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| タイトル = アヴェンジャー
 
| タイトル = アヴェンジャー
 
| 真名 = 巌窟王 / エドモン・ダンテス
 
| 真名 = 巌窟王 / エドモン・ダンテス
| 依代 =
+
| 読み = がんくつおう / -
| 読み =  
+
| 外国語表記 = The Count of Monte Cristo / Edmond Dantès
| 外国語表記 = Edmond Dantès
+
| 本名 = エドモン・ダンテス
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
  −
| 声優 = 島﨑信長
  −
| 演者 =  
   
| 身長 = 185cm
 
| 身長 = 185cm
 
| 体重 = 75kg
 
| 体重 = 75kg
| 誕生日 =
  −
| 血液型 =
   
| 出典 = デュマ著『モンテ・クリスト伯』?
 
| 出典 = デュマ著『モンテ・クリスト伯』?
 
| 地域 = フランス
 
| 地域 = フランス
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| 隠し属性 = 人
 
| 隠し属性 = 人
 
| 性別 = 男性
 
| 性別 = 男性
| スリーサイズ =
   
| 一人称 = 俺・オレ<ref group = "注">意図的に使い分けている節がある。</ref>/私
 
| 一人称 = 俺・オレ<ref group = "注">意図的に使い分けている節がある。</ref>/私
 
| 二人称 = おまえ/貴様
 
| 二人称 = おまえ/貴様
 
| 三人称 = 奴/彼/彼女
 
| 三人称 = 奴/彼/彼女
| イメージカラー =
  −
| サーヴァント階位 =
  −
| 特技 =
  −
| 好きな物 =
  −
| 苦手な物 =
  −
| 天敵 =
   
| デザイン = 小松崎類
 
| デザイン = 小松崎類
 
| 設定作成 = 桜井光
 
| 設定作成 = 桜井光
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| 声優 = 島﨑信長
 
| レア度 = ☆5
 
| レア度 = ☆5
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| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
 
}}
 
}}
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
   
「[[アヴェンジャー|復讐者]]」の[[サーヴァント]]。
 
「[[アヴェンジャー|復讐者]]」の[[サーヴァント]]。
    
; 略歴
 
; 略歴
: 第四特異点の定礎復元の後、監獄塔に魂を幽閉された主人公を待ち受けていたサーヴァント。主人公に現在の状況と脱出の手立てを示す導き手であり、自らも主人公を仮のマスターとして戦いを促し、共に七つの「裁きの間」へ挑む。
+
:第四特異点の定礎復元の後、[[ゲーティア]]に召喚されたサーヴァント。オガワハイムを新たな特異点とする為に尖兵として喚ばれたが、ゲーティアの目的や理念が自身とは相容れないものと判断し独自に行動していた。
 +
:「不浄太極殿」と自身の影を両儀式に殺されたことで一度は消滅を迎える。
 +
:そして後に監獄塔に魂を幽閉された主人公の前に現れる。主人公に現在の状況と脱出の手立てを示す導き手であり、自らも主人公を仮のマスターとして戦いを促し、共に七つの「裁きの間」へ挑む。
 +
:始めは主人公を試したり嘲るような態度を取っていたが、監獄塔において前に進み続ける主人公の姿を気に入り目に見えて好意的になっていく。
 
: しかし、本来の「シャトー・ディフ」がそうであったように、この監獄塔も脱出できる者はただ一人。七つの裁きを打ち破った後、彼は最後の敵として主人公の前に立ちはだかる。
 
: しかし、本来の「シャトー・ディフ」がそうであったように、この監獄塔も脱出できる者はただ一人。七つの裁きを打ち破った後、彼は最後の敵として主人公の前に立ちはだかる。
 
: 主人公に敗れた彼は、しかしかつて彼を導いたファリア神父の如く、そして最後には復讐を成し遂げずに生涯を終えた己が知ることのなかったもの…罠に落ちた者を導き救う「勝利」へと至ったことを喜びながら、称賛と共に別れを告げた。
 
: 主人公に敗れた彼は、しかしかつて彼を導いたファリア神父の如く、そして最後には復讐を成し遂げずに生涯を終えた己が知ることのなかったもの…罠に落ちた者を導き救う「勝利」へと至ったことを喜びながら、称賛と共に別れを告げた。
: その後は終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、それまでの他の座に姿を見せなかったサーヴァント達の筆頭として、Ⅹの座を統括する[[魔神柱|廃棄孔アンドロマリウス]]に強襲を仕掛ける。
+
:その折、彼の英霊としての特異性により、主人公の精神の底であり悪性情報が蓄積している廃棄孔へと彼の残滓が流れ込む。以降、主人公の精神に蓄積している悪性情報(彼曰く「恩讐」)を焼却し続けている。
 +
: その後は終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、それまでの他の座に姿を見せなかったサーヴァント達の筆頭として、Ⅹの座を統括する[[アンドロマリウス|廃棄孔アンドロマリウス]]に強襲を仕掛ける。
 
:亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』では最後の最後で主人公の元へ馳せ参じて助力し、主人公の戦いが続く限り力を貸すことを告げた。
 
:亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』では最後の最後で主人公の元へ馳せ参じて助力し、主人公の戦いが続く限り力を貸すことを告げた。
:亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』では主人公の身に起こった異変が監獄塔の時の症状に類似しているとホームズに促され、[[風魔小太郎]]と同じくカルデアから召喚されたサーヴァントとして下総国に赴き、宣教師を装い主人公達のサポートに回る。
+
:亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』では主人公の現状を鑑みて救援の手がまだ必要と判断したホームズに促され、正規ルートで向かった[[風魔小太郎]]とは別口で下総国に侵入し、現地民の宣教師を装って主人公達のサポートに回った。
 +
:Lostbelt No.2『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』にて「廃棄孔の彼」が意識が精神の奥底へと墜ちてしまった主人公を[[シトナイ|ある少女]]のもとまで導いた。
 
; 人物
 
; 人物
 
: ポークパイハットを被った色白の肌をした青年。
 
: ポークパイハットを被った色白の肌をした青年。
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: ランク:A<br>種別:対人 / 対軍宝具<br>レンジ:1~20<br>最大捕捉:1~100人
 
: ランク:A<br>種別:対人 / 対軍宝具<br>レンジ:1~20<br>最大捕捉:1~100人
 
: 地獄の如きシャトー・ディフで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。肉体はおろか、時間、空間という無形の牢獄さえをも巌窟王は脱する。
 
: 地獄の如きシャトー・ディフで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。肉体はおろか、時間、空間という無形の牢獄さえをも巌窟王は脱する。
: 超高速思考を行い、それを無理矢理に「肉体」に反映することで、主観的には「時間停止」を行使しているにも等しい超高速行動を実現するのである。
+
: 超高速思考を行い、それを無理矢理に「肉体」に反映することで、主観的には「時間停止」を行使しているにも等しい超高速行動を実現する。
 +
: また『終局特異点』や『亜種特異点』『亜種平行世界』といった特殊な場所に、時空の隔たりを越えて出現できているのもこの宝具の力と思われる。
 
: 『Fate/Grand Order』に於いては、魔力によって形成された黒い怨念の炎が複数の分身から放たれて、対象にダメージを与える。
 
: 『Fate/Grand Order』に於いては、魔力によって形成された黒い怨念の炎が複数の分身から放たれて、対象にダメージを与える。
 
:『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン<ref group = "注" name="3ターン">3ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP">オーバーチャージで効果UP</ref>&敵全体に呪い状態を付与<ref group = "注" name="5ターン">5ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP" />」という効果のQuick宝具。
 
:『Grand Order』では「敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン<ref group = "注" name="3ターン">3ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP">オーバーチャージで効果UP</ref>&敵全体に呪い状態を付与<ref group = "注" name="5ターン">5ターン</ref><ref group = "注" name="オーバーチャージで効果UP" />」という効果のQuick宝具。
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:その苛烈な生き様と正体を隠した復讐劇、踏みにじられ奪われた恋人メルセデスへの想いと愛執、そして苦悩と後悔から改心へと至る道程は、フランスのみならず世界中の人々に喝采され「世界で最も高名な復讐者」として人々の記憶に刻まれた。
 
:その苛烈な生き様と正体を隠した復讐劇、踏みにじられ奪われた恋人メルセデスへの想いと愛執、そして苦悩と後悔から改心へと至る道程は、フランスのみならず世界中の人々に喝采され「世界で最も高名な復讐者」として人々の記憶に刻まれた。
   −
:巌窟王の物語は[[アレクサンドル・デュマ]]による創作とされるが、イフの塔に収監されたエドモンを導く「ファリア神父」の実在が現実では確認されている。
+
:巌窟王の物語は[[アレクサンドル・デュマ・ペール|アレクサンドル・デュマ]]による創作とされるが、イフの塔に収監されたエドモンを導く「ファリア神父」の実在が現実では確認されている。
    
:「エドモン・ダンテス」を真名として持つものの、マルセイユの海の男であった「エドモン・ダンテス」と自分は別人であると彼は認識している。
 
:「エドモン・ダンテス」を真名として持つものの、マルセイユの海の男であった「エドモン・ダンテス」と自分は別人であると彼は認識している。
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===Fateシリーズ===
 
===Fateシリーズ===
 
; [[Fate/Grand Order]]
 
; [[Fate/Grand Order]]
: 『監獄塔に復讐鬼は哭く』の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
+
: 『監獄塔に復讐鬼は哭く』の開催に伴い期間限定サーヴァントとして実装。
 
: 「空の境界」コラボイベントの際に顔見せとして登場し、続くイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にてキーキャラクターとして登場した。
 
: 「空の境界」コラボイベントの際に顔見せとして登場し、続くイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にてキーキャラクターとして登場した。
 
===その他===
 
===その他===
116行目: 111行目:  
: 生徒役。体育祭の真っ最中でもいつもの黒マントだったために熱中症でぶっ倒れた上、ナイチンゲールに治療として氷の塊を頭に叩き付けられる。
 
: 生徒役。体育祭の真っ最中でもいつもの黒マントだったために熱中症でぶっ倒れた上、ナイチンゲールに治療として氷の塊を頭に叩き付けられる。
 
; [[コハエース]]
 
; [[コハエース]]
: 型月学園回にて初登場。しかし、帽子無しの制服姿だった上に何故かジャンヌオルタを先輩呼びしていちいち言動を持ち上げまくる謎キャラと化しており、あまりのキャラ崩壊っぷりに登場3コマ目まで秋葉にエドモンと気付いてもらえなかった(気づいた際には「お前エドモンかよ!?」と絶叫したほど)。
+
: 型月学園回にて初登場。しかし、帽子無しの制服姿だった上に何故かジャンヌオルタを先輩呼びしていちいち言動を持ち上げまくる謎キャラと化しており、あまりのキャラ崩壊っぷりに登場から3コマ目まで秋葉にエドモンと気付いてもらえなかった(気づいた際には「お前エドモンかよ!?」と絶叫したほど)。
 
: その癖口癖を決めるときは瞬時にいつもの服装に戻って格好付けたため、秋葉から「うるせえ、バカ」の言葉を頂戴する。
 
: その癖口癖を決めるときは瞬時にいつもの服装に戻って格好付けたため、秋葉から「うるせえ、バカ」の言葉を頂戴する。
 
: その後もちょくちょくモブ役で登場している。
 
: その後もちょくちょくモブ役で登場している。
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; [[主人公 (Grand Order)]]
 
; [[主人公 (Grand Order)]]
 
: 自分が住まう監獄に落とされた主人公に対して人間の悪業を見せることで導き、最後にはその命を以て送り出す。
 
: 自分が住まう監獄に落とされた主人公に対して人間の悪業を見せることで導き、最後にはその命を以て送り出す。
: 人類史を焼却から救うマスターに、「悪辣な運命と現実に翻弄されるエドモン・ダンテス」の写し身としての姿と、ファリア神父やエデのような「憎悪の偶像として現界した巌窟王に寄り添う者」としての姿、二つの象を見出す。
+
: 人類史を焼却から救うマスターに、「悪辣な運命と現実に翻弄されるエドモン・ダンテス」の写し身としての姿と、ファリア神父やエデのような「憎悪の偶像として現界した巌窟王に寄り添う者」としての姿、二つの像を見出す。
 
: しかし、戦いの中で、ファリア神父やエデとも、ましてや自分自身の写し身とも異なる存在であることを認識する。自分と共に歩むマスターはただひとりであり、過去現在未来他にいない。ならばそこに抱く想いも唯一のものでなければならない、と。
 
: しかし、戦いの中で、ファリア神父やエデとも、ましてや自分自身の写し身とも異なる存在であることを認識する。自分と共に歩むマスターはただひとりであり、過去現在未来他にいない。ならばそこに抱く想いも唯一のものでなければならない、と。
: 主人公の意識の裏側に潜み続けており、呪詛などから人知れず彼を護り続けているという。現実と夢の狭間に迷い込んでしまった際には姿を表して現実に戻れるよう道を示すためにその姿が現れている。
+
: 主人公の意識の裏側に潜み続けており、呪詛などから人知れず彼/彼女を護り続けているという。彼の幕間や2部2章の一節など、現実と夢の狭間に迷い込んでしまった際には姿を表して現実に戻れるよう道を示すためにその姿が現れている。
 +
 
 +
;[[ゲーティア]]
 +
:『空の境界/the Garden of Order』ではオガワハイムを新たな特異点に仕立てるべく巌窟王を召喚するも恩讐を持たないことを理由に造反され、オガワハイムをサーヴァントを変質させる空間として勝手に利用される。
 +
:続く『監獄塔に復讐鬼は哭く』でも確実に主人公を抹殺するため懲りずに再召喚するが、最終的には巌窟王の思惑通りの形で計画を失敗させられる。
 +
:一度拒絶されたにも関わらず再召喚していることから一定以上の評価を受けていたと思われるが、巌窟王の方はその在り方を全く好ましくは思っておらず噛み合わない。
 +
 
 +
;[[ナイチンゲール]]
 +
:『監獄塔に復讐鬼は哭く』で初共演。記憶を喪っていた彼女に何か思うところがあったのか、かつての恋人メルセデスの名を名乗らせた。
 +
:後に最後の裁きの間で自身を止めようとする彼女と対峙。死霊を味方に付けて向かってきた彼女を「お前の刃は優しすぎた」と一蹴する。
 +
:彼女の正体には薄々理解がある程度ではっきり気づいてはおらず興味もなさげであったが、記憶を喪った状態でも彼女が秘めた揺るぎない信念、偶像の域にまで至った魂のあり方に眩きものを垣間見る。
 +
:これ以降強いつながりでもできたのか、自身の幕間やあちらの幕間、イベントなどで度々絡むように。
 +
:カルデアで記憶が戻った彼女と再会した後も、普段は「バーサーカー」と呼ぶものの時折メルセデスと呼んでしまっている。このため、彼女からは青髯やファントムと同類の精神負傷者扱いされ、要治療者として追われている模様。
    
;[[両儀式]]
 
;[[両儀式]]
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;[[アンリマユ]]
 
;[[アンリマユ]]
 
:元祖アヴェンジャー。自身と同類でありながら、自身とは違う在り方をする存在。その在り方を尊重している。
 
:元祖アヴェンジャー。自身と同類でありながら、自身とは違う在り方をする存在。その在り方を尊重している。
 +
;[[ヘシアン・ロボ]]
 +
:同じアヴェンジャーのサーヴァントとして、彼らの復讐に憐憫とある種の使命感を抱かせている。
    
;作家サーヴァント
 
;作家サーヴァント
 
:自身の人生を作品にされたことで思い入れがあるのか、執筆に取り組んでいる彼らにコーヒーを差し入れてほしいとマスターに要望する。彼自身も時折自分で入れたコーヒーを持っていっている模様。
 
:自身の人生を作品にされたことで思い入れがあるのか、執筆に取り組んでいる彼らにコーヒーを差し入れてほしいとマスターに要望する。彼自身も時折自分で入れたコーヒーを持っていっている模様。
 
:なお、現在彼の人生を著作にした本人はまだ実装されていない。可能性はあるため、実装された場合の反応が期待されるところである。
 
:なお、現在彼の人生を著作にした本人はまだ実装されていない。可能性はあるため、実装された場合の反応が期待されるところである。
  −
;[[ゲーティア]]
  −
:「空の境界」イベントではオガワハイムを新たな特異点にさせようと巌窟王を召喚するも、魔術王が恩讐を持たないことを理由に断られた上、オガワハイムを特異点ではなくサーヴァントを変質させる空間として勝手に利用されてしまう。
  −
:続く「復讐鬼は監獄塔に哭く」でも最終的に主人公を殺させるためのサーヴァントとして巌窟王を再召喚し、こちらはある程度は思惑通りに進んでいたと思われるが、最終的には巌窟王の思惑通りの形で失敗に終わる。
  −
:一度拒絶されたにも関わらず再召喚していることから、ゲーティアからは一定以上の評価を受けていたと思われるが、巌窟王の方は全く好ましくは思っておらず、噛み合わない関係である。
  −
  −
;[[ナイチンゲール]]
  −
:記憶喪失の彼女と「復讐鬼は監獄塔に哭く」にて共演。記憶の無い彼女に何か思うところがあったのか、かつての恋人メルセデスの名を名乗らせる。
  −
:後に最後の裁きの間で対峙。死霊を味方に付けた彼女を「お前の刃は優しすぎた」と一蹴する。彼女の正体にはっきりと気づいてはおらず興味もなさげであったが、前述の言葉や「いずれ名のある英霊になるやもしれぬ」と評するなど暗に迫りつつはあった。
  −
:英霊として個別に認識してるわけではないまでも、彼女が秘めた揺るぎない信念、偶像の域にまで至った魂のあり方に眩きものを垣間見る。
  −
:カルデアで記憶が戻った彼女と再会した後も、普段は「バーサーカー」と呼ぶものの時折メルセデスと呼んでしまっている。このため、彼女からは青髯やファントムと同類の精神負傷者扱いされ、要治療者として追われている模様。
      
;[[シャーロック・ホームズ]]
 
;[[シャーロック・ホームズ]]
 
:亜種特異点Ⅰでの彼の変装相手として姿を借りられる。
 
:亜種特異点Ⅰでの彼の変装相手として姿を借りられる。
 
:その理由は「巌窟王の姿と名前であれば、見破られることを前提にしても主人公の信頼をある程度勝ち得た上で接触・忠告出来る」というもので、その無二の信頼関係があったからこその選択であったらしい。
 
:その理由は「巌窟王の姿と名前であれば、見破られることを前提にしても主人公の信頼をある程度勝ち得た上で接触・忠告出来る」というもので、その無二の信頼関係があったからこその選択であったらしい。
   
;[[ジェームズ・モリアーティ]]
 
;[[ジェームズ・モリアーティ]]
 
:彼からは「悪を以て正義を為した」として興味を抱かれているものの、フランクに接しようとする彼を無視し全く相手にしていない模様。
 
:彼からは「悪を以て正義を為した」として興味を抱かれているものの、フランクに接しようとする彼を無視し全く相手にしていない模様。
   
;[[ウィリアム・シェイクスピア]]
 
;[[ウィリアム・シェイクスピア]]
:亜種特異点に現れた本来の目的は、囚われていた彼の救助を依頼されたからとのこと。
+
:亜種特異点に現れた本来の目的は「囚われていた彼の救助を依頼されたから」とのこと。
 
:依頼主は彼のファンとのことだが、これに該当するもので巌窟王と縁があるのは「ハムレット」に感激して劇作家を志したとされるデュマその人である。
 
:依頼主は彼のファンとのことだが、これに該当するもので巌窟王と縁があるのは「ハムレット」に感激して劇作家を志したとされるデュマその人である。
   205行目: 201行目:  
:元はさる王族の姫だったが、巌窟王の復讐相手フェルナンの裏切りにより家族も地位も全て奪われ、奴隷になっていたところを巌窟王に救われた。
 
:元はさる王族の姫だったが、巌窟王の復讐相手フェルナンの裏切りにより家族も地位も全て奪われ、奴隷になっていたところを巌窟王に救われた。
 
:巌窟王を深く愛しており、最後は彼女を置いて去ろうとする彼に愛を打ち明けて彼の心に救いをもたらし、共に新しい人生へと旅立っていった。
 
:巌窟王を深く愛しており、最後は彼女を置いて去ろうとする彼に愛を打ち明けて彼の心に救いをもたらし、共に新しい人生へと旅立っていった。
 +
:原典においては二十歳にもならないまだ若い少女であり、四十を過ぎたエドモンにとっては義理の娘としか思えず、彼女の恋心に気付くのは物語の最後も最後であった。
 
:「英霊伝承異聞」においてはエドモンと念話のような会話を可能としており、エドモン以外の人間には存在を感知されていない。エドモンの「お前の眼は運命さえ見通すのかも知れない」という言葉やただの幻だという認識も相まって謎に包まれた人物。
 
:「英霊伝承異聞」においてはエドモンと念話のような会話を可能としており、エドモン以外の人間には存在を感知されていない。エドモンの「お前の眼は運命さえ見通すのかも知れない」という言葉やただの幻だという認識も相まって謎に包まれた人物。
   213行目: 210行目:  
:死の間際に家族らに「きっと墓から出てきたエドモンが助けてくれたのだ」と語り、穏やかに天寿を全うした。
 
:死の間際に家族らに「きっと墓から出てきたエドモンが助けてくれたのだ」と語り、穏やかに天寿を全うした。
 
:「英雄伝承異聞」では上記の事情に加え、ダンテスへの攻撃の一環としてタランテラにより縁者を殺害されるという不幸にも合っている。
 
:「英雄伝承異聞」では上記の事情に加え、ダンテスへの攻撃の一環としてタランテラにより縁者を殺害されるという不幸にも合っている。
 +
:なおモレル氏の息子マクシミリアンは立派な若者として成長を遂げており、彼の誠実な態度と、ヴィルホールの娘への一途な恋心が、最終的にダンテスへの救いへと繋がっていく。
    
;ジョヴァンニ・ベルトゥッチオ
 
;ジョヴァンニ・ベルトゥッチオ
223行目: 221行目:  
:復讐対象となった三人の男達。
 
:復讐対象となった三人の男達。
 
:フェルナンはメルセデスへの想い故に、ダングラールは若き船長という約束された未来への妬みに、ヴィルフォールは己と父の保身の為にエドモン・ダンテスを陥れた。
 
:フェルナンはメルセデスへの想い故に、ダングラールは若き船長という約束された未来への妬みに、ヴィルフォールは己と父の保身の為にエドモン・ダンテスを陥れた。
 +
:ダンテスが脱獄した時にはフェルナンは軍人、ダングラールは銀行家、ヴィルフォールは検事総長として出世を果たし、フェルナンはメルセデスと結婚し子ももうけていた。
 
:後に帰参したダンテスにより社会的破滅や経済的痛打、時には家族までも巻き込んだ報復を受け、自殺、茫然自失、発狂と悲惨な末路を遂げる。
 
:後に帰参したダンテスにより社会的破滅や経済的痛打、時には家族までも巻き込んだ報復を受け、自殺、茫然自失、発狂と悲惨な末路を遂げる。
 
:しかしダンテスはこの中の誰一人として直接手にかける事はなく、逆に罪なき家族を巻き込んでしまったことで深い後悔に苛まれてしまう。
 
:しかしダンテスはこの中の誰一人として直接手にかける事はなく、逆に罪なき家族を巻き込んでしまったことで深い後悔に苛まれてしまう。
236行目: 235行目:  
:コルシカ人の密輸業者の娘であり、幼少の頃からエドモンに面倒を見てもらっていた。またエドモン・ダンテスの本名も知っている。
 
:コルシカ人の密輸業者の娘であり、幼少の頃からエドモンに面倒を見てもらっていた。またエドモン・ダンテスの本名も知っている。
 
:不審な死を遂げた従兄(ジョヴァンニの兄)の捜査を「コルシカ人だから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
 
:不審な死を遂げた従兄(ジョヴァンニの兄)の捜査を「コルシカ人だから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
:ダンテスに秘宝の在り処を語らせるため、タランテラによって殺害されてしまう。
+
:ダンテスに秘宝の在り処を語らせるため、タランテラによって殺害されてしまう。その時のタランテラの発言によれば処女であったらしい。
    
;アンジェロ・ブラーガ
 
;アンジェロ・ブラーガ
250行目: 249行目:     
;枢機卿
 
;枢機卿
:ファリア神父を陥れた三賢者の一人であり、復讐対象。
+
:ファリア神父を陥れた三賢人の一人であり、復讐対象。
:タランテラを葬った後、ダンテスによって失脚させられた。
+
:ブラーガ、タランテラを葬った後、ダンテスによって失脚させられた。
    
;[[ナポレオン]]
 
;[[ナポレオン]]
258行目: 257行目:  
:その後復権した際にはモレル氏よりエドモンの開放を訴えられるが、その結論が出る前にワーテルローの戦いに敗北して再度失脚してしまう。
 
:その後復権した際にはモレル氏よりエドモンの開放を訴えられるが、その結論が出る前にワーテルローの戦いに敗北して再度失脚してしまう。
 
:エドモンを直ちに開放できなかったことを座に招かれて以後も悔いており、カルデアに召喚された後も憎悪の対象だろうと思いこんでいた。
 
:エドモンを直ちに開放できなかったことを座に招かれて以後も悔いており、カルデアに召喚された後も憎悪の対象だろうと思いこんでいた。
 +
:なお史実においてはダンテスのモデルの一人であるデュマの父、トマ=アレクサンドル・デュマ将軍と極めて仲が悪く(黒人ハーフである彼への差別意識、ナポレオンと全く異なる彼の美丈夫さや前線兵士からの信頼に対する嫉妬であろうとされる)、デュマ将軍を失脚させてその名誉を剥奪し、またフランス革命前後に進められた黒人や奴隷の権利関係を全て撤廃するなどの行為を働いている。
    
=== その他 ===
 
=== その他 ===
;[[アレクサンドル・デュマ]]
+
;[[アレクサンドル・デュマ・ペール]]
 
:自身の人生を著作にした男。エドモンは「性質の悪い小説家め」と毒づいている。
 
:自身の人生を著作にした男。エドモンは「性質の悪い小説家め」と毒づいている。
 
:彼を作品にした事に対しては悪びれる気持ちはないようだ。
 
:彼を作品にした事に対しては悪びれる気持ちはないようだ。
268行目: 268行目:     
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
 +
====戦闘====
 +
;「慈悲などいらぬ!」<br/>「我が往くは恩讐の彼方…『<ruby><rb>虎よ、煌々と燃え盛れ</rb><rt>アンフェル・シャトー・ディフ</rt></ruby>』!」
 +
:宝具解放。この世の地獄を脱する過程で培われた鋼の精神力で以て、巌窟王は現世に存在するあらゆる縛めからも脱する。
 +
 +
====マテリアル====
 
;「──待て、しかして希望せよ」
 
;「──待て、しかして希望せよ」
 
:口癖。『モンテ・クリスト伯』の最も有名な名台詞。
 
:口癖。『モンテ・クリスト伯』の最も有名な名台詞。
   −
;「慈悲などいらぬ!」<br/>「我が往くは恩讐の彼方…『<ruby><rb>虎よ、煌々と燃え盛れ</rb><rt>アンフェル・シャトー・ディフ</rt></ruby>』!」
+
====マイルーム====
:宝具解放。この世の地獄を脱する過程で培われた鋼の精神力で以て、巌窟王は現世に存在するあらゆる縛めからも脱する。
+
;「俺を呼んだな! 復讐の化身を! そうとも、俺こそ黒き怨念。エクストラクラス、<ruby><rb>復讐者</rb><rt>アヴェンジャー</rt></ruby>である!」
 
  −
;「俺を呼んだな!復讐の化身を!そうとも、俺こそ黒き怨念。エクストラクラス、<ruby><rb>復讐者</rb><rt>アヴェンジャー</rt></ruby>である!」
   
:召喚時。アヴェンジャーとして召喚される事に喜びを抱いている様にも思える。
 
:召喚時。アヴェンジャーとして召喚される事に喜びを抱いている様にも思える。
    
;「作家系のキャスターがいるな。よかろう…ウェイター! 彼にコーヒーを!」
 
;「作家系のキャスターがいるな。よかろう…ウェイター! 彼にコーヒーを!」
:マイルームにて。元ネタは2004年放送のアニメ「巌窟王」第一話のモンテクリスト伯の台詞「ベルッツィオ! お二人にコーヒーを!」か。
+
:マイルーム会話「[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン]]」、「[[ウィリアム・シェイクスピア]]」。
 +
:元ネタは2004年に放送されたアニメ『巌窟王』第1話のモンテクリスト伯の台詞「ベルッツィオ! お二人にコーヒーを!」か。
   −
;「ほう……俺以外のアヴェンジャーとして現界した者がいるか。俺は人の性を怒り、奴は人の性を笑う。なるほど。人間とは、分からぬものだ」
+
;「ほう……俺以外のアヴェンジャーとして現界した者がいるか。<br> 俺は人の性を怒り、奴は人の性を笑う…なるほど。人間とは、分からぬものだ。」
:マイルームにて[[アンリマユ]]所持時に。
+
:マイルーム会話「[[アンリマユ]]」。
 
:人の犠牲にされた同類でありながら、自身とは違う在り方を示す彼に感慨深げな言葉を漏らす。
 
:人の犠牲にされた同類でありながら、自身とは違う在り方を示す彼に感慨深げな言葉を漏らす。
   −
;「……おまえは、何だ? この俺にこうも付き合うなど、まるで……いや、エデとおまえは違う。おまえは、おまえだな」
+
;「……おまえは、何だ? この俺にこうも付き合うなど、まるで……いや、エデとおまえは違う。おまえは、おまえだな。」
 
:マイルーム会話「絆Lv5」。主人公を生前結ばれたエデとは違う存在とするが、その声には確かな信頼が込められている。
 
:マイルーム会話「絆Lv5」。主人公を生前結ばれたエデとは違う存在とするが、その声には確かな信頼が込められている。
    +
====本編====
 
;「調停は俺から最も遠い言葉だ。その推測、挑戦と解釈した。」
 
;「調停は俺から最も遠い言葉だ。その推測、挑戦と解釈した。」
:『空の境界/the Garden of Order』にて。7つのクラスどれにも該当しない黒い影のサーヴァントに「じゃあルーラーか!?」と言う主人公に対しての返答。
+
:『空の境界/the Garden of Order』にて。7つのクラスのどれにも該当しない黒い影のサーヴァントに「じゃあ[[ルーラー]]か!?」と言う主人公に対しての返答。
:後に監獄塔のイベントにて正体が判明するのだが、彼の言う通り、その在り方もクラスの特性もルーラーとは完全に真逆と言っていい物だった。
+
:『監獄塔に復讐鬼は哭く』で[[アヴェンジャー|その正体]]が判明するのだが、彼の言う通りその在り方もクラスの特性もルーラーとは完全に真逆と言っていい物だった。
    
;「ここは地獄。恩讐の彼方たるシャトー・ディフの名を有する監獄塔!<br> そしてこのオレは……<br> 英霊だ。おまえがよく知っている筈のモノの一端だ。この世に陰を落とす呪いのひとつだ。<br> 哀しみより生まれ落ち、恨み、怒り、憎しみ続けるが故にエクストラクラスを以て現界せし者。<br> そう―――アヴェンジャーと呼ぶがいい。」
 
;「ここは地獄。恩讐の彼方たるシャトー・ディフの名を有する監獄塔!<br> そしてこのオレは……<br> 英霊だ。おまえがよく知っている筈のモノの一端だ。この世に陰を落とす呪いのひとつだ。<br> 哀しみより生まれ落ち、恨み、怒り、憎しみ続けるが故にエクストラクラスを以て現界せし者。<br> そう―――アヴェンジャーと呼ぶがいい。」
302行目: 307行目:  
:なお、ちゃんと本来の支配者も一緒に居たため、そちらに向き合ってからは平静を取り戻していた。
 
:なお、ちゃんと本来の支配者も一緒に居たため、そちらに向き合ってからは平静を取り戻していた。
   −
;「我が恩讐を語るな、女!」<br>「我が黒炎は、請われようとも救いを求めず!我が怨念は、地上の誰にも赦しを与えず!<br> "虎よ、煌々と燃え盛れ。汝が赴くは恩讐の彼方なれば"<br> オレは<ruby><rb>巌窟王</rb><rt>モンテ・クリスト</rt></ruby>!人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永久の復讐者である!」
+
;「我が恩讐を語るな、女!」<br>「我が黒炎は、請われようとも救いを求めず! 我が怨念は、地上の誰にも赦しを与えず!<br> "虎よ、煌々と燃え盛れ。汝が赴くは恩讐の彼方なれば"<br> オレは<ruby><rb>巌窟王</rb><rt>モンテ・クリスト</rt></ruby>! 人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永久の復讐者である!」
 
:ジャンヌの指摘に対して吠える巌窟王。復讐の怨念として召喚された彼の執念を感じる。
 
:ジャンヌの指摘に対して吠える巌窟王。復讐の怨念として召喚された彼の執念を感じる。
   −
;「さあ、征くぞマスター。おまえとオレは最早、一心同体だ。<br> あらゆる救いを断たれたシャトー・ディフに於いて、しかして希望し、生還を真に望むモノは!<br> <ruby><rb>導かれねばならない</rb><rt>・・・・・・・・・・</rt></ruby>のだよ!<br> お前を!導けるのは、このオレだけだ!」
+
;「さあ、征くぞマスター。おまえとオレは最早、一心同体だ。<br> あらゆる救いを断たれたシャトー・ディフに於いて、しかして希望し、生還を真に望むモノは!<br> <ruby><rb>導かれねばならない</rb><rt>・・・・・・・・・・</rt></ruby>のだよ!<br> お前を! 導けるのは、このオレだけだ!」
 
:天草、ジャンヌというWルーラーとの戦闘前にて。それに対し主人公は「何を、今さら!」「……必ずカルデアに戻る!」と返す。
 
:天草、ジャンヌというWルーラーとの戦闘前にて。それに対し主人公は「何を、今さら!」「……必ずカルデアに戻る!」と返す。
 
:この辺りで巌窟王に対して一種の相棒の様な感覚が芽生えたプレイヤーも多いはず。
 
:この辺りで巌窟王に対して一種の相棒の様な感覚が芽生えたプレイヤーも多いはず。
   −
;「そこを退け、女。オレは積極的に女を殺しはしない」
+
;「そこを退け、女。オレは積極的に女を殺しはしない。」
 
:第七の扉にて。立ちふさがろうとするメルセデスに対して言った言葉だが、主人公から「どの口で!?」「ジャンヌさんの時は全力でしたよね」と突っ込まれる。返答は「あれはルーラーだ。人間城塞だ。女というには心身ともに堅すぎる」とのこと。
 
:第七の扉にて。立ちふさがろうとするメルセデスに対して言った言葉だが、主人公から「どの口で!?」「ジャンヌさんの時は全力でしたよね」と突っ込まれる。返答は「あれはルーラーだ。人間城塞だ。女というには心身ともに堅すぎる」とのこと。
   315行目: 320行目:  
:主人公との一騎打ちに破れた彼は監獄塔での真意を語る。彼――<ruby><rb>巌窟王</rb><rt>モンテ・クリスト</rt></ruby>にとって主人公が牢獄から解き放たれる事は、生前自身が果たせなかった「勝利」と等しい事だった。
 
:主人公との一騎打ちに破れた彼は監獄塔での真意を語る。彼――<ruby><rb>巌窟王</rb><rt>モンテ・クリスト</rt></ruby>にとって主人公が牢獄から解き放たれる事は、生前自身が果たせなかった「勝利」と等しい事だった。
   −
;「あの時、おまえは見逃されたのではない。もう”終わるもの”と見捨てられたのだ。<br> だが―――はは、ははは! 結果はこの通りだ! 残念だったな魔術の王よ!<br> 貴様のただ一度の気まぐれ、ただ一度の姑息な罠は、ここにご破算となった!<br> オレなんぞを選ぶからだバカ者め! ざまあない!<br> 歩むがいい! 足掻き続けろ! 魂の牢獄より解き放たれて―――おまえは!<br> いつの日か、世界を救うだろう!」
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;「あの時、おまえは見逃されたのではない。もう”終わるもの”と見捨てられたのだ。<br> だが―――はは、ははは! 結果はこの通りだ! 残念だったな[[ゲーティア|魔術の王]]よ!<br> 貴様のただ一度の気まぐれ、ただ一度の姑息な罠は、ここにご破算となった!<br> オレなんぞを選ぶからだバカ者め! ざまあない!<br> 歩むがいい! 足掻き続けろ! 魂の牢獄より解き放たれて―――おまえは!<br> いつの日か、世界を救うだろう!」
 
:自身を見事に打ち破り、シャトー・ディフより脱獄する主人公への最大の賛辞と、魔術王への侮蔑。
 
:自身を見事に打ち破り、シャトー・ディフより脱獄する主人公への最大の賛辞と、魔術王への侮蔑。
 
:いつかの恩師のように、外界へ希望を送り出す喜びを胸に。
 
:いつかの恩師のように、外界へ希望を送り出す喜びを胸に。
   −
;「……再会を望むか、アヴェンジャーたるオレに?<br> はは、ははははははははは! ならばオレはこう言うしかあるまいな!<br> ”―――待て、しかして希望せよ”と!」
+
;「……再会を望むか、アヴェンジャーたるオレに?<br> はは、ははははははははは! ならばオレはこう言うしかあるまいな!<br> ”―――待て、しかして希望せよ”と!」
:[[主人公 (Grand Order)]]に「―――キミは、永遠に消えるのか?」問われての返し。自らの消滅を悼んでくれるマスターに、幾度となく口にしたかけがえのない言葉で応えて、彼は一時の別れを迎える。
+
:[[主人公 (Grand Order)|主人公]]に「―――キミは、永遠に消えるのか?」問われての返し。自らの消滅を悼んでくれるマスターに、幾度となく口にしたかけがえのない言葉で応えて、彼は一時の別れを迎える。
    
;「ハ。ハハハ。クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」<br>「笑わせるな、廃棄の末に絶望すら忘れた魔神ども! 貴様らの同類になぞ、その男(女)がなるとでも!」<br>「そうだ!<br> この世の果てとも言うべき末世、祈るべき神さえいない事象の地平!」<br>「確かに此処は何人も希望を求めぬ流刑の地。人々より忘れ去られた人理の外だ。だが―――<br> だが! 俺を呼んだな、○○!<br> ならば俺は虎の如く時空を駆けるのみ! 我が名は復讐者、巌窟王エドモン・ダンテス!<br> 恩讐の彼方より、我が共犯者を笑いにきたぞ!」
 
;「ハ。ハハハ。クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」<br>「笑わせるな、廃棄の末に絶望すら忘れた魔神ども! 貴様らの同類になぞ、その男(女)がなるとでも!」<br>「そうだ!<br> この世の果てとも言うべき末世、祈るべき神さえいない事象の地平!」<br>「確かに此処は何人も希望を求めぬ流刑の地。人々より忘れ去られた人理の外だ。だが―――<br> だが! 俺を呼んだな、○○!<br> ならば俺は虎の如く時空を駆けるのみ! 我が名は復讐者、巌窟王エドモン・ダンテス!<br> 恩讐の彼方より、我が共犯者を笑いにきたぞ!」
326行目: 331行目:  
:かつて自身とは違う存在としたエドモン・ダンテスの名を名乗った巌窟王は、七日間の悪夢を生き抜き脱獄を果たした共犯者を再び救済する為に時空を駆ける。
 
:かつて自身とは違う存在としたエドモン・ダンテスの名を名乗った巌窟王は、七日間の悪夢を生き抜き脱獄を果たした共犯者を再び救済する為に時空を駆ける。
   −
;「……ふん。礼には及ばん。及ばんが、そうだな……」<br>「見ての通り、戦い尽くめで手が塞がっている。煙草に火を付けてくれ」<br>「―――上出来だ。少しは大人になったな、○○」
+
;「……ふん。礼には及ばん。及ばんが、そうだな……。」<br>「見ての通り、戦い尽くめで手が塞がっている。煙草に火を付けてくれ。」<br>「―――上出来だ。少しは大人になったな、○○。」
 
:同上。監獄塔での別れから久々の邂逅だったが彼の主人公への信頼は揺らぐことは無く、かつてと同じく賞賛と共に主人公を決戦へと送り出したのだった。
 
:同上。監獄塔での別れから久々の邂逅だったが彼の主人公への信頼は揺らぐことは無く、かつてと同じく賞賛と共に主人公を決戦へと送り出したのだった。
   −
;主人公「……巌窟王?」<br>「誰だ、それは。俺は宣教師だ。<br> それよりも、だ。<br> そこの男、告解したい事があるならば話してみろ、特別にこの俺が聞いてやろう。」<br>おぬい「こっかい???」<br>「…………話したい事があるなら話せ、と言っている。」
+
;主人公「……巌窟王?」<br>巌窟王「誰だ、それは。俺は宣教師だ。<br> それよりも、だ。<br> そこの男、告解したい事があるならば話してみろ、特別にこの俺が聞いてやろう。」<br>おぬい「こっかい???」<br>巌窟王「…………話したい事があるなら話せ、と言っている。」
 
:亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』にて。宣教師を装って主人公達の前に助言を告げに現れる。……が、いつものもってまわった意味深な言い回しはおぬい達どころか主人公にさえいまいち伝わらず、「もう一声分かりやすく」と言われてしまうのだった。
 
:亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』にて。宣教師を装って主人公達の前に助言を告げに現れる。……が、いつものもってまわった意味深な言い回しはおぬい達どころか主人公にさえいまいち伝わらず、「もう一声分かりやすく」と言われてしまうのだった。
   335行目: 340行目:  
:彼の出す黒い炎を[[千子村正|村正]]に「初めて見た」と言われた際の返答。'''流石にそれは無理がある。'''しかし、その答えに村正は「宣教師以外の何物でもねえな!」と納得する。南蛮渡来(の印象)恐るべし。
 
:彼の出す黒い炎を[[千子村正|村正]]に「初めて見た」と言われた際の返答。'''流石にそれは無理がある。'''しかし、その答えに村正は「宣教師以外の何物でもねえな!」と納得する。南蛮渡来(の印象)恐るべし。
   −
;「…………待て。」<br>ナイチンゲール「いいえ。措置します。」<br>「左手にメスを、右手に拳銃を握るな。せめて利き手にメスを握れ。いや違う。そうではない。」
+
====幕間の物語====
:幕間『悪夢、或いは恩讐の呼び声』より。普段の彼からしたら珍しいツッコミ。監獄塔での一件でナイチンゲールとは何かと縁があるが、ナイチンゲールからは要治療対象と見なされ追い回される日々を送っているらしく、流石の彼も押され気味な様子。
+
;巌窟王「…………待て。」<br>ナイチンゲール「いいえ。措置します。」<br>巌窟王「左手にメスを、右手に拳銃を握るな。せめて利き手にメスを握れ。いや違う。そうではない。」
 
+
:幕間の物語『悪夢、或いは恩讐の呼び声』より。普段の彼からしたら珍しいツッコミ。監獄塔での一件でナイチンゲールとは何かと縁があるが、ナイチンゲールからは要治療対象と見なされ追い回される日々を送っているらしく、流石の彼も押され気味な様子。
;「―――は。はははは……殺人鬼、代行者、吸血鬼……はは、はははは……<br> 知った事か!お前が正真正銘の吸血鬼であろうと、オレにとっては大差なき事であろうよ!<br> 代わりと言ったな……お前は!神の! <br> 否、否、違う!それは、オレにこそ相応しい名だぞ!ミハイル・ロア・バルダムヨォン!」<br>「何故ならば……オレは恩讐の化身!ああ、そうだ、そうだとも!<br> お前達の聖典に曰く!『復讐するは我にあり』!」<br>「―――はは!地上に在って怒りを具現するのは!このオレ以外にあり得まい!」
  −
:『英霊伝承異聞』にて。[[ミハイル・ロア・バルダムヨォン|ロア]]との戦闘中にモンテクリスト島の秘宝によって黒い炎に目覚めるエドモン。代行者は何も聖堂協会の人間のみではなく。神の<ruby><rb>復讐</rb><rt>怒り</rt></ruby>を体現する人間は既に地上に存在していた。
      +
====イベント====
 
;「クッ……南国では仕方がないが、もう少しシリアスになるがいいマスター!」
 
;「クッ……南国では仕方がないが、もう少しシリアスになるがいいマスター!」
:期間限定イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』にて、茨木童子と交戦中に間の抜けた声とともに加勢に入った主人公に対して。
+
:『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』にて、茨木童子と交戦中に間の抜けた声とともに加勢に入った主人公に対して。
 
:言いたい事は分かるのだが、眼鏡に水着のナリで夜毎に浜辺でクハハ笑いして子供に人気という不審者のような有様なので、「お前に言われたくない」という気持ちになってくる。
 
:言いたい事は分かるのだが、眼鏡に水着のナリで夜毎に浜辺でクハハ笑いして子供に人気という不審者のような有様なので、「お前に言われたくない」という気持ちになってくる。
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====その他====
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;「―――は。はははは……殺人鬼、代行者、吸血鬼……はは、はははは……<br> 知った事か! お前が正真正銘の吸血鬼であろうと、オレにとっては大差なき事であろうよ!<br> 代わりと言ったな……お前は! 神の! <br> 否、否、違う! それは、オレにこそ相応しい名だぞ! ミハイル・ロア・バルダムヨォン!」<br>「何故ならば……オレは恩讐の化身! ああ、そうだ、そうだとも!<br> お前達の聖典に曰く! 『復讐するは我にあり』!」<br>「―――はは! 地上に在って怒りを具現するのは! このオレ以外にあり得まい!」
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:『英雄伝承異聞 〜巌窟王 エドモン・ダンテス〜』にて。[[ミハイル・ロア・バルダムヨォン|ロア]]との戦闘中にモンテクリスト島の秘宝によって黒い炎に目覚めるエドモン。代行者は何も聖堂協会の人間のみではなく、神の<ruby><rb>復讐</rb><rt>怒り</rt></ruby>を体現する人間は既に地上に存在していた。
    
== メモ ==
 
== メモ ==
* [[アンリマユ]]から12年を経て登場した二人目の「[[アヴェンジャー|復讐者]]」のサーヴァント。アンリマユの特殊性を鑑みれば、真っ当な英霊としては初となる。
+
* [[アンリマユ]]から12年を経て登場した二人目の「[[アヴェンジャー]]」のサーヴァント。アンリマユの特殊性を鑑みれば、真っ当な英霊としては初となる。
*『Grand Order』ゲーム中のセイントグラフ等に表記されている名前は「巌窟王 エドモン・ダンテス」だが、正式な真名は「巌窟王/エドモン・ダンテス」。これは[[ヘンリー・ジキル&ハイド]]の「ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド」等と同様の表記であり、真名を2つ持っていることの表現だと思われる。
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*『Grand Order』メインストーリーにおいては何度も登場するサーヴァントだが、彼について掘り下げが行われた『監獄塔に復讐鬼は哭く』は期間限定イベントであるため、プレイヤーによっては「なんか最終決戦にいきなり出てきて彼氏面してるよく解らん奴」「いきなり出てきて同人誌作成にかかわった挙句、何の脈絡もなく終局特異点に現れたよく解らん奴」<del>「ナニモン・ナンデス」</del>のような状態になってしまうケースも多々ある。
**マイルーム会話では「俺の真名は“巌窟王”だ」(要約)と語る、ステータス画面右上や戦闘時に表示される名前が「巌窟王」となっている等ゲーム中では主に前者が使用されるが、「監獄塔に復讐鬼は哭く」でボスとして対峙した際の戦闘画面での表記は「エドモン・ダンテス」となっていた。
+
**2019年7月に当該イベントが恒常化されたものの、プレイするためには入手手段の限られるレアプリズムを消費する必要があるので、やはり初心者には手が出しづらいのが現状といえる。
*彼の担当声優が決定した背景には、「島崎氏による[[アルジュナ]]の演技を聞いた武内氏が巌窟王のCVも追加でお願い→島崎氏これを快諾」という経緯があったことを島崎氏がカルデアエースの座談会で語っている。
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*『Grand Order』ゲーム中のセイントグラフ等に表記されている名前は「巌窟王 エドモン・ダンテス」だが、正式な真名は「巌窟王/エドモン・ダンテス」。これは[[ヘンリー・ジキル&ハイド〔アサシン〕|ヘンリー・ジキル&ハイド]]の「ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド」等と同様の表記であり、真名を2つ持っていることの表現だと思われる。
*竹箒日記によれば、「青年としての巌窟王」を目指した<ref group = "出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201603.html 竹箒日記2016/3/15]</ref>ということで('''「モンテ・クリスト伯」原作において、脱獄時には33歳、復讐を本格的に開始した頃には40代になっている''')一般的な巌窟王のイメージに比べて、外見が若々しい。
+
**マイルーム会話で「我が名は巌窟王。真名も同じく」と語り、ステータス画面右上や戦闘時に表示される名前が「巌窟王」となっている等ゲーム中では主に前者が使用されるが、『監獄塔に復讐鬼は哭く』でボスとして対峙した際の戦闘画面での表記は「エドモン・ダンテス」となっていた。
 +
**亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』では「エドモン・ダンテス」を名乗る巌窟王の偽物を主人公が見破る場面がある<ref group = "出" name = "亜種特異点Ⅰ 第10節">Fate/Grand Order 亜種特異点Ⅰ『悪性隔絶魔境 新宿』第10節「監獄グレートエスケープ」</ref>。
 +
*彼の担当声優が決定した背景には、「島崎氏による[[アルジュナ]]の演技を聞いた武内氏が巌窟王のCVも追加でお願い→島崎氏、これを快諾」という経緯があったことを島崎氏がカルデアエースの座談会で語っている。
 +
*竹箒日記によれば「青年としての巌窟王」を目指した<ref group = "出">[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201603.html 竹箒日記2016/3/15]</ref>ということで('''「モンテ・クリスト伯」原作において、脱獄時には33歳、復讐を本格的に開始した頃には40代になっている''')一般的な巌窟王のイメージに比べて、外見が若々しい。原作に置いてもダンテスはファリア神父の秘薬を服用することで若々しい姿を保っているが、英霊伝承異聞で描かれたダンテスの姿は、やはりサーヴァントとしてのダンテスよりも歳を取っているように見られる。
 
**キャラクターデザインが『ダンガンロンパ』で有名な小松崎類氏であることから、奈須氏や一部ファンからは「超高校級の英霊」と呼ばれることも。同ゲームと『巌窟王』の間には「地獄のような閉鎖空間からの脱出」という共通項があるが故の人選か。
 
**キャラクターデザインが『ダンガンロンパ』で有名な小松崎類氏であることから、奈須氏や一部ファンからは「超高校級の英霊」と呼ばれることも。同ゲームと『巌窟王』の間には「地獄のような閉鎖空間からの脱出」という共通項があるが故の人選か。
*『モンテ・クリスト伯』はデュマの創作ではあるが、元ネタとなった実話が存在する。ピエール・フランソワ・ピコーという靴屋がそれである。大金持ちの娘と婚約していた彼は、それを妬んだ四人の友人に陥れられ「王党派のスパイ」(当時、フランスはナポレオンの第一帝政であった)として投獄されてしまう。獄中生活の中、ピエールはイタリアの聖職者に献身的に尽くし、彼の莫大な遺産を手にした。そして、その遺産と変装術を駆使し、自分を陥れた四人に復讐し始めたのである。しかし、4人目の復讐に取り掛かったところ正体を見破られ、逆に殺されてしまったという。
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*『モンテ・クリスト伯』はデュマの創作ではあるが、元ネタとなった実話が存在する。ピエール・フランソワ・ピコーという靴屋がそれである。大金持ちの娘と婚約していた彼は、それを妬んだ三人の友人に陥れられ「王党派のスパイ」(当時、フランスはナポレオンの第一帝政であった)として投獄されてしまう。獄中生活の中、ピコーはイタリアの聖職者に献身的に尽くし、その莫大な遺産を手にした。そしてナポレオンの失脚と共に服役を終えたピコーは、遺産と変装術を駆使し、自分を陥れた三人に復讐し始めたのである。一人を刺殺し、一人を毒殺、婚約者を奪った最後の一人は家族も財産も全て失ったところで正体を明かして殺害。しかし復讐を果たし終えた所で正体を見破った別の友人に襲われたピコーは、財宝を目当てに監禁されるも黙秘を貫き、最後は水も食料も与えられぬ拷問の中で餓死したという。
*彼の生前を描いたドラマCD『英霊伝承異聞』にて、本シリーズにおける"巌窟王"(モンテ・クリスト・ミトロジー)とは、彼の師たるファリア神父が「知識」、「財宝」と並んでエドモンに託した「神秘」として描写され、ファリアが聖堂協会から奪取し隠し持っていた、モンテ・クリスト島の真の秘宝——死の王として人を作り替える「14の遺物」であった事が判明する。その力は魔術の素養の無い人間に一時的に魔術回路と魔術刻印を植え付ける神話の域にある代物であり、モンテ・クリスト伯は正しい意味で「巌窟王/エドモン・ダンテス」と呼ばれるべき存在となっている。
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**なお『モンテ・クリスト伯』においてダンテスは復讐相手を誰一人直接手にかけてはおらず、むしろその復讐の過程で仇の身内を巻き込んでしまった事に衝撃を受けている。しかし「監獄島」クエストでは'''「一人ずつ、たっぷり恐怖を与えながら手に掛けて」'''と発言しており、これはまさしくピコーの復讐譚そのものである(加えて言えばピコーは仇の身内をも容赦なく復讐のために犠牲にし、不幸のどん底へ陥れている)。無論、巌窟王エドモン・ダンテスが本人なのか、[[佐々木小次郎]]のようにその名を被せられたピコーなのかどうかは定かでないが、原典においてファリア神父は一時期ピコーと同じ牢獄にいた事が示唆されており、本当にピコーだったとしても矛盾はなく、そうでなくともダンテスにピコーの存在を語っていた可能性は十分にある
**この『英霊伝承異聞』はエドモンがパリに降り立ち本来の復讐を行う前のもう一つの復讐譚を描いた話なのだが、エデの正体や上記の14の遺物等多くの謎を残した作品となっている。サーヴァントの生前を描いた『英霊伝承』に巌窟王にのみ『異聞』という題が付けられている所も、『Grand Order』第二部で言及されたキーワード「異聞帯」と少なからず関連があると思われるが詳細は不明。しかし異聞帯Ⅱにて意味深すぎる登場をしたことから今後最重要の存在となる可能性が高い。
   
*『Fate/Grand Order』の期間限定イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』では水着姿を披露してくれる上、シナリオを進めると霊衣として登録される。
 
*『Fate/Grand Order』の期間限定イベント『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』では水着姿を披露してくれる上、シナリオを進めると霊衣として登録される。
**なお、水着姿になった理由は、南国でいつもの黒コートを着ていたらナイチンゲールに「そのような暑い服を着る等精神の負傷が深刻」と言われて追い回されたためだとか。
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**なお、水着姿になった理由は、南国でいつもの黒コートを着ていたらナイチンゲールに「そのような暑い服を着るなど精神の負傷が深刻」と言われて追い回されたためだとか。
    
== 話題まとめ ==
 
== 話題まとめ ==
362行目: 372行目:  
:「巌窟王」という名称で有名だが、実はこの名称は日本で最初に出版された際の邦題であり、原作内では使われていない名称である。訳者の黒岩涙香は本作の他にも「モンテ・クリスト伯」フォロワー作品の一つであるマリー・コレリ作の「Vendetta! or The Story of One Forgotten」を『白髪鬼』という邦題で翻訳しており、これが「監獄塔に復讐鬼は哭く」の第一の扉・黒髪鬼の元ネタと推測される。
 
:「巌窟王」という名称で有名だが、実はこの名称は日本で最初に出版された際の邦題であり、原作内では使われていない名称である。訳者の黒岩涙香は本作の他にも「モンテ・クリスト伯」フォロワー作品の一つであるマリー・コレリ作の「Vendetta! or The Story of One Forgotten」を『白髪鬼』という邦題で翻訳しており、これが「監獄塔に復讐鬼は哭く」の第一の扉・黒髪鬼の元ネタと推測される。
 
;翻案作品『虎よ、虎よ!』とアニメ『巌窟王』
 
;翻案作品『虎よ、虎よ!』とアニメ『巌窟王』
:「虎よ、煌々と燃え盛れ」という宝具名や、瞬間移動を使うことなど、『モンテ・クリスト伯』をモチーフとしているSF小説『虎よ、虎よ!』のオマージュと思しき要素が見受けられる。<br>宝具開帳の口上は『虎よ、虎よ!』の別題『我が赴くは星の群』、宝具名はタイトルの由来であり小説冒頭にも引用されているウィリアム・ブレイクの詩『虎』 (The Tyger) の冒頭「虎よ、虎よ!ぬばたまの闇に燦爛と燃え(Tyger, Tyger, burning bright)」からか。
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:「虎よ、煌々と燃え盛れ」という宝具名や、瞬間移動を使うことなど、『モンテ・クリスト伯』をモチーフとしているSF小説『虎よ、虎よ!』のオマージュと思しき要素が見受けられる。<br>宝具開帳の口上は『虎よ、虎よ!』の別題『我が赴くは星の群』、宝具名はタイトルの由来であり小説冒頭にも引用されているウィリアム・ブレイクの詩『虎』 (The Tyger) の冒頭「虎よ、虎よ!ぬばたまの闇に燦爛と燃え(Tyger, Tyger, burning bright)」からか<ref group="注">なお、北米版での宝具名は丸括弧内のフレーズそのまま。完全に確信犯である。</ref>。
 
:そのエドモン・ダンテスのイメージには全くそぐわないダイナミックな戦いのインパクトもあって、「エドモン・ダンテスではないと言うが、なら'''ガリヴァー・フォイル'''(『虎よ、虎よ!』の主人公)なのでは?」などとネタにされたりも。実際、『虎よ、虎よ!』の主人公フォイルは体をサイボーグ化しての高速戦闘を行う他、最終的には人類史上最強のテレポート能力者として覚醒するため、エドモン・ダンテスのモーションはかなりフォイルの描写に近い。
 
:そのエドモン・ダンテスのイメージには全くそぐわないダイナミックな戦いのインパクトもあって、「エドモン・ダンテスではないと言うが、なら'''ガリヴァー・フォイル'''(『虎よ、虎よ!』の主人公)なのでは?」などとネタにされたりも。実際、『虎よ、虎よ!』の主人公フォイルは体をサイボーグ化しての高速戦闘を行う他、最終的には人類史上最強のテレポート能力者として覚醒するため、エドモン・ダンテスのモーションはかなりフォイルの描写に近い。
:ぶっちゃけ、''2004年放送のSFアニメ『巌窟王』の影響を大層に感じるキャラクター''である。この宇宙を舞台にしたスペースオペラ版『巌窟王』も、元々は『虎よ、虎よ!』のアニメ化が著作権問題で頓挫したためモチーフ元の『モンテ・クリスト伯』を大幅アレンジする形になった作品である。
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:ぶっちゃけ、''2004年放送のSFアニメ『巌窟王』の影響を大層に感じるキャラクター''である。この宇宙を舞台にしたスペースオペラ版『巌窟王』も、元々は『虎よ、虎よ!』のアニメ化が著作権問題で頓挫したためモチーフ元の『モンテ・クリスト伯』を大幅アレンジする形になった作品である。ダンテスが神秘の力と融合する事で異能を獲得する、『巌窟王』と『エドモン・ダンテス』は明らかに別の存在として描写されているなど、実際に結構な類似点がある。ちなみにアニメにおいてダンテスを担当する声優は中田譲治氏。
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; 熊谷カズヒロの『モンテ・クリスト伯』
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: 2012年から連載された漫画版モンテ・クリスト伯であり、スチームパンク的19世紀を舞台にダンテスと秘密結社・永劫教会の戦いを描いている。かなり伝奇要素、スパイ要素の強い作品なのだが、「モンテ・クリスト島に眠る未知の存在と融合し超人と化したモンテ・クリスト伯」「宿敵たちは謎の秘密結社の陰謀に関わっていた」「褐色肌の女執事を連れている」「アレクサンドル・デュマと面識がある」「小説作品『巌窟王』は実際のダンテスの復讐を翻案したもの」など、巌窟王エドモン・ダンテスとの共通点が多い。もちろん原典を同じくするが故のシンクロニシティという側面が大きかろうが、超人として戦うダンテスの先行作品として述べておきたい。
 
;「暗黒の鬼が如き者」
 
;「暗黒の鬼が如き者」
 
:礼装の説明における「暗黒の鬼が如き者」と化したというのは原作上でもあながち間違いではなく、原作で彼を見かけた貴族の婦人からその顔の青白さにより「ルスヴン卿」呼ばわりされている。
 
:礼装の説明における「暗黒の鬼が如き者」と化したというのは原作上でもあながち間違いではなく、原作で彼を見かけた貴族の婦人からその顔の青白さにより「ルスヴン卿」呼ばわりされている。
:ルスヴン卿とはジョン・ポリドリ作の「吸血鬼」に登場する吸血鬼のことで、ブラム・ストーカーが「[[ヴラド三世 (EXTRA)|ドラ]][[ヴラド三世 (Apocrypha)|キュラ]]」を執筆する以前に執筆された吸血鬼小説。この作品をフランスで舞台化したのが「巌窟王」執筆者である[[アレクサンドル・デュマ|デュマ]]が慕っている「シャルル先生」と目される「シャルル・ノディエ」であったりする。
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:ルスヴン卿とはジョン・ポリドリ作の「吸血鬼」に登場する吸血鬼のことで、ブラム・ストーカーが「[[ヴラド三世 (EXTRA)|吸血鬼]][[ヴラド三世 (Apocrypha)|ドラ]][[ヴラド三世 (Grand Order)|キュラ]]」を執筆する以前に執筆された吸血鬼小説。この作品をフランスで舞台化したのが「巌窟王」執筆者である[[アレクサンドル・デュマ・ペール|デュマ]]が慕っている「シャルル先生」と目される「シャルル・ノディエ」であったりする。
:また、作者のボリドリはこの吸血鬼を書く以前に「[[フランケンシュタイン]]」を執筆したメアリー・シェリー(当時は結婚による改名前のパーシー・シェリー)と面識を持ったことがあるなど、他のサーヴァントの関係者と意外な接点を持った人物である。
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:また、作者のポリドリはこの吸血鬼を書く以前に「[[フランケンシュタイン]]」を執筆したメアリー・シェリー(当時は結婚による改名前のメアリ・ウルストンクラフト・ゴドウィン)と面識を持ったことがあるなど、他のサーヴァントの関係者と意外な接点を持った人物である。
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;英霊伝承異聞
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:彼の生前を描いたドラマCD『英霊伝承異聞』にて、本シリーズにおける"巌窟王"(モンテ・クリスト・ミトロジー)とは、彼の師たるファリア神父が「知識」、「財宝」と並んでエドモンに託した「神秘」として描写され、ファリアが聖堂協会から奪取し隠し持っていた、モンテ・クリスト島の真の秘宝——死の王として人を作り替える「14の遺物」であった事が判明する。その力は魔術の素養の無い人間に一時的に魔術回路と魔術刻印を植え付ける神話の域にある代物であり、モンテ・クリスト伯は正しい意味で「巌窟王/エドモン・ダンテス」と呼ばれるべき存在となっている。
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:この『英霊伝承異聞』はエドモンがパリに降り立ち本来の復讐を行う前のもう一つの復讐譚を描いた話なのだが、エデの正体や上記の14の遺物等多くの謎を残した作品となっている。サーヴァントの生前を描いた『英霊伝承』に巌窟王にのみ『異聞』という題が付けられている所も、『Grand Order』第二部で言及されたキーワード「[[異聞帯]]」と少なからず関連があると思われるが詳細は不明。しかし『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』にて意味深すぎる登場をしたことから今後最重要の存在となる可能性が高い。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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== 関連商品 ==
 
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== リンク ==
 
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[[Category:ちびちゅき!]]
 
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