;「あ、それが分からないのは当然です。<br> 先輩、大した事してくれなかったし。<br> いまいち冴えない人だったし。<br> うん、でも―――それが嬉しかった。<br> ……選ばれた才能ある人間が、<br> 輝かしい手を差し伸べて選んでくれるより。<br> どこにでもいる貴方が、<br> せいいっぱいの言葉で笑ってくれた事が、わたしたちは嬉しかった。<br> わたしが夢見るには、<br> それだけの事で、十分でした」<br>「―――はい。<br> さようなら。先輩。<br> わたし、貴方の事が、大好きです」 | ;「あ、それが分からないのは当然です。<br> 先輩、大した事してくれなかったし。<br> いまいち冴えない人だったし。<br> うん、でも―――それが嬉しかった。<br> ……選ばれた才能ある人間が、<br> 輝かしい手を差し伸べて選んでくれるより。<br> どこにでもいる貴方が、<br> せいいっぱいの言葉で笑ってくれた事が、わたしたちは嬉しかった。<br> わたしが夢見るには、<br> それだけの事で、十分でした」<br>「―――はい。<br> さようなら。先輩。<br> わたし、貴方の事が、大好きです」 |