争を繰り広げていた際にもマスメディアを利用し、彼の支持する交流に対して極めて過激な文言でネガティブキャンペーンを行っていた。
- 反面、当時としてはあまりにも強引で型破りすぎる彼のやり方には世間からの受けが悪く、当時の一部メディアや学会などからは批判を受けていた。そして、真の発明家は経営に没頭しないだの、訴訟王だのと、彼らからボロクソに叩かれる事となってしまった。
- しかしながら、エジソンは過去に特許関連で痛い目を見た経験があった事もあるため特許を死守する事の重要性を良く分かっており、また企業の在り方が日々進化している当時の時勢に適応したり、会社を維持するのが難しくなっているという状況を鑑みればこれらの措置が必要なことであったのもまた間違いない。現在でも行われている特許に関する抗争のルーツは彼の起こしてきた訴訟や行動にあり、権利の重要性を極めて重視したエジソンの経営者としての優秀さが伺える。
- 一方、会社の規模が大きくなると、彼の強烈な個性やワンマン気質が仇となった。現在でも世界有数の大企業であるゼネラル・エレクトリック社は創業者の一人がエジソンなのだが、彼は他の経営者と対立して役員に降格させられたり、名前を会社名から外されるなどの屈辱を味わっている。親友の自動車王フォードも、エジソンは経営者としては一流ではないと言っている。