アーチャー (Grand Order)
- 真名:アルジュナ
- 身長:177cm / 体重:72kg
- 出典:マハーバーラタ
- 地域:インド
- 属性:秩序・中庸 / 隠し属性:天
- 性別:男性
- 声優:島﨑信長
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』では人類史を守護すべきはぐれサーヴァントとして西暦1783年のアメリカに現界されたが、同じ時代に召喚されて世界を守ろうとするアメリカ軍側に付いたカルナとどうしても決着を付けたかったがために、敢えて世界を滅ぼそうとするケルト軍側に付き、両陣営の最終決戦時には悲願であったカルナとの正々堂々の一騎打ちを始める。
- が、そこまでしてまで望んだ闘いの決着は、彼の流儀を面白く思わなかった自分の陣営の王が介入したせいでここでも叶えられなかった。その後ナイチンゲールから、同じく決着を求めながらもそれを第一とせず、最後にはサーヴァントとしての役目を全うせんとしたカルナの姿勢を説かれて何か思う所があったのか、後で主人公に借りを返す事を約束した上で一度戦線から離脱した。
- 最終決戦時にはカルナや主人公と交わした約束を守って絶対絶命の状況のアメリカ軍に援軍として駆け付け、メイヴが召喚した魔神柱の集合体「クラン・カラティン」を自身の消滅を賭した一撃で全滅させた。
- 終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、カルナと共にⅤの座を統括する兵装舎ハルファスと交戦する。
- 人物
- 褐色の肌をした、流麗な白衣の青年。一人称は「私」。
- 正義がそのまま形になったような実直で誠実な性格。勤勉且つ清廉、公明正大で主に対しても礼節を忘れずに接する、という英霊として非の打ち所のない人格者。
- その完璧超人ぶりには太陽の騎士すらも降参するレベル。富に関心はなく、あるのは名誉ある戦いかどうか、そしてそれが戦士としての道理に則ったものかであるかどうか全てとなっている。
- なのだが、自身の実力を疑わずマスターに対して無意識ながらも尊大な態度を取っている他、いざというとき彼は不思議とあらゆる卑怯な策を行う。
- その前段階では極めて戸惑うのに、行う際には不思議と邪な笑みをこぼす。そしてソレを誰かに見られることを恐れており、もし見られれば殺すしかない、と己を徹底的に律して、戒めている。
- マスターに対して真摯に仕える事のみが喜びだと語る彼だが、自身の心に踏み入られる事は好まず、マスターに対しても警告している。
- しかし、それはマスターに自分の『闇』を見られたくないからであり、サーヴァントの本質に至るまで掴みとろうとするマスターに対してはマスター殺しをも辞さない可能性がある。
- 聖杯に願う己が望みは、「永遠の孤独」である。しかし、本当の願いは生前成し遂げられなかったカルナとの決着。
- ナイチンゲールによれば、「生前は他者からそう望まれ続けてきた生き苦しい人生で、他者が思うほど誠実でも無ければ、自分が思うほど邪悪でもない人物」とのこと。
- 能力
- 炎神アグニから授けられた神弓『炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)』を手にして、「弓兵」のクラスに相応しい技量で戦場の名誉を欲しいままとした弓の名手。
- 弓を射る際は極度に集中することによって、時間感覚操作を行う。なので、慌てることなくゆっくりと狙いを定めて射つことが出来る。「魔力放出(炎)」のジェット噴射によって加速した矢は、ライフル弾よりも素早く放たれる。
ステータス
クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考 アーチャー 主人公 (Grand Order) A B B B A++ EX 対魔力:C
単独行動:A
神性:B千里眼:C+
千里眼(射手):B+
授かりの英雄:A
魔力放出(炎):A2つ目の幕間の物語クリアで千里眼→千里眼(射手)に変化。
宝具
- 破壊神の手翳(パーシュパタ)
- ランク:A+
種別:対人宝具
レンジ:1~100
最大捕捉:1000人
由来:破壊神シヴァがアルジュナに授けた鏃。 - 神代の神造兵装。ヒンドゥー教における三大神、破壊と創造を司るシヴァから与えられた武器。
- 周囲の人間を纏めて鏖殺するのではなく、レンジ内の敵一人一人に対して判定を行い、失敗した者を解脱、即ち即死させる。この宝具が対「人」と分類されているのはそういった性質から来ている。
- 神性が高ければ高いほど解脱の確率は大きくなるが、逆に反英雄と呼ばれるサーヴァント達は解脱の確率が低くなる。
- 第五章にて捨て身で放った際には魔神柱28柱の集合体であるクラン・カラティンを纏めて吹き飛ばすほどの威力を見せている。
- 炎神の咆哮(アグニ・ガーンディーヴァ)
- ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:1人
由来:炎の神アグニがアルジュナに授けた弓。 - 炎の神アグニから賜った神の弓。本来、定命の者たる人間には扱えない炎の弓。
- 通常はただの弓であるが、真名を発動することによって炎を纏ったミサイルと化す。
- 無誘導式だが、アルジュナの天才的な弓術と千里眼スキルを合わせることでほぼ誘導式ミサイルに等しい精密性を持つ他、アルジュナに魔力放出(炎)を付与させる効果もある。
- アルジュナはこれを「この世に打ち落とせぬものなき」と自負しており、第五章において真名開放した際はジェロニモが召喚した巨大なコヨーテを一撃で仕留めた。
- 『Fate/Grand Order』では通常攻撃として使用しているが、上記の『破壊神の手翳』を使う際にはアルジュナの手元から消滅する。
真名:アルジュナ
- アルジュナ。インドのあらゆる英雄達が集う古代叙事詩「マハーバーラタ」の中心に立つ弓の名手。
類稀なる実力で戦場での名誉を欲しいままに手にし、『施しの英雄』であるカルナと戦い、これを討ち取った『授かりの英雄』。
- クル王の息子、パーンダヴァ五兄弟の三男として生まれた彼は同時に雷神インドラの息子でもあった。
- 他の追随を許さない器量もさる事ながら清廉な性格、様々な方面で「まさに非の打ち所のない」彼だったが、一人の兄が賭け事に敗北したことによって国を追放されてしまう。
この時既に、彼の中でカルナとの戦いが避けられないという予感があった。何しろカルナは、パーンダヴァ五兄弟を宿敵と睨むドゥリーヨダナを父と仰いでいた。
- だがそれだけではない。カルナを思う度に鏡に映った己を見るような寒気がする感覚であり、まるで何もかも見通すような口調で怯えてしまったのだ。
- 彼自身は兄弟だけでなき父母も、そして民を愛し、愛されている。なのに何処かでソレを冷めた目で見る自分がいる――
- カルナは冷徹さの中に、人を信じる温かみがあるが、己は穏やかさの中で絶望的なまでの諦観がある。
- 『カルナを殺さなければならない』と決意したのは、最初にカルナと顔を合わせた時からだろう。
それは神々によって定められた運命ではなく、アルジュナが純然たる敵意と共に選んだ業 である。
たとえソレが間違っていたモノだとしても、やりとげなければならなかったのだ。
もし己の闇を、醜く卑小な感情を暴かれたら、恥辱で死に絶えてしまうのだから。
- そして内通者によってカルナは馬車から落ち、車輪を動かそうともがく彼に対して弓を構えた。
- それは古代インドでの戦士の道義に反するものであったが、今やらなければカルナを倒せる機会を失ってしまう。
- カルナも弓を構える際に微笑んでいた。無論、アルジュナへの嘲笑ではなく、ルールを破ってまで己を倒すことへの喜びであったが、それを彼は知ることはなかった
- そうしてまで宿敵の打倒を成し遂げ、彼は安堵した。しかし同時に生涯に渡って『悔恨』を抱くことなった。
- 完全であったがゆえに、……否、完全なる者と定められたがゆえに、彼は己の後悔を払拭する術を知りえていなかった。それは生涯にわたり彼の無意識の苦悩として爪痕を残し、英霊の座にあってなお、破滅と孤独を欲するようになる。
- あの日引いた弓の結末に、“人として”、“戦士として”未練を残すがゆえに―――。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- 〔アーチャー〕キャラクターデザイン:pako / 設定作成:東出祐一郎 / レア度:☆5
- 『アルジュナ、カルナ体験クエスト』の開催に伴い先行実装され、第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』解禁に際して本格実装された。
- 好敵手であるカルナとは全くの同時期、同レア度での実装となった。
その他
人間関係
Fate/Grand Order
- クー・フーリン〔オルタ〕、女王メイヴ
- カルナとの決着をつけるために彼らの陣営に客将としてついた。その実力は認められているものの、彼らの陣営に付いて戦う理由が極めて個人的なものであったがために彼らからはあまり信用されていない。特にクー・フーリン〔オルタ〕は考え方などが全く異なる彼に対しては露骨に辛辣で冷酷な態度を向ける事が多く、最終的には念願の再戦を台無しにした事で彼の離反を決定づける切っ掛けを作ってしまった。
- ラーマ
- 彼の爽やかな少年ぶりが眩しいが、妻のことに関しては触れられたくないようだ。
生前
- カルナ
- 生前の彼が「生涯の敵」と見なした最大の好敵手であり、宿敵。
- インドラに黄金の鎧を奪われ、師匠から様々な呪いを受け、御者すらも敵に内通しているという、周囲の謀略のせいで本来の実力を発揮できなくなったカルナを射殺したが、アルジュナ自身はそんな形で付いてしまった決着を深く悔いている。カルナが自分の兄である事をアルジュナが知っていたかどうかは定かではない。
- クンティー
- アルジュナの生母。カルナの生母でもある。
- インドラ
- アルジュナの実の父。インド神話を代表する雷霆の神。アルジュナを勝たせるため、カルナが生まれながらにして身につけていた黄金の鎧と耳飾りを取り上げた。
- パーンドゥ
- アルジュナの養父でクルの王。子供を作れない呪いにかかっているため后たちは各々の手段で子供をもうけるしかなかった。
- クリシュナ
- アルジュナの従者にして友人。
- クリシュナ(黒)
- 上記のクリシュナとは全く別の、アルジュナが心の奥底に押し込めた一種の別人格。
- カルナに矢を放ったときに代表されるような、生前に行ったわずかな悪行は「彼が囁いた・行った」ということにして無意識に処理していた。
- 『Fate/Grand Order』第四再臨で見られる、黒い笑みを浮かべ哄笑する姿がその現れであり、アルジュナが見られる事を病的に忌避する「私」そのものである。
名台詞
- 「聖杯に掛ける望みですか? 願わくば、私を永遠の孤独にしてほしい…冗談ではなく、本気ですよ?」
- 聖杯にかける願い。その真意は「宿敵との対等な戦い」が出来なかったことへの未練から生まれたモノ。それ程までに、彼の心に深い爪痕を残していた。
- 「神性領域拡大、空間固定。神罰執行期限設定、全承認。シヴァの怒りをもって、汝らの命をここで絶つ。『
破壊神の手翳 』!!」」 - 宝具解放。原典で語られるその宝具は規模が危険すぎるためか、発動地点、発動時間を厳密に設定して威力の規模を抑えている。
- 「『私』を……見たな!」
- 垣間見せる激情。己にある黒(クリシュナ)を誰かに知られることを忌避しており、ましてや見られた時のそれは普段の冷静沈着な態度を捨て去るほど。
- 「……。世界には色々な英雄がいるのですね……。」
- アルジュナ体験クエスト「再び神の詩を求めよ」にて、マシュからアーチャーであることを疑われた根拠として双剣を使うアーチャー、棍棒で殴りつけるアーチャー、財宝を手当たりしだい投げつけるアーチャーのことを言われて呆気にとられての一言。そもそもアーチャーとして召喚されるサーヴァントで真面目に弓を使って戦う人物の方が少数派である。
- 「よろしい! 完璧だ! これでこそ私! これでこそアルジュナだ!! クッフフフ……アッハハハハハハハ!!」
- 霊器再臨四回目、それまでの物静かな雰囲気とは打って変わって高笑いをしながら歓喜する。
- 常日頃の態度とは打って変わっての変わり様、これこそが己にある黒(クリシュナ)が現れたともいえよう。
- 「カルナ、まさか貴様と共の陣営になるとは。これもまた、神の一手と言うわけか。今は争わぬが、次に顔を出せば、どうなるか分からんぞ」
- カルナ所属時。兄とは反対に、露骨な敵意を向けている。普段の冷静で落ち着いた性格には似つかわしくないような激情を見せる程の執着ぶりである。
- 「………こんな機会は恐らく、二度と巡り会う事はあるまい。
おまえがそこに立った時点で、他の全てのものが優先事項から滑り落ちた。 ―――――ではカルナ。続きを始めるとしようか」 - 北米神話大戦。時代を守ろうと奮戦するカルナの前に立ちはだかったアルジュナ。ただ決着を付ける、それにしか興味は無い。
- 「世界を救うことに興味は無い。滅ぶならば、滅ぶのだろう。しかし、貴様は救おうとする―――この世界を。」
- 第五特異点での台詞。「生涯の敵」と見なした最大の好敵手であるが故の理解。
- 「だから私は滅ぼす側だ。貴様が善につくのなら私は悪につく。それでこそ対等だ。今度こそ――――今度こそ対等のものとして、貴様の息の根を止めねばならん!」
- 第五特異点での台詞。太陽の子、施しの英雄カルナ。その生き様を知り、そう生きることを知っているからこそ、『それと敵対するためだけに』悪につく。生前果たせなかった対等の戦いを実現するためならば他の何事も省みない、それだけアルジュナの後悔は強かった。
- アルジュナ「妄執――――ですと?私の、この積年の想いが……。貴女になど、分かってたまるものか!」
ナイチンゲール「――――妄執です。後悔は先に立たず、放つべきでない矢を放って宿敵を倒した貴方は――――。
一生を、後悔と共に添い遂げなければならない。それは他の英雄も同じです。
狂おしいほどにやり直しを願い、叶わなかった願いを求め。……それでも最後の一線を引くのが、サーヴァント。
貴方はその最後の線を、理解しようとしなかった。」
アルジュナ「……私は……。」 - あれほど焦がれたカルナとの決着は、クー・フーリンの不意討ちによってまたも果たすことができなかった。戦意を喪失した彼に対し、ナイチンゲールは厳しく指摘しつつも「戦いますか?」と問う。
- 「……そうですね。戦う必要などない、八つ当たりをする気力はない。
ただ、決着をつけたい。この心の、どうしようもない何かを払拭するためにも。」
「――――ありがとう。それではしばし、お付き合い戴きましょう。
我が名はアルジュナ。この矢に倒れること――――光栄と知れ!」 - アルジュナも彼女の強い意志と言葉に心を動かされたのか、主人公達に対して戦いを挑む。
- 勝利や栄光のためではなく、自分が抱える「どうしようもない何か」に向き合い、決着をつけるために。
- 「――――神性領域拡大。空間固定。神罰執行期限設定。――――魔力集束及び加速に必要な時間を推定。――――
消費開始 。」
「よろしければ、今の内に避難をお願いします。範囲は最小に押し留めるつもりですが――――。何しろこの身を犠牲にしての一撃。手加減はできませんので。」 - メイヴが召喚した28柱の魔神柱により壊滅寸前まで追い詰められ、それでも諦めなかった北部戦線。ケルト軍から離反したアルジュナは二コラ・テスラと共にこの絶望的局面に駆けつける。
- テスラとエジソンの連携で生み出した電気檻により動きを封じた魔神柱を前に、宝具詠唱。そして――――
- 「シヴァの怒りを以て、汝の命をここで絶つ。『
破壊神の手翳 』――――喰らえ!!」 - 宝具解放。自身の霊基すら犠牲にして全力で放った一撃。
- 自分のしたことへの償いは必ず果たすと約束し「信じる」と答えてくれた、主人公に報いるために。
- 「これが――――せめてもの償いになるといいのですが。」
「カルナ……おまえの気持ちが、今になって……やっと……。」 - 自分の身体を犠牲にしての宝具開放により、魔神柱を薙ぎ払ったアルジュナ。
- 他者に尽くす。授かりの英霊アルジュナには終ぞ縁の無い、施しの英霊の専売特許であったが……それこそが彼の救いだったのだ。
- 「……おまえは、いつかこういう日が訪れると思ったか?」
- 終局特異点での台詞。生涯の宿敵との共闘を行った際にカルナに投げかけた問い。
- 「そうだな、まさかこれほどまでに短いとは!
――――だが、いい。 おまえへのこの憎悪とも闘志ともつかぬ、混沌たる想いは水底へ沈めよう。 今は……。」 - 終局特異点にて。あまりにも早すぎるカルナとの再会。アルジュナはカルナに対するあまりにも複雑な想いを抱きつつも、それを押し殺して戦おうとする。
- 「――――なるほど。そうだ、そうだな。 カルナ……。 私はおまえが憎い、そして妬ましいよ。」
「だが、それでいいのだろうな。この憎悪は、醜い感情は消えることはない。
けれど向き合うことはできる。この醜さを醜いと笑いながら、耐えることはできるのか。」 - 共闘でなくとも、競争で競い合うことによって横に並ぶことができる。カルナにこう説かれ、アルジュナは自分の抱える感情に向き合う。
- かつて母が願った理想はかたちこそ違えど、こうして幾千もの時を超えて実現したのだ。
- 「なるほど。それは……やはり、○○との縁ゆえか?」
- 終局特異点での台詞。意識が変革したというカルナに対する問い。
- 「え。」
- 終局特異点での台詞。カルナが幸運に恵まれているといった際に漏れた本音に近いつぶやき。
- 「いつか――――巡り会いたいものだ。そういう、存在に。
最後のマスター、〇〇〇殿!道は拓いています。先に進むがよろしかろう! さあ、走りなさい!」 - カルナの相変わらずのポジティブシンキングには思わず本音のような呟きが漏れたアルジュナだったが、そのあとに続く言葉はまたアルジュナにも響いた。
- そして彼は最終決戦に向かう主人公を激励し、その背中を押す。いつか、自分も心に響く言葉を残してくれるような存在に巡り会いたいと信じながら。
- 「
炎神 の業炎により、塵のように消え去れ!……いや、まだ足りないな。破壊神 よ、その力で天より罰を与えよ!」
「……いかかでしたか、マスター。いえ、何も言われる必要はありません。
これにより、我が力は完全に立証されました。我が武器、我が宝具、共に最強。私こそが最高のサーヴァントだと、胸を張って宣言してもいいのですよ?」 - 幕間の物語「神弓の真価」にて、宝具が強化された事で調子に乗り試し打ちをした結果森一帯が敵ごと消し飛ばされ更地になった件について。当然マシュからツッコミが入った。
- カルナと兄弟であるということが良く分かる天然さである。
- 「……斯様な機会が巡って来ようとは、思いもよらなかった。この幸運とマスターに感謝を。
この祭典、この戦いに貴様が全力を傾けると言うならば、私もまた戦おう。 貴様の敵として!貴様の息の根を、三度、止める機会を私は――――」
「ゲーム……? いや。違う。何か違う。話を逸らすなカルナ!」 - ネロ祭再びにて、カルナとの戦いに意気込みを見せるアルジュナ。だが当のカルナは唐突にかつてのマスターの話を始めたりする始末。どうもすんなり決着、とはいかせてもらえないようだ。
- 「な!? チョコ……レート……ですと……!?この私に……?
……神や師からの授かりではなく、マスターからの純粋なる好意……。 何ということだ……!マスター、聞いてください。
私は……そのような好意を戴けるほどの存在なのでしょうか!?
確かに私は、他のサーヴァントより優れていると自負しています。 しかし、その一方……ただ、サーヴァントとしてしか、あなたを導けていない。そうも思うのです。
真のサーヴァントであれば、あなたのパートナーとして、より良い道へと引き上げるべきだというのに……!」 - 復刻バレンタインにて、チョコレートを渡したときの反応。
- 受け取ったチョコレートひとつに対してひどく動揺を見せているが、彼の生前を考えると……
- 「私の生涯の宿敵、憎み、嫉み、そして……何より羨ましいと感じた英雄カルナ。
そのカルナを討った矢です 。」
「あなたの信頼を、敬愛を受け止めた以上、私が差し出すは、私の全て。 ……そう、この矢は私にとって羞恥たる過去、怨念、そして……それでもなお、向き合わなければならないもの。
この矢を、あなたに預かってもらうことで……私の全てを知ってもらうことができる。
同時に誓いましょう。二度と、このように卑怯な矢は射ちますまい。」 - 彼からのチョコのお返しは「カルナを討った矢」。ただの矢ではなく、アルジュナにとってある種の戒めでもあるそれを託されたということは、彼が彼の思うままに生きようとする自己申告でもある。
- 「はは……ははは! ははははは! 私の勝ちだ! 私の、私の、私の――――!」
「……! マスター――――あなたは――――。」
「私の、顔を、見たな?」 - 幕間の物語「問い掛け続けることにこそ」での台詞。
- 夢に彷徨いこんだ主人公が垣間見た彼の姿。何やら様子がおかしいが、その真相は……
- 「――――答えを。
私は戦士 であるが、同時に使い魔 である。
戦士の誇りを抱こう。使い魔として任務を果たそう。
両立することはできる。戦士としての誇りは失うことなく、使い魔として忠を尽くすことも。」 - 同上。夢中の迷宮で邂逅したラーマからの「貴様は誇り高き戦士か、それとも別の違う何かか?」という問いに対する返答。
- 戦士であり使い魔。その在り方を、同郷に生きた大英雄にも臆することなく示してみせるが……試練はまだ終わらない。
- 「カルナ、勝負は付いた。この場で再戦するほど恥を知らぬ貴様でもあるまい。
立ち去れ。そうすれば、命だけは見逃そう。
そして、先ほどの問いに答えよう。我が真名 はアルジュナ。
マスター、〇〇のサーヴァントである。」
「……今、何と言った。」
「……ッ! 私は――――。」 - さらに下層で「おまえは何者だ」という問いを投げかけ、立ちはだかるカルナを前にして。
- 彼には致命的な「何か」が欠けていると説かれ、一同は更なる深淵を目指すことに。
- 「――――私を見るな。私を見るな。私を見るな。
――――私の心には、“黒” が棲んでいる。
邪悪な囁き。
私を扇動し、先導し、全ての罪を背負わせるもの。
……何て酷い言い訳だろう。浅ましい、恥ずかしい、おぞましい、見られたくない……。
ああ、だが。邪悪であることは、羨ましい。」 - アルジュナの独白。顔を見られ、心に踏み込まれることを恐れる。彼の心に巣食うものとは……
- アルジュナ「クリシュナ! 我が友の名を冠する私よ!」
クリシュナ「アルジュナのご帰還か。否、あるいは遠征か? 闇を打ち払い、光を求めて此処に来たのか?」
アルジュナ「その通りだ!」
クリシュナ「度し難いな、我が友よ!
“輝く王冠” とすら呼ばれた私が救われるのは、最奥の暗黒だけ。
――――何て皮肉。何て無様。強くなり、絆を結べば結ぶほどに――――。
私は、どうしようもなく。結んだ相手を殺さねばならなくなる。
となればほら、そこに殺すべき相手が二人いるな?」 - 深淵にてついに邂逅した、アルジュナの抱える「闇そのもの」。
- それこそが「黒」、かつての親友の名を与えられた、もう一人のアルジュナ自身である。
- アルジュナ「しかし……しかし、私は! 私は恵まれて育てられた!
善を尊び、悪を憎み、戦士として誇り高く生きてきた!
このような悪心が、存在することが有り得ない !
いや……あってはならないはずなんだ!」
クリシュナ「その通りだ、アルジュナ!
私の、この顔を見た者に例外はない。誰であれ、何であれ、殺さなくてはならない。
そうでなければ、私は英雄でいられない。私が英雄であるために、必要な殺人だ……!」 - 「悪心なんて誰にでもある」と言った主人公に対しての返答。
- その誰にでもある「悪心」すら己には本来存在してはいけない、それがあるのは英雄に相応しくない……彼が幼い頃より抱え続け、隠し続けていた悲痛な叫び。
- 例えそれが宿敵であっても、マスターであっても、「黒」を見た者は手に掛けなければならない。そうしなければ、己は恥辱で死に絶えるのだから。
- 「ずっと……ずっと、そう考えていた。おまえがいるからこそ、私はあの矢を放てたのだと。
卑怯で、戦士の道から外れた振る舞いは――――。
何もかも、おまえの責任だと 。
……あの時の私は、ただひたすらに楽になりたかった。永劫続くかと思われたカルナとの戦い。
自分という存在が、あまりに矮小で戦士に相応しくないという絶望感と諦観。
だが、受け入れなければならなかった。どれほど否定しようとも、あの矢を放ったのは――――。」
「――――あの矢を放ったのは、俺だ。
あの矢を握り、あの矢を番え、あの矢を放ったのは、このアルジュナだ。」 - アルジュナは、自分の闇を受け入れ悪性を認める。それは数千年の後悔を、今後も一生背負って生きてゆくこと。
- 後悔することも恐れない、そんな覚悟を背負って第二の生を歩もうとする姿がそこにはある。
- 「このアルジュナ、最早迷いはありません。全身全霊を絞り尽くして、あなたにお仕え致します。」
「それでも、確実に言えることが一つある。……あなたに会えて、良かった。」 - 夢から醒めた主人公に対して。ひとつの旅の果てに辿り着いた答え。
- 時間神殿でカルナと語らった際に、いつか出会いたいと願った存在に、彼も巡り会うことが出来たのだ。
- 「私はアーチャー。真名をアルジュナ。
戦士 であり、サーヴァントであり――――。
未来を勝ち取るため、とあるマスターに力を貸す者。そして、ただの平凡な英霊に過ぎない。
神の血を引いているが神ではなく。人ならぬ非凡な力を持っても、所詮は人。
ただ戦うのだ。マスターのために戦うのだ。マスターに仕えるという、その本質だけを抱いて戦うのだ。
その一点を以て、私は私を英雄であると認識する。
その為ならば、我が“黒”も受け入れる、恥とも思わぬ。
私はアーチャー、私はアルジュナ。
私は、〇〇のサーヴァントである。」 - 自問自答の末にたどり着いた境地。長くも短い一夢を経て、彼は確実に新たな一歩を踏み出そうとしている。
メモ
- 公式PR漫画『ぐだぐだオーダー』での仮称は、信長アーチャー。無論、中の人からとった物で、出番ない方のノブとは関係ない。
なおキャラクターに不明な点が多いせいか、ポーズをとりながらキメ顔で顔を隠したりするなど、妙な性格になっている。 - アルジュナの宝具である破壊神の手翳(パーシュパタ)は伝承によれば終末において世界そのものを破壊する際に用いられる武器で、所謂現実に語られる神話での破壊神シヴァが使えば全宇宙を破壊、アルジュナが使っても世界を七度滅ぼせる威力を有しているという。
- そのあまりの強力さにアルジュナ自身がその使用を禁じており、原典では使われていない。
- 発表当初から、真名の候補としてアルジュナは挙げられていた。「勤勉であり、礼節をわきまえ公明正大」といった特徴が一致しており、また同時に彼が弓の名手であった事からも比較的分かりやすかっただろう。
- また違った見方として、彼の従兄弟のクリシュナではという予想もあった。クリシュナ、という名が「黒い肌の者」という意味を表し、また同時にアルジュナの別名の一つに「クリシュナ」という名もあった。この伝承が彼の黒い肌の由来だろうとも考えられる。
話題まとめ
- 中の人関係
- 担当声優である島崎信長氏はTYPE-MOON作品参加は『Fate/Zero』の第四次アサシンの中の一人に続いて二度目。
- 実は高校時代からのディープなTYPE-MOONファンであることが明らかとなり、「TYPE-MOONエース Fate/Grand Order」では4ページにわたるインタビューが掲載された。「『関わらせてください!』とアピールするような形になってしまうので今までは大っぴらにしていなかった」とのこと。また、とあるラジオ番組に出演した際に、声優をやる上で影響を受けた作品として佐々木氏の『真月譚 月姫』を挙げるなど、かなりのフリークぶりを見せている。
- 『Grand Order』についても、金時(期間限定★5)を4体重ねたり[1]、礼装目当てにヴラドおじさんを狩り続けたり[2]、一プレイヤーとしてもエンジョイしている様子が見られる。自身が演じたアルジュナに至っては、実装当日に引き当てるのみならず宝具レベルを5に仕上げる[3]程の課金……もとい気合の入れよう。公式からもヘビーユーザーと紹介されるほどで、課金額は所属事務所に口止めされているそうな……。
- なお、TYPE-MOON作品のグッズが壁一面に陳列された棚を背にアルジュナの決めポーズを取る島崎信長氏の写真が島崎氏の自室とそのコレクションであるかのように誤解されることがあるが、こちらは前述のインタビューの117ページにも使用された写真で、社内インタビューの収録後にTYPE-MOON本社応接室の自社商品陳列棚の前で撮影されたものだと同写真横に記載されている。ちなみにインタビュー収録前には奈須さんの誘いを受け、喜々としてTYPE-MOON社内見学ツアーに赴く島崎氏の姿があったそうな。
- 望むのは「永遠の孤独」
- 家族や様々な神々に愛され、時に放浪しながらも最後は勝利し、まさに「英雄」としての生を全うしたアルジュナであるが原典では最後は手に入れた権力を全て投げ打ち、他の兄弟ともどもヒマラヤの山中に隠遁して静かに生涯を終えた。
- その「偉大な英雄アルジュナ」像からすれば永遠の孤独を望むようになるにまで精神をすり減らすに至った彼の心中は今のところ計り知れない。
- 生まれてから常に5人の兄弟と運命共同体のごとく行動を共にし(アルジュナの得た妻すらも5人で共有した)、神のお膳立ての上で英雄としてのレールの上を走らされ続けた人生に何か思うところがあったのかもしれないが…
- それ故に同じく神の子として生まれながら、様々なものに裏切られ、虐げられながらも最後まで人を信じ超然とした「英雄」として輝き続けた異父兄の存在とは相容れることが無かったのかもしれない。