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概要及びメモに加筆、修正
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:好物のパンケーキについては一家言ある。
 
:好物のパンケーキについては一家言ある。
 
;能力
 
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:生きる『銀の鍵』である彼女はこの世全ての門を繋ぐことができ、それを利用した空間接続によって様々な攻撃を行う他、並行世界への渡航すら可能としている。
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:生きる『銀の鍵』である彼女は全ての時間と空間に「門」を開き、時間と空間を超越してあらゆる領域に移動することができる。それを利用した空間接続によって様々な攻撃を行うほか、平行世界や「外宇宙」と呼ばれる領域外への渡航をも可能とする。
:人としての姿を取っている時には主に光り輝く触腕による打撃と、額からの魔力光によって攻撃する。セイレムの魔女としての姿になると、触腕は冒涜的な海魔の触腕となり、また得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。杖は空間に異世界への「門」を開く触媒となるだけでなく、これを振るっての接近戦も行う。
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:人としての姿を取っている時には、主に光り輝く概念触手らしき物体によって攻撃を行う。セイレムの魔女としての姿になると、得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。
:さらに、外なる宇宙の狂気を撒き散らすことで、敵陣を恐怖に陥れることも可能。
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杖は空間に異世界への「門」を開く触媒なり、開いた時空からは巨大な異界の邪神の一部が現れて外敵を殲滅する。額には鍵穴と思しい穴が出現し、内部より覗く邪神の瞳から正体不明の魔力光が放たれる。
 
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:この宇宙とは異なる領域外に棲む「異端の邪神」を宿す影響により、存在するだけでこちらの宇宙の魔術の体系を綻ばせる。
 
== ステータス ==
 
== ステータス ==
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
 
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==メモ==
 
==メモ==
*初めて登場した[[フォーリナー]]のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明と言う異例の扱いがされた。
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*初めて登場した[[フォーリナー]]のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
*再臨段階によって、戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。戦闘モーションに関していえば他にニトクリス(アサシン)がいる。
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また、Fateシリーズで初めて明確に「'''クトゥルフ神話'''」が前面に押し出されたサーヴァントでもある。
**再臨後は'''パンイチの幼女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる恰好だが、実は[[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]と身長・体重は2cm・2kgしか変わらない。
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初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルである。
*保有スキルが「狂化」ではなく「狂気」な点がポイント。これが、フォーリナークラスのクラス別スキルなのかは、現時点では不明。
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*これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
*Fateシリーズ初の'''クトゥルフ系'''サーヴァント。セイラムはクトゥルフ神話のメッカたるアーカムのモデルである。
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**型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『'''型月宇宙とは異なる「外の宇宙」に存在する高次生命'''』と定義されている。
*異端なるセイラムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]唯一の配布サーヴァントは直前のハロウィンイベントにて登場した[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]のみであった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
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外の宇宙とは平行世界ですらない文字通りの領域外であるため、これらの邪神はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則にも一切縛られない。
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こういった性質から作中では「異端」「戒律の乱れ」などと称され、人理への明確な脅威と認識されている。
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*作中の台詞や設定描写から、彼女と関連するクトゥルフ神話の神格は「外なる神」こと「'''ヨグ=ソトース'''」であると推測される。
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ヨグ=ソトースは全ての時間と空間に遍在する大いなる神とされ、あらゆる時空と接続し、またそれを支配する権能を持つ。
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アビゲイルが「あらゆる時間と空間に門を開き、行き来する」という規格外の能力を持つのは、彼女がこの神格の限定的な依り代となり、窮極の門を開く「銀の鍵」としての性質を得たためである。
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**彼女の親友である[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに「外なる神」降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
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**同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としては、[[ギルガメッシュ]]の「王の財宝」が存在する。
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ただしアビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続をも可能とする代物であるため、接続先が限定される王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
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*異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]唯一の配布サーヴァントは直前のハロウィンイベントにて登場した[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]のみであった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
 
**一方、キアラがカルデアにいるなら、'''触手を操るパンイチの幼女を触手で襲うエロ尼'''というR-18な光景が展開される。どちらも章の大ボスを務めているキャラクターという共通点もある。<del>勝った方が我々の敵になるだけです</del>。
 
**一方、キアラがカルデアにいるなら、'''触手を操るパンイチの幼女を触手で襲うエロ尼'''というR-18な光景が展開される。どちらも章の大ボスを務めているキャラクターという共通点もある。<del>勝った方が我々の敵になるだけです</del>。
**2017年末現在唯一のバーサーカー相手に完全有利を取れるサーヴァントということもあり、狂化された筋肉ダルマ達が触手に沈む姿はもはやびぃえる時空である。
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*ヨグ=ソトースの権能を鑑みるに、宝物庫と「空間を接続する」事で機能している[[ギルガメッシュ]]の王の財宝にどこまで抗えるか気になる所。
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**英雄王に相性勝ちしてなお勝利できない[[織田信長]]の例を見るに、彼女と一世紀程度しか違わないうえに戦い慣れしているわけでもないアビゲイルでは太刀打ちできない可能性のほうが高いと思われる。ただし、ゲーム的には地属性サーヴァントでありながら「天地乖離す開闢の星」の特攻ダメージを受けることのない例外的なキャラの一人となっている。
   
*「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかった[[マシュ・キリエライト]]が本編に介入した唯一のシナリオである事もあって、そのキーサーヴァントであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビゲイル・ウィリアムズを一人にしてはいけません」と決心を固めており、アビゲイルが暴走して救済をしようとする時まで彼女の善性を信じ続けた。
 
*「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかった[[マシュ・キリエライト]]が本編に介入した唯一のシナリオである事もあって、そのキーサーヴァントであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビゲイル・ウィリアムズを一人にしてはいけません」と決心を固めており、アビゲイルが暴走して救済をしようとする時まで彼女の善性を信じ続けた。
 
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるけど外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
 
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるけど外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
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*マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、スキル「信仰の祈り」などにも反映されていると思われる。
 
*マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、スキル「信仰の祈り」などにも反映されていると思われる。
 
**神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
 
**神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
*史実のアビゲイル・ウィリアムズだけでは戦闘要素がないためかクトゥルフ神話の能力を降ろしているが、これは彼女に儀式を教えたラヴィニア・ウェイトリーの出典である「ダニッチの怪」でラヴィニアがその身に宿したヨグ・ソトースの息子兄弟が元ネタであると言えるかもしれない。
   
*偽りのセイレムにおいてこれまで6度の魔女裁判事件を繰り返していたようだが、ラヴィニアを呼び寄せる以前の罪に関しては魔神柱ラウムが指摘するだけである。だが彼の言説から伺える範囲でも「両親を(誤射かもしれないが)銃殺・事故死に追い込む」「シバの女王が来る以前の真ティテュバをグールにして森に置き去りにする(グールは死者の想いを食べる)」などの罪を語る。
 
*偽りのセイレムにおいてこれまで6度の魔女裁判事件を繰り返していたようだが、ラヴィニアを呼び寄せる以前の罪に関しては魔神柱ラウムが指摘するだけである。だが彼の言説から伺える範囲でも「両親を(誤射かもしれないが)銃殺・事故死に追い込む」「シバの女王が来る以前の真ティテュバをグールにして森に置き去りにする(グールは死者の想いを食べる)」などの罪を語る。
 
**それと同時に贖罪意識も強く芽生え始めているのか、罪を犯した者でも救おうとする姿に魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたと彼自身も語っている。ラウムもアビゲイルを利用するだけではなく救われて欲しいと願っていた節があり、断末魔の「これで良いのだ……」もカルデアにアビゲイルを救ってくれる事を託したのではないかという指摘もある。また少なくとも第七のセイレムである本編中で、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続けている。
 
**それと同時に贖罪意識も強く芽生え始めているのか、罪を犯した者でも救おうとする姿に魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたと彼自身も語っている。ラウムもアビゲイルを利用するだけではなく救われて欲しいと願っていた節があり、断末魔の「これで良いのだ……」もカルデアにアビゲイルを救ってくれる事を託したのではないかという指摘もある。また少なくとも第七のセイレムである本編中で、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続けている。
 
*ラヴィニアに偽りの思い出を植え付けた事、セイレム最終決戦で主人公を一時は洗脳しかけてた事、また魔女裁判で犠牲になったサンソンに対しカルデアでの記憶を返してあげてたりなど記憶操作能力も有している節がある。
 
*ラヴィニアに偽りの思い出を植え付けた事、セイレム最終決戦で主人公を一時は洗脳しかけてた事、また魔女裁判で犠牲になったサンソンに対しカルデアでの記憶を返してあげてたりなど記憶操作能力も有している節がある。
*ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイルの力は何らかの関係があるかもしれない。
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*ラウムは「魔術協会における伝承科」「我らの王の弟子のひとり、ブリシサンが預かった禁忌の中の禁忌」を迷信と掛け合わせる事で人類を救済しようとしていた事から、伝承科とアビゲイル、ひいてはクトゥルフ邪神群は何らかの関係があるかもしれない。
 
**余談だがカルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
 
**余談だがカルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
 
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*再臨段階によって、戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。戦闘モーションに関していえば他にニトクリス(アサシン)がいる。
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**再臨後は'''パンイチの幼女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる恰好だが、実は[[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]と身長・体重は2cm・2kgしか変わらない。
 
==余談==
 
==余談==
*これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]や[[殺生院キアラ|キャラクター]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
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*彼女の登場により、クトゥルフ要素がある程度表立って登場する機会が生まれることとなった。
**となると、邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所。特に這い寄る混沌は逸話の適用次第で神代から現代まで、世界中のあらゆる所で化身が暗躍していることになる。
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となると、邪神群がどこまで人理と世界に関わっているか気になる所ではある。
***最も影響が大きいのは古代エジプト勢だろう。[[オジマンディアス|スフィンクス・ウェヘ厶メスウト]]がFGO6章CMに登場した際には、直後にクトゥルフ神話と縁深い[[ニトクリス]]が映ったこともあり、這い寄る混沌の化身の一つ「顔のない黒いスフィンクス」説が流れたのを覚えているプレイヤーも多いだろう。当時はミスリードそのものだったが、さて…?
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**クトゥルフ邪神群の化身とされる存在は多岐に渡るが、日本絡みではある邪神の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。
***日本絡みでも、混沌の化身の一つが織田信長の姿を取って現れるという一説が存在している。
      
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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