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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[魔術]]世界における最上級の[[使い魔]]。[[聖杯戦争]]に際して召喚される特殊な存在<ref group = "注">他の呼称として「“外部”からのマレビト」「人類史に残った様々な英雄、偉業、概念」「そういった星の<ruby><rb>記録</rb><rt>じょうほう</rt></ruby>を霊体として召喚したもの」「人類史を兵器とする画期的な存在」「歴史的英雄の召喚、神話の再現による圧倒的な力の実態化」「根源の座より来たる、死者の精霊」「死者の記録帯」「人類史に刻まれた影」「虚ろの人々」「人の世の歴史に刻まれて、現世へと降りてきた影法師」「英霊に昇華された者の擬似的再現」「ヒトの亡霊もどき」「人理の影法師」「世界への仮初めの客」が挙げられる。</ref>。[[使い魔]]としては最高ランクで、[[魔術]]よりも上にある。一般に使い魔という単語から連想される存在とは別格で、一線を画している存在。
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[[魔術]]世界における最上級の[[使い魔]]<ref group = "注">他の呼称として「“外部”からのマレビト」「人類史に残った様々な英雄、偉業、概念」「そういった星の<ruby><rb>記録</rb><rt>じょうほう</rt></ruby>を霊体として召喚したもの」「人類史を兵器とする画期的な存在」「歴史的英雄の召喚、神話の再現による圧倒的な力の実態化」「根源の座より来たる、死者の精霊」「死者の記録帯」「人類史に刻まれた影」「虚ろの人々」「人の世の歴史に刻まれて、現世へと降りてきた影法師」「英霊に昇華された者の擬似的再現」「ヒトの亡霊もどき」「人理の影法師」「世界への仮初めの客」が挙げられる。</ref>。[[聖杯戦争]]に際して召喚される特殊な存在。
   −
その正体は[[抑止力|英霊]]、神話や伝説の中で為した功績が信仰を生み、その信仰をもって人間霊である彼らを精霊の領域にまで押し上げた人間サイドの守護者。ただし、霊格が高い程ガイア寄りの存在になっていくため、霊長の守護者とは同じカテゴリーながら異なる立ち位置の存在でもある。時間軸の外にいる純粋な『魂』であり、無色の力。この世の道理から外れながら、尚この世に干渉できる外界の力こそが英霊の本質とされ、その力を利用して外界にでようとしたのが[[聖杯戦争]]。英霊は第三魔法がなくても、依り代さえあれば実体化が可能。
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使い魔としては最高ランクで、[[魔術]]よりも上にある。一般に使い魔という単語から連想される存在とは別格で、一線を画している存在。本来ならば、位が高すぎて人間が使役するには不可能な存在である。魔法使いであってもそれは同様のこと。[[聖杯]]の力という補助を得て、初めてマスターとなることが出来る。ただし、英霊を完全な形で召喚するのは聖杯の補助があっても容易ではなく、「役割に即した英霊の一面」というものに限定することでその負荷を抑えている。
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その正体は[[抑止力|英霊]]、神話や伝説の中で為した功績が信仰を生み、その信仰をもって人間霊である彼らを精霊の領域にまで押し上げた人間サイドの守護者。ただし、霊格が高い程ガイア寄りの存在になっていくため、霊長の守護者とは同じカテゴリーながら異なる立ち位置の存在でもある。時間軸の外にいる純粋な『魂』であり、無色の力。この世の道理から外れながら、尚この世に干渉できる外界の力こそが英霊の本質とされ、その力を利用して外界にでようとしたのが聖杯戦争。英霊は第三魔法がなくても、依り代さえあれば実体化が可能。
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英霊を英霊たらしめるものは信仰、つまり人々の想念であるが故に、その真偽は関係なく、確かな知名度と信仰心さえ集まっていれば物語の中の人物や概念、現象であろうがかまわない。果ては[[ブケファラス|馬]]や[[加藤段蔵|絡繰り人形]]であっても英霊になり得る。ただし、大抵のサーヴァントは虚構のみで成立するものではなく、基礎(ベース)となる神話、伝説、実在の存在がある。虚構だけで成立し得るには、[[ナーサリー・ライム|絵本のように子供を守る概念(ユメ)が結晶化したもの]]など、それ相応の理由がなければならない。
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サーヴァントは基本的には死亡時ではなく、その英霊が“最も強かったとき”である全盛期の姿で召喚されるが、技術や記憶などは死亡時のモノまで含めて持つ<ref group = "注">ただし肉体に精神が引っ張られる為か、未来の記憶に実感がわかない事もある。</ref>。そのため若い全盛期の身体能力と年老いた晩年までひたすら鍛え上げられた技術を併せ持つサーヴァントや、全盛期の人間性と晩年の記憶を持ったサーヴァントとなることもある。複数のクラスに該当する英霊の場合、クラスによって顕現するサーヴァントの肉体年齢が違うということもある。このため同じ聖杯戦争に同一人物が別クラスで召喚され、直接対決することも起こりうるという。例えば、全盛期を異なる形で二度迎えた[[李書文]]などの場合、荒々しい拳を振るう若い時期で召喚されることも、合理的な拳を振るう老人の時期で召喚されることもある。
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サーヴァントは一人の英雄の一つの側面を抽出して召喚するものであり、ヴラド三世のように[[ヴラド三世_(Apocrypha)|祖国を護った領主としての面]]を抽出された場合と、[[ヴラド三世_(EXTRA)|狂信的な騎士や武人としての面]]を抽出された場合で同一クラスでありながら別人のような姿で召喚されることもある。
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また、神話の双子、あるいは[[アン・ボニー&メアリー・リード|相棒と共に伝説を残した者たち]]のように二人一組で召喚されることもある。
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近代以降の英霊は<ruby><rb>誇張</rb><rt>カリカチュア</rt></ruby>されているものが何騎か存在する<ref group = "注">[[チャールズ・バベッジ]]は英霊として機械の鎧を纏っている。[[トーマス・エジソン]]は特殊な現界だったため、生前の情報とはかけ離れた姿になっている。[[ナポレオン]]は生前に使っていない大砲を装備する。</ref>
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サーヴァントは現世で霊基が消滅しても英霊の座にある本体記憶がある限り再召喚することができるが、再召喚された個体は基本的に前の召喚の記憶を持たないため、同一人物の別人となる。
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英霊を英霊たらしめるものは信仰、つまり人々の想念であるが故に、その真偽は関係なく、確かな知名度と信仰心さえ集まっていれば物語の中の人物や概念、現象であろうがかまわない。果ては[[ブケファラス|馬]]や[[加藤段蔵|絡繰り人形]]であっても英霊になり得る。ただし、大抵のサーヴァントは虚構のみで成立するものではなく、基礎(ベース)となる神話、伝説、実在の存在がある。虚構だけで成立し得るには、[[ナーサリー・ライム|絵本のように子供を守る概念(ユメ)が結晶化したもの]]など、それ相応の理由がなければならない。<br>
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本来ならば、位が高すぎて人間が使役するには不可能な存在である。魔法使いであってもそれは同様のこと。<br>
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[[聖杯]]の力という補助を得て、初めてマスターとなることが出来る。ただし、英霊に代償として望むものを与えなければ召喚に応じない。聖杯戦争では、その望みに応えるために聖杯が用意された。<br>
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サーヴァントは基本的には死亡時ではなく、その英霊が“最も強かったとき”である全盛期の姿で召喚されるが、技術や記憶などは全盛期当時だけではなく死亡時のモノも持つ。そのため若い全盛期の身体能力と、年老いた晩年までひたすら鍛え上げられた技術を併せ持つサーヴァントとなる事もありえる。また、死亡時の記憶を持つが性格まで晩年と全く同じになるとは限らず、全盛期の人間性と晩年の記憶を持ったサーヴァントとなることもある。ただし、肉体に精神が引っ張られる為か、未来の記憶に実感がわかない事もある。<br>
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サーヴァントが現世で霊基が消滅しても英霊の座にある本体記憶がある限り再召喚することができるが、再召喚された個体は基本的に前の記憶を持たないため、同一人物の別人となる。<br>
  −
複数のクラスに該当する英霊の場合、クラスによって顕現するサーヴァントの肉体年齢が違うということもある。例えば全盛期を異なる形で二度迎えた[[李書文]]などの場合、荒々しい拳を振るう若い時期で召喚されることも、合理的な拳を振るう老人の時期で召喚されることもある。<br>
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さらにサーヴァントは一人の英雄の一つの側面を抽出して召喚するものであり、ヴラド三世のように祖国を護った領主としての面を抽出された場合と、狂信的な騎士や武人としての面を抽出された場合で同一クラスでありながら別人のような姿で召喚されることもある。<br>
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これらのケースにより同じ聖杯戦争に同一人物が別クラスで召喚され、直接対決することも起こりうるという。<br>
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また、神話の双子、あるいは[[アン・ボニー&メアリー・リード|相棒と共に伝説を残した者たち]]のように二人一組で召喚されることもある。<br>
  −
近代以降の英霊は<ruby><rb>誇張</rb><rt>カリカチュア</rt></ruby>されているものが何騎か存在する<ref group = "注">[[チャールズ・バベッジ]]は英霊として機械の鎧を纏っている。[[トーマス・エジソン]]は特殊な現界だったため、生前の情報とはかけ離れた姿になっている。[[ナポレオン]]は生前に使っていない大砲を装備する。</ref>。<br>
   
サーヴァントは仮初めの躯であるため、水や食物、睡眠を必要とはしない。だが食べれば味は感じる。
 
サーヴァントは仮初めの躯であるため、水や食物、睡眠を必要とはしない。だが食べれば味は感じる。
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『[[Fate/Grand Order]]』では、人理焼却という未曾有の災害が起きたこと、またカルデアの英霊召喚システムの未熟さによる「その隙間の多さ、曖昧さのおかげ」で、通常ならば例外・不可能・極低確率とされるサーヴァントの召喚も可能となっている。<ref group = "注">具体的には神霊に属するもの、本来は存在しないもの、全盛期以外の肉体年齢のもの、イフの可能性の存在などが該当する。</ref>。<br>
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『[[Fate/Grand Order]]』では、人理焼却という未曾有の災害が起きたこと、またカルデアの英霊召喚システムの未熟さによる「その隙間の多さ、曖昧さのおかげ」で、通常ならば例外・不可能・極低確率とされるサーヴァントの召喚も可能となっている。<ref group = "注">具体的には神霊に属するもの、本来は存在しないもの、全盛期以外の肉体年齢のもの、イフの可能性の存在などが該当する。</ref>。その他、常夏の島に召喚された、ハロウィンやクリスマスの様に特別な時期になった、その場のノリ等の理由で、自ら霊基をいじって調整する、聖杯の力を使う、単純に着替えるといった手段を使い元になったサーヴァントからクラスチェンジが為される事もある。この場合普段と異なる服装、クラスにより多少性格が開放的になるなど変化は見られるが基本的には同一人物ではある。が、チェンジ前後のクラスが別々に人理に登録されるようになる為、上記のように同一人物が別クラスで召喚されるようになる(実質分裂、あるいは増殖に近い)。サーヴァントがきちんと水着に着替えるには、霊基を弄くらなければならない。
その他、常夏の島に召喚された、ハロウィンやクリスマスの様に特別な時期になった、その場のノリ等の理由で、自ら霊基をいじって調整する、聖杯の力を使う、単純に着替えるといった手段を使い元になったサーヴァントからクラスチェンジが為される事もある。この場合普段と異なる服装、クラスにより多少性格が開放的になるなど変化は見られるが基本的には同一人物ではある。が、チェンジ前後のクラスが別々に人理に登録されるようになる為、上記のように同一人物が別クラスで召喚されるようになる(実質分裂、あるいは増殖に近い)。サーヴァントがきちんと水着に着替えるには、霊基を弄くらなければならない。
      
[[プライミッツ・マーダー|ガイアの怪物]]を御するためには七騎の守護者が必要になるとされており、それになぞらえて召喚されるサーヴァントは七騎である。
 
[[プライミッツ・マーダー|ガイアの怪物]]を御するためには七騎の守護者が必要になるとされており、それになぞらえて召喚されるサーヴァントは七騎である。
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;チョコ英霊
 
;チョコ英霊
 
:歴史に刻まれたチョコレートの英雄。独裁者の愛したチョコ、偉業を成した冒険家の命を救ったチョコ、数多の人を殺した反チョコなど。チョコレートの英霊が集う場所、『座』は確かに存在している。[[チョコラミス]]は術式を使い、その記録を座からダウンロードして七騎のチョコ英霊を召喚し、チョコ聖杯戦争を行った。
 
:歴史に刻まれたチョコレートの英雄。独裁者の愛したチョコ、偉業を成した冒険家の命を救ったチョコ、数多の人を殺した反チョコなど。チョコレートの英霊が集う場所、『座』は確かに存在している。[[チョコラミス]]は術式を使い、その記録を座からダウンロードして七騎のチョコ英霊を召喚し、チョコ聖杯戦争を行った。
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== クラス ==
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七騎のサーヴァントそれぞれに割り当てられる七つの「役割」。英霊を完全な形で召喚するのは聖杯の補助があっても容易ではなく、「役割に即した英霊の一面」というものに限定することでその負荷を抑えている。
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クラスには大枠として基本の能力値や保有スキルといったクラス特性が生前の能力値とは別に後付けされるものとして存在し、どのような英霊なら該当するかの条件も加わって、そのクラスらしさのある能力のサーヴァントになっている。剣の英霊ならばセイバーに、槍を用いた英霊ならばランサーとして、召喚された英霊はそれぞれのクラスの特性に合わせた存在として顕現し、己の業をさらに研ぎ澄ましている。また逆に、生前有していた武装や能力も、クラスによっては発揮できなくなる可能性を持つ。
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それぞれの能力値は英霊個々人の個性や現地での知名度によって上下があるため、同一のクラスであるからといって同一の数値にはならない。また、マスターとの相性によっても能力値は増減するため、仮に同一の英霊が招かれても、マスターが違えば同一の数値にはならない。冬木の聖杯戦争では、1回の聖杯戦争で7騎召喚されるが、7クラス全て基本ラインナップとは限らず、三騎士以外は代わりにエクストラクラスが召喚される可能性がある。また、同一のクラスのサーヴァントが二人現れるということはなく、必ず7クラスそれぞれに英霊が割り振られる(※[[佐々木小次郎|異常な召喚]]や、[[ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト|同一の英霊を複数の側面から呼び出す]]魔術的特性を持つ場合は例外)。言ってしまえばRPG等における「クラス」「職業」「ジョブ」のこと。特に強力なクラスとされるセイバー、アーチャー、ランサーを総称して「三騎士」と呼ぶ。『[[Fate/Grand_Order]]』ではクラス間の相性が設定されており、サーヴァントではない魔物や敵兵士といったエネミーにも便宜上のクラスが設定されている。
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クラスは以下のようなものがある。
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*基本7クラス
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**[[セイバー]]
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**[[アーチャー]]
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**[[ランサー]]
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**[[ライダー]]
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**[[キャスター]]
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**[[アサシン]]
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**[[バーサーカー]]
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*[[エクストラクラス]]
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**[[シールダー]]
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**[[ルーラー]]
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**[[アヴェンジャー]]
  −
**[[ムーンキャンサー]]
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**[[アルターエゴ]]
  −
**[[フォーリナー]]
  −
**[[ウォッチャー]]
  −
**[[フェイカー]]
  −
**[[ビースト]]
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**[[セイヴァー]]
  −
**ゲートキーパー(名前のみ)
  −
**ガンナー(名前のみ)
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**ファニーヴァンプ(名前のみ)
      
== 英霊召喚 ==
 
== 英霊召喚 ==
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=== 詠唱 ===
 
=== 詠唱 ===
 
基本的には以下の通りである。
 
基本的には以下の通りである。
:素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。<br>降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ<br><ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<br>繰り返すつどに五度。<br>ただ、満たされる刻を破却する<br>――――告げる。<br>汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。<br>聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ<br />誓いを此処に。<br>我は常世総ての善と成る者、<br>我は常世総ての悪を敷く者。<br>汝三大の言霊を纏う七天、<br />抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!<br>
+
<blockquote>
しかしマスターの起源や個性、系譜など様々な要素が組み込まれることがある。<br>
+
素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。<br />
例)遠坂家はその出自から詠唱には「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
+
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ<br />
*[[遠坂時臣]]/[[遠坂凛|凛]]:「祖には我が大師シュバインオーグ――」<br>(「シュバインオーグ」は遠坂家の大師父[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ]]のこと)
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<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<ruby>閉じよ<rb></rb><rt>みたせ</rt></ruby>。<br />
 +
繰り返すつどに五度。<br />
 +
ただ、満たされる刻を破却する<br />
 +
――――告げる。<br />
 +
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。<br />
 +
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ<br />
 +
誓いを此処に。<br />
 +
我は常世総ての善と成る者、<br />
 +
我は常世総ての悪を敷く者。<br />
 +
汝三大の言霊を纏う七天、<br />
 +
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!
 +
</blockquote>
 +
詠唱にはマスターの起源や個性、系譜など様々な要素が組み込まれることがある。
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例1)遠坂家はその出自から詠唱には「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
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:[[遠坂時臣]]/[[遠坂凛|凛]]:「祖には我が大師シュバインオーグ――」(「シュバインオーグ」は遠坂家の大師父[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ]]のこと)
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例2)『[[Fate/Apocrypha]] ACT1 Unbirth』に登場する[[相良豹馬]]の詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
 
例2)『[[Fate/Apocrypha]] ACT1 Unbirth』に登場する[[相良豹馬]]の詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
*相良豹馬:「祖には我が大師■■■■■■■」
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:相良豹馬:「祖には我が大師■■■■■■■」
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例3)『[[Fate/strange Fake]]』に登場する魔術師カーシュラの詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
 
例3)『[[Fate/strange Fake]]』に登場する魔術師カーシュラの詠唱は「礎に石と契約の大公」の次に以下の一節を加えている。
*カーシュラ:「祖には我が大師××××××――――――」
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:カーシュラ:「祖には我が大師××××××――――――」
例4)『[[Fate/Apocrypha]]』では「礎に石と契約の大公」の次に各陣営の色を宣言する一節が加えられている。
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*黒の陣営:「手向ける色は“黒”。」
+
例4)『[[Fate/Apocrypha]]』では「礎に石と契約の大公」の次に各陣営の色を宣言する一節が加えられている。
*赤の陣営:「手向ける色は“赤”。」
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:黒の陣営:「手向ける色は“黒”。」
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:赤の陣営:「手向ける色は“赤”。」
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例5)『[[Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚]]』に登場する[[琥珀]]は「素にうんたらかんたら」の次に以下の一節を加えている。
 
例5)『[[Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚]]』に登場する[[琥珀]]は「素にうんたらかんたら」の次に以下の一節を加えている。
*琥珀:「遠野にまつろう巫浄のなんたら」
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:琥珀:「遠野にまつろう巫浄のなんたら」
なお、バーサーカーに関しては、詠唱に一節を加える事でクラスを先決めすることも出来る。<br>
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例)バーサーカー召喚時は「我は常世総ての悪を敷く者」の次に以下の一節を加えられる。
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なお、バーサーカーに関しては、詠唱の「我は常世総ての悪を敷く者」の次に以下の一節を加える事でクラスを先決めすることも出来る。
*されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。
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されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。
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また亜種聖杯戦争においてはアサシンに[[ハサン・サッバーハ]]以外の英霊を召喚するための追加詠唱が存在するようだが詳細は不明。
 
また亜種聖杯戦争においてはアサシンに[[ハサン・サッバーハ]]以外の英霊を召喚するための追加詠唱が存在するようだが詳細は不明。
   −
[[Fate/stay night]]のUBWルートで凛が[[アルトリア・ペンドラゴン|セイバー]]と再契約する際の詠唱と返答。<br>
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[[Fate/stay night]]のUBWルートで凛が[[アルトリア・ペンドラゴン|セイバー]]と再契約する際の詠唱と返答。
*遠坂凛:“―――告げる! 汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――”<br>「―――我に従え! ならばこの命運、汝が'''剣'''に預けよう……!」
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:遠坂凛:“―――告げる! 汝の身は我の下に、我が命運は汝の剣に! 聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら―――”
*セイバー:「セイバーの名に懸け誓いを受ける……! 貴方を我が主として認めよう、凛―――!」
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:遠坂凛:「―――我に従え! ならばこの命運、汝が'''剣'''に預けよう……!」
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:セイバー:「セイバーの名に懸け誓いを受ける……! 貴方を我が主として認めよう、凛―――!」
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FGOコミカライズ版『-turas rèalta-』のオルレアン編で[[主人公 (Grand Order)|藤丸立香]]が特異点で召喚された[[ジャンヌ・ダルク|ジャンヌ]]と契約を交わした際の詠唱と返答。
 
FGOコミカライズ版『-turas rèalta-』のオルレアン編で[[主人公 (Grand Order)|藤丸立香]]が特異点で召喚された[[ジャンヌ・ダルク|ジャンヌ]]と契約を交わした際の詠唱と返答。
*藤丸立香:「告げる 汝の身は我の下に 我が命運は汝の剣に――― 聖杯の寄るべに従い この意 この理に従うならば――― 我に従え!! ならばその命運 汝が'''”旗”'''に預けよう!!」
+
:藤丸立香:「告げる 汝の身は我の下に 我が命運は汝の剣に――― 聖杯の寄るべに従い この意 この理に従うならば――― 我に従え!! ならばその命運 汝が'''”旗”'''に預けよう!!」
*ジャンヌ:「ルーラーの名に懸け 誓いを受けます… 貴方を我が主として 認めましょう 藤丸立香…!!」
+
:ジャンヌ:「ルーラーの名に懸け 誓いを受けます… 貴方を我が主として 認めましょう 藤丸立香…!!」
    
=== 触媒 ===
 
=== 触媒 ===
 
触媒とは、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚する場合に必要となる物品のことを言う。
 
触媒とは、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚する場合に必要となる物品のことを言う。
   −
聖杯は基本、召喚儀式を実行したマスターに相応しいサーヴァント(相性の良いサーヴァント)を召喚する。<br>
+
聖杯は基本、召喚儀式を実行したマスターに相応しいサーヴァント(相性の良いサーヴァント)を召喚する。これに際し、マスターが召喚の儀式の際、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚しようとする場合、触媒を用いることでそれが可能になる。この場合の触媒とは、その対象となった英霊とゆかりのある何か。
これに際し、マスターが召喚の儀式の際、サーヴァントとなる英霊を指定して召喚しようとする場合、触媒を用いることでそれが可能になる。<br>
  −
この場合の触媒とは、その対象となった英霊とゆかりのある何か。<br>
  −
触媒が英霊とゆかりの深いもの(例えば英霊の代名詞といっていいもの)であれば、マスターとの相性が悪い場合でも召喚ができる。<br>
  −
触媒が英霊とゆかりの浅いもの(特定の英霊の代名詞とはいえないもの)である場合、触媒とマスターとの相性、双方が考慮され決定される。<br>
  −
また、触媒が複数の英霊に対応したものの場合、その複数の中からマスターとの相性がよい英霊が召喚される。<br>
  −
『complete material III』では複数の英霊に対応した触媒としての例にトロイ戦争のシンボルたる「トロイの城門」が挙げられている(この場合、トロイ戦争の英雄達から誰かが召喚される)。<br>
  −
『Apocrypha』では[[獅子劫界離]]が「円卓の欠片」を用いてこの「複数の英霊からマスターと相性の良い者が選ばれる」特性を意図的に利用している他、例として「アルゴー船の残骸」を触媒にした場合には大英雄[[ヘラクレス]]、キャプテンである[[イアソン]]、裏切りの魔女[[メディア]]、医術の神アスクレピオス等の中から、マスターとの相性を考慮して召喚されると示されている。
     −
なお、触媒によって指定できるのは招かれる英霊のみであり、その英霊が複数のクラス資格を持っていた場合、触媒によってクラスを指定することはできない(単一のクラス資格しか持っていない場合は考慮する必要はない。またバーサーカーに関しては前述のように詠唱によってクラスを決定出来る)。<br>本編中では、[[遠坂時臣]]が、[[ギルガメッシュ]]がアーチャーとして呼ばれたことを嘆く描写が見られる。
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触媒が英霊とゆかりの深いもの(例えば英霊の代名詞といっていいもの)であれば、マスターとの相性が悪い場合でも召喚ができる。触媒が英霊とゆかりの浅いもの(特定の英霊の代名詞とはいえないもの)である場合、触媒とマスターとの相性、双方が考慮され決定される。また、触媒が複数の英霊に対応したものの場合、その複数の中からマスターとの相性がよい英霊が召喚される。『complete material III』では複数の英霊に対応した触媒としての例にトロイ戦争のシンボルたる「トロイの城門」が挙げられている(この場合、トロイ戦争の英雄達から誰かが召喚される)。『Apocrypha』では[[獅子劫界離]]が「円卓の欠片」を用いてこの「複数の英霊からマスターと相性の良い者が選ばれる」特性を意図的に利用している他、例として「アルゴー船の残骸」を触媒にした場合には大英雄[[ヘラクレス]]、キャプテンである[[イアソン]]、裏切りの魔女[[メディア]]、医術の神アスクレピオス等の中から、マスターとの相性を考慮して召喚されると示されている。
   −
クラスの選定基準は不明だが、主に知名度やマスターとの相性で決定されるようだ。また、クラスに応じた「筐」はそれぞれ一つしかないため、既に特定のクラスの枠が埋まっている場合、後に召喚された英霊はそのクラスにつくことができないという制限もある。
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なお、触媒によって指定できるのは招かれる英霊のみであり、その英霊が複数のクラス資格を持っていた場合、触媒によってクラスを指定することはできない(単一のクラス資格しか持っていない場合は考慮する必要はない。またバーサーカーに関しては前述のように詠唱によってクラスを決定出来る)。『Fate/Zero』では[[遠坂時臣]]が、[[ギルガメッシュ]]がアーチャーとして呼ばれたことを嘆く描写が見られる。
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なお触媒はサーヴァントを召喚しても無くなりはしないため、呼び出したサーヴァントにより触媒が気に食わないとして破壊されたりせずに回収できれば後の召喚儀式にて使用することも可能。
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なお触媒はサーヴァントを召喚しても無くなりはしないため、呼び出したサーヴァントにより触媒が気に食わないとして破壊されたりせずに回収できれば後の召喚儀式にて使用することも可能。<br>
   
『Apocrypha』では冬木の聖杯戦争のシステムが知れ渡ったことで世界中に聖遺物が離散し、価格も高騰している。
 
『Apocrypha』では冬木の聖杯戦争のシステムが知れ渡ったことで世界中に聖遺物が離散し、価格も高騰している。
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霊体の状態であれば、サーヴァントを維持するための魔力の消費が少なくて済み、敵からは目視されず、物理的に干渉されないため壁を抜けて移動できるなど、偵察行動などに向いている。ただし、この状態では相手から干渉されない代わりに自らも相手に干渉できないため、敵を攻撃する等の行動はとれない。しかもサーヴァントの持つ武装の多くは概念・魔術的特性を持っているため霊体にも干渉できる場合がある。自らは防御手段をとることができず、敵から一方的に攻撃される危険を孕むため、サーヴァント同士の戦闘中に霊体化することは安全とは言えない。唯一不可視化する利点はあるが、サーヴァント同士は(個人差はあるが)互いに気配を察知できるため、万全の安全策とはならない。また、霊体化は世界との繋がりを薄めている状態である故、「洗礼詠唱」等をこの状態で受けると、普段は問題無く耐えられる攻撃にも関わらず大ダメージを負う危険性もある。
 
霊体の状態であれば、サーヴァントを維持するための魔力の消費が少なくて済み、敵からは目視されず、物理的に干渉されないため壁を抜けて移動できるなど、偵察行動などに向いている。ただし、この状態では相手から干渉されない代わりに自らも相手に干渉できないため、敵を攻撃する等の行動はとれない。しかもサーヴァントの持つ武装の多くは概念・魔術的特性を持っているため霊体にも干渉できる場合がある。自らは防御手段をとることができず、敵から一方的に攻撃される危険を孕むため、サーヴァント同士の戦闘中に霊体化することは安全とは言えない。唯一不可視化する利点はあるが、サーヴァント同士は(個人差はあるが)互いに気配を察知できるため、万全の安全策とはならない。また、霊体化は世界との繋がりを薄めている状態である故、「洗礼詠唱」等をこの状態で受けると、普段は問題無く耐えられる攻撃にも関わらず大ダメージを負う危険性もある。
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サーヴァントの実体は、「霊核」と呼ばれる存在の周囲を、魔力で出来た肉体で包むことで成立している。肉体そのものは仮初のものでありサーヴァントは基本的に魔力が尽きない限り活動できるが、肉体の損傷は霊核の弱体化を招き、結果として通常の人間と同じくサーヴァントに対するダメージとなる他、心臓の喪失や首の切断などが起こればサーヴァントも死亡(霊体も含め現世でのカタチを保てなくなって霧散)する。敵から受けたダメージのみではなく、自身の宝具などで魔力を消費することでも霊核が消耗し、限界を超えた宝具の使用で自滅するケースもある。また、現世に留まること自体にサーヴァントは魔力を消費するため、契約したマスターからの魔力供給がなければ、現界を保つことはできない。さらにマスターは英霊が世界に留まるための要石ともなっているため、マスターがいないサーヴァントはスキル「単独行動」を持たないかぎり例え魔力があったとしても手足が重くなり、現界を保つために使用する魔力量も増える模様。
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サーヴァントの実体は、「霊核」と呼ばれる存在の周囲を、魔力で出来た肉体で包むことで成立している。肉体そのものは仮初のものでありサーヴァントは基本的に魔力が尽きない限り活動できるが、肉体の損傷は霊核の弱体化を招き、結果として通常の人間と同じくサーヴァントに対するダメージとなる他、心臓の喪失や首の切断などが起こればサーヴァントも死亡(霊体も含め現世でのカタチを保てなくなって霧散)する。敵から受けたダメージのみではなく、自身の宝具などで魔力を消費することでも霊核が消耗し、限界を超えた宝具の使用で自滅するケースもある。
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サーヴァントは現世に留まること自体に魔力を消費するため、契約したマスターからの魔力供給がなければ、現界を保つことはできない。さらにマスターは英霊が世界に留まるための要石ともなっているため、マスターがいないサーヴァントはスキル「単独行動」を持たない限り、例え魔力があったとしても手足が重くなり、現界を保つために使用する魔力量も増える模様。
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冬木の聖杯戦争においてマスターを失ったはぐれサーヴァントは通常、「単独行動」のスキルがなければ魔力供給がなされずにすぐ消滅してしまう運命にあるが、運良く他のマスターと再契約するなどの手段があれば、復帰する可能性が残されている。一般人などと契約することも可能だが、魔力供給手段がないので魂食いなど別途魔力を供給する手段を確立する必要がある。『Fate/stay night』作中では[[メディア]]が一時的にこの状態に陥っている。 。『Fate/Apocrypha』の[[ジャンヌ・ダルク]]や『Fate/EXTELLA』の[[アルトリア・ペンドラゴン]]などはマスター不在ではあるが、聖杯(ムーンセル)そのものが召喚者であるため、はぐれサーヴァントには該当しない。
    
=== 受肉 ===
 
=== 受肉 ===
 
通常、サーヴァントはマスターがいなければ存在を保つことができないが、肉体を得ることによって自力のみで現世に留まることができる。これを「受肉」と呼ぶ。受肉したサーヴァントはマスターやサーヴァント召喚システムの支援なしに魔力を生み出すことができるようになる。主な受肉の方法としては「聖杯に願う」というものがポピュラーであり、「受肉して第二の生を過ごす」などを目的に召喚に応じるサーヴァントも多い。
 
通常、サーヴァントはマスターがいなければ存在を保つことができないが、肉体を得ることによって自力のみで現世に留まることができる。これを「受肉」と呼ぶ。受肉したサーヴァントはマスターやサーヴァント召喚システムの支援なしに魔力を生み出すことができるようになる。主な受肉の方法としては「聖杯に願う」というものがポピュラーであり、「受肉して第二の生を過ごす」などを目的に召喚に応じるサーヴァントも多い。
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=== 反英雄 ===
+
== クラス ==
英雄の“救い手”としての在り方。英霊の分類。読んで字のごとく、英雄の反対、度し難い殺戮者を意味する。幼いままの願望を持つもの。綺麗ごとを信じ、そのために汚れ役を引き受けるもの。自らを強大な悪とし、有象無象の小さな悪を打ち消すもの。言ってしまえば、存在そのものが悪とされるものでありながら、その悪行が人間全体にとって善行となるもの。本人の意思とは裏腹に、周囲の人間が救い手と祭り上げたもの。端的に言えば人柱や生贄が該当する。例え極悪人だとしても、その人間を生贄にすれば村人全員が助かるならば、それは間違いなく英雄と呼べる。
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七騎のサーヴァントそれぞれに割り当てられる七つの「役割」。言ってしまえばRPG等における「クラス」「職業」「ジョブ」のこと。
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クラスには大枠として基本の能力値や保有スキルといったクラス特性が(生前の能力値とは別に後付けされるものとして)存在し、どのような英霊なら該当するかの条件も加わって、そのクラスらしさのある能力のサーヴァントになっている。剣の英霊ならばセイバーに、槍を用いた英霊ならばランサーとして、召喚された英霊はそれぞれのクラスの特性に合わせた存在として顕現し、己の業をさらに研ぎ澄ましている。また逆に、生前有していた武装や能力も、クラスによっては発揮できなくなる可能性を持つ。
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基本7クラスのうち、特に強力なクラスとされるセイバー、アーチャー、ランサーを総称して「三騎士」と呼び、残りのライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーを総称して「四騎」<ref group="出">『Fate/Grand Order』曜日クエスト「種火集め<四騎編>」、「モンスター狩り<四騎編>」、「四騎と対決」</ref>(または「四騎士」<ref group="出">『Fate/Grand Order』FGO夏祭り2016~1st Anniversary~福袋召喚「四騎士召喚」、福袋召喚2018「四騎士+アルターエゴ+フォーリナー召喚」</ref>)と呼ぶ。
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冬木の聖杯戦争では1回につき7騎召喚されるが、ぞれぞれが基本7クラスに対応するとは限らず、三騎士以外は代わりにエクストラクラスで召喚される可能性がある。また、同一のクラスのサーヴァントが二人現れるということはなく、必ず7クラスそれぞれに英霊が割り振られる<ref group="注">[[佐々木小次郎]]のように異常な召喚や、[[エーデルフェルト家]]のように同一の英霊を複数の側面から呼び出す魔術的特性を持つ場合は例外</ref>。既に特定のクラスの枠が埋まっている場合、後に召喚された英霊はそのクラスに就くことはできない。
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 +
『[[Fate/Grand_Order]]』ではクラス間の相性が設定されており、サーヴァントではない魔物や敵兵士といったエネミーにも便宜上のクラスが設定されている。
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クラスは以下のようなものがある。
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*基本7クラス
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**[[セイバー]]
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**[[アーチャー]]
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**[[ランサー]]
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**[[ライダー]]
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**[[キャスター]]
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**[[アサシン]]
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**[[バーサーカー]]
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*[[エクストラクラス]]
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**[[シールダー]]
 +
**[[ルーラー]]
 +
**[[アヴェンジャー]]
 +
**[[ムーンキャンサー]]
 +
**[[アルターエゴ]]
 +
**[[フォーリナー]]
 +
**[[ウォッチャー]]
 +
**[[フェイカー]]
 +
**[[ビースト]]
 +
**[[セイヴァー]]
 +
**ゲートキーパー(名前のみ)
 +
**ガンナー(名前のみ)
 +
**ファニーヴァンプ(名前のみ)
 +
 
 +
==属性==
 +
各サーヴァントの精神的な傾向。ステータスで確認できる。秩序・中立・混沌からなる「重んじる方針」と善・中庸・悪からなる「性格」の2つの要素によって決定される。
 +
 
 +
属性間の相性については「性格」の不一致であれば大きな問題にはならないが、「重んじる方針」が違う場合は軋轢が大きくなる<ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』16ページ">『Fate/complete material Ⅲ』16ページ「サーヴァントのステータス」より。</ref>。
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 +
=== 隠し属性 ===
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英霊の由来における立ち位置を表す属性。英霊が「どのようにして誕生した」のかという分類。名称はTYPE-MOONエースの付録の小冊子「Fate/Grand Order Servant Storage」に準拠。
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 +
大きく分けた場合、『人』・『地』・『天』・『星』の4つに分類されるが、極めて稀に『獣』という5つ目の属性を持つ英霊が存在する。
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*人:いわゆる実在した英雄と偉人。西暦以後に人類へ貢献した偉人が死後に英雄視され共通認識となったものを指す。本当に生前から超人的な能力を所有している場合もあるものの基本的には死後に大衆によって神格化された英霊<ref group = "出" name="マスターの条件" >『Fate/Grand Order』幕間の物語「マスターの条件」より。</ref>。
 +
*地:土着の幻想伝承に語られる英雄。妖精や魔獣、神性のスキルを持たない英雄も含まれる<ref group = "出" name="第四特異点 第3節" >『死界魔霧都市 ロンドン』第3節「魔霧は嘲笑う」より。</ref>。
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*天:神霊が英霊にランクダウンしたもの。神性のスキルを持つ神の子や伝承の具現化もコレに入る<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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*星:人類史の中で大きな希望を残した人間。「星の開拓者」に近いとされるが、単に偉業を達成しただけではなく、キラキラと光る星でなければならない。そういった概念的なものも含めている<ref group = "出" name = "「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは">[https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20170302098/ 「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは]</ref>。人類における希望、困難を打ち破る象徴<ref group = "出" name="マスターの条件" />。天・地・人のどれでもなく、しかし天の下、地に在って、人から生まれたモノであるため、例外中の例外として扱われている<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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*獣:公式には不明であるが、『Fate/Grand Order』に登場したビーストクラスおよび[[殺生院キアラ〔アルターエゴ〕]]が共通して持つことから、人類史から生まれ人類史にあまねく害を齎す存在である[[ビースト]]に関連する者であることが推察されている。
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天・地・人の三すくみがあり、『人』は天に強く、地に弱い。『地』は人に強いが、自身を作り出した神には敵わないため天に弱い。『天』は地に強いが、人間に信仰されなければ「存在しないもの」になるため人に弱い<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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『星』は一見あらゆるカテゴリに対してマイナスを持たない万能属性だとされてきたが、実際は天・地・人の三すくみには一切関わりがなく、その本質は別で『獣』と相剋する所にあった模様<ref group = "出" name="マスターの条件" />。
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== パラメータルール ==
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サーヴァント自身の能力(筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運・宝具の6種類)、及び所有スキル、所持する宝具の性能の評価を表すもの。いわゆるステータス表示。「英霊の固有能力」ではなく「サーヴァントの固有能力」なので、同じ英霊でもクラスやマスターによってランクは変動する。
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A・B・C・D・Eの5段階評価であり、通常値を1とするとEが10で1段階上昇するごとに10上昇する<ref group = "出" name = "『Fate/side material』Fate用語辞典「パラメータールール」" >『Fate/side material』Fate用語辞典「パラメータールール」</ref>。E~Aに該当しない別格の能力値は「EX」と表記される。ただし、EXランクだからと言って必ずしも火力などの面でAランクを上回るわけではない。「+」表記は瞬間的に数値が倍加できる特殊能力の事を指す(+ならば2倍、++ならば3倍、という風になる)。例えば「C+」であれば通常時は30であるが一瞬だけならば60に跳ね上がり、ランクA(50)を上回る能力となる。基本的に+を持つサーヴァントは稀少であり、++は破格、+++ともなれば別格。「-」表記は判定上はそのランクだが実際の能力はそれ未満であるもの、また安定しない数値を表す。例えば「B-」である場合、各種判定はBであるが実際の能力そのものはC程度でしかなかったりB相当の能力を発揮できる機会が限られていたりする。
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筋力と耐久の「A++」は人の身では絶対に不可能なランクだとされており、現在所有しているのはスキル「天性の魔」を持つ[[アステリオス]]とスキル「変転の魔」を持つ[[ゴルゴーン]]のみとなっている。[[トーマス・エジソン]]の筋力「E」は、はちきれんばかりの肉体を戦闘向けにコントロールできない所為で、決して身体能力が低いわけではない。[[BB]]の「★」は計測不能で、カウントがオーバーしているのではなく数値にすることが出来ないパラメータを指す。
 +
 
 +
パラメータにおけるランクと、宝具の個々のランクは全くの別物。同じA〜Eで表されてはいるが、同じ基準で評価されているわけではない。宝具の能力は単純な攻撃のものだけではないので一概には言えないが、宝具の威力と筋力の威力の換算では、Cランク宝具の威力は筋力A〜A+に相当する([[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]の風王結界と[[ヘラクレス]]の事例等)。
   −
反英雄は被害者でありながら、究極的な加害者でなくてはならない。人が生み出したモノでありながら、決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾こそがあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。英雄と称される生贄が食い殺されようが地中に埋められようが関係ない。貧乏クジを引かされた者、一方的に押し付けられた汚れ役が人々を救う偉業を成し遂げたのなら、それは罪人ではなく、英雄へと昇華される。大事なのは祭り上げる側の意識で、敬意や感謝、罪悪感などで祭り上げられて生まれるのはまっとうな英雄となる。ただ、純粋な反英雄はそうはおらず、存在しないモノ。そういうものがいてくれたら良い、という人間の願望。原罪を否定する為の生贄、人間の生み出した一つの終末(理想)。平穏と同義とされる、叶う事のない願いの一つが反英雄と呼ばれるモノ。
+
なお、登場人物の発言や用語辞典などで、サーヴァント自身を指して「ランクA以上の大英雄」などといった表現が稀にされる場合があるが、筋力などの個別の能力ではない、全ての能力を包括したサーヴァントの個体能力にランクがつけられているという話は、公式の設定として正式に示されたことはない。開示されていないだけで正式にそういうランクがあるのか、単に発言者の印象から出た言葉であるのか、詳細は不明。
    
== 知名度と真名と強さ ==
 
== 知名度と真名と強さ ==
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また、英霊はかつての英雄達らであるが故に高潔な精神を持つ者も多く、そういった者達はそもそも人食いと言う行為そのものを嫌悪する。積極的に人食いを実施するのは反英霊や、殺人に抵抗の無い精神性、または「狂化」の持ち主である英霊くらいである。
 
また、英霊はかつての英雄達らであるが故に高潔な精神を持つ者も多く、そういった者達はそもそも人食いと言う行為そのものを嫌悪する。積極的に人食いを実施するのは反英霊や、殺人に抵抗の無い精神性、または「狂化」の持ち主である英霊くらいである。
   −
==属性==
+
== 英霊の分類 ==
各サーヴァントの精神的な傾向。ステータスで確認できる。秩序・中立・混沌からなる「重んじる方針」と善・中庸・悪からなる「性格」の2つの要素によって決定される。
+
英霊の分類としては生前の偉業が称えられ英霊となった「英雄」、 そういった英雄たちに本来ならば打倒されるべき存在の「反英雄」、生前に英雄としての力の代償として死後の自分を星に売り渡した「守護者」が挙げられる。
   −
属性間の相性については「性格」の不一致であれば大きな問題にはならないが、「重んじる方針」が違う場合は軋轢が大きくなる<ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』16ページ">『Fate/complete material Ⅲ』16ページ「サーヴァントのステータス」より。</ref>。
+
=== 反英雄 ===
 +
読んで字のごとく、英雄の反対、度し難い殺戮者を意味する。幼いままの願望を持つもの。綺麗ごとを信じ、そのために汚れ役を引き受けるもの。自らを強大な悪とし、有象無象の小さな悪を打ち消すもの。言ってしまえば、存在そのものが悪とされるものでありながら、その悪行が人間全体にとって善行となるもの。本人の意思とは裏腹に、周囲の人間が救い手と祭り上げたもの。端的に言えば人柱や生贄が該当する。例え極悪人だとしても、その人間を生贄にすれば村人全員が助かるならば、それは間違いなく英雄と呼べる。
   −
=== 隠し属性 ===
+
反英雄は被害者でありながら、究極的な加害者でなくてはならない。人が生み出したモノでありながら、決して人の手が混ざらずに成長するモノ。その矛盾こそがあらゆる抑止の圧力を免除される“世界の敵”。英雄と称される生贄が食い殺されようが地中に埋められようが関係ない。貧乏クジを引かされた者、一方的に押し付けられた汚れ役が人々を救う偉業を成し遂げたのなら、それは罪人ではなく、英雄へと昇華される。大事なのは祭り上げる側の意識で、敬意や感謝、罪悪感などで祭り上げられて生まれるのはまっとうな英雄となる。ただ、純粋な反英雄はそうはおらず、存在しないモノ。そういうものがいてくれたら良い、という人間の願望。原罪を否定する為の生贄、人間の生み出した一つの終末(理想)。平穏と同義とされる、叶う事のない願いの一つが反英雄と呼ばれるモノ。
英霊の由来における立ち位置を表す属性。英霊が「どのようにして誕生した」のかという分類。名称はTYPE-MOONエースの付録の小冊子「Fate/Grand Order Servant Storage」に準拠。
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大きく分けた場合、『人』・『地』・『天』・『星』の4つに分類されるが、極めて稀に『獣』という5つ目の属性を持つ英霊が存在する。
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*人:いわゆる実在した英雄と偉人。西暦以後に人類へ貢献した偉人が死後に英雄視され共通認識となったものを指す。本当に生前から超人的な能力を所有している場合もあるものの基本的には死後に大衆によって神格化された英霊<ref group = "出" name="マスターの条件" >『Fate/Grand Order』幕間の物語「マスターの条件」より。</ref>。
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*地:土着の幻想伝承に語られる英雄。妖精や魔獣、神性のスキルを持たない英雄も含まれる<ref group = "出" name="第四特異点 第3節" >『死界魔霧都市 ロンドン』第3節「魔霧は嘲笑う」より。</ref>。
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*天:神霊が英霊にランクダウンしたもの。神性のスキルを持つ神の子や伝承の具現化もコレに入る<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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*星:人類史の中で大きな希望を残した人間。「星の開拓者」に近いとされるが、単に偉業を達成しただけではなく、キラキラと光る星でなければならない。そういった概念的なものも含めている<ref group = "出" name = "「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは">[https://www.4gamer.net/games/266/G026651/20170302098/ 「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは]</ref>。人類における希望、困難を打ち破る象徴<ref group = "出" name="マスターの条件" />。天・地・人のどれでもなく、しかし天の下、地に在って、人から生まれたモノであるため、例外中の例外として扱われている<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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*獣:公式には不明であるが、『Fate/Grand Order』に登場したビーストクラスおよび[[殺生院キアラ〔アルターエゴ〕]]が共通して持つことから、人類史から生まれ人類史にあまねく害を齎す存在である[[ビースト]]に関連する者であることが推察されている。
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天・地・人の三すくみがあり、『人』は天に強く、地に弱い。『地』は人に強いが、自身を作り出した神には敵わないため天に弱い。『天』は地に強いが、人間に信仰されなければ「存在しないもの」になるため人に弱い<ref group = "出" name="第四特異点 第3節"  />。
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『星』は一見あらゆるカテゴリに対してマイナスを持たない万能属性だとされてきたが、実際は天・地・人の三すくみには一切関わりがなく、その本質は別で『獣』と相剋する所にあった模様<ref group = "出" name="マスターの条件" />。
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== パラメータルール ==
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サーヴァント自身の能力(筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運・宝具の6種類)、及び所有スキル、所持する宝具の性能の評価を表すもの。いわゆるステータス表示。「英霊の固有能力」ではなく「サーヴァントの固有能力」なので、同じ英霊でもクラスやマスターによってランクは変動する。
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A・B・C・D・Eの5段階評価であり、通常値を1とするとEが10で1段階上昇するごとに10上昇する<ref group = "出" name = "『Fate/side material』Fate用語辞典「パラメータールール」" >『Fate/side material』Fate用語辞典「パラメータールール」</ref>。E~Aに該当しない別格の能力値は「EX」と表記される。ただし、EXランクだからと言って必ずしも火力などの面でAランクを上回るわけではない。「+」表記は瞬間的に数値が倍加できる特殊能力の事を指す(+ならば2倍、++ならば3倍、という風になる)。例えば「C+」であれば通常時は30であるが一瞬だけならば60に跳ね上がり、ランクA(50)を上回る能力となる。基本的に+を持つサーヴァントは稀少であり、++は破格、+++ともなれば別格。「-」表記は判定上はそのランクだが実際の能力はそれ未満であるもの、また安定しない数値を表す。例えば「B-」である場合、各種判定はBであるが実際の能力そのものはC程度でしかなかったりB相当の能力を発揮できる機会が限られていたりする。
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筋力と耐久の「A++」は人の身では絶対に不可能なランクだとされており、現在所有しているのはスキル「天性の魔」を持つ[[アステリオス]]とスキル「変転の魔」を持つ[[ゴルゴーン]]のみとなっている。[[トーマス・エジソン]]の筋力「E」は、はちきれんばかりの肉体を戦闘向けにコントロールできない所為で、決して身体能力が低いわけではない。[[BB]]の「★」は計測不能で、カウントがオーバーしているのではなく数値にすることが出来ないパラメータを指す。
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パラメータにおけるランクと、宝具の個々のランクは全くの別物。同じA〜Eで表されてはいるが、同じ基準で評価されているわけではない。宝具の能力は単純な攻撃のものだけではないので一概には言えないが、宝具の威力と筋力の威力の換算では、Cランク宝具の威力は筋力A〜A+に相当する([[アルトリア・ペンドラゴン|アルトリア]]の風王結界と[[ヘラクレス]]の事例等)。
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なお、登場人物の発言や用語辞典などで、サーヴァント自身を指して「ランクA以上の大英雄」などといった表現が稀にされる場合があるが、筋力などの個別の能力ではない、全ての能力を包括したサーヴァントの個体能力にランクがつけられているという話は、公式の設定として正式に示されたことはない。開示されていないだけで正式にそういうランクがあるのか、単に発言者の印象から出た言葉であるのか、詳細は不明。
      
== メモ ==
 
== メモ ==
 
===触媒について===
 
===触媒について===
 
*『stay night』では[[エミヤ|アーチャー]]が「触媒無しでの召喚など有り得ん」と言っているが、後の『Zero』や『Apocrypha』では、龍之介のような実例が現れたり触媒無しの召喚に対するメリットとデメリットの言及が為されたりしている。アニメ『UBW』ではこの台詞が変更されているので、おそらくは後から設定変更されたのだと思われる(もしくは「触媒無しで通常の英霊ではない自分を召喚など有り得ない」といった意図の発言か)。
 
*『stay night』では[[エミヤ|アーチャー]]が「触媒無しでの召喚など有り得ん」と言っているが、後の『Zero』や『Apocrypha』では、龍之介のような実例が現れたり触媒無しの召喚に対するメリットとデメリットの言及が為されたりしている。アニメ『UBW』ではこの台詞が変更されているので、おそらくは後から設定変更されたのだと思われる(もしくは「触媒無しで通常の英霊ではない自分を召喚など有り得ない」といった意図の発言か)。
*英霊の召喚には基本的に強い繋がりを持つ触媒が必要だが、下手に繋がりが強いと切嗣とセイバーのようにマスターと相性の悪いサーヴァントも''呼べてしまう''。<br>一方、触媒の繋がりが薄い(無い)と桜とライダー、龍之介とキャスターのように相性の良いサーヴァントが呼ばれる事が多い。そのため、ファンの間では「触媒が無い方がいいのでは?」とまことしやかに囁かれる事があった。<br />
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*英霊の召喚には基本的に強い繋がりを持つ触媒が必要だが、下手に繋がりが強いと切嗣とセイバーのようにマスターと相性の悪いサーヴァントも''呼べてしまう''。一方、触媒の繋がりが薄い(無い)と桜とライダー、龍之介とキャスターのように相性の良いサーヴァントが呼ばれる事が多い。そのため、ファンの間では「触媒が無い方がいいのでは?」とまことしやかに囁かれる事があった。
**事実、『Apocrypha』でも、触媒無しや繋がりの薄い触媒での召喚について「サーヴァントの信頼関係を築きやすい」とそのメリットを言われている。<br>だがその一方、「一歩間違えれば、性質が似ているが故の嫌悪や不信感が表れる危険性がある」とも言及されており、「触媒無しの召喚は一か八かのギャンブル」として語られている。<br>また、相性ばかり重視されて弱いサーヴァントが呼ばれる可能性もあるため、その点でもギャンブルである。
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**事実、『Apocrypha』でも、触媒無しや繋がりの薄い触媒での召喚について「サーヴァントの信頼関係を築きやすい」とそのメリットを言われている。だがその一方、「一歩間違えれば、性質が似ているが故の嫌悪や不信感が表れる危険性がある」とも言及されており、「触媒無しの召喚は一か八かのギャンブル」として語られている。また、相性ばかり重視されて弱いサーヴァントが呼ばれる可能性もあるため、その点でもギャンブルである。
 
***余談だが、この分析を行なっている[[獅子劫界離]]が触媒として使用したのは円卓の欠片。「どの円卓の騎士が呼ばれても英霊としては超一流」、「その超一流の選択肢の中から、自らと性質の似たサーヴァントが自動的に現れる」という事で、同族嫌悪の可能性を考えなければかなりベストに近い選択ではないだろうか。
 
***余談だが、この分析を行なっている[[獅子劫界離]]が触媒として使用したのは円卓の欠片。「どの円卓の騎士が呼ばれても英霊としては超一流」、「その超一流の選択肢の中から、自らと性質の似たサーヴァントが自動的に現れる」という事で、同族嫌悪の可能性を考えなければかなりベストに近い選択ではないだろうか。
 
*触媒が破損していた場合、どの程度触媒としての効果に影響するのかは不明。一応[[イスカンダル|切れ端]]や[[モードレッド|欠片]]が触媒として機能しているケースもあるため、必ずしも完全な状態である必要はないようだが。
 
*触媒が破損していた場合、どの程度触媒としての効果に影響するのかは不明。一応[[イスカンダル|切れ端]]や[[モードレッド|欠片]]が触媒として機能しているケースもあるため、必ずしも完全な状態である必要はないようだが。
*「触媒が無い方がいいのでは?」という認識が広まった原因の一つには、『Fate/EXTRA』における月の聖杯戦争の影響もあるだろう。<br>月の聖杯戦争ではサーヴァント召喚のために触媒を用意する必要はないらしく、予選を突破したマスター達にムーンセルが「何らかの縁がある英霊」もしくは「相性の良い英霊」を当てがっている。その結果主人公達が出会うマスターとサーヴァントはその関係性こそ様々だが、ほとんどが深い信頼関係を結べている(このため、ムーンセルを「名仲人」と賞賛するファンも多い)。<br>しかし月の聖杯戦争の仕組みは地上のものとは仕組み自体がいくらか違っているため、冬木の聖杯戦争との単純な比較は難しい。またマスターによる召喚ではなく、英霊が自らの意思でサーヴァント選定の場に参ずることが可能なことも分かっている(例:赤セイバー)。<br>こういった点から、月の聖杯戦争におけるマスターとサーヴァントの相性の良さは、聖杯戦争のシステムの違いによるところも大きいものと思われる。
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*「触媒が無い方がいいのでは?」という認識が広まった原因の一つには、『Fate/EXTRA』における月の聖杯戦争の影響もあるだろう。月の聖杯戦争ではサーヴァント召喚のために触媒を用意する必要はないらしく、予選を突破したマスター達にムーンセルが「何らかの縁がある英霊」もしくは「相性の良い英霊」を当てがっている。その結果主人公達が出会うマスターとサーヴァントはその関係性こそ様々だが、ほとんどが深い信頼関係を結べている(このため、ムーンセルを「名仲人」と賞賛するファンも多い)。しかし月の聖杯戦争の仕組みは地上のものとは仕組み自体がいくらか違っているため、冬木の聖杯戦争との単純な比較は難しい。またマスターによる召喚ではなく、英霊が自らの意思でサーヴァント選定の場に参ずることが可能なことも分かっている(例:赤セイバー)。こういった点から、月の聖杯戦争におけるマスターとサーヴァントの相性の良さは、聖杯戦争のシステムの違いによるところも大きいものと思われる。
**そもそも、[[エリザベート=バートリー|ムーンセルにおいても主を裏切り、殺害に及んだサーヴァント]]は皆無という訳ではない。更に言えば月の聖杯戦争はトーナメント制であるため、2回戦以降に出場するためには最低でも一回は勝ち抜く必要があり、致命的な相性問題を抱えたペアは最初にふるいにかけられただけとも考えられる。たまたま主人公や主人公の前に現れたペアの相性が良かっただけである可能性も否定出来ないのも事実である。<br>また、[[ロビンフッド|人格的には相性が良くとも、戦闘面の相性は良くない]]という実例もおり、一概に「触媒無しの方がよい」とはいえない。
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**そもそも、ムーンセルにおいても主を裏切り、殺害に及んだサーヴァントは皆無という訳ではない(例:[[エリザベート=バートリー]])。更に言えば月の聖杯戦争はトーナメント制であるため、2回戦以降に出場するためには最低でも一回は勝ち抜く必要があり、致命的な相性問題を抱えたペアは最初にふるいにかけられただけとも考えられる。たまたま主人公や主人公の前に現れたペアの相性が良かっただけである可能性も否定出来ない。また、人格的には相性が良くとも、戦闘面の相性は良くないというケース(例:[[ロビンフッド]])もおり、一概に「触媒無しの方がよい」とはいえない。
    
===真名について===
 
===真名について===
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**同作では[[ジークフリート]]も「真名の露呈が弱点を晒す」と言われていたが、結局露呈前に退場してしまった上、その力と姿を借りた[[ジーク]]も相手の矜持からか弱点を突かれる事はなかった。
 
**同作では[[ジークフリート]]も「真名の露呈が弱点を晒す」と言われていたが、結局露呈前に退場してしまった上、その力と姿を借りた[[ジーク]]も相手の矜持からか弱点を突かれる事はなかった。
 
**ケイローンは生前そのままの姿では簡単に真名が知られてしまうため、幾許かのステータス低下を代償に人間の姿を取って現界している。作中ではアキレウスという生前の知り合いがいたおかげでお互いの真名が看破される結果となったが、外見で真名を看破されやすい英霊に対する救済措置はあるようだ。
 
**ケイローンは生前そのままの姿では簡単に真名が知られてしまうため、幾許かのステータス低下を代償に人間の姿を取って現界している。作中ではアキレウスという生前の知り合いがいたおかげでお互いの真名が看破される結果となったが、外見で真名を看破されやすい英霊に対する救済措置はあるようだ。
*『Grand Order』では、生前に毒で死んだ逸話を持つ[[トリスタン]]を攻略するために毒を中心に用いる戦法を立てる、というストーリーがある。<br>ギフト「反転」によって逆に「毒だけは絶対に効かない」事になっていたため失敗に終わったが、真名から弱点を予測して狙うという重要性を裏付けたものと言える。
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*『Grand Order』では、生前に毒で死んだ逸話を持つ[[トリスタン]]を攻略するために毒を中心に用いる戦法を立てる、というストーリーがある。ギフト「反転」によって逆に「毒だけは絶対に効かない」事になっていたため失敗に終わったが、真名から弱点を予測して狙うという重要性を裏付けたものと言える。
 
**その耐性も、サーヴァントでも粘膜接触を2度もすれば死ぬ、幻想種すら殺し得る[[静謐のハサン]]の毒を受けても全く効果が無かったほどで、逆説的に「生前の逸話からくる弱点」が英霊にとってどれほど重いものかが分かる。
 
**その耐性も、サーヴァントでも粘膜接触を2度もすれば死ぬ、幻想種すら殺し得る[[静謐のハサン]]の毒を受けても全く効果が無かったほどで、逆説的に「生前の逸話からくる弱点」が英霊にとってどれほど重いものかが分かる。
**他にも、イベントでのギャグ混じりの時空ではあるが、[[女王メイヴ|チーズの直撃を受けて死んだ英霊]]を攻略するためにチーズで攻撃するイベントが存在する。<br>こちらはこちらで'''飛んでくるチーズ限定の反射神経を特訓で身につける'''という斜め上の方法で克服されていたため失敗に終わっているが、やはりそんなことをしてまで対策するほどの弱点だという事だろう。
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**他にも、イベントでのギャグ混じりの時空ではあるが、[[女王メイヴ|チーズの直撃を受けて死んだ英霊]]を攻略するためにチーズで攻撃するイベントが存在する。こちらはこちらで'''飛んでくるチーズ限定の反射神経を特訓で身につける'''という斜め上の方法で克服されていたため失敗に終わっているが、やはりそんなことをしてまで対策するほどの弱点だという事だろう。
 
*冬木の聖杯戦争では「暗殺者」のクラスの真名自体は開戦当初で確定しているといってよい(ルール違反の[[佐々木小次郎|例外]]はある)。だが、その真名から能力を判別する事が不可能に近いので、ある意味では最も深く秘匿された英霊とも言える。
 
*冬木の聖杯戦争では「暗殺者」のクラスの真名自体は開戦当初で確定しているといってよい(ルール違反の[[佐々木小次郎|例外]]はある)。だが、その真名から能力を判別する事が不可能に近いので、ある意味では最も深く秘匿された英霊とも言える。
 
**『Apocrypha』では世界各地で小規模な聖杯戦争が多発しているため、19人の[[ハサン・サッバーハ]]全員の宝具を含めた能力が魔術師に知れ渡ってしまい、マスターのハサン対策は当たり前になっている。
 
**『Apocrypha』では世界各地で小規模な聖杯戦争が多発しているため、19人の[[ハサン・サッバーハ]]全員の宝具を含めた能力が魔術師に知れ渡ってしまい、マスターのハサン対策は当たり前になっている。
   
*真名は必ずしもその英霊の生前の本名と一致しているとは限らない。
 
*真名は必ずしもその英霊の生前の本名と一致しているとは限らない。
 
**[[ハサン・サッバーハ]]の例にあるように代々その名前を継承している場合や、[[ロビンフッド]]のように複数人の伝承が一人の英霊の真名として集約されたなどの理由で、複数人が一つの真名を共有していることがある。
 
**[[ハサン・サッバーハ]]の例にあるように代々その名前を継承している場合や、[[ロビンフッド]]のように複数人の伝承が一人の英霊の真名として集約されたなどの理由で、複数人が一つの真名を共有していることがある。
 
**[[ファントム・オブ・ジ・オペラ|異名]]・[[マタ・ハリ|芸名]]・[[シュヴァリエ・デオン|称号]]など本名ではない呼び名が定着して真名にされていたり、架空の英霊の技術を再現できるが故に召喚された[[佐々木小次郎]]、生前の名前が失われた[[無銘]]や[[アンリマユ]]、[[ジャック・ザ・リッパー]]など様々な例がある。
 
**[[ファントム・オブ・ジ・オペラ|異名]]・[[マタ・ハリ|芸名]]・[[シュヴァリエ・デオン|称号]]など本名ではない呼び名が定着して真名にされていたり、架空の英霊の技術を再現できるが故に召喚された[[佐々木小次郎]]、生前の名前が失われた[[無銘]]や[[アンリマユ]]、[[ジャック・ザ・リッパー]]など様々な例がある。
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===はぐれサーヴァント===
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召喚者のいないサーヴァント。
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冬木の聖杯戦争においては通常、「単独行動」のスキルがなければ魔力供給がなされずにすぐ消滅してしまう運命にあるが、運良く他のマスターと再契約するなどの手段があれば、復帰する可能性が残されている。<br>一般人などと契約することも可能だが、魔力供給手段がないので魂食いなど別途魔力を供給する手段を確立する必要がある。『Fate/stay night』作中では[[メディア]]が一時的にこの状態に陥っている。
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『Fate/Apocrypha』の[[ジャンヌ・ダルク]]や『Fate/EXTELLA』の[[アルトリア・ペンドラゴン]]などはマスター不在ではあるが、聖杯(ムーンセル)そのものが召喚者であるため、はぐれサーヴァントには該当しない。
      
===その他===
 
===その他===
*英霊の分類としては生前の偉業が称えられ英霊となった「英雄」、 そういった英雄たちに本来ならば打倒されるべき存在の「反英雄」、生前に英雄としての力の代償として死後の自分を星に売り渡した「守護者」が挙げられ、死後は時間の軸から外れた場所「英霊の座」に招かれている。召喚される英霊は一部の例外を除けばあくまで座からコピーされた分霊であり、英霊本人が直接召喚される訳ではない。そのため聖杯戦争中にサーヴァントの身に何が起きたとしても、座の英霊本体にまで影響が及ぶ事はない。
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*英霊は死後、時間の軸から外れた場所「英霊の座」に招かれている。召喚される英霊は一部の例外を除けばあくまで座からコピーされた分霊であり、英霊本人が直接召喚される訳ではない。そのため聖杯戦争中にサーヴァントの身に何が起きたとしても、座の英霊本体にまで影響が及ぶ事はない。
**一方で現世におけるサーヴァントの記憶は「消滅時に情報の記録として座に持ち帰る」という形で本体に反映されるため、受肉等の「現世で何かをする」類の願いがまったくの無意味という訳ではない。<br>複数回聖杯戦争に召喚された英霊は「他の時間軸の聖杯戦争の記憶」も記録として保持しているが、座には時間の概念が無い為全ての記憶を持ち込んでしまうと『今参加している聖杯戦争の結果を知っている』という矛盾が生まれる為に、通常は座が召喚される場に合わせて記憶をアジャストする。
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**一方で現世におけるサーヴァントの記憶は「消滅時に情報の記録として座に持ち帰る」という形で本体に反映されるため、受肉等の「現世で何かをする」類の願いがまったくの無意味という訳ではない。複数回聖杯戦争に召喚された英霊は「他の時間軸の聖杯戦争の記憶」も記録として保持しているが、座には時間の概念が無い為全ての記憶を持ち込んでしまうと『今参加している聖杯戦争の結果を知っている』という矛盾が生まれる為に、通常は座が召喚される場に合わせて記憶をアジャストする。
 
**『Grand Order』では人理焼却によって「人理があやふやな状態」に陥ったことでこの特性が適用されていない。例えば[[マリー・アントワネット]]は一度遭遇した後に消滅し、再び別の現界時に会っても記録でしか過去に遭遇したということを知らないため、実感が無いという状態になっている。一方[[エリザベート=バートリー]]のように過去の召喚で出会った相手に対し普通に面識がある体で接してくるサーヴァントもいる。[[ロビンフッド]]に至っては特異点で唐突に[[Fate/EXTRA CCC|並行世界]]の記憶を思い出している。これらの差が単に「情報の記録」に対するスタンスの違いから来るのか、はたまた記録の残り方からして違っているのかは不明。
 
**『Grand Order』では人理焼却によって「人理があやふやな状態」に陥ったことでこの特性が適用されていない。例えば[[マリー・アントワネット]]は一度遭遇した後に消滅し、再び別の現界時に会っても記録でしか過去に遭遇したということを知らないため、実感が無いという状態になっている。一方[[エリザベート=バートリー]]のように過去の召喚で出会った相手に対し普通に面識がある体で接してくるサーヴァントもいる。[[ロビンフッド]]に至っては特異点で唐突に[[Fate/EXTRA CCC|並行世界]]の記憶を思い出している。これらの差が単に「情報の記録」に対するスタンスの違いから来るのか、はたまた記録の残り方からして違っているのかは不明。
 
**精神年齢は肉体に引き摺られやすい。若い頃の肉体であれば若い頃に引き戻り、老いた頃の記憶はどこか他人事のように感じることも多い。[[アレキサンダー]]や[[メディア〔リリィ〕]]のように全盛期ではなく、少年少女時代の側面として召喚されている場合では、大人になった自分の記録があるが記憶でないために実感は薄くなっている。
 
**精神年齢は肉体に引き摺られやすい。若い頃の肉体であれば若い頃に引き戻り、老いた頃の記憶はどこか他人事のように感じることも多い。[[アレキサンダー]]や[[メディア〔リリィ〕]]のように全盛期ではなく、少年少女時代の側面として召喚されている場合では、大人になった自分の記録があるが記憶でないために実感は薄くなっている。
 
**人類史の中で功績を刻もうと、なんらかの事情で死ぬ間際、あるいは死ねなかった事で世界が終わる時まで生き続けなければならない者達は英霊の座に招かれない。この場合例え英霊クラスの実力を持っていても厳密には英霊ではない為、本来は召喚されることは不可能。  
 
**人類史の中で功績を刻もうと、なんらかの事情で死ぬ間際、あるいは死ねなかった事で世界が終わる時まで生き続けなければならない者達は英霊の座に招かれない。この場合例え英霊クラスの実力を持っていても厳密には英霊ではない為、本来は召喚されることは不可能。  
**第七特異点では生前の[[ギルガメッシュ]]が魔術による英霊召喚に成功したが、これは紀元前2655年のウルクが神代の終わりである為、英霊召喚の難易度は低い。反対に神秘の薄い二十一世紀だと、ギルガメッシュやマーリンとて魔術による召喚は困難となっている。
   
**英霊の座は時間軸から独立しているのと同様、[[並行世界]]を跨いでも同一である。そのため例えば「[[衛宮士郎]]が[[エミヤ]]になる前に死ぬ世界、あるいはエミヤにならない世界」であっても英霊エミヤが召喚されることがありうる。
 
**英霊の座は時間軸から独立しているのと同様、[[並行世界]]を跨いでも同一である。そのため例えば「[[衛宮士郎]]が[[エミヤ]]になる前に死ぬ世界、あるいはエミヤにならない世界」であっても英霊エミヤが召喚されることがありうる。
 
***また、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』で[[ダリウス・エインズワース]]が本来彼の歴史の何処を探しても存在せず知りようがない「パンドラの箱」の逸話を知っているのも、[[クラスカード]]を介して英霊パンドラを置換した結果「パンドラの並行世界における逸話・能力」を知ったからと思われる。
 
***また、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』で[[ダリウス・エインズワース]]が本来彼の歴史の何処を探しても存在せず知りようがない「パンドラの箱」の逸話を知っているのも、[[クラスカード]]を介して英霊パンドラを置換した結果「パンドラの並行世界における逸話・能力」を知ったからと思われる。
 
**芸術家のサーヴァントは感性こそが才能であり、彼らの言う全盛期とはその感性が一番強い時である天才だった頃が召喚対象になる。
 
**芸術家のサーヴァントは感性こそが才能であり、彼らの言う全盛期とはその感性が一番強い時である天才だった頃が召喚対象になる。
 
***召喚時において子供の姿で現れるか、大人の姿で現れるかの二つに分かれおり、子供の姿は『成長したら節度のある正しい大人になった芸術家』、大人の姿は『大人になっても成長しない、死ぬまでクズだった変人』となっている。
 
***召喚時において子供の姿で現れるか、大人の姿で現れるかの二つに分かれおり、子供の姿は『成長したら節度のある正しい大人になった芸術家』、大人の姿は『大人になっても成長しない、死ぬまでクズだった変人』となっている。
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*第七特異点では生前の[[ギルガメッシュ]]が魔術による英霊召喚に成功したが、これは紀元前2655年のウルクが神代の終わりである為、英霊召喚の難易度は低い。反対に神秘の薄い二十一世紀だと、ギルガメッシュやマーリンとて魔術による召喚は困難となっている。
 
*本来、地上の聖杯戦争ではサーヴァントはその場限りのものであり、彼らに未来は存在しない。
 
*本来、地上の聖杯戦争ではサーヴァントはその場限りのものであり、彼らに未来は存在しない。
 
**しかし限定条件として、例を挙げると霊子的な電脳生命として再現された場合や、聖杯戦争後もマスターと関係を保った場合、あるいは生命として受肉した場合、それらのサーヴァントは生前の軛から解き放たれ、“今を生きる”その時代の人間になる。
 
**しかし限定条件として、例を挙げると霊子的な電脳生命として再現された場合や、聖杯戦争後もマスターと関係を保った場合、あるいは生命として受肉した場合、それらのサーヴァントは生前の軛から解き放たれ、“今を生きる”その時代の人間になる。
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*パラメータが戦闘力の物差しとして考えられがちだが、基本的にパラメータはそのサーヴァントの本調子の状態に過ぎず、契約したマスターに応じてパラメータには補正がかかる。絶対不動の存在である宝具の威力でさえ、持ち主の魔力供給の程度で切れ味が変動するなど、マスターがコンスタントに魔力供給を行えるか否かが戦闘の情勢に大きく影響を及ぼす。
 
*パラメータが戦闘力の物差しとして考えられがちだが、基本的にパラメータはそのサーヴァントの本調子の状態に過ぎず、契約したマスターに応じてパラメータには補正がかかる。絶対不動の存在である宝具の威力でさえ、持ち主の魔力供給の程度で切れ味が変動するなど、マスターがコンスタントに魔力供給を行えるか否かが戦闘の情勢に大きく影響を及ぼす。
 
**現に、マスターを失った[[エミヤ]]は魔力を消費する行動を多々行ったとはいえ、単独行動のクラススキルを持つにもかかわらず、半日で本来の1割程度の力しか発揮できなくなった。
 
**現に、マスターを失った[[エミヤ]]は魔力を消費する行動を多々行ったとはいえ、単独行動のクラススキルを持つにもかかわらず、半日で本来の1割程度の力しか発揮できなくなった。
**パラメータ(能力値)の設定方法には、奈須きのこ曰く明確なルールがあるそうで、A~Eの5種類を筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運の5つにアルファベットが被らないように割り振るとのこと。中にはパラメータが被っているサーヴァントもいるが、それは特例として、Aがない代わりにBが2つとか、Aが2つあるけどCも3つとかも、バランスが崩れない限りアリ、ということだそうだ。また宝具はこの制約を受けず自由に設定していいことになっている。これは奈須きのこが昔遊んでいた、自作のTRPGシステムの名残りだそうだ。ただ、Fateシリーズの場合はこうした能力値とは別のところで、Fateの世界観における総合的なサーヴァントの強さを奈須きのこがランク付けしているため、能力値だけで強さが決まるわけではないとのこと<ref group = "出" name = "「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは" />。
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*パラメータ(能力値)の設定方法には、奈須きのこ曰く明確なルールがあるそうで、A~Eの5種類を筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運の5つにアルファベットが被らないように割り振るとのこと。中にはパラメータが被っているサーヴァントもいるが、それは特例として、Aがない代わりにBが2つとか、Aが2つあるけどCも3つとかも、バランスが崩れない限りアリ、ということだそうだ。また宝具はこの制約を受けず自由に設定していいことになっている。これは奈須きのこが昔遊んでいた、自作のTRPGシステムの名残りだそうだ。ただ、Fateシリーズの場合はこうした能力値とは別のところで、Fateの世界観における総合的なサーヴァントの強さを奈須きのこがランク付けしているため、能力値だけで強さが決まるわけではないとのこと<ref group = "出" name = "「Fate/Grand Order」がもたらす新しいスマホゲームの形――奈須きのこ×塩川洋介が語るFGOの軌跡と未来とは" />。
 
*ストーリー制作の上でマスターとサーヴァントの関係に焦点が当てられ、物語の中心的な役割を担うことが多い。
 
*ストーリー制作の上でマスターとサーヴァントの関係に焦点が当てられ、物語の中心的な役割を担うことが多い。
 
**魔術師達にはサーヴァントを「[[セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア|所詮は過去の英雄の複製或いは傀儡]]」など[[ケイネス・エルメロイ・アーチボルト|魔術礼装の一種程度にしか見なしていない人物]]が多い。サーヴァントをただの使い魔と考えるマスターではサーヴァントとソリが合わず、トラブルが起きてしまう。我慢する者もいれば、一線を超えて手にかける者もいる。[[ヴラド三世 (Apocrypha)|生前が]][[ギルガメッシュ|高名な王]]だった為に[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|敬意を持って接する]][[遠坂時臣|魔術師]]もいるが、彼らも所詮はサーヴァントという認識の域を出ていない。他にも[[ジークフリート|高名な英霊]]であるが故に[[ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア|真名の露見を恐れて相互理解を怠り、失敗するケース]]もある。
 
**魔術師達にはサーヴァントを「[[セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア|所詮は過去の英雄の複製或いは傀儡]]」など[[ケイネス・エルメロイ・アーチボルト|魔術礼装の一種程度にしか見なしていない人物]]が多い。サーヴァントをただの使い魔と考えるマスターではサーヴァントとソリが合わず、トラブルが起きてしまう。我慢する者もいれば、一線を超えて手にかける者もいる。[[ヴラド三世 (Apocrypha)|生前が]][[ギルガメッシュ|高名な王]]だった為に[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|敬意を持って接する]][[遠坂時臣|魔術師]]もいるが、彼らも所詮はサーヴァントという認識の域を出ていない。他にも[[ジークフリート|高名な英霊]]であるが故に[[ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア|真名の露見を恐れて相互理解を怠り、失敗するケース]]もある。
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