ゲーティア

2017年1月22日 (日) 00:24時点におけるアムナント (トーク | 投稿記録)による版 (→‎名台詞)

ビーストI

  • 真名:ゲーティア
  • 性別:男性
  • CV:杉田智和

七つの人類悪の一つ、『回帰』の理を持つ
当初は冠位の「魔術師」のサーヴァントソロモンして行動していた。

略歴
『Fate/Grand Order』では人理焼却を実行した首謀者であり、メインストーリー第四章の最終幕で姿を現す。
本人にとっては戯れに等しい戦いで絶大な力を主人公らに見せつけ、七つの人理焼却を全て防げればカルデアを自らの解決すべき案件と認めると告げ、その場を去っていった。
しかし、それは主人公を見逃したわけではなく、自身と目を合わせたことで邪視を受けた主人公をもう“終わるもの”として見捨てたためであった。
だがそのたった一度の気まぐれによって行われた姑息な罠は、使用する尖兵として最初から自身を裏切る気満々であった巌窟王 エドモン・ダンテスを選択してしまったために失敗に終わり、結果的に主人公は生き残ることとなる。シャーロック・ホームズの推測によれば現在の彼は人理焼却という仕事を終えた後の次の作業に取り掛かっているとのこと。獅子王ですら危惧するほどのものらしいが詳細は不明。
人物
第四章、並びに終章ではソロモン王の姿をしていたが、三つ編みに結ばれた髪に赤い目玉の模様がある。真の姿は筋骨隆々とした姿で、胸部に大きな眼、頭部に角を有した怪物。
天地の理すべてを従わせる全能感、人類すべてを憎むといわんばかりの威圧感を持つが、ソロモン王がベースなので理知的な性格である。
七十二柱の魔神柱の集合体なのでその性格・性質は七十二に及び、個人であり群体である為、余人と対話する時は、その相手に似た『魔神柱』が表面に現れる。
その言動の不安定さは、複数の属性を持ちすぎているゲーティアが乱雑な者が語りかければ粗野に、賢明な者が語りかければ真摯に、残忍な者には残忍に、穏やかな者には穏やかに応える『鏡』のような性質を持つ。
つまり第四章で傲慢で残忍な振る舞いを見せ「人類は自身の愉しみのために消費されるのが救い」とまで言ってのけたのは、モードレッドが乱暴でアンデルセンが意地悪だったから。
彼はソロモン王ですら到達できなかった全能者であり、本来であれば人を統べる王として充分な資格がある。しかし全能である以上は人間を理解できず、不死である以上は答えに辿り着けず、故に、『人の王』にはなり得なかった。
その在り方は「愛の無い獣、そのくせ夢だけは人一倍」「怨念を持たぬ者、恩讐の外に在る存在」と評されてしまう。
能力
「神にも匹敵する」と形容されるほどの魔力を持ち、存在するだけで領域を圧し潰すほどの力場が発生し、カルデアからの干渉をほとんど遮断してしまうほど。
スキルにある「啓示」は天からの声を聴き最適な行動をとる能力であるが、魂が持つスキルな為、ソロモン王の遺体に巣くったゲーティアには使用できない。
同じくスキルの「召喚術」は置き去りにされた“七十二柱の魔神”の概念はソロモン王の遺体の中に巣くい、長い年月を経てソロモン王の皮を被った“何者か”として新生した。
英霊召喚や通常の使い魔は呼び出せないものの、七十二柱の魔神であれば自在に現世に召喚できる。ソロモン王の内界に巣くった“架空の魔神”たちを外界に投射する変換器、と言えば分かりやすい。
過去から未来を見通すスキル「千里眼」は肉体に備わったスキルであるため、ゲーティアにも使用可能であるが、時間の流れの外に出てしまったカルデアは彼の目を以てしても見通すのが難しいらしい。
スキル「ソロモンの指輪」もEXという規格外レベルで、十の指輪がすべて揃っている場合、人類が行うあらゆる魔術を無効化し、また配下に納めるとされる。即ち、魔術師である限りどうあがいても勝てないということに他ならない。この能力のためか本格的に姿を現す第四まで各特異点において、人理を歪まさせるために聖杯を使わされたのは揃いも揃ってキャスタークラスのサーヴァントか人間の魔術師である。神代で高位の魔術師であったメディアですらも逆らえない辺り、その力の凄まじさが理解できよう。
冬木の聖杯戦争における英霊召喚システムの前身、すなわち本来の「世界を救うための決戦術式」としての英霊召喚により呼び出される英霊であるため、他のサーヴァントより一段階上の規格を持つ。
これにより呼び出されたサーヴァントは例えるなら通常のサーヴァントが「人」に対する英霊であるのと比較し、「世界」に対する英霊と称されるほどの器・権能の差があるという。
他にも、視線を合わせるだけで魂が縛られる、ソロモンの名を口にする、姿を絵に描くだけで呪詛にかかってしまう等の力を持っている。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
グランドキャスター E E B A++ A++ A++ 啓示:B
召喚術:EX
ソロモンの指輪:EX
千里眼:EX
ビーストI A A D A+ B A+++ 啓示:-
召喚術:EX
ソロモンの指輪:EX
千里眼:EX

宝具

誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)
ランク:EX
種別:対人理宝具/対人宝具
第三宝具。原罪のⅠ。人類終了を告げる光帯。
一見すると地球を囲む光の輪だが、その実態は幾億もの光の線の集合体であり、『Grand Order』で各特異点の上空に浮かぶ光帯そのもの。
線の一本一本が高ランク宝具である『エクスカリバー』に匹敵する極大ダメージを持つ。
人理定礎を破壊し、人類史の強度を無にし、ソロモンや魔神柱の凝視で火を放ち、炎は地表を覆ってあらゆる生命と文明を焼き尽くし、残留霊子として摘出される。この光帯を以てすれば地球の表層を焼き払うことができる。
残念ながら、この宝具の熱量を上回るものは地球上には存在しないが、あの光帯の本質は人類史すべてを熱量に変換したもの。
地球上においてその一瞬、一秒に発生した人類のあらゆる営みの熱量を未来から過去に遡りながら3000年分回収し、これを何億と集め・加速・収束させる事で膨大な年月の時間逆行も可能になる。
また、魔力を束ねる力を失えばリング状ではなく大気に満ちるマナとして拡散し、超新星の如き爆発に匹敵する威力で領域を跡形もなく失ってしまう。
戴冠の時来たれり、基は全てを始めるもの(アルス・パウリナ)
ランク:不明
種別:不明
第二宝具。魔術王の拠城である「神殿」にして、時間と隔絶した虚数空間の工房。その実態は領域そのものであり、固有結界「時間神殿ソロモン」。
生前におけるソロモン王の魔術回路を基盤にして作られた小宇宙であり、カルデアスが地球の極小モデルケースなら、この宝具は宇宙の極小モデルケースである。
魔術王の魔力が続く限り存続できるが、魔術王が消滅すればこの特異点も王座を残して消滅してしまう。
正しい時間軸には存在せず、この特異点の座標を示すのはBC.2655のウルクに送り込まれた第七の聖杯のみとなっている。
しかしこの空間は人類悪と言われた災害の獣「ビースト」の霊基に満ちており、ビーストの眷属である魔神柱が蠢いている。
敵領域は一つの生命であり、末端から中心にエネルギーを送り込むことで、魔術王の玉座には計測不可能なほどの魔力が渦巻いている他、特異点の中心であり心臓部にあたる玉座へと繋がるルートを塞いでいる。
玉座に乗り込むには末端である敵領域を破壊する必要があるが、魔神柱一体を倒すには複数のサーヴァントを必要としており、魔神柱が倒されていても新たに誕生するため、七十二の魔神柱すべてを殺し尽くさない限り、突破は不可能である。
光帯収束環(アルス・ノヴァ)
ソロモン王の第一宝具。仮想宝具。
ソロモン王を騙るゲーティアは本来の宝具名を知らず、これを第一宝具と仮想する。

真名:ゲーティア

魔神王ゲーティア。人理焼却を引き起こした実行犯であり、魔術王ソロモンを騙る者。
その実態はソロモンの七十二柱の魔神の集合体。生前に召喚した悪魔とその術式、生前の後悔が一つの個体として具現化した概念存在。 本来は人理補正式として編まれた術式。
ソロモン王の死後、その内側に潜んで生き続けた召喚式という魔術そのものが、意思を持って受肉し、彼の名義を騙って人類総エネルギー化事業に乗り出した。
彼ら魔神は肉体を必要としない高度の知性体。千里眼を持つソロモンの守護英霊として過去と未来、あらゆる世界を見た。
ソロモン王は受け入れたものの、しかし多くの悲しみ、裏切り、略奪を目の当たりにした魔神たちは、人間と未来に価値はないと結論し、消滅という結果を恐れた。
自己の消滅はもとより、あらゆるものは消滅する、という結末を嫌悪したのだ。そして、「終わりある命」を前提とした地球の在り方を。
かくしてゲーティアはソロモン王の亡骸を内側に潜むことで受肉し、活動を再開したがその在り方には大きなジレンマがあった。
人間に価値はないと断言しながら、魔神である彼らは人間に使役されなければ存在できない。人間以上の能力を設定された高次元の生命でありながら、この宇宙唯一にして最大の『無駄遣い』である人間の下にいなくてはならない恥辱。
ゲーティアはその矛盾と不誠実さに良しとせず、自己変革に乗り出した。人間に仕えるという目的の再設定。この星において唯一で最高の存在であることの絶対証明。
ソロモンにもなし得なかった極点への到達。魔神王ゲーティアは神に至る大事業を始めたのだ。
彼は歴史を狂わせる特異点として聖杯を造り、自分がデザインし、遺伝子に魔神柱の寄り代となる呪いを刻み、ゲーティアの意思で魔神へと変貌する魔術師たちを子孫として、担当の時代まで存続し続けるように人類史にちりばめ、七つの起爆点を作り出した。
それが各年代における人理定礎崩壊の原因であり、その企みが成立した段階で、2015年に人理焼却は実行され、人類から2016年以降の未来は消滅した。
だが人類焼却こそゲーティアの真の目的ではない。何せ星一つ焼き尽くしたところで得られる燃料はたかが知れているのだから。
人類のあらゆる営みの熱量を未来から過去に遡りながら光帯を3000年分回収し、紀元前1000年から西暦2016年までの人類史を魔力に変換する必要があるのだ。
46億年の過去に遡り、この領域に天体が生まれる瞬間に立会い、その全てのエネルギーを取り込み、自らが星そのものとなること。
創世記をやり直し、死の概念のない惑星を作り上げる大偉業には膨大な魔力が必要とする。彼は人類が憎いからではなく、「必要」があったから滅ぼしたのだ。
以上の功績をもって彼のクラスは決定された。グランドキャスターなぞ偽りの冠位。
其は人間が生み出した、人類史をもっとも有効に悪用した大災害。
その名をビーストI。七つの人類悪のひとつ、『憐憫』の理を持つ獣である。
人が人を哀れみ失望するという奢り。それこそがゲーティアの獣性である。

関連

人理焼却
命だけでなく死すらも灼き尽くす偉業。世界を滅ぼすための権能を超える人の業。
というのも「真っ当な滅亡」ならば死が溢れるものであり、煉獄、冥界、その他諸々あらゆる魂の行き先で溢れるが、「人理焼却による滅亡」は死ぬことなく消滅し、「死にすら置いて行かれた残骸」と化してしまう。
人の使う奇蹟には魔術、儀式、秘蹟、呪いがあり、さらにその上に神々が持っているとされている権能があるが、人理焼却は膨大な時間逆行で地球が誕生する瞬間に跳躍するので全て当てはまらない。

人王ゲーティア

七十二注の魔神ではなく、その残滓、最後に残った結果のようなモノ。
ここで何をしようと敗北は決まっている。たとえ人類最後のマスターを殺したとしても。
ソロモン王が「消滅」した時点で魔神王の偉業もまた消滅する。
魔神王ゲーティアであれば「何の意味もない戦い」を選ぶことがなければ考えようもない選択。
3000年もの間、ようやく彼は人間の精神性を理解し、限りある命を得たのだ。
人里を持って人里を滅ぼし、その先にある、誰も望まない虚空の希望を目指したゲーティア。
何の成果も、何の報酬もないとしても、彼は彼の「譲れないものの為」に立ちはだかり、全霊をかけて戦う。

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
人理焼却を目論む本作の黒幕にして第一部のラスボス。
第四章の最終幕にてグランドキャスターソロモンとして姿を現し、終章の終盤にて本来の姿で登場。

人間関係

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
人理焼却に立ち向かう人類最後のマスター。七つの人理を全て修復した時、自身が解決すべき案件として認めるとした。
マシュ・キリエライト
彼女の盾に何か気づいたのか関心を示す。
レフ・ライノール
配下の一人。カルデア襲撃の実行犯であり、ソロモンに心酔する魔術師。魔神柱フラウロスを貸し与えた。
魔神柱
彼の忠実なる使い魔であり、最たる逸話の一つであるソロモン七十二柱の魔神達。
彼の命のままに受肉・新生し、彼の望むとおりに人理を破壊せんとする。
ジル・ド・レェ
『魔元帥』
聖杯を与え、第一特異点の焼却を命じた。
ロムルス
『帝国真祖』
第二特異点の焼却を命じた。だが、彼本人は世界を愛し、人理焼却を望んでいなかったたためにレフを介して命令を出させるという形を取らざるを得なかった。
メディア〔リリィ〕
彼女を純粋な魔術で打ち負かし、行動に制限をかけていた。神代の魔術師とはいえど、相手はその上を行く魔術王であった。
魔神柱フォルネウスを貸し与えた。
イアソン
『英雄間者』
彼に最強の力が得られると虚偽を吹き込み第三特異点の焼却を実行させようとする。
彼からは目の届かない場所でも「あのお方」と呼ばれており、ほとんどの相手を見下すイアソンでも彼の偉大さは無条件で敬うほどのものだったのだろう。
マキリ・ゾォルケン
若く理想を抱いていたはずの頃の彼を絶望させ、配下に加える。魔神柱バルバトスを貸し与えていた。
ニコラ・テスラ
『神域碩学』
彼の召喚による第四特異点の破壊を期待していた。
メイヴ
彼女に聖杯を渡し、第五特異点を破壊させようとした。
オジマンディアス
『十字軍において本来死ぬべきであった人物』に聖杯を渡して第六特異点を破壊させようとしたものの、調子に乗って彼を召喚した結果その人物は聖杯を取り上げられてしまった。
以降は下手な相手の手に渡らないよう、オジマンディアスが聖杯を手元に置いていた。
巌窟王 エドモン・ダンテス
主人公を嵌める為の監獄の支配者に任命するが、反逆された。

設定

プライミッツ・マーダー
御するために七騎の守護者が必要とされるという存在。
聖杯戦争の七騎のサーヴァントはこれになぞらえているとされているため、『Grand Order』で語られた「人類を護るために決戦術式で呼び出される最高峰の英霊七騎」と同一のものであるとも思われるが、召喚されるものが守護者ではなくサーヴァントである点、術式で対抗する害悪が「文明によって生まれる自業自得の死の要因」とも書かれ、ガイアが生み出したプライミッツ・マーダーが該当するのか等の点から疑問もある。

名台詞

Fate/Grand Order

魔術王ソロモン

魔元帥まげんすいジル・ド・レェ。帝国真祖ロムルス。英雄間者かんじゃイアソン。そして神域碩学しんいきせきがくニコラ・テスラ。」
「多少は使えるかと思ったが―――小間使いすらできぬとは興醒めだ。」
「下らない。実に下らない。やはり人間は時代トキを重ねるごとに劣化する。」
第四章で突如として正体不明の存在として割り込んだ時の台詞。
「ん? なんだ、既に知り得ている筈だが? そんな事も教わらなけねば分からぬ猿か?」
「だがよかろう、その無様さが気に入った。聞きたいなら教えてやろう。」
「我は貴様らが目指す到達点。七十二柱の魔神を従え、玉座より人類を滅ぼすもの」
「名をソロモン。数多無象の英霊ども、その頂点に立つ七つの冠位の一角と知れ」
第四章での初登場時。規格外の力を秘めて現れた、人類最高の魔術師にして英霊の頂点に君臨する者の名乗り。 
「ほう。私と同じく声だけは届くのか。」
「カルデアは時間軸から外れたが故、誰にも見つける事のできない拠点となった。」
「あらゆる未来―――すべてを見通す我が眼ですら、カルデアを観る事は難しい。」
「だからこそ生き延びている。無様ぶざまにも。無惨むざんにも。無益むえきにも。」
「決定した人類の滅びの歴史を受け入れず、いまだ無の大海にただよう哀れな船だ。」
「それがおまえたちカルデアであり、◯◯という個体。」
「燃え尽きた人類史に残った染み。の事業に唯一残った、私に逆らう愚者の名前か。」
第四章でロマンの通信を聞いた時の台詞。正真正銘、カルデアが人類史最後の砦だと分かる。
「哀れだな。時代の先端に居ながら、貴様らの解釈はあまりに古い。」
「七十二柱の魔神は受肉し、新生した。だからこそあらゆる時代に投錨とうびょうする」
「魔神どもはこの星の自転を止めるくさびである。天に渦巻く光帯こうたいこそ、我が宝具の姿である。」
第四章でロマンが「ソロモン王の使い魔があんな醜悪な肉の化け物のはずがない」と反論した時に返した台詞。
「そら見た事か。ただの英霊が私と同じ地平に立てば、必然、このような結果になる。」
第四章でウィリアム・シェイクスピア玉藻の前坂田金時をたった一人でまとめて倒した時の台詞。人類史に名を残した強大な英霊も七つの冠位の一角を相手では、ただの英霊扱いされる。
「ほう? いいぞ、語ってみよ即興詩人。聞き心地よい賞賛ならば楽に殺してやる。」
アンデルセンが自らの正体に見抜いた時の台詞。自らの正体を見抜かれて尚も、その余裕は消えることはない。
「―――そうだ。七騎の英霊は、ある害悪を滅ぼすために遣わされる天の御使い。
 人理を護る、その時代最高の七騎。英霊の頂点に立つ始まりの七つ。
 もともと降霊儀式・英霊召喚とは、霊長の世を救う為の決戦魔術だった。
 それを人間の都合で使えるよう格落ちさせたものがおまえたちの使うシステム―――聖杯戦争である。」
第四章での台詞。作品の根幹に関わる聖杯戦争の真実。
「そうだ。よくぞその真実に辿り着いた!
 我こそは王の中の王、キャスターの中のキャスター! 故にこう讃えるがよい!
 ―――グランドキャスター、魔術王ソロモンと!」
第四章で自身の在り方を的確に見抜いたアンデルセンを称え、自身の格を高らかに謳う。
この後、自らの正体を見抜いた褒美として、アンデルセンを五体を百に分け、念入りに燃やすという残酷な殺し方をした。
「凡百のサーヴァントよ。所詮、貴様等は生者に喚ばれなければ何もできぬ道具。
 私のように真の自由性は持ち得ていない。どうあがこうと及ばない壁を理解したか?」
第四章でグランドキャスターの力を存分に見せつけたモードレッドに対する台詞。
「―――人類最高峰の馬鹿か、貴様?
 四つもだと? 違うな。すべてを踏破してようやく、なのだ。
 一つも六つも私には取るに足りぬ些事である。〇〇なる者が脅威などと、程遠い話だよ。」
第四章で上の台詞をモードレッドに負け惜しみと言われた時の台詞。人類最後のマスターは魔術王にとって脅威でもなんでもなかった。
尤も、真っ先に始末しなかった結果が、終章で人類最後のマスターを助太刀するためにこれまでに縁を結んだサーヴァント達が本拠地に駆けつけてしまう形でツケが回ってしまったのだが。
「では帰るか。思いの外時間をとったな」
モードレッド「はあ!? 帰るって、テメエ一体なにしにきやがった!?」
「いや、単なる気まぐれだが?」
「 ひとつの読書を終え、次の本にとりかかる前に用を足しに立つことがあるだろう? これはそれだけの話だ」
モードレッド「なっ……小便ぶっかけにきたっつうのか!?」
「――――、は」
「ハハ、ハ、ギャハハハハハハハハ……!」
「その通り! 実にその通り! 実際、貴様らは小便以下だがなァ!」
圧倒的な力を見せつけ、その場にいたサーヴァントの半数以上を消滅させた上であっさりと帰還しようとし、見とがめたモードレットを嘲り笑うように。
だが、この悪辣な嘲笑が回り回って自分に降りかかるとは思ってもいなかっただろう(メモ参照)
「私はおまえたちなどどうでもいい。ここで殺すか生かすもどうでもいい。
 わかるか? 私はおまえたちを見逃すのではない。おまえたちなど、はじめから見るに値しないのだ。
 だが―――ふむ。だが、もしも七つの特異点を全て消去したのなら。
 その時こそ、おまえたちを、“私が解決すべき案件”として考えてやろう。」
第四章で特異点から去る時の台詞。宣言を実際に行う程の圧倒的な実力を持つが故の傲慢。……その割にはイベントで卑怯な手を使っていたが。
「―――――ほう。意外な反応をしたな、人間。」
「楽しいか、問うのか? この私に、人類を滅ぼす事が楽しいかと?」
「ああ――――無論、無論、無論、無論、最ッッ高に楽しいとも!」
「楽しくなければ貴様らをひとりひとり丁寧に殺すものか!」
「私は楽しい。貴様たちの死に様が嬉しい。」
「貴様たちの終止符が好ましい。その断末魔がなによりも爽快だ!」
「そして、それがおまえたちにとって至上の救いである。」
「なぜなら、私だけが、ただの一人も残さず、人類を有効利用してやれるのだから―――――!」
第四章で主人公に「世界を燃やして楽しいのか!?」と問われての答え。モードレッドから心底から腐っていると言われるほど。
「――――――。」
「娘。人の分際で生を語るな。死を前提にする時点で、その視点に価値はない。」
「生命への感謝だと? それはこちらが貴様らに抱く疑問だ。」
人間おまえたちはこの二千年なにをしていた? ひたすらに死に続け、ひたすらに無為だった。」
「おまえたちは死を克服できなかった知性体だ。にも関わらず、死への恐怖心を持ち続けた。」
「死を克服できないのであれば、死への恐怖は捨てるべきだったというのに。」
「死を恐ろしいと、無残なものだと認識するのなら、その知性は捨てるべきだったのに!」
「無様だ。あまりにも無様だ。それはおまえたちも同様だ、カルデアのマスターよ。」
「なぜ戦う。いずれ終わる命、もう終わった命と知って。」
「なぜまだ生き続けようと縋る。おまえたちの未来には、何一つ救いがないと気付きながら。」
「あまりにも幼い人間よ。人類最後のマスター、○○よ。」
「これは私からの唯一の忠告だ。」
「おまえはここで全てを放棄する事が、最も楽な生き方だと知るがいい。」
「――灰すら残らぬまで燃え尽きよ。それが貴様らの未来である。」
マシュに「命を弄んでる」とその考え方を批難され、立ち去る前に語った反論。
魔術王ソロモンは……否、魔神王ゲーティアは人の死を目の当たりにし続けたことで人間に失望し、人理焼却という凶行に走らせてしまった。残忍な発言とは一線を画す態度であり、主人公とマシュへの態度は嘲笑と言うよりは強い哀れみを感じさせる。

魔神王ゲーティア

「助けを請え! 怯声をあげろ! 苦悶の海で溺れる時だ! それが、貴様らにとって唯一の救いである」
戦闘開始時の台詞。

人王ゲーティア

「多くの魔神は燃え尽き、神殿は崩壊した。我が消滅を以て、人理焼却も消滅する。
 ────だが……最後の勝ちまでは譲れない。
 始めよう、カルデアのマスター。お前の勝ちを、私の手で焼却する……!」
戦闘開始時。光帯は消え、七十二の魔神は活動停止し、冠位時間神殿は崩れ始めた。ゲーティアも魔神としての形は無く、消滅するのも時間の問題。
それでも、カルデアのマスターと戦う。これが無意味だと分かっていても、人の王となったゲーティアにも譲れぬものがあるのだから。

メモ

  • 戦闘時には魔神柱と同じく独自演出があり、戦闘前に真っ暗な画面の中で魔神柱らの眼が蠢く中心に赤字で『魔術王降臨』と表示され、戦闘中のBGMも専用のものとなる。
    • 能力名は『ソロモン王の指輪』と普通に伝承通りだが、画風は某妖怪漫画家的なアレであって指輪というより笛を吹いて十二使徒を使役する方になってしまっている。
  • 監獄塔イベントで「名前を口にすると呪いがかかる」という魔術師をテーマにした世界的に有名なあの小説に登場した事があるような能力が明かされた際、一部ファンからは「どこの例のあの人だ」という突っ込みが多発した。

話題

魔術王の立場
これまでその偉大さが設定で語られ、満を持して登場した最強のキャスター……なのだが、第三章でダビデが語った「基本的に残虐で悪趣味でろくでなし」「隠れて交際していた愛人10人みんなに裏切られるくらいの事があれば人理焼却だってやるかもしれない」という人物像のせいで「(愛人)10人全員にフラれたのか」「言われてたとおり、わりとクズだった」などの感想がチラホラ。さらには第四章公開直前のクリスマスイベントでのダビデのキャラ付けが、「偉大な業績を持つ大物だが、育児放棄気味の爽やか系クズ」というとんでもないものであったために、「父親がこんなだからグレた」と同情する者まで現れる始末。
極め付けに前述の台詞での喩えがあまりにあまりだったため、一部で付けられたあだ名が「小便王」。もっとも上述のセリフの通りあくまでもソロモン本人は用足しとぼかした言い方をしていて初めに例え話に小便と言ったのはモードレッドなのだが…
「グランドキャスター」という大層な肩書きで登場したわけであり、人理消却の元凶であり、まさに全人類丸ごと見下した傲岸不遜な態度と誰がどう見ても黒幕、ラスボスであるわけだが、「グランドキャスター」と肩書きがある以上他のクラスでの「グランド」の英霊もいるのではないか、ソロモンさえ氷山の一角ではないかという憶測も一部である。そもそも本人が語った聖杯戦争の成り立ちを考えれば「世界の危機に対抗する七騎」が用意されていて然るべきであり、またオンラインゲームであるGrand Orderの性質上、「ソロモンを倒した」後だろうがサービス終了まではストーリーが追加されていくことは想像に難くない。
実際、竹箒日記によれば、現在のFGOのストーリーは第一部であり、hollowやCCCのような続編の存在が示唆されている。「今のラスボスを倒したらどうなるの?」「知らんのか」「次のラスボスが出てくる」とも書かれており、ソロモンが「Fate/Grand Order」という物語のラスボスではないことが半ば公認されてしまった。
また、2016年度のエイプリルフールでは、全てのサーヴァントの編成画面とマテリアル一覧でのセイントグラフが『マンガで分かる!FGO』のリヨ氏の画風となるというサプライズが行われたが、自分のサーヴァントとして使えなくともマテリアル一覧に記載されているソロモンも例外ではなく、リヨ氏画のソロモンがぐだ子に泣きそうな顔で締め上げられるというセイントグラフが描かれるもはやどっちがラスボスなんだ。
そして終章においては、一本につきHP70万・200万体と如何にも終章に相応しいもの……配下の魔神柱がドロップアイテムを落とすということもあってか、マスター達に尽く蹂躙されてしまう。その勢いはバルバトスが実装からわずか12時間で瓦解され、後を追うように20時間後にフラウロスは終了、24時間後にフォルネウスは閉館、26時間後にサブナックは臨終してしまう。流石にヤバイと思ったのかアンドロマリウスが600万体と追加されたものの、38時間後にハルファスは停止、42時間後にアモンは消灯、61時間後にアンドロマリウスも閉鎖されてしまう。この有様は原作者の奈須きのこからも「人類悪ってこういう事よ」と言われてしまう。是非もない。
一方で、他のサーヴァントからの黒幕の人物評では、「愛の無い獣、そのくせ夢だけは人一倍」「怨念を持たぬ者、恩讐の外に在る存在」「致命的に何かが壊れている、あるいは“何もない”」「“例えようもない”愚かな憎しみの化身、何も残さないことだけに執着した愚か者」となっている。

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