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候補は複数見出されており、[[聖堂教会]]が番号を振って監視している。
 
候補は複数見出されており、[[聖堂教会]]が番号を振って監視している。
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キリスト教以外にも多くの伝承に登場し、[[BB|バビロンの大淫婦が持つ黄金の杯]]、ケルト神話におけるダグザの大釜、そしてアーサー王伝説で[[ギャラハッド]]が発見するに至った聖杯などが存在する。
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キリスト教以外にも多くの伝承に登場し、[[ビーストⅥ/S|バビロンの大淫婦]]が持つ[[BB|黄金の杯]]、ケルト神話におけるダグザの大釜、そしてアーサー王伝説で[[ギャラハッド]]が発見するに至った聖杯などが存在する。
    
== 冬木の聖杯 ==
 
== 冬木の聖杯 ==
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実際にはユートピアにあるとされる万能の釜を模した物。聖堂教会もキリスト教とは無縁との確証は取れているが、その強大さを無視できず監視し続けている。
 
実際にはユートピアにあるとされる万能の釜を模した物。聖堂教会もキリスト教とは無縁との確証は取れているが、その強大さを無視できず監視し続けている。
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表向きには聖杯は霊体で、冬木教会にある器に降ろすか、同じ霊体であるサーヴァントに触れさせて手に入れる物とされる。実態はどちらも外れで、敗れたサーヴァントを集めてできた魔力、またはそれを世界の外側へ放って、できた孔から引き出した魔力が、願いを叶えられる力の正体である。この時、サーヴァントを集めるのが聖杯の器であり、世界の外側に通じる孔を固定するのが大聖杯である。
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表向きには聖杯は霊体で、冬木教会にある器に降ろすか、同じ霊体であるサーヴァントに触れさせて手に入れる物とされる。実態はどちらも外れで、敗れたサーヴァントを集めてできた魔力、またはそれを世界の外側へ放ち穿った孔から引き出した魔力が、願いを叶えられる力の正体である。この時、サーヴァントを集めるのが聖杯の器であり、世界の外側に通じる孔を固定するのが大聖杯である。
    
=== 聖杯の器 ===
 
=== 聖杯の器 ===
冬木教会の物とは別に、[[アインツベルン]]が鋳造する器。外来の[[魔術師]]とサーヴァント達が手に入れるとすればこちらの聖杯である。<br>
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冬木教会にある器とは別に、[[アインツベルン]]が鋳造する器。外来の[[魔術師]]とサーヴァント達が手に入れるとすればこちらの聖杯である。<br>
 
しかしその所在を掴むことは事前情報抜きには容易でないらしく、UBWルートでの[[メディア|キャスター]]は冬木の聖杯の仕組みに気付いていながら、冬木教会の物と混同する失態を犯している。<br>
 
しかしその所在を掴むことは事前情報抜きには容易でないらしく、UBWルートでの[[メディア|キャスター]]は冬木の聖杯の仕組みに気付いていながら、冬木教会の物と混同する失態を犯している。<br>
 
実物を調べればそれと分かり、[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]を診察した[[遠坂凛]]、[[間桐桜]]を治療した[[言峰綺礼]]がそれぞれ看破している。
 
実物を調べればそれと分かり、[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]を診察した[[遠坂凛]]、[[間桐桜]]を治療した[[言峰綺礼]]がそれぞれ看破している。
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6騎も集まれば、世界の内側のことは何でも叶えられるだけの魔力になる。『Fate/unlimited codes』でのキャスターは5騎分が貯まった聖杯の器で願いを叶えている。<br>
 
6騎も集まれば、世界の内側のことは何でも叶えられるだけの魔力になる。『Fate/unlimited codes』でのキャスターは5騎分が貯まった聖杯の器で願いを叶えている。<br>
 
5騎が集まると、大聖杯に通じる孔を開け始める。7騎全てを集め終えると大聖杯が完全に起動し、集めたサーヴァントを世界の外側へ放つ。<br>
 
5騎が集まると、大聖杯に通じる孔を開け始める。7騎全てを集め終えると大聖杯が完全に起動し、集めたサーヴァントを世界の外側へ放つ。<br>
もし集め終えられないまま、聖杯戦争が終わったなら、集まったサーヴァントは解放せず、単なる魔力として貯蓄する<ref group="出">「奈須きのこ一問一答-聖杯戦争関係」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.131</ref>。また大聖杯に通じる孔が開いている時に聖杯の器が壊れた場合、孔は徐々に閉じる。
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もし集め終えられないまま、聖杯戦争が終わったなら、集まったサーヴァントは解放せず、単なる魔力として貯蔵する。<ref group="出">「奈須きのこ一問一答-聖杯戦争関係」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.131</ref>また大聖杯に通じる孔が開いている時に聖杯の器が壊れた場合、孔は徐々に閉じる。
    
尚、器とはいうが形はシチュー鍋でも棺桶でも人間でも良い。アインツベルン製は黄金、魔術師の体でできた物は青銅とも語られている。但し、魔術回路の無い人体でできた物は肉塊に変じ増殖するだけで、正常に機能しない。<br>
 
尚、器とはいうが形はシチュー鍋でも棺桶でも人間でも良い。アインツベルン製は黄金、魔術師の体でできた物は青銅とも語られている。但し、魔術回路の無い人体でできた物は肉塊に変じ増殖するだけで、正常に機能しない。<br>
 
当初は杯の形をしていたが、第三次聖杯戦争で壊され、儀式自体も失敗する事態が生じた。<br>
 
当初は杯の形をしていたが、第三次聖杯戦争で壊され、儀式自体も失敗する事態が生じた。<br>
これを受けて第四次聖杯戦争では[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]の臓器に溶け込み、彼女に守らせるという形を取った。聖杯の器自体は無生物で、聖杯戦争が進むにつれて杯の形を取り戻し、アイリスフィールは自壊する仕組みである。因みに1騎も集めないまま死んでいた場合、第三次聖杯戦争の二の舞となっていた<ref group="出">「誌上コメンタリー-第八話 魔術師殺し」『Fate/ZeroアニメビジュアルガイドⅠ』p.131</ref><br>
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これを受けて第四次聖杯戦争では、無機物の聖杯を分解して[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]の臓器と融合させ、彼女に守らせるという形を取った。<ref group="出">「Fate/Zero用語辞典-聖杯の器」『Fate/Zero material』p.98</ref>聖杯戦争が進むにつれて杯の形を取り戻し、アイリスフィールは自壊する仕組みである。因みに1騎も集めないまま死んでいた場合、第三次聖杯戦争の二の舞となっていた。<ref group="出">「誌上コメンタリー-第八話 魔術師殺し」『Fate/ZeroアニメビジュアルガイドⅠ』p.131</ref><br>
第五次聖杯戦争ではイリヤスフィールの心臓になっているが、彼女が魔術礼装「天のドレス」を纏うと、心臓のみならず全身に拡張される。アイリスフィールと違って原型は留めるが、人間としての機能は切り捨てる必要がある。<br>
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第五次聖杯戦争ではイリヤスフィールの心臓になっているが、彼女が魔術礼装「天のドレス」を纏うと、心臓のみならず全身に拡張される。アイリスフィールと違って完成しても人型のままではあるものの、膨大な魔力を体内に留め置く為に、手足の運動、呼吸、人格など、人間としての機能は切り捨てる必要がある。<br>
 
聖杯の器として替えが効かないのは心臓のみで、UBWルートでは綺礼が凛に、[[ギルガメッシュ]]が[[間桐慎二]]に移植して、聖杯の器にしようとした。<br>
 
聖杯の器として替えが効かないのは心臓のみで、UBWルートでは綺礼が凛に、[[ギルガメッシュ]]が[[間桐慎二]]に移植して、聖杯の器にしようとした。<br>
 
また[[間桐臓硯]]は第四次聖杯戦争で聖杯の欠片を手にし、刻印虫の形で桜に埋め込み、彼女を聖杯の器に仕立て上げている。正真正銘の人体である為、自分の意思で人間としての機能と聖杯の器としての機能の割合を決定できない。<br>
 
また[[間桐臓硯]]は第四次聖杯戦争で聖杯の欠片を手にし、刻印虫の形で桜に埋め込み、彼女を聖杯の器に仕立て上げている。正真正銘の人体である為、自分の意思で人間としての機能と聖杯の器としての機能の割合を決定できない。<br>
つまり第五次聖杯戦争の聖杯の器はイリヤスフィールと桜の2つがあることになる。どちらにサーヴァントが流れるかには、それぞれが集めたサーヴァントの数とこれから集めるサーヴァントへの距離が左右する。2騎分少ない聖杯の器はサーヴァントの直近に居ないと回収できなくなる。
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つまり第五次聖杯戦争の聖杯の器はイリヤスフィールと桜の2つがあることになる。どちらにサーヴァントが流れるかには、それぞれが集めたサーヴァントの数とこれから集めるサーヴァントへの距離が左右する。仮に集めた数の差が2騎である場合、少ない方の器はサーヴァントの直近に居ないと回収できなくなる。
    
=== 大聖杯 ===
 
=== 大聖杯 ===
円蔵山がその内部に擁する大空洞「龍洞」に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ、超抜級の魔術炉心。聖杯戦争のシステムを管理するもの。<br>
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円蔵山地下の大空洞「龍洞」にある、すり鉢状の岩肌に刻まれた魔法陣で、超抜級の魔術炉心。聖杯戦争のシステムを管理するもの。<br>
冬木の霊脈を涸らさないように60年掛けてマナを吸い上げ、7騎のサーヴァントを召喚するのに充分なまでに蓄える。聖杯降霊の時期が近づくとマスターに相応しい人物に令呪の兆しを授け、聖杯戦争という儀式を開始する。<br>
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まず冬木の霊脈を涸らさないように60年掛けてマナを吸い上げ、7騎のサーヴァントを召喚するのに充分なまでに蓄える。<br>
世界の外側からサーヴァントを喚び出して、聖杯の器に集める。7騎全て揃うと大聖杯は完全に起動し、サーヴァントの霊核が元の場所に戻る時にできる、世界の外側への孔を固定する。この孔を通ればいつかは根源に辿り着ける筈という筋書きである。根源に辿り着けなくとも、世界の外側から使い切れないだけの魔力を引き出せる。
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準備が整うと、マスターに相応しい人物に令呪の兆しを授け、世界の外側からサーヴァントを喚び出させる。<br>
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聖杯の器が7騎全てを集めると、大聖杯は完全に起動し、サーヴァントの霊核が元の場所に戻る時にできる、世界の外側への孔を固定する。<br>
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この孔を通ればいつかは根源に辿り着ける筈という筋書きである。根源に辿り着けなくとも、世界の外側から使い切れないだけの魔力を引き出せる。
    
また、7騎のサーヴァントが一勢力に統一されてしまった場合を想定し、7騎のサーヴァントに対抗するために追加で7騎のサーヴァントを召喚する予備システムが組み込まれている。だがこのシステムはあくまで緊急の措置であり、冬木で発動した場合は霊脈そのものが枯渇する可能性もある。
 
また、7騎のサーヴァントが一勢力に統一されてしまった場合を想定し、7騎のサーヴァントに対抗するために追加で7騎のサーヴァントを召喚する予備システムが組み込まれている。だがこのシステムはあくまで緊急の措置であり、冬木で発動した場合は霊脈そのものが枯渇する可能性もある。
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1800年から10年に渡り、始まりの御三家([[アインツベルン]]・[[間桐家|マキリ]]・遠坂)により敷設され、その術式は冬の聖女[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン]]の魔術回路を拡張・増幅したもの。この儀式にはかの[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ|魔導元帥ゼルレッチ]]も立ち会っており、[[ギルガメッシュ]]までもが「考案したものは神域の天才であろうよ」と賞賛し、人体という小宇宙を実際に宇宙にした特例として扱われている。
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1800年から10年に渡り、始まりの御三家([[アインツベルン]]・[[間桐家|マキリ]]・遠坂)により敷設された。製作途中では直径100m以上の多重層刻印で、聖杯ではあったものの、第三魔法の行使はできなかった。[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン]]がその中心に収まると、彼女の魔術回路を拡張、増殖して直径1kmに拡大、人体から成る小宇宙となった。<ref group="出">「Fate用語辞典-ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン」『Fate/side material』p.76</ref>この儀式には第二魔法の使い手である[[キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ]]も立ち会った。
    
聖杯の器が破壊されようとも大聖杯さえ無事ならば、器が用意される限り何度でも聖杯降霊儀式は執り行える。<br>
 
聖杯の器が破壊されようとも大聖杯さえ無事ならば、器が用意される限り何度でも聖杯降霊儀式は執り行える。<br>
但し『Fate/stay night』の世界でのアインツベルンは第五次聖杯戦争で最後にするつもりである。物理的にも、Fate・UBWルートにおいては切嗣が第四次の後に用意した霊脈の瘤による局地的大地震により、HFルートにおいては宝石剣ゼルレッチで大暴れした凛により、龍洞が崩落、大聖杯は破壊される。<br>
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ただし、『Fate/stay night』の世界でのアインツベルンは第五次聖杯戦争で最後にするつもりである。物理的にも、Fate・UBWルートにおいては切嗣が第四次の後に用意した霊脈の瘤による局地的大地震により、HFルートにおいては宝石剣ゼルレッチで大暴れした凛により、龍洞が崩落、大聖杯は破壊される。
『Fate/Apocrypha』では世界の裏側へ運ばれ、やはり開催されなくなっている。
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第五次の10年後、魔術協会は大聖杯の復活を画策し、遠坂の当主とロード・エルメロイⅡ世により完全に解体される必要を残していた<ref group = "注">『Fate/Accel Zero Order』によると、「(第四次聖杯戦争の時代から)次の代で遠坂を継ぐのが自分の教え子」であることから、その「遠坂の当主」が[[遠坂凛]]であることを伺わせる。</ref><ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.7">「聖杯戦争の歴史」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.7</ref>。この解体は関わったエルメロイⅡ世が例えるなら、大樽一杯に貯まったニトログリセリンを抜き取る作業らしく、一晩二晩ではどうにもならず入念な準備を必要とした<ref group = "出" name = "Zeroコラボイベント ACT-15" >『Fate/Accel Zero Order』ACT-15「大聖杯へ」</ref>
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第五次の10年後、魔術協会は大聖杯の復活を画策し、遠坂の当主とロード・エルメロイⅡ世により完全に解体される必要を残していた。<ref group = "注">『Fate/Accel Zero Order』によると、「(第四次聖杯戦争の時代から)次の代で遠坂を継ぐのが自分の教え子」であることから、その「遠坂の当主」が[[遠坂凛]]であることを窺わせる。</ref><ref group = "出" name="『Fate/complete material Ⅲ』p.7">「聖杯戦争の歴史」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.7</ref>この解体は、関わったエルメロイⅡ世の例えによると、大樽一杯に貯まったニトログリセリンを抜き取る作業らしく、一晩二晩ではどうにもならず入念な準備を必要とした。<ref group = "出" name = "Zeroコラボイベント ACT-15" >『Fate/Accel Zero Order』ACT-15「大聖杯へ」</ref>
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『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。
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『Fate/Apocrypha』ではナチスドイツに御三家が敗退し、[[ユグドミレニア]]の本拠地であるルーマニア・トゥリファスに持ち去られている。<br>
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最終的に、破壊こそされないものの世界の裏側へ運ばれてしまうため、こちらでも儀式が不可能な状態になっている。
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「竹箒日記」によると「大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)」とのこと<ref group="出">「[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201210.html 竹箒日記-2012/10/3]」</ref>
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「竹箒日記」によると「大聖杯の中において時間軸はすべて等価(つーかドッロドロ)」とのこと。<ref group="出">「[http://www.typemoon.org/bbb/diary/log/201210.html 竹箒日記-2012/10/3]」</ref>
    
== ムーンセル・オートマトン ==
 
== ムーンセル・オートマトン ==
 
『[[Fate/EXTRA]]』『[[Fate/EXTRA Last Encore]]』『[[Fate/EXTRA CCC]]』『[[Fate/EXTRA CCC FoxTail]]』『[[Fate/EXTELLA]]』『[[Fate/EXTELLA LINK]]』における聖杯。<br>
 
『[[Fate/EXTRA]]』『[[Fate/EXTRA Last Encore]]』『[[Fate/EXTRA CCC]]』『[[Fate/EXTRA CCC FoxTail]]』『[[Fate/EXTELLA]]』『[[Fate/EXTELLA LINK]]』における聖杯。<br>
ムーンセルは『Fate/EXTRA』シリーズの世界のみに存在する<ref group="出">「Q&A」『TYPE-MOON Fes. オフィシャル パンフレット』</ref>
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ムーンセルは『Fate/EXTRA』シリーズの世界のみに存在する。<ref group="出">「Q&A」『TYPE-MOON Fes. オフィシャル パンフレット』</ref>
    
詳細は「[[ムーンセル・オートマトン]]」を参照。
 
詳細は「[[ムーンセル・オートマトン]]」を参照。
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==美遊世界の冬木の聖杯==
 
==美遊世界の冬木の聖杯==
『[[Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]]』での平行世界の冬木における聖杯。[[美遊・エーデルフェルト]]のことで、一言で言うなら「生まれながらに完成された聖杯」。願いを叶える機能も必要な魔力も最初から備わった天然物であり、オリジナルの聖杯に非常に近いとびっきりのレアもの。しかし7歳で失われる力であり、それを取り戻す為に聖杯戦争が行われている。
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『[[Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ]]』での平行世界の冬木における聖杯。[[美遊・エーデルフェルト]]のことで、一言で言うなら「生まれながらに完成された聖杯」。願いを叶える機能も必要な魔力も最初から備わった天然物であり、オリジナルの聖杯に非常に近いとびっきりのレアもの。しかし7歳で失われる力であり、それを取り戻す為に聖杯戦争が行われている。<br>
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また、それすらも通常の聖杯戦争における「小聖杯」にすぎず、主催者である[[エインズワース家]]が保有している「[[ピトス]]」こそが小聖杯によって起動される「大聖杯」にあたる。
    
==八一号聖杯爆弾==
 
==八一号聖杯爆弾==
 
『[[Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚]]』における聖杯。大聖杯を元に造られた魔導兵器。[[織田信長|魔人アーチャー]]が確保した大聖杯の本質を見抜き、願望機として使うのが難しい事から変な思い切りの良さを発揮して81のパーツに解体し、再構成。その結果、大聖杯が有する膨大な魔力を余すところなく爆発による破壊力に転化し、一発で戦局を逆転させうる戦略兵器として新生した。
 
『[[Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚]]』における聖杯。大聖杯を元に造られた魔導兵器。[[織田信長|魔人アーチャー]]が確保した大聖杯の本質を見抜き、願望機として使うのが難しい事から変な思い切りの良さを発揮して81のパーツに解体し、再構成。その結果、大聖杯が有する膨大な魔力を余すところなく爆発による破壊力に転化し、一発で戦局を逆転させうる戦略兵器として新生した。
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「'''信じて作った大聖杯がなんか爆弾にされていた'''」とか、必死に聖杯を取りあっていた御三家にとっては涙目の結末である。汚染聖杯を人を殺すために使うという合理的かつ身も蓋もない使い道であるがそのシンプルな運用からか大聖杯にありがちなイレギュラーや欠陥も補完されており隙が無い。敵国であるアメリカどころか日本以外全てを吹き飛ばしかねないほどの危険物である。
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「'''信じて作った大聖杯がなんか爆弾にされていた'''」とか、必死に聖杯を取りあっていた御三家にとっては涙目の結末である。汚染聖杯を人を殺すために使うという合理的かつ身も蓋もない使い道ではあるが、そのシンプルな運用からか大聖杯にありがちなイレギュラーや欠陥も補完されており隙が無い。敵国であるアメリカどころか日本以外全てを吹き飛ばしかねないほどの危険物である。
    
==『Fate/Grand Order』の聖杯==
 
==『Fate/Grand Order』の聖杯==
 
キーワードに「聖杯探索」を掲げるだけあって、多数の聖杯が登場している。出自によって、いくつかの種類に分けることができる。
 
キーワードに「聖杯探索」を掲げるだけあって、多数の聖杯が登場している。出自によって、いくつかの種類に分けることができる。
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一つは各時代において特異点を形成する原因となっている聖杯。アートグラフ。主に[[ゲーティア|黒幕]]によって、人理定礎崩壊のために各特異点を形成したものであり、各特異点に1つずつ配置されている。<br>
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1つ目は、各時代において特異点を形成する原因となっている聖杯。アートグラフ。主に[[ゲーティア|黒幕]]によって、人理定礎崩壊のために各特異点を形成したものであり、各特異点に1つずつ配置されている。<br>
 
また、期間限定イベントの舞台となる小規模特異点も、聖杯を原因とする異変が発生している。多くの場合、この聖杯を回収することにより特異点を正常化させるのが、カルデアの作戦目的となり、特異点を1つクリアするごとに1つ獲得することができる。<br>
 
また、期間限定イベントの舞台となる小規模特異点も、聖杯を原因とする異変が発生している。多くの場合、この聖杯を回収することにより特異点を正常化させるのが、カルデアの作戦目的となり、特異点を1つクリアするごとに1つ獲得することができる。<br>
聖杯戦争の最後の勝者が聖杯を手にする。にも関わらず、特異点では既に勝敗が決まる前に所有者がいる、という矛盾を正すために聖杯によってマスターを持たないはぐれサーヴァントが召喚されている。
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聖杯は聖杯戦争の最後の勝者が手にする物だが、特異点では勝敗が決まる前に所有者がいる状態になる。この矛盾を正すため、聖杯によってマスターを持たないはぐれサーヴァントが召喚されている。
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[[レオナルド・ダ・ヴィンチ|ダ・ウィンチちゃん]]によると聖杯は空間における魔力の使用方法を決める<ruby><rb>法</rb><rt>のり</rt></ruby>であり、世界のルールとも言え本来カタチの無いものだとか。しかし何故か[[レフ・ライノール]]は聖杯を結晶化して所持していた。
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[[レオナルド・ダ・ヴィンチ|ダ・ウィンチちゃん]]によると、聖杯は空間における魔力の使用方法を決める<ruby><rb>法</rb><rt>のり</rt></ruby>であり、世界のルールとも言え本来カタチの無いものだとか。しかし何故か[[レフ・ライノール]]は聖杯を結晶化して所持していた。
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2つ目は、その世界に元から存在した「特異点発生とは関わりのない聖杯」。『封鎖終局四海 オケアノス』で[[フランシス・ドレイク]]がポセイドンをしばいてぶん取った正真正銘の聖杯。生前のドレイクはこれを持つためにサーヴァントとも戦える戦闘能力を持っていた。『絶対魔獣戦線バビロニア』では、[[ギルガメッシュ]]が保有する宝物として『ウルクの大杯』が登場しており、最終的に主人公に譲渡された。
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2つ目は、その世界に元から存在した「特異点発生とは関わりのない聖杯」。『封鎖終局四海 オケアノス』で[[フランシス・ドレイク]]がポセイドンをしばいてぶん取った正真正銘の聖杯。生前のドレイクはこれを持つためにサーヴァントとも戦える戦闘能力を持っていた。『絶対魔獣戦線バビロニア』では、[[ギルガメッシュ]]が保有する宝物として『ウルクの大杯』が登場しており、最終的に主人公に譲渡された。
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3つ目は、巨大な魔力リソースを結晶化したもの。『雀のお宿活動日誌~閻魔亭繁盛記』では、閻魔亭に蓄積されたリソースが、[[紅閻魔]]により聖杯として結晶化され、事件解決の報酬としてカルデア一行に手渡されている。<br>
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3つ目は、巨大な魔力リソースを結晶化したもの。『雀のお宿活動日誌~閻魔亭繁盛記』では、閻魔亭に蓄積されたリソースが、[[紅閻魔]]により聖杯として結晶化され、事件解決の報酬としてカルデア一行に手渡されている。<br>
[[幕間の物語]]のどで微小聖杯などにより、微小特異点が形成されることが多い。
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微小聖杯とも言える扱いで、[[幕間の物語]]などで微小特異点が形成される原因になることも多い。
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さながら聖杯の大盤振る舞いであるが、カルデアが回収後のものはあくまで巨大な魔力リソースとしてしか使用出来ず、願望機としての役割は持っていないとされる。
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さながら聖杯の大盤振る舞いであるが、カルデアが回収した後はあくまで巨大な魔力リソースとしてしか使用できず、願望機としての役割は持っていないとされる。<br>
カルデアが回収する以前のものは、願いを叶える為に使用されたケースが多々ある。
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一方で、カルデアが回収する以前であれば、願いを叶える為に使用されたケースが多く存在する。
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ゲーム上では、サーヴァントのレベル限界をレアリティ規定以上に引き上げる「聖杯転臨」の素材として消費する、完全有限のアイテムとして扱われている。期間限定イベントは、一定期間後に同じイベントが復刻開催されることがあるが、以前聖杯を獲得していた場合は別のアイテム(同じく完全有限素材である伝承結晶)に置き換わるようになっている。
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ゲーム上では、サーヴァントのレベル限界をレアリティ規定以上に引き上げる「聖杯転臨」の素材として消費する、完全有限のアイテムとして扱われている。期間限定イベントは復刻開催されることがあるが、前回の開催時に聖杯を獲得していた場合は別のアイテム(同じく完全有限素材である伝承結晶)に置き換わるようになっている。
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そして、『Grand Order』の世界にも「冬木の聖杯」は存在している。2004年の聖杯戦争がこの世界における最初の聖杯戦争であり、[[アンリマユ]]による汚染も発生していない。聖杯戦争に勝利した[[マリスビリー・アニムスフィア]]がアインツベルンの大聖杯による根源到達を目的としていなかったために、小聖杯の願望器としての機能のみが利用された。その後、「セイバーとそのマスターが勝利したこと」という情報操作が行われている。
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2022年1月1日に新規実装されたシステム『聖杯鋳造』により、カルデア内で人為的に聖杯を生み出す事が可能になっている。
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『非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ』のクリア<ref group="注">ツングースカ・サンクチュアリは期間限定イベントだが、プロローグとエピローグの部分のみ常設ストーリーになっているため、イベント期間に参加できなかったプレイヤーでも同様の解放条件で解放される</ref>で利用可能になるシステムで、どのサーヴァントのものでも良いのでサーヴァントコインを合計2000枚つぎ込むごとに1個、1か月に2個までの聖杯を手に入れる事ができる。
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この際、マリスビリーはカルデアスを完成させるために資金を、当時マリスビリーが呼びだした[[ソロモン|キャスター]]は自分の時代になかった「ロマン」に関心を持ち「[[ロマニ・アーキマン|人間]]として受肉する」という願いを叶えていた。なおこのくだりは『冠位時間神殿 ソロモン』におけるロマ二の回想のみで語られており、[[主人公 (Grand Order)|カルデアのマスター]]や[[マシュ・キリエライト]]、[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]が両者の願いを知っているかどうかは不明。
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『Grand Order』の世界にも「冬木の聖杯」は存在している。2004年の聖杯戦争がこの世界における最初の聖杯戦争であり、[[アンリマユ]]による汚染も発生していない。聖杯戦争に勝利した[[マリスビリー・アニムスフィア]]がアインツベルンの大聖杯による根源到達を目的としていなかったために、小聖杯の願望器としての機能のみが利用された。<br>
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根源到達を目的として7騎のサーヴァント全ての魂を使うならば最後に残った勝者もサーヴァントを自害させるなりする必要があり、サーヴァントにとって願いを叶えるという報酬は空手形になる可能性があったのはこの世界の聖杯戦争でも同じだったのだが、マリスビリーの願いが根源到達ではなく6騎分の魂で叶えられるものだったため、彼のサーヴァントである[[キャスター|ソロモン]]も生き残り願いを叶える権利を手にした。<br>
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マリスビリーはカルデアスを完成させるための資金を願い、キャスターは自分の時代になかった「ロマン」に関心を持ち「[[ロマニ・アーキマン|人間]]として受肉する」という願いを叶えた。なお、このくだりは『冠位時間神殿 ソロモン』におけるロマ二の回想のみで語られており、[[主人公 (Grand Order)|カルデアのマスター]]や[[マシュ・キリエライト]]、[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]が両者の願いを知っているかどうかは不明。
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[[ラーマ]]の幕間の物語では、普通の聖杯戦争ならば「[[シータ]]が攫われなかった過去に変えてほしい」という過去を変える願いも叶えられるかもしれないが、後から手を加えれば、シータは攫われずとも呪いは解けないまま、あるいは救われた分の反動が、[[ラーマ]]の国を違うものにしてしまうかもしれないなど、色々な歪みが生まれる可能性があると[[ロマニ・アーキマン]]が語っている。
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なお対外的には、その後の活動に支障が出る可能性を嫌ったマリスビリーによって、この聖杯戦争では「セイバーとそのマスターが勝利した」という情報操作が行われている。
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[[ラーマ]]の幕間の物語では、普通の聖杯戦争ならば「[[シータ]]が攫われなかった過去に変えてほしい」という過去を変える願いも叶えられるかもしれないが、後から手を加えれば、シータは攫われずとも呪いは解けないまま、あるいは救われた分の反動が[[ラーマ]]の国を違うものにしてしまうかもしれないなど、色々な歪みが生まれる可能性があることを[[ロマニ・アーキマン]]が語っている。
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==盈月==
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『[[Fate/Samurai Remnant]]』にて[[土御門泰広]]が[[安倍晴明]]の遺した[[聖杯戦争]]に関する情報を基に作成した、聖杯の模造品。<br>
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通常の聖杯とは違い、赤い二つの手が交わったような形をしている。<br>
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機能としては聖杯と似通っており、英霊数騎分の魂という莫大な魔力を貯め込むことで万能の願望機とすることもできる。しかし、これは土御門が本来目的としていた使用法ではない。<br>
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これを真に完成させるには[[オトタチバナヒメ]]を捧げなければならず、また願望機として動作させる際にも彼女が必要なようである。<br>
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欠点としては、「盈月の儀」で敗れたサーヴァントの魂を回収する際は無色の魔力としてではなく、穢れとして取り込んでしまう。
    
==聖牌==
 
==聖牌==
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:聖杯と呼ばれる物の争奪戦はどのような形であろうと全て、聖杯戦争と呼ばれる。冬木市で行われる魔術儀式もまた聖杯戦争である。
 
:聖杯と呼ばれる物の争奪戦はどのような形であろうと全て、聖杯戦争と呼ばれる。冬木市で行われる魔術儀式もまた聖杯戦争である。
 
;[[聖杯くん]]
 
;[[聖杯くん]]
:2010年のエイプリルフール企画「fuyuki.com」で冬木市ののマスコットキャラクターとして紹介された。
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:2010年のエイプリルフール企画「fuyuki.com」で冬木市のマスコットキャラクターとして紹介された。
 
;虎聖杯
 
;虎聖杯
 
:『[[フェイト/タイガーころしあむ]]』参照。
 
:『[[フェイト/タイガーころしあむ]]』参照。
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*[[Fate/Labyrinth]]
 
*[[Fate/Labyrinth]]
 
*[[Fate/Grand Order]]
 
*[[Fate/Grand Order]]
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*[[Fate/Grand Order Arcade]]
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*[[Fate/Samurai Remnant]]
 
*[[ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]
 
*[[ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]
 
*[[トラぶる花札道中記]]
 
*[[トラぶる花札道中記]]
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== メモ ==
 
== メモ ==
 
*第三次聖杯戦争で大聖杯はアヴェンジャーを願いと誤認し、結果それ以降の願いを殺人という形で叶えるように歪められている。
 
*第三次聖杯戦争で大聖杯はアヴェンジャーを願いと誤認し、結果それ以降の願いを殺人という形で叶えるように歪められている。
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**[[衛宮切嗣]]は魂の変革を通しての世界平和を願っていたが、大聖杯は魂の変革という部分を無視し、人類絶滅による世界平和を実現しようとしていた。
 
**汚染されていない聖杯ならば何例か願望成就している。汚染されている聖杯を扱えたのは『Fate/unlimited codes』のキャスターくらいである。
 
**汚染されていない聖杯ならば何例か願望成就している。汚染されている聖杯を扱えたのは『Fate/unlimited codes』のキャスターくらいである。
*『Fate/Grand Order』では万能の願望器である聖杯でも叶えることが不可能なケースが存在し、[[ジル・ド・レェ]]が生前処刑された[[ジャンヌ・ダルク]]を蘇らせようとしたが拒絶されたことが挙げられる<ref group = "出" name="第一特異点 第15節">『邪竜百年戦争 オルレアン』第15節「竜の魔女」</ref><ref group = "注">ただし、それがダメならばジルの信じるジャンヌ・ダルクを聖杯の力で創造して[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]]が誕生したあたり、やはり万能の願望器の凄まじさをうかがわせる。</ref>
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*『Fate/Grand Order』では万能の願望器である聖杯でも叶えることが不可能なケースが存在し、[[ジル・ド・レェ]]が生前処刑された[[ジャンヌ・ダルク]]を蘇らせようとしたが拒絶されたことが挙げられる。<ref group = "出" name="第一特異点 第15節">『邪竜百年戦争 オルレアン』第15節「竜の魔女」</ref><ref group = "注">ただし、それがダメならばジルの信じるジャンヌ・ダルクを聖杯の力で創造して[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]]が誕生したあたり、やはり万能の願望器の凄まじさを窺わせる。</ref>
    
== 話題まとめ ==
 
== 話題まとめ ==
 
;願望機の特徴
 
;願望機の特徴
 
:一般的な魔術において、目的を達成するためにはそのための過程を考える必要がある。例えば「空を飛びたい」と願った場合、「重力を制御して体を浮かす」でも「翼を生やして羽ばたく」でも「魔力を脚から噴出する」でも良いが、とにかく何らかの方法を定義する必要がある。
 
:一般的な魔術において、目的を達成するためにはそのための過程を考える必要がある。例えば「空を飛びたい」と願った場合、「重力を制御して体を浮かす」でも「翼を生やして羽ばたく」でも「魔力を脚から噴出する」でも良いが、とにかく何らかの方法を定義する必要がある。
:一方、冬木の聖杯は、ただ「こうなって欲しい」と思い描くだけで、その願望を実現する事が出来る。その際、使用者が過程を思い描く必要がない。なので「空を飛びたい」と願うだけで、理論を吹っ飛ばして即座に「空を飛ぶ」と言う結果を叶えられる。
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:一方、聖杯は、ただ「こうなって欲しい」と思い描くだけで、その願望を実現する事が出来る。その際、使用者が過程を思い描く必要がない。なので「空を飛びたい」と願うだけで、理論を吹っ飛ばして即座に「空を飛ぶ」と言う結果を叶えられる。
:これこそが、聖杯の願望機としての大きな特徴であり、魔術との大きな違いである。そもそも、理論とそれを実現するための魔力さえあれば魔術でも大抵の事はできる。だが、理論を知らずとも結果を現出させる事は、聖杯にしか出来ないのだ。
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:これこそが、聖杯の願望機としての大きな特徴であり、魔術との大きな違いである。そもそも、理論とそれを実現するための魔力さえあれば魔術でも大抵の事はできる。だが、理論を知らずとも結果を現出させる事は、聖杯にしか出来ないのだ。イリヤが魔術理論を知らずに魔術を行使出来るのも、これと同じ原理。
:イリヤが魔術理論を知らずに魔術を行使出来るのも、これと同じ原理。また、アヴェンジャーによって汚染された聖杯が「必ず悪意を持って願いを叶える」ようになってしまったのも、この聖杯の特徴が仇になったためと言える(過程が定義されておらず、願いの叶え方は聖杯に一任されているからこそ、悪意に取る事が可能となる。過程を定義する必要があるなら、悪意に取りようがない)。
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:尚、使用者が過程(方法)を知っている必要は無いが、それは聖杯が勝手に埋め合わせるからであって、結果だけを実現している訳ではない。例えば、Fateルートにおいてイリヤが「ギルガメッシュの存在を否定する」という願いを自らの魔術特性で叶えようとした時は、魔力弾という方法を導き出したがあっさり跳ね返されて実現には至らなかった。
:尚、使用者が方法を知っている必要は無いが、それは聖杯が勝手に埋め合わせるからであって、結果だけを実現している訳ではない。例えばFateルートにおいてイリヤが「ギルガメッシュの存在を否定する」という願いを自らの魔術特性で叶えようとした時は、魔力弾という方法を導き出したが、あっさり跳ね返されて最終的には叶えられなかった。『Fate/Zero』で衛宮切嗣が絶望した理由も、聖杯が用意した方法論が、自分が否定したかった方法論(邪魔な者を皆殺しにすれば平和になるよね?)と完全に同一だったからである。
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:『Fate/hollow ataraxia』でイリヤが語るところによれば、冬木の大聖杯にこうした性質は無く、「その有り余る力で持ち主の願いを“広義的に見て”叶えるだけ」とのこと。
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:また、願望機としての性能が高い場合、願望に使用者の主観要素が強く解決が難しいものの場合には'''使用者の認識を改竄することで「願いが叶った」状態を無理やり実現させる'''事もあるとのこと。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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[[Category:Fate/Grand Order]]
 
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[[Category:Fate/Grand Order Arcade]]
 
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[[Category:Fate/Samurai Remnant]]
 
[[Category:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿]]
 
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[[Category:Fate/Labyrinth]]
 
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