差分

669 バイト追加 、 2024年3月3日 (日)
編集の要約なし
14行目: 14行目:  
| 地域 = アッシリア
 
| 地域 = アッシリア
 
| 属性 = 秩序・悪
 
| 属性 = 秩序・悪
| 隠し属性 = 地
+
| 副属性 = 地
 
| 一人称 = 我
 
| 一人称 = 我
 
| 二人称 = 汝/貴様
 
| 二人称 = 汝/貴様
61行目: 61行目:  
;能力
 
;能力
 
:毒物と奸計の使い手であり、文字通りの「毒婦」。
 
:毒物と奸計の使い手であり、文字通りの「毒婦」。
:極めて希少な[[スキル (サーヴァント)|スキル]]『[[スキル一覧 (な-)#二重召喚|二重召喚(ダブルサモン)]]』によって、「[[アサシン|暗殺者]]」としての能力と「[[キャスター|魔術師]]」としての能力を併せ持ち、魔術師ではない[[ウィリアム・シェイクスピア|赤のキャスター]]の欠点を補っている。
+
:極めて希少な[[スキル (サーヴァント)|スキル]]『[[スキル一覧 (な-)#二重召喚|二重召喚(ダブルサモン)]]』によって、「[[アサシン|暗殺者]]」としての能力と「[[キャスター|魔術師]]」としての能力を併せ持ち、魔術師ではない[[ウィリアム・シェイクスピア|赤のキャスター]]の欠点を補っている。
 
:鳩を[[使い魔]]として使役し、ルーマニア全土を監視している[[アヴィケブロン|黒のキャスター]]と同等の索敵網を構築し、他のサーヴァントとの連絡にも鳩が使われている。通常の使い魔と異なり、思念を送るだけで使役可能。「[[スキル一覧 (た-と)#道具作成|道具作成]]」は毒薬生成に特化している。しかしその応用範囲は広く、薬として使用することも可能。最終戦に敗れ重症を負った[[天草四郎時貞|シロウ]]が苦しまないように痛覚を麻痺させている<ref group = "注">[[モードレッド|赤のセイバー]]との闘い後、自身も霊核を破壊されるほどの致命傷を負いながらもシロウのサポートを続けていたので、自身にも処置していた可能性もある。</ref>。
 
:鳩を[[使い魔]]として使役し、ルーマニア全土を監視している[[アヴィケブロン|黒のキャスター]]と同等の索敵網を構築し、他のサーヴァントとの連絡にも鳩が使われている。通常の使い魔と異なり、思念を送るだけで使役可能。「[[スキル一覧 (た-と)#道具作成|道具作成]]」は毒薬生成に特化している。しかしその応用範囲は広く、薬として使用することも可能。最終戦に敗れ重症を負った[[天草四郎時貞|シロウ]]が苦しまないように痛覚を麻痺させている<ref group = "注">[[モードレッド|赤のセイバー]]との闘い後、自身も霊核を破壊されるほどの致命傷を負いながらもシロウのサポートを続けていたので、自身にも処置していた可能性もある。</ref>。
 
:『[[キャスター]]』としては「神代の魔術師」に匹敵する力を持つ<ref group = "注">アニメ版9話でジャンヌが発言。</ref>。戦闘方法も完全にキャスターとしてのスキルに依るもので、直接攻撃は魔術による雷撃・爆撃・鎖など。
 
:『[[キャスター]]』としては「神代の魔術師」に匹敵する力を持つ<ref group = "注">アニメ版9話でジャンヌが発言。</ref>。戦闘方法も完全にキャスターとしてのスキルに依るもので、直接攻撃は魔術による雷撃・爆撃・鎖など。
92行目: 92行目:  
:また、三日三晩の長時間の儀式を行う必要がある。これは虚栄に真実という楔を打ち込むために必要な儀式であり、セミラミスの詠唱が七十二時間分必要。これによって庭園としての機能を発動できるが、庭園を拡大すればするほど、あちこちに楔を打ち込む必要が出てくる。
 
:また、三日三晩の長時間の儀式を行う必要がある。これは虚栄に真実という楔を打ち込むために必要な儀式であり、セミラミスの詠唱が七十二時間分必要。これによって庭園としての機能を発動できるが、庭園を拡大すればするほど、あちこちに楔を打ち込む必要が出てくる。
 
:真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている『逆しまである』という概念を利用し大聖杯を格納するための機能がシロウの要望によって組み込まれており、宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。
 
:真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている『逆しまである』という概念を利用し大聖杯を格納するための機能がシロウの要望によって組み込まれており、宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。
:庭園は全てセミラミスの領域であり組み替えるは自由だが、『今は無い』ものを新たに作り出すには資源が必要。実際に土と石で作られているが、それでいて宝具であるという、現実と虚構の両方に強く根ざしている性質により、[[人理継続保障機関フィニス・カルデア|カルデア]]の探査は難度が高かった。
+
:また、空間拡張の魔術によって内部を広げることもでき、対軍級以上の宝具の撃ち合いでも外には全く影響が出なかった。
 +
:庭園は全てセミラミスの領域であり組み替えるのは自由だが、『今は無い』ものを新たに作り出すには資源が必要。実際に土と石で作られているが、それでいて宝具であるという、現実と虚構の両方に強く根ざしている性質により、[[人理継続保障機関フィニス・カルデア|カルデア]]の探査は難度が高かった。
 
:巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われる。ステータス全てが強化され、最高クラスの知名度補正を獲得、さらに[[魔法]]の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。
 
:巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われる。ステータス全てが強化され、最高クラスの知名度補正を獲得、さらに[[魔法]]の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。
 
:庭園周囲には十一基の迎撃術式『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』が設置されている。庭園を囲むように配置された全長20mを超える巨大な漆黒のプレートで、対軍級の光弾による魔術攻撃を行う。その威力は十一基全て合わせればバルムンクと拮抗すると推測されるほど。
 
:庭園周囲には十一基の迎撃術式『十と一の黒棺(ティアムトゥム・ウームー)』が設置されている。庭園を囲むように配置された全長20mを超える巨大な漆黒のプレートで、対軍級の光弾による魔術攻撃を行う。その威力は十一基全て合わせればバルムンクと拮抗すると推測されるほど。
98行目: 99行目:  
:黒の陣営がこの空中庭園を侵入するために空港をあらかじめ貸し切った上で小型機に乗り込み、[[ジーク]]と[[アストルフォ]]が宝具『この世ならざる幻馬』で防御機構を破壊し、その隙を突いて[[獅子劫界離]]と[[モードレッド]]の小型戦闘機が突入するという点でようやく侵入が成った。
 
:黒の陣営がこの空中庭園を侵入するために空港をあらかじめ貸し切った上で小型機に乗り込み、[[ジーク]]と[[アストルフォ]]が宝具『この世ならざる幻馬』で防御機構を破壊し、その隙を突いて[[獅子劫界離]]と[[モードレッド]]の小型戦闘機が突入するという点でようやく侵入が成った。
 
:強力な宝具ではあるが、発動するためには小国が買える金額の材料費と七十二時間の詠唱、そしてその間に庭園を隠すための潜伏場所が必要となるため通常の聖杯戦争で使用できることはまずない。
 
:強力な宝具ではあるが、発動するためには小国が買える金額の材料費と七十二時間の詠唱、そしてその間に庭園を隠すための潜伏場所が必要となるため通常の聖杯戦争で使用できることはまずない。
:『Grand Order』での期間限定イベント『繁栄のチョコレートガーデンズ・オブ・バレンタイン』では舞台として空中要塞の形で登場し、チョコレートの製造設備がいくつも作られた。高空に浮かんでいるはずだが、管理権がチョコラミスに移っていたからか、イベント時空のご都合か、はたまた「愛、怖いなぁ!」なのか、[[清姫]]が「愛」の力で難なく侵入していた。
+
:『Grand Order』での期間限定イベント『繁栄のチョコレートガーデンズ・オブ・バレンタイン』では舞台として空中要塞の形で登場し、チョコレートの製造設備がいくつも作られた。高空に浮かんでいるはずだが、管理権がチョコラミスに移っていたからか、イベント時空のご都合か、はたまた「[[茨木童子|愛、怖いなぁ!]]」なのか、[[清姫]]が「愛」の力で難なく侵入していた。
:『Grand Order』でゲーム的には、流石にシステム的に無理があるからか事前の建設などは必要なく、他のサーヴァントと同じくNPが100%以上溜まればその場で発動できる普通の宝具で、「自身の宝具威力をアップ<ref group = "注" name="1ターン">1ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP">オーバーチャージで効果UP</ref>&敵全体に強力な攻撃&味方全体の防御力をアップ<ref group = "注" name="3ターン" />」という効果のBuster宝具。
+
:『Grand Order』では「自身の宝具威力をアップ(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>+敵全体に強力な攻撃[Lv]+味方全体の防御力をアップ(3ターン)」という効果のBuster宝具。
 +
:強化クエストクリアでランクはそのままに強化され、宝具威力倍率の上昇に加え「味方全体の強化解除耐性をアップ(1ターン)」という効果が追加される。
 +
:また、ゲームの仕様上再現できない(というより、再現すると'''あまりにも面倒なことになりかねない''')ためか発動条件は無くなっており、他のサーヴァントの宝具と同様NPが100%溜まれば発動できる。
 
;驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)
 
;驕慢王の美酒(シクラ・ウシュム)
 
:ランク:B+<br>種別:対軍宝具<br>レンジ:1~20<br>最大捕捉:10人
 
:ランク:B+<br>種別:対軍宝具<br>レンジ:1~20<br>最大捕捉:10人
126行目: 129行目:  
;バビロンの空中庭園
 
;バビロンの空中庭園
 
:世界七不思議の一つ。紀元前600年ごろにバビロニアで実際に建設されたと思われる巨大庭園。名称から空に浮かぶ庭園のように思われるが、実際は高台に造られた屋上庭園である。
 
:世界七不思議の一つ。紀元前600年ごろにバビロニアで実際に建設されたと思われる巨大庭園。名称から空に浮かぶ庭園のように思われるが、実際は高台に造られた屋上庭園である。
:実際に敢行したのは、ネブカドネザル二世であると史実には記録されている。
+
:実際に敢行したのは、[[ネブカドネザルⅡ世]]であると史実には記録されている。
 
:実在していたという記録はあるのだがどこに建設されたのかもわからず、バビロンの遺跡から見つかった資料にも庭園の存在をほのめかすものはなかった為、本当に実在していたかは不明である。
 
:実在していたという記録はあるのだがどこに建設されたのかもわからず、バビロンの遺跡から見つかった資料にも庭園の存在をほのめかすものはなかった為、本当に実在していたかは不明である。
:なお、[[ジャンヌ・ダルク|ルーラー]]によれば、ネブカドネザル二世はセミラミスの使うような紛い物ではない、「本物の空中庭園」を宝具として所有するらしい。
+
:なお、[[ジャンヌ・ダルク|ルーラー]]によれば、ネブカドネザルⅡ世はセミラミスの使うような紛い物ではない、「本物の空中庭園」を宝具として所有するらしい。
    
;王を毒殺した動機
 
;王を毒殺した動機
162行目: 165行目:  
:一応、同志。彼もシロウに協力しているが、「物語」を求めて、自陣の不利になるような行動を平気でするため、その存在に頭を痛めている。
 
:一応、同志。彼もシロウに協力しているが、「物語」を求めて、自陣の不利になるような行動を平気でするため、その存在に頭を痛めている。
 
:アニメ版では彼女の恋心を指摘するのが赤のランサーではなく彼になっているので苛立ちも倍加しており、指摘の返答が「死ね」となるほどであった<ref group="注">漫画版ではキレ具合も上乗せされており、バシュムまで呼び出して本気の殺意を向けていた。</ref>。
 
:アニメ版では彼女の恋心を指摘するのが赤のランサーではなく彼になっているので苛立ちも倍加しており、指摘の返答が「死ね」となるほどであった<ref group="注">漫画版ではキレ具合も上乗せされており、バシュムまで呼び出して本気の殺意を向けていた。</ref>。
 +
:が、シロウに最も近いサーヴァント2騎と言う事もあり、なんだかんだ会話シーンは多い。
    
;[[アタランテ|赤のアーチャー]]
 
;[[アタランテ|赤のアーチャー]]
210行目: 214行目:  
:期間限定イベント『アキハバラ・エクスプロージョン!』で共演。
 
:期間限定イベント『アキハバラ・エクスプロージョン!』で共演。
 
:メイド喫茶が混んでいて相席になったため、彼女にいろいろと弄られる羽目に。
 
:メイド喫茶が混んでいて相席になったため、彼女にいろいろと弄られる羽目に。
 +
;[[クリームヒルト]]、[[メディア]]
 +
:[[イアソン]]の幕間の物語で、アルゴ―号の新しい船長に立候補した残り2人。
 +
:当然ながら張り詰めた空気となり、イアソンの「誰が船長になるかはそっちで勝手に決めてくれ」の一言で互いに足を引っ張りながらの対決となった。
    
===生前===
 
===生前===
258行目: 265行目:  
**五巻発売以降は、モードレッドの悪態から「'''カメムシ'''」呼ばわりされるように。何かと虫扱いされることが多い人である。ちなみにセミはカメムシ科の昆虫である。
 
**五巻発売以降は、モードレッドの悪態から「'''カメムシ'''」呼ばわりされるように。何かと虫扱いされることが多い人である。ちなみにセミはカメムシ科の昆虫である。
 
**後に『ちびちゅき!』でもモードレッドからセミ呼ばわりされた挙げ句、「カメムシだったっけ?」と煽られるハメに成った。
 
**後に『ちびちゅき!』でもモードレッドからセミ呼ばわりされた挙げ句、「カメムシだったっけ?」と煽られるハメに成った。
*奈須氏一押しのキャラクター。ただ「運命はもう決まったようなものだな(笑)」「………[[ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ|ソラウ]]臭がする」と、額面通り受け取るには余りに危険なコメントがされている。<br>が、作中における描写ではソラウに似た印象は受け難く、むしろマスターに対する忠節は[[メディア]]に近い……どっちにしろ危険ではあるが。
+
*奈須氏一押しのキャラクター。ただ「運命はもう決まったようなものだな(笑)」「一見高飛車だが攻められるとあれよあれよと転落していきそうな薄幸さがたまらない」「………[[ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ|ソラウ]]臭がする」と、額面通り受け取るには余りに危険なコメントがされていた。
**結局危惧していたようなことにはならず、そう悪くはない最期だった。一安心(?)である。
+
**だが、作中における描写ではソラウらしさは全くなく、むしろマスターに対する忠節は[[メディア]]に近かった。「攻められると転落していきそう」と言う点だけは当たっていたが、それも薄幸さと言うよりはむしろ恋愛面の弱さであった。
 +
***最終的にも、危惧していたようなことにはならず、そう悪くはない最期だった。一安心(?)である。
 
*東出氏によれば、シロウとの関係は「おしどり夫婦」。
 
*東出氏によれば、シロウとの関係は「おしどり夫婦」。
 
**シロウに対しては「狂っているゆえに共にいるのが楽しく、成功しても破滅しても面白い」と感じている。が、それと同時に、シロウの不興を買ってでも彼を守ると言う意志も見せており、その態度を見たライダーから「忠実なサーヴァント」と思われるほど。明らかにデレている。他のサーヴァントとの会話を見ても、まさに「悪女になりきれない悪女」である。
 
**シロウに対しては「狂っているゆえに共にいるのが楽しく、成功しても破滅しても面白い」と感じている。が、それと同時に、シロウの不興を買ってでも彼を守ると言う意志も見せており、その態度を見たライダーから「忠実なサーヴァント」と思われるほど。明らかにデレている。他のサーヴァントとの会話を見ても、まさに「悪女になりきれない悪女」である。
269行目: 277行目:  
*[[メディア|若奥様]]と同じくエルフ耳。彼女より長い。
 
*[[メディア|若奥様]]と同じくエルフ耳。彼女より長い。
 
*彼女は魚の女神デルケトーとシリア人の間にできた娘であるとされ、幼くして捨てられ、鳩によって育てられたという。死後は鳩となって飛び去ったという逸話もあり、彼女自身が鳩の化身だといわれる。これが彼女が鳩を使役できる所以と思われる。
 
*彼女は魚の女神デルケトーとシリア人の間にできた娘であるとされ、幼くして捨てられ、鳩によって育てられたという。死後は鳩となって飛び去ったという逸話もあり、彼女自身が鳩の化身だといわれる。これが彼女が鳩を使役できる所以と思われる。
*その魔術に特化した能力や、暗殺者には相応しくない目立ち過ぎな宝具から、「魔術も使えるアサシン」と言うよりは「気配遮断も使えるキャスター」という表現がしっくりくる。
+
*「極めて希少」と言われる二重召喚スキルだが、その触れ込みの通り『Grand Order』で大量のサーヴァントが追加されてなお未だに彼女のみのスキルである。二つのクラス特性をもつサーヴァント自体は後に何体が登場したが、それらも全て別の形を取っている。
**メタ的な理由としてはやはり、[[ウィリアム・シェイクスピア|赤のキャスター]]との兼ね合いによるものだろう。「キャスターらしからぬキャスター」の穴を埋める為、「キャスター以外のクラスでキャスターの役割を果たすサーヴァント」の存在が求められ、結果としてこのような設定になったのだと思われる。
+
**一応メインクラスはアサシンなのだが、その魔術に特化した能力や、暗殺者には相応しくない目立ち過ぎな宝具から、「キャスターの特性をもつアサシン」より「アサシンの特性をもつキャスター」と言う表現の方がしっくりくる。とはいえ、おそらく「驕慢王の美酒」がアサシンとしての宝具、「虚栄の空中庭園」がキャスターとしての宝具だと思われる。そして召喚時は前者しか持っておらず、後者しか所有していない。と言う事を考えれば、アサシンの方がメインクラスになっているのは間違っていない。
***『Grand Order』ではより直截的な表現として、彼女のコマンドカードはほとんどのキャスターと共通のArts3枚&スキルが宝具運用面に特化した構成という、アサシンとしては唯一のケースとなっている。一方でスキルでのBuster耐性ダウンは自身の宝具だけでなく、シロウを含む大半の赤陣営サーヴァントにも恩恵を与えるものだったりする。
+
***だが、『Apocrypha』作中の前半において、彼女は魔術による後方からの指揮支援に徹していた。中盤には空中庭園が登場した事で派手な大魔法を振るうようになり、もはやどこからどう見てもキャスターにしか見えない。最後の最後にようやくアサシンらしく毒を使って戦ったのだが、その頃にはすでに読者には「アサシンらしくない」と言う印象が刻みつけられており、今更その印象を書き換えることは不可能であった。
**特に、巨大な上に材料が現世由来の宝具は先述したように隠密性/Zero。しかもミレニア城塞はトゥリファス中心地にあり、目撃者は少なく見積もっても数万人は下らない。後に[[ユグドミレニア]]の認識操作を始めとした隠蔽工作でミレニア城塞での大規模な戦闘は「隕石の落下」ということで落ち着き、一応移動中は姿を隠している事が分かった。<br>だが[[ジル・ド・レェ|大海魔]]の件で分かるように、例え隠蔽工作が上手くいくとしても本来は衆目に神秘を晒すような事は絶対に行ってはならない振る舞いである。また彼女のマスターも本来「神秘の秘匿」を担うはずの監督役でありながら、その職務を放棄して大聖杯を得る為に手段を選ばなかった事がよく分かる。
+
***メタ的な理由としてはやはり、[[ウィリアム・シェイクスピア|赤のキャスター]]との兼ね合いによるものだろう。「キャスターらしからぬキャスター」の穴を埋める為、「キャスター以外のクラスでキャスターの役割を果たすサーヴァント」の存在が求められ、結果としてこのような設定になったのだと思われる。
***彼女の宝具に限らず、英霊はその時代のイメージに大きく左右され、生前は持っていなかった能力を後付で所有する事は少なくない。聖杯大戦においても[[ヴラド三世 (Apocrypha)|黒のランサー]]の鮮血の伝承は「後世の口伝」を具現化するものだし、[[ジャック・ザ・リッパー (Apocrypha)|黒のアサシン]]に至ってはその能力のほとんどが死後の伝承によって形成されている。他作品でも、複数の英霊のイメージが統合されている[[ロビンフッド]]などがこれにあたる。
+
**『Grand Order』ではより直截的な表現として、彼女のコマンドカードはほとんどのキャスターと共通のArts3枚&スキルが宝具運用面に特化した構成という、アサシンとしては唯一のケースとなっている。また、ゲームシステムとしての宝具も空中庭園の方が採用されており、彼女が本来召喚時に持っている驕慢王の美酒はスキルの方に追いやられてしまっている。なお余談だが、スキルでのBuster耐性ダウンは自身の宝具だけでなく、シロウを含む大半の赤陣営サーヴァントにも恩恵を与えるものだったりする。
*王ではあるが、「カリスマ」が足りないのか、赤の陣営で彼女を頼りにしているのはマスターであるシロウだけである。
+
*「メソポタミア系出身」「王側の半神半人」「宝具が~オブ・バビロン」「鎖を攻撃に使う」「人類最古の~」「神父(しかも名字はコトミネ)がマスター」と、何かと某英雄王とは共通点が多い。『Apocrypha』は『stay night』オマージュが良きにつけ悪しきにつけかなり多いため、意図的な物だろうか。まあ「イシュタルと同一視されることもある」と言う通り英雄王本人とは致命的に相性が悪そうだが…
**もっとも、モデルになったサンムラマートという女性は玉座には座らず、アッシリア王となった息子の摂政を務めていたので、王に比べて「カリスマ」が低いのは当然かもしれない。というかそもそも[[ジャンヌ・ダルク|ルーラー]]襲撃の指示など、やっている事がすでに「カリスマ」でどうにかなるレベルの不審さではない。
  −
*「メソポタミア系出身」「王側の半神半人」「宝具が~オブ・バビロン」「鎖を攻撃に使う」「人類最古の~」「神父(しかも名字はコトミネ)がマスター」と、何かと某英雄王とは共通点が多い。まあ「イシュタルと同一視されることもある」と言う通り英雄王本人とは致命的に相性が悪そうだが…
   
*初期プロットでは彼女が物語の黒幕になる予定だった。しかしオンライン企画の設定公開で既に周知の存在となっていた彼女をラスボスにするのはインパクトが弱いと判断され、新しくシロウ・コトミネが考案されることになる。もし初期のプロット通りになっていたら、彼女の内面やキャラクター性も今とは違ったものになっていたかもしれない。そのせいかは分からないが、原案イラストと小説版のイラストを比べると、彼女は一際顔つきが大きく変わっている。
 
*初期プロットでは彼女が物語の黒幕になる予定だった。しかしオンライン企画の設定公開で既に周知の存在となっていた彼女をラスボスにするのはインパクトが弱いと判断され、新しくシロウ・コトミネが考案されることになる。もし初期のプロット通りになっていたら、彼女の内面やキャラクター性も今とは違ったものになっていたかもしれない。そのせいかは分からないが、原案イラストと小説版のイラストを比べると、彼女は一際顔つきが大きく変わっている。
 
*いわゆる、女帝系アサシンの先駆けとなった人物。
 
*いわゆる、女帝系アサシンの先駆けとなった人物。
3,019

回編集