概要

バルトアンデルス。魔術協会における三大部門の一角。北海に隠された神代の島。北海で彷徨い続ける“生きた海”。最古の魔術棟。北欧を根城とする原協会で、その名の通り海上を彷徨い移動する山脈の形をしているという。別名「移動石柩」。真なる神秘の継承者を名乗る。
『文明による魔術の進歩・変化を認めず、西暦以前の神秘───神代の魔術のみを魔術とする』というロンドンの時計塔と相反する理念・絶対原則が存在する。魔術の進歩を認めないという事は、人類の消費文明を認めないということ。今の人間社会とは相いれない学術棟。
それ故、門は固く閉ざされ、新たな門弟は数えるほどしかいない。年に一度だけ門を開き、才能あるものを招き入れるというが、時計塔でも彷徨海に辿り着けた者は数えるほどしかいない。アトラス院とは違う意味で秘密主義の集まり。主に肉体改造を主軸としている。
『2015年の時計塔』によれば、「神代の魔術こそ至高、西暦以後の魔術なぞ児戯に等しい」と見下しているため、時計塔とは冷戦状態にあるとのこと。
あまり表には出てこないのか、『MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア』では神秘関連の三大組織として「時計塔」「アトラス院」「聖堂教会」がスタンスの違いから睨み合っているとされており、彷徨海の名前はまったく出てこない。
カルデアの資料にも概要しか記されていない。


立地

北海のただ中にある浮島とされているが、その実は全くの逆。一つの異世界として移動する“海”の中に、西暦以前に造られた魔術棟が存在する。
神秘のテクスチャを貼り付けながら移動する土地。まさに“独立した特異点”と言える。
これが21世紀においても発見されずに残っている理由であり、濾過異聞史現象の影響を免れた理由であるとされる。

シャドウ・ボーダーの観測によると、その座標はノルウェーの西側の海にあるものの常に変動(移動、というよりはブレ)している。

Fate/Grand Orderにおける彷徨海

人理焼却の解決後、2018年に世界が滅びることを予測したシオン・エルトナム・ソカリスが、唯一その影響を免れ得る場所として来訪。エントランス付近の利用許可を得て、来るべき日にカルデアを迎える準備を整えていた。
ロシア異聞帯の消滅と引き換えに地球上に舞い戻ったシャドウ・ボーダーはシオンからのラジオメッセージを傍受し、通信は時計塔基準ではないが、波長はアトラス院の魔力波形に近く、彷徨海のデータがないため、確証を得ることは出来なかったが合流の誘いに応じることを決定。上記の座標の変動ゆえ直接の虚数潜航は困難と判断し、ノルウェーまで陸路で赴くことになる。
道中に遭遇した北欧異聞帯での死闘をくぐり抜けたシャドウ・ボーダーは彷徨海に到着。カルデア一行を迎え入れた後、エントランスは更なる改装を経て「彷徨海カルデアベース」、またの名を「ノウム・カルデア」として運用されることになる。

本来の彷徨海の人員は人理漂白に対しても全くの無関心で、「神代以降の汎人類史がどうなろうと知った事ではない」「クリプター達のスタンスには共感するが協力する気もない」と、巨大な石扉の奥の工房へと引きこもり[注 1]、立場としては消極的中立を貫いていた。
ゴルドルフ・ムジークは「かび臭い魔術のみに執着した老人どもの集まり」と評していたが、到着後は工房から漂う濃厚な神代の気配に晒され「扉の奥から学園長(時計塔の院長[注 2])と同じ気配がいくつもいくつも」「あの扉一枚でロードが何人も砕け散りそう」と恐怖を隠せないでいた。

所属者

宝石殺し
詳細不明。特性は「停止」
フォワブロ・ロワイン
かつては「彷徨悔の鬼子」と称された魔術師。現在は出奔。

メモ

  • 設定自体はTYPE-MOON黎明期の作品から存在してはいたが、名前や断片的な情報が語られるだけで詳細が明かされて来なかったため、長らく型月屈指のブラックボックスの一つとして鎮座し続けていた。最終的に『Fate/Grand Order』第二部でようやく初登場を果たし、「彷徨海がFGOのストーリーに関わる」という事実は多くの古参ファンに衝撃を与えた。

話題まとめ

脚注

注釈

  1. なお、その際には「勝手に入ってこないこと。石扉に触れた場合は運命の保障はない」という非常に物騒な言伝をシオンに残している。
  2. 設立以来、二千年間その座にいる規格外の存在。

出典


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