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;略歴
 
;略歴
:亜種特異点Ⅳで夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた[[主人公 (Grand Order)|主人公]]達に助けられる。
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:亜種特異点Ⅳとして現れたマサチューセッツ州セイレム村に住む少女。
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:夜に抜け出して友人たちとまじないの儀式を行っている最中に獣に襲われ、居合わせた[[主人公 (Grand Order)|主人公]]とカルデア一行に助けられる。
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:その後は伯父である[[ランドルフ・カーター]]の計らいで自宅へ招かれた主人公達と日々を過ごすこととなる。
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:だが、セイレム村において魔女裁判が繰り広げられるにつれて悪夢にうなされるようになり、水面下で精神の深層における「深淵の邪神」の降臨が進行してゆく。
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:魔神柱[[ラウム]]の策謀による[[シャルル=アンリ・サンソン]]の処刑、魔女裁判における罪の告発、親友[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の死を経て、最終的に『一にして全、全にして一なるもの』と呼ばれる深淵の邪神の力をその身に宿すに至る。
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:その実態は、魔神柱ラウムが聖杯を用いて「偽りのセイレム」を創造した際に擬似的なサーヴァントとして生まれた存在。彼女が召喚されたことで仮初めのセイレムは精度を増し、極大の魔力反応と共に亜種特異点として成立した。
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:この宇宙の法則に縛られない「外宇宙」と呼ばれる領域外に棲まう神による人理の転覆と真実の終焉を目論むラウムは、彼女の類稀なる巫術者としての資質に目を付け、彼女の身に虚空からの降臨者を降ろすことを画策する。
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:アビゲイルが「[[フォーリナー|降臨者]]」となる結果を齎すため、閉ざされた特異点において「セイレム」という現象は幾度も繰り返され――結果としてカルデアによる介入が行われた七度目のセイレムにおいて、魔神柱の目的は果たされた。
 
;人物
 
;人物
 
:金髪・碧眼の12歳の少女。
 
:金髪・碧眼の12歳の少女。
:神を敬い、感謝の祈りを欠かさぬ無垢の少女。多感で疑う事を知らない年頃の娘。あらゆる差別が当然のように罷り通っている中でも、差別などせずに誰とでも真摯に接する心優しい性格。年頃の割にしっかりしており、礼儀正しい。普段は気丈に振る舞っているが、年相応に甘えたがりなところもある。
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:神を敬い、感謝の祈りを欠かさない無垢の少女。多感で疑う事を知らない年頃の娘。
:強く、とても賢い。孤独で不安でも、自暴自棄にならず、取り乱さない分別がある。
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:心優しく分別のある少女で、差別が当然のように罷り通っている中でもそれに流されない。礼儀正しく、異邦の客人に対しても真摯に接する。
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:精神的に早熟しており、孤独や不安に苛まれても自暴自棄にならず、気丈に振る舞う。ただし本当に親しい間柄の人に対しては、年相応の甘えたがりな面を見せることもある。
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:純粋無垢で信仰に厚いが故に人の善性を信じ、罪人も別け隔てなく救済されることを願っている。この救済意識は人類史において悪名を轟かせた人間に対しても例外ではなく、魔神柱にすら驚嘆された。
 
:好物のパンケーキについては一家言ある。
 
:好物のパンケーキについては一家言ある。
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:「深淵の邪神」の擬似的な依り代となった際は、邪神の性質によるものか冷淡かつ達観的、ともすれば挑発的な性格を露わにする。
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:大人びてはいるものの、根本にある救済への願いそのもの変化していない。ただしこの世に一片の罪もない人間は存在しないことを理解しており、それゆえにあらゆる人々に「苦痛」という報いを与えることで救う、という破滅的な救済意識へと形を変えている。
 
;能力
 
;能力
:この宇宙とは異なる領域外に棲む「深淵の邪神」の一柱である「外なる神」の依り代となったことで、宇宙の外側にある「窮極の門」に接続する『銀の鍵』としての性質を獲得している。
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:この宇宙とは異なる領域外に棲む「深淵の邪神」の一柱である『外なる神』の依り代となったことで、宇宙の外側にある『窮極の門』に接続する『銀の鍵』としての性質を獲得している。
:生きる「銀の鍵」である彼女は全ての時間と空間に「門」を開き、時間と空間を超越してあらゆる領域に移動する。それを利用した空間接続によって様々な攻撃を行うほか、平行世界や「外宇宙」と呼ばれる領域外への渡航をも可能とする。また時間を超える能力を用い、本来であれば失われたはずの[[特異点]]における記憶を対象に授けることもできる。
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:生きる『銀の鍵』である彼女は全ての時間と空間に「門」を開き、時間と空間を超越してあらゆる領域に移動する。それを利用した時空間接続によって様々な攻撃を行うほか、平行世界や「外宇宙」と呼ばれる領域外への渡航をも可能とする。
:人としての姿を取っている時には、主に光り輝く概念触手らしき物体によって攻撃を行う。セイレムの魔女としての姿になると、得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。杖は空間に異世界への「門」を開く触媒となり、開いた時空からは巨大な異界の邪神の一部が現れて外敵を殲滅する。額には鍵穴と思しい穴が出現し、内部より覗く邪神の瞳から正体不明の魔力光が放たれる。
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:時空間そのものを繋げることもでき、イングランドやローマ、エルサレムといった各空間をセイレムと物理的に接続、一体化させるという離れ業すらも実現させうる。また原理は不明だが、結界そのものに干渉することで結界を展開した対象の心臓に苦痛を送り込み、死に追い遣る力を持つ。
:領域外に棲む邪神の力を宿すことから根本的にこちらの宇宙と相容れず、存在するだけでこちらの宇宙の魔術の体系を綻ばせる。
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:時間を超える能力を用い、本来であれば失われたはずの[[特異点]]における記憶を対象に授けることなども可能。
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:平常時における戦闘時では、主に光り輝く概念触手らしき物体によって攻撃を行う。
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:『外なる神』の力が本格的に顕現すると、得物として鍵の形状をした杖を携えるようになる。杖は空間に異世界への「門」を開く触媒となり、開いた時空からは巨大な異界の邪神の一部が現れ外敵を殲滅する。額には鍵穴と思しい穴が出現し、内部より覗く邪神の瞳から正体不明の魔力光が放たれる。
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:領域外に棲む邪神の力を宿すことから根本的に「此方の宇宙」とは異なる属性を持ち、その法則に縛られない。それゆえに存在するだけで結界を歪ませ、戒律を破り、魔術の体系そのものを綻ばせてしまう。
 
== ステータス ==
 
== ステータス ==
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
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== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
 
=== Fate/Grand Order ===
 
=== Fate/Grand Order ===
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;[[ラヴィニア・ウェイトリー]]
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:亜種特異点Ⅳにおける友人。同じ箒星の年に生まれたとされ、一緒に鯨を見に行ったという。
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:先天性色素欠乏症と思しいラヴィニアの外見をからかうことなく「綺麗」と評しており、また「星の妖精」に喩えている。
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:こういった事情からか、セイレムでは爪弾き者にされているウェイトリー家の人々に対しても、アビーは特に差別的な感情は持っていない。
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:実は友人を求めたアビー自身がセイレムに招いた存在であり、幼少期に一緒に過ごした記憶は魔神柱ラウムに植え付けられた虚偽のものである。
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:ラヴィニアがとある外宇宙の神格の降臨を悲願とするウェイトリー家の一員であったことが、結果としてアビーを『外なる神』の依り代として覚醒させる決定打となった。
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;[[ラウム|魔神柱ラウム]]
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:亜種特異点Ⅳにおいて関わりがあった魔神柱。ランドルフ・カーターの肉体を使い、伯父として振る舞っていた。
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:平時においては彼を保護者と認識し、(カーターとしての)信念や行いには尊敬の念を抱いていたようである。少なくともラウムが伯父として振舞っていた間においては、両者の家族としての絆は本物であったと言える。
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:最終的には、「魔神」としての正体を顕してラヴィニアに致命傷を負わせたラウムを踏み潰し抹殺した。
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;[[ランドルフ・カーター]]
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:数多の世界を渡り歩く、「時空を旅する紳士」。亜種特異点Ⅳのエピローグにて、肉体を取り戻した彼と共に見果てぬ時空、宇宙の深淵へと旅立っていった。
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:彼はラウムの記憶をある程度継承しており、アビゲイルを自然と愛称で呼んでいる。
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;[[シバの女王]]
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:亜種特異点Ⅳで縁があったためか、真名を知った後も「ティテュバ」と呼んでいる。アビゲイル自身の信仰にも関わる重要人物だが、今は気安い関係。
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:彼女の恋愛話には興味津々のようだが、はぐらかされている模様。
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;[[ジェロニモ]]
 
;[[ジェロニモ]]
 
:彼女の両親を殺めた「先住民」側の人物であるために怯えを隠せないが、ジェロニモが真面目な人格者であることは理解しており、ちゃんとお話がしたいと考えている。
 
:彼女の両親を殺めた「先住民」側の人物であるために怯えを隠せないが、ジェロニモが真面目な人格者であることは理解しており、ちゃんとお話がしたいと考えている。
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;[[ジル・ド・レェ]]
 
;[[ジル・ド・レェ]]
:黒い外套のジル・ド・レェと呼ぶ。何かと気にかけて自分に親切にしてくれることに対して、理由が分からずに首を傾げている。
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:黒い外套のジル・ド・レェさんと呼ぶ。何かと気にかけて自分に親切にしてくれることに対して、理由が分からずに首を傾げている。
:おそらく異界の神話に繋がってる同胞としての感情なのだろう。
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:おそらく異界の邪神と縁を持つ同胞としての感情だと思われ、彼からは「深淵の匂いがする」と評されていた。
    
;[[トーマス・エジソン]]
 
;[[トーマス・エジソン]]
 
:ライオンさん。マサチューセッツがアメリカという合衆国の一部になったことを、六時間かけて教えてもらった。
 
:ライオンさん。マサチューセッツがアメリカという合衆国の一部になったことを、六時間かけて教えてもらった。
  −
;[[ラウム|魔神柱ラウム]]
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:亜種特異点Ⅳでの保護者。ランドルフ・カーターの肉体を使い、伯父として振る舞っていた。
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:かりそめのものではあったが、彼らの間の家族の絆は本物である。
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;[[ランドルフ・カーター]]
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:数多の世界を渡り歩く、『銀の鍵』の所有者。亜種特異点Ⅳのエピローグにて、肉体を取り戻した彼に連れられる形で外宇宙へと旅立っていった。
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:彼はラウムの記憶をある程度継承しており、アビゲイルを自然と愛称で呼んでいる。
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;[[ラヴィニア・ウェイトリー]]
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:亜種特異点Ⅳでの友人。セイレムでは爪弾き者にされている彼女らウェイトリー家の人々に対しても、アビーは特に差別的な感情は持っていない。
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:ラヴィニアのことは「星の妖精」のようと呼んで友好的に接している。あることから疎遠になってしまっていたが、心から「仲直りしたい」と願っていた。
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:同じ箒星の年に生まれた12歳の子供、一緒に鯨を見に行ったのだが……?
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;[[シバの女王]]
  −
:亜種特異点Ⅳで縁があったためか、真名を知った後も「ティテュバ」と呼んでいる。アビゲイル自身の信仰にも関わる重要人物だが、今は気安い関係。
  −
:彼女の恋愛話には興味津々のようだが、はぐらかされている模様。
      
;[[葛飾北斎]]
 
;[[葛飾北斎]]
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==メモ==
 
==メモ==
*初めて登場した[[フォーリナー]]のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
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*初めて登場した「[[フォーリナー]]」のサーヴァント。そうした事情もあってか、事前の発表では名前もクラスも不明という異例の扱いがなされた。
*Fateシリーズで初めて明確に「'''クトゥルフ神話'''」が前面に押し出されたサーヴァントでもある。<br />これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
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*Fateシリーズで初めて明確に『'''クトゥルフ神話'''』が前面に押し出されたサーヴァントでもある。<br />これまでも[[ジル・ド・レェ|クトゥルフ要素のある]][[フランソワ・プレラーティ|サーヴァント]]はいたが、アビゲイルの登場により型月作品の世界(型月用語としての「世界」ではなく、メタ的な意味での世界)にもクトゥルフ邪神群が実在することが確定した。ただし、型月作品内におけるクトゥルフ神話は「作中に関係しなかった創作物」であるので、厳密には「クトゥルフ邪神群と全く同じ性質を持つ深淵に潜む名状しがたき冒涜的な何か」である。
**型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『'''型月宇宙とは異なる「外宇宙」に存在する高次生命'''』と定義されている。<br />「外宇宙」とは平行世界ですらない文字通りの領域外とされ、これらの邪神はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則にも一切縛られない。こういった性質から作中では「異端」「戒律の乱れ」などと称され、人理への明確な脅威と認識されている。
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**型月作品内におけるクトゥルフ邪神群は『'''型月宇宙とは異なる「外宇宙」に存在する高次生命'''』と定義されている。<br />「外宇宙」とは平行世界ですらない文字通りの領域外とされ、この深淵に棲まう神格はこちらの宇宙の属性を持たず、魔術体系などの法則にも一切縛られない。こういった性質から「異端」「異常異質な神」と称され、人理への明確な脅威と認識されている。
 
**ちなみに、初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルである。
 
**ちなみに、初登場となった「異端なるセイレム」の舞台となるセイレムは、クトゥルフ神話に登場するアーカムという都市のモデルである。
*作中の台詞や設定描写から、彼女と関連するクトゥルフ神話の神格は「外なる神」こと「'''ヨグ=ソトース'''」であると推測される。<br />ヨグ=ソトースは全ての時間と空間に遍在する大いなる神とされ、あらゆる時空と接続し、またそれを支配する権能を持つ。<br />アビゲイルが「あらゆる時間と空間に門を開き、行き来する」という規格外の能力を持つのは、彼女がこの神格の限定的な依り代となり、時空の深奥に繋がるという「窮極の門」を開く「銀の鍵」としての性質を得たためである。
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*地球上どころかこの宇宙で生まれた存在ですらないため、'''これら深淵の邪神に対しては星の安全装置である[[抑止力]]が働かない'''。<br />事実作中において、深淵の邪神の完全なる降臨はとりもなおさず人理の破綻を意味するとされている。<br />現時点で示されている邪神の性質や能力を鑑みても、深淵の邪神を完全に顕現させようと目論んだ魔神柱[[ラウム]]の行為は危険どころの話では済まない暴挙と言えるだろう。<br />[[ビースト]]クラスの顕現に対して発動するはずの[[グランドクラス]]のサーヴァント召喚すら機能しない辺り、その脅威は正に計り知れない。
**彼女の親友である[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに「外なる神」降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
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**元は人間であり、後に深淵の邪神と交わることでフォーリナーのサーヴァントとなったアビゲイルに対して抑止力が働くか否かは現時点では不明。<br />『外なる神』を宿したアビゲイルがこの世界の魔術体型を綻ばせる描写がある、同様にフォーリナーとなった[[葛飾北斎]]に対して人類の歴史を観測し裁定する役割を担う[[ギルガメッシュ|英雄王]]の「千里眼」が機能していないなどの描写を見る限り、フォーリナーとなった時点で人類ではなく外宇宙の属性を持つ存在と化す(=抑止力が機能しなくなる)可能性が高い。
**同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としては、[[ギルガメッシュ]]の「王の財宝」が存在する。ただしアビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続をも可能とする代物であるため、接続先が限定される王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
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*作中の台詞や設定描写から、彼女と関連するクトゥルフ神話の神格は『外なる神』こと『'''ヨグ=ソトース'''』であると推測される。<br />ヨグ=ソトースは全ての時間と空間に遍在する大いなる神とされ、あらゆる時空と接続し、またそれを支配する権能を持つ。<br />アビゲイルが「あらゆる時間と空間に門を開き、行き来する」という規格外の能力を持つのは、彼女がこの全能の神格の限定的な依り代となり、時空の深奥に繋がるという「窮極の門」を開く「銀の鍵」としての性質を得たためである。
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**彼女の親友である[[ラヴィニア・ウェイトリー]]の出典である「ダニッチの怪」では、ヨグ=ソトースとラヴィニア・ウェイトリーが成した双子の怪物が登場する。アビゲイルに『外なる神』降臨の儀式を教えた(アビゲイル自身は唯のまじないだと思っていたが)のはラヴィニアであるため、ある意味では直接的な元ネタである。
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**同じく「空間を接続する」事で機能する宝具としては、[[ギルガメッシュ]]の『王の財宝』が存在する。ただしアビゲイルのそれは時間と空間を超越し、過去や未来、外宇宙への接続をも可能とする代物であるため、接続先が限定される王の財宝と比較すると遥かに応用が利く。
 
*マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、これがスキル「信仰の祈り」の由来となっている。
 
*マテリアルでは清教徒(ピューリタン)としての厳格な戒律もセイレム魔女事件の原因の一つではないかと指摘している。アビゲイル自身は巫女としての才能が強い事を除けば信仰心が厚い少女であり、これがスキル「信仰の祈り」の由来となっている。
 
**神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
 
**神を信仰するが故に罪人である己を許せない所などは[[ジル・ド・レェ]]に近い部分もあるのかもしれない。
*アビゲイルが深淵の邪神の依り代に選ばれたのは、魔神柱ラウムによって純粋な巫術者としての才覚を見出されたことに加え、理性と狂気が混濁する異端たるセイレムにあってあらゆる意味で中心的な役割を担っていたことによる。この条件に加え、彼女が親友としてセイレムに招いたラヴィニア・ウェイトリーが図らずも「外なる神」に纏わる魔導書『象牙の書』を所有しており、その書に記されていたまじないをアビゲイルに教えたことで、かの神格のアビゲイルへの降臨が決定的なものとなった。
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*アビゲイルが深淵の邪神の依り代に選ばれたのは、魔神柱ラウムによって純粋な巫術者としての才覚を見出されたことに加え、理性と狂気が混濁する異端たるセイレムにあってあらゆる意味で中心的な役割を担っていたことによる。この条件に加え、彼女が親友としてセイレムに招いたラヴィニア・ウェイトリーが図らずも『外なる神』に纏わる魔導書『象牙の書』を所有しており、その書に記されていたまじないをアビゲイルに教えたことで、かの神格のアビゲイルへの降臨が決定的なものとなった。
**「外なる神」降臨を悲願とし、代々それに纏わる錬金術を継承してきたウェイトリー家の娘をも遥かに上回る巫術者としての才覚はラウムにとっても驚嘆に値するものであったらしく、ラウムはこれを以って「外なる神」の顕現および人類の救済を確信したとされる。
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**『外なる神』降臨を悲願とし、代々それに纏わる錬金術を継承してきたウェイトリー家の娘をも遥かに上回る巫術者としての才覚はラウムにとっても驚嘆に値するものであったらしく、ラウムはこれを以って「外なる神」の顕現および人類の救済を確信したとされる。
 
*偽りのセイレムにおいては、カルデアが干渉するまでに六度の「セイレムという現象」が繰り返されていたが、魔神柱ラウムによればアビゲイルはその中で六つの罪を犯したという。<br />一つ目は「銃の暴発と馬車の転倒の引き金となり、結果としてウィリアムズ夫妻が死亡したこと」。ラウムの言やアビゲイルの反応からすると故意ではなく偶発的なものだと推測されるが、ラウムはこれを第一の罪状と定義した。ただし「ウィリアムズ夫妻は先住民に襲われ死亡した」という作中証言と食い違っており、またその先住民はラウムによって使役されていたことが確実視されているため、そもそもが濡れ衣の可能性もある。<br />二つ目は「本来の使用人であるティテュバを(恐らく最初の)食屍鬼へと変えたこと」。言及に割かれた台詞が極めて少ないため経緯などは不明だが、アビゲイルは食屍鬼を「死者の想いを食べて一つになるもの」と認識していたようである。<br />三つ目は「親友を求め、ラヴィニア・ウェイトリーとその一家をセイレムに招いたこと」。招かれたウェイトリー家はラウムによって「外なる神」降臨の引き金となる役割を期待された。なおこの段階でセイレムは六度目の現象となっており、これを維持する魔力と時間が枯渇を始めていた。<br />四つ目は「死してなお贖罪を乞うた罪人の魂を、慈悲を以てセイレムに招いたこと」。その魂の中にはマシュー・ホプキンスなど人類史の魔女狩りに加担した者も含まれていた。<br />五つ目は「無垢であるが故に人を信じ続け、罪人への呵責を行わなかったこと」。その信仰の厚さは魔女狩りに加担した人物にすら救済を見出させるものであったが、同時にセイレムを罪人が救われず処断されない煉獄へと創り変えてしまう結果となった。<br />そして六つ目にして最後の罪は「人の心と言葉、希望を捨て去ること」。この罪のみ過去形ではなく未来形である。アビゲイル自身が人であることを捨て、深淵の邪神をその身に降臨させることを指すものと思われる。
 
*偽りのセイレムにおいては、カルデアが干渉するまでに六度の「セイレムという現象」が繰り返されていたが、魔神柱ラウムによればアビゲイルはその中で六つの罪を犯したという。<br />一つ目は「銃の暴発と馬車の転倒の引き金となり、結果としてウィリアムズ夫妻が死亡したこと」。ラウムの言やアビゲイルの反応からすると故意ではなく偶発的なものだと推測されるが、ラウムはこれを第一の罪状と定義した。ただし「ウィリアムズ夫妻は先住民に襲われ死亡した」という作中証言と食い違っており、またその先住民はラウムによって使役されていたことが確実視されているため、そもそもが濡れ衣の可能性もある。<br />二つ目は「本来の使用人であるティテュバを(恐らく最初の)食屍鬼へと変えたこと」。言及に割かれた台詞が極めて少ないため経緯などは不明だが、アビゲイルは食屍鬼を「死者の想いを食べて一つになるもの」と認識していたようである。<br />三つ目は「親友を求め、ラヴィニア・ウェイトリーとその一家をセイレムに招いたこと」。招かれたウェイトリー家はラウムによって「外なる神」降臨の引き金となる役割を期待された。なおこの段階でセイレムは六度目の現象となっており、これを維持する魔力と時間が枯渇を始めていた。<br />四つ目は「死してなお贖罪を乞うた罪人の魂を、慈悲を以てセイレムに招いたこと」。その魂の中にはマシュー・ホプキンスなど人類史の魔女狩りに加担した者も含まれていた。<br />五つ目は「無垢であるが故に人を信じ続け、罪人への呵責を行わなかったこと」。その信仰の厚さは魔女狩りに加担した人物にすら救済を見出させるものであったが、同時にセイレムを罪人が救われず処断されない煉獄へと創り変えてしまう結果となった。<br />そして六つ目にして最後の罪は「人の心と言葉、希望を捨て去ること」。この罪のみ過去形ではなく未来形である。アビゲイル自身が人であることを捨て、深淵の邪神をその身に降臨させることを指すものと思われる。
 
**一つ目の罪と三つ目の罪を除けば、アビゲイル自身は彼女の信じる救済と赦しに則ってセイレムに干渉している。第七のセイレムである本編中において、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続け、精神の深層で邪神の降臨が始まった後は自らが魔女であることを半ば肯定している。
 
**一つ目の罪と三つ目の罪を除けば、アビゲイル自身は彼女の信じる救済と赦しに則ってセイレムに干渉している。第七のセイレムである本編中において、アビゲイルは一貫して魔女裁判にかけられる人々の無罪を主張し続け、精神の深層で邪神の降臨が始まった後は自らが魔女であることを半ば肯定している。
**ラウムの独白によれば、罪を犯した者でも別け隔てなく救おうとするアビゲイルの姿には、魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたとのこと。当初はアビゲイルに深淵の邪神の依り代としての役割を期待するのみだったラウムが、最終盤では「姪(アビゲイル)を救う」とまで言い切った理由はこのあたりにある。<br />ラウムはアビゲイルが生前の罪の意識に縛られており、セイレムから離れられないことを知っていた。六つの罪状を仕立て上げ、アビゲイルを法廷で「魔女」として裁くという経緯は、「自身が魔女である」という認識を受け入れさせることでアビゲイルの自責の念を解き、ひいてはセイレムから解放することを期したものでもあった。
+
**ラウムの独白によれば、罪を犯した者でも別け隔てなく救おうとするアビゲイルの姿には、魔神柱仲間から切り捨てられたラウム自身も救われたとのこと。当初はアビゲイルに深淵の邪神の依り代としての役割を期待するのみだったラウムが、最終盤では「姪(アビゲイル)を救う」とまで言い切った理由はこのあたりにある。
 +
**ラウムはアビゲイルが生前の罪の意識に縛られており、セイレムから離れられないことを知っていた。六つの罪状を仕立て上げ、アビゲイルを法廷で「魔女」として裁くという経緯は、「自身が魔女である」という認識を受け入れさせてアビゲイルの自責の念を解くこと、それと同時に時空を超越する力を持つ『外なる神』をアビゲイルの身に降臨させることで、物理的にセイレムから離れられるようにすることを期したものでもあった。尤も魔女裁判を経てなおアビーの自責の念は解かれず、『銀の鍵』となったアビーはセイレムからの解放ではなく「世界をセイレムと繋げ一体化させる」ことを望んだため、その目的は完全には達成できなかったのだが。
 
*「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかった[[マシュ・キリエライト]]が本編に介入した唯一のシナリオである事もあって、そのキーサーヴァントであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビーを一人にしてはいけない」と決心を固めており、アビゲイルが「外なる神」の影響で半ば暴走状態に陥った後も彼女の善性を信じ続けた。
 
*「異端なるセイレム」は2017年においてあまり前面に出なかった[[マシュ・キリエライト]]が本編に介入した唯一のシナリオである事もあって、そのキーサーヴァントであるアビゲイルはシナリオ中でもマシュとの関係が良好。アビゲイルは「マシュさんみたいな素敵な人」と語り、またマシュ自身も自分の境遇を重ね合わせた結果「アビーを一人にしてはいけない」と決心を固めており、アビゲイルが「外なる神」の影響で半ば暴走状態に陥った後も彼女の善性を信じ続けた。
 
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるが外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
 
**「故郷(カルデア/セイレム)に愛着はあるが外の世界にも関心が強い」「魔神柱([[フラウロス]]/[[ラウム]])が個人的に救おうとした少女」「主人公によって色彩を見出したマシュと、色彩を失いかけつつもラヴィニアとの友情で色彩を取り戻すアビゲイル」など共通点も多い。
211行目: 231行目:  
**余談だが、カルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
 
**余談だが、カルデアAチームのデイビット・ゼム・ヴォイドは、伝承科から追放された人物でありダヴィンチからは「危険人物」とされている。
 
*再臨段階によって戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。
 
*再臨段階によって戦闘モーションや宝具演出が大きく変わる珍しいサーヴァントのひとり。
**再臨後は'''パンイチの幼女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる恰好だが、実は[[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]と身長・体重は2cm・2kgしか変わらない。
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**再臨後は'''パンイチの少女'''(しかも尋常じゃないローライズ)という際どすぎる格好となる。
 
*異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]は尽くが期間限定ガチャでの入手に限られ、確実な入手が見込めた配布サーヴァントは直前の開催であったハロウィンイベントにおける[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]であった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
 
*異端なるセイレムにて敵として登場した当時、ゲーム上で相性有利を取れる[[アルターエゴ]]は尽くが期間限定ガチャでの入手に限られ、確実な入手が見込めた配布サーヴァントは直前の開催であったハロウィンイベントにおける[[メカエリチャン]][[メカエリチャンⅡ号機|(Ⅱ号機)]]であった。そのため新たなる某'''魔を断つ剣'''が誕生するカルデアが続出した。
  
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