概要
魔術王ソロモンの使い魔である七十二柱の魔神柱の一柱。
- 略歴
- 最初の登場である終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では、Ⅰの座においてオルレアンに登場したサーヴァント達と決戦を繰り広げた。
- 時間神殿崩壊時には自身の中に芽生えた「人間の可能性への期待」という命題を探求する為に逃亡。一時的に傷を癒す為に海洋油田基地セラフィックスに潜伏した。
- そこで遭遇した殺生院キアラ (Grand Order) の精神に寄生するが、そこで「不要だからと良心を封印する」「ムーンセルの裏側にあったキアラのデータと彼女を同期させる」など余計な事をしたためにキアラが魔性菩薩に覚醒してしまう。
- 自身も彼女の肉体を通して人間の快楽を体験するうちに堕落してしまい、彼女に教えを請ううちに次第に立場を逆転されてしまう。
- 最終的には肉体の主導権もほぼ失い、怯えながら記述していた日記にも触れなくなり、彼女から離れようとするも分離したら自身が消滅する事を教えられ発狂。
- 隷属してでも生き延びようとするものの彼女に切り離され、見捨てられることに怯えながら幼児退行しつつ消滅するという、自業自得とはいえ悲惨な最期を遂げた。
- 人物
- 基本的には「独立稼働する受肉した魔術式」という存在のため、独立した人格は持たなかった。
- 自我が芽生えた他の魔神柱と比べると性格は慎重かつ狡猾。セラフィックスでは徹底して自身の存在を表に出さないように立ち回っていた。
- しかし独立前から緊急事態なのにゲーティアへの弾劾を叫んだりと自分勝手な面があり、時間神殿崩壊後も人間に可能性に期待を抱き始めたが「個体のスペックはどれでもほぼ同じだから自分が管理して良い方向に導こう」と上から目線。
- それは消滅する瞬間まで変わらず、今際の際にも「なにもわるいことしてないのに」と自分の事を棚に上げていた。
- 能力
- 魔神柱として非常に強力な力を持ち、サーヴァント数騎に匹敵する実力を持つ。
- 伝承にあるゼパル本来の権能故か、人間の精神に取り憑き精神操作したり、並行世界の記録を読み取って宿主に上書きしたりと精神に関する能力を発揮する機会が多いが、それが自分の首を絞める結果になってしまった。
- その後抜け殻のような状態でセラフィックス管制室で戦闘するが他の魔神柱と比べ細く小さく目玉が少ない状態(ガウェイン曰くハクがない)であった。使用スキルは「虚ろ目」のみ。
登場作品と役柄人間関係
Fate/Grand Order
- ゲーティア
- 自分達魔神柱を統括する存在。
- 終局特異点での決戦時には自分たちが弱すぎる事を彼の設計ミスとして弾劾を叫んでいた。
- 殺生院キアラ
- 『Fate/EXTRA CCC』とのコラボイベントで共演。
- 偶然彼女に発見されたことで精神寄生する相手に選ぶが、その先には彼には到底想像し得ない末路が待っていたのである。
名台詞
Fate/Grand Order
- 「聞いていない―――このような予測は聞いていない!
統括局は何をしていた! 弾劾せよ! 弾劾せよ! 弾劾せよ!
侵入を許した不手際ではない!
我ら九柱が凡百の英霊に圧されるなど、明らかな設計ミスである―――!」
- 終局特異点にて、やってきた英霊の群れに魔神柱が押さえ込まれるという鉄火場な状況での言動。
- 非常事態なのにトップの責任追及を始め、奇跡的な出来事が起きたのにそれを無視し、あまつさえ「敵が強い」ということを認めない狭量さ。後にセラフィックスでも見られる自分勝手な傾向はこの頃から既にあったのだろうか。
- キアラは抵抗せず、私に体の使用権を差し出した。彼女の献身と感動、そして私に向けられた尊敬は本物だ。
私は(魔神でありながら!)気を良くし、キアラの知識と立場を使い、効率良く油田基地を支配していった。
- キアラの良心を消し去った後、彼女から協力を申し出されて。括弧内含めて原文ママ。
- 完全にテンションがおかしなことになっている。その有様は後に彼女に煽られて閉鎖コミュニティの王になった人物と大差が無く、この時点で彼女の影響を受けつつあったことが伺える文となっていた。
- ああ、きえる、きえる、うすれていく。たもてない、じぶん をたもてない、
なんでこんな、こんなことに、わるいことなんかなにもしてこなかったのに、なんで―――
やだ……いやだよぅ……こんなのひどい……あんまりだ……ころさないで……すてないで……すてないで……
わたしを みすてないで キアラさま―――
- 何もかもキアラに奪い尽くされ、彼女に隷属してでも生き延びようとした彼に対して、吐き気を催すような慈愛とともに「解放」された結果。
- 当初の命題や魔神柱としてのプライドはどこへやら、発狂して自我の消失とともに幼児退行、そしてキアラからの愛を受けられなくなる事に怯えつつの消滅と、これまでのセラフィックスの職員達とまったく同じ死に様であった。
メモ
- TYPE-MOON史上に残るレベルで「やらかしてしまった」キャラクター。
- 「意図せずにとんでもない存在を覚醒させてしまう」という意味でなら聖杯にアンリマユを入れてしまったユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンや黒桜を生み出してしまった間桐臓硯の例もあるが、対象の実情を理解していなかった彼らと違い、ムーンセルのキアラが何をやったか「分かった上で」セラフィックスに呼び込んでしまったあたり、弁護の余地は限りなく薄い。
- 『Fate/Grand Order』のキアラが奇跡的な出会いによってまっとうなセラピストとして活動していたことと、ゼパルがそれを平然と消してしまったこと、その結果キアラもゼパルも破滅してしまったことが、彼への悪印象に拍車をかけている。
- 実際にBBはゼパルの最期を因果応報と結論付けている。『深海電脳楽土 SE.RA.PH』の事件を虚数事象としてなかった事にし、セラフィックスの職員を全員助けたものの、事件の元凶であるゼパルとビーストⅢ/Rとして顕現したキアラは
てめーらはだめだと言わんばかりに除外させた。その為名誉回復の機会は完全に失われたが、もはや是非もないネ!
なお、助けてもらえなかったという設定が公開される前は「次もキアラと同じくらい覚醒させたらヤバいヤツに寄生して酷い目にあってほしい」「サーヴァントになったキアラと再会させてボコボコにしたい」とユーザーから更なるネタキャラ化を望まれていたのでがっかりする声が相次いだりもしたが。
- これらの浅慮と、地球上に数十億人いるであろう人間からよりにもよって「殺生院キアラ」と出会ってしまうという天文学的な
ガチャ運のなさ、人間の快楽を教え込まれて(魔神でありながら!)堕落し幼児退行するという末路の悲惨さ、消滅後にはキアラに「ゼパ…なんでしたっけ?」と言われる扱いの悪さから強烈なネタ性を獲得する羽目に。
- キアラに名前を忘れられるくだりから「ゼパなんとかさん」という渾名をユーザーおよび奈須氏からも送られた。
- おまけにアルターエゴ版のキアラが魔神柱を召喚して攻撃しているため、人理救済のためにキアラにこき使われているのではないかという説も。
- 原典におけるゼパルの能力は、「女性を不妊にする」「人間の形を変える」「異性間の愛情を増幅させる」など、精神・恋愛関係に特化している。キアラがマーブル・マッキントッシュの皮を被っていたのも、ゼパルから奪い取った二番目の能力であろうか?
- このCCCイベを契機に、「丁度キアラピックアップ召喚/福袋召喚をやっていた時期にFGOを始めて幸か不幸かキアラを引いた」人、「CCC原作とかやってなくて良く知らないけど綺麗な尼のお姉さんが欲しくなった」人、「外道で淫乱なところひっくるめてキアラが好きになった」な人のことを「ゼパる(動詞)」と呼ぶ風潮が出来た。
- 特に最初のケースのユーザーにとってはこれからキアラと共に人理修復の旅に出る事になるわけであるが、アルターエゴの特性と固有のルーラー特攻で一章のワイバーン達やジャンヌ・オルタを蹂躙し、そして終章で未だセラフィックスで出会う前からゼパルやビースト共をボコることにもなりうる。なんともはや。
- 彼が抱いた「人類を情報として管理する」という命題は、彼およびキアラの消滅後、ビーストたちの影響を受けていたBB/GOによって一時的ではあるものの引き継がれていた。
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