エリカ・エインズワース

エリカ・エインズワース
本名 パンドラ
別名 エミーリア、イザベラ、クリスティーナ、レオナ、モニカ、シルヴィエ、バネッサ、ビクトリエ、ユーリア、ヴラステミラなど…
性別 女性
声優 諸星すみれ
初登場作品 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
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概要編集

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に登場する、エインズワース家の一員。小学校低学年ほどの、金髪碧眼の少女。

略歴
『ドライ!!』の舞台となる平行世界の冬木市の町中でイリヤ達と出会い友人となるが、直後に敵対関係とわかり、後ろ髪を引かれながら別れる。
翌日には諦めきれなかったのかアンジェリカに依頼してイリヤを拉致し、ぬいぐるみと精神置換して一緒にいようとする。
エインズワース邸での決戦時にはジュリアンに要請されて黒色の泥を浴び、ピトスを開こうとしていた。
その正体は、六千年前の神代の頃から生き続けてきたギリシャ神話の原初の女性であるパンドラ本人。彼女曰く「神代の負債」。正確には彼女自身には名前はなかったが、彼女が持たされていた「パンドラの匣」の名前から自身の名前がついたとのこと。
こちらの世界の神話では開いたとされるピトスを開かず、彼女の「死」がピトスの中にしまい込まれたまま、エインズワース家の一員として現代まで生き続けていた。
人物
年相応に人懐っこく無邪気で、一人前のレディーであろうとして少々背伸びしがちではあるが善良。
我慢していることについては強がって我慢していないと言い張る(態度ではバレバレだが)傾向があり、若干めんどくさい性格。
その一方で友人を喜ばせる為に精神を置換した肉体を持っていくなど、無邪気さ故の恐ろしさも持ち合わせている。
黒色の泥を浴びた後は雰囲気も表情も以前とは打って変わって絶望と諦観に満ちたものとなっており、穂群原学園で再会したイリヤに対しても自分を殺すように懇願している。
上記のように彼女の「死」がピトスにしまい込まれているため死ぬ事もできずに生き続けざるを得ず、自分の正体を知った相手は隔意と嫌悪を向けてきたためか、いっこうに滅ぶ気配がない人類に対しては嫌悪し切っている。
精神が摩耗しきっているため定期的に人格をリセットして別人になる必要があり、「エリカ」になる前には「エミーリア」を名乗っていた。それでも後の回想シーンでも過去に複数回自殺を試みた形跡が見られ、限界に達するたびにダリウスの手によってリセットされ、消した分の記憶はピトス内に置換していたようである[注 1]
能力
エインズワース邸の上にある巨大な立方体から注がれる泥をある程度コントロールできるようで、田中の腕が変化した剣を持ったイリヤに対して攻撃をかけていた。
ジュリアンの言葉からすると、立方体を指すと思われる「ピトス」を理論上開くことができると思われるが、具体的に何をするとどうなるのかは11巻時点では不明。実際の所は六千年間の生涯の中で精神が壊れてしまった為に「鍵」としての機能も破損してしまっているようである。
また、近くにいる人物の庇護欲を喚起する性質も持ち合わせているとも言われているが、「パンドラ」の製造目的を考えれば当然の機能と思われる。

登場作品と役柄編集

Fateシリーズ編集

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
『ドライ!!』以降に登場。エインズワース家の一員。

人間関係編集

ジュリアン・エインズワース
兄。彼の為に力を尽くそうとする。
実際には血は繋がっておらず、非常に複雑な関係。
かつては、姉「エミーリア」として振舞い、家族に隔意を持っていた彼の面倒を主に見ていた。
ダリウス・エインズワース
父。
やはり実際には血は繋がっておらず、相当昔から何度も名前を変えて「ダリウス」の側に居続けてきた模様。
最初の出会いは千年前に地中に埋められていたところを発見されたときであり、それが彼のその後の人生を決定づけた。
ベアトリス・フラワーチャイルド
使用人。粗暴な性格の為、怖がっている。
アンジェリカ
使用人の一人。ベアトリスと比べるとずっと懐いている。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
町中で出会って仲良くなるが、美遊に会わせるために無力化しないとだめだからと精神置換を使用する等かなり歪んでいる。
彼女が世界崩壊後に過去に時間遡行した際には、「生前のパンドラがずっと共にあった謎の存在」として世界と記憶が再構築された。
美遊・エーデルフェルト
仲良くなりたいと思っているが、今一つ人の心がわからない為に空回り気味。
田中
向こうからはいきなり手を噛まれる程嫌われている上、彼女の腕が変化したものが天敵らしく、相性は最悪に近い。

名台詞編集

「………っ…!! ぜったいにわたしを下さないでね!!」
「ぜんぜん泣いてないし…下さなくていいもん…」
「わ…わたしが3回下さないでって言ったら…ぜっっっ……たい、下さないで………」
門の閉まった小学校に入ろうとして、塀をよじ登ったまでは良かったが、降りるときに足がつかなくて固まってしまい、とうとう泣き出してしまった時の台詞。初登場時の台詞だが、頭は塀の向こうのため、この間ずっとお尻しか映っていない。
「あのねイリヤお姉ちゃん………ぜっっっ……………たいに、エリカをトイレに連れていかないでね」
「…イリヤ……お姉ちゃん…エリカをぜったいに着替えさせないで…」
実は塀の上でかなりの間おしっこを我慢していたエリカ。ギリギリまで頑張るものの、田中さんのおかげで……。
「ぜんぜんさむくないから毛布とかもってこないでね」
「さんそっ…とかっ…いらなっ……いし…」
父親のダリウスが発動させた結界宝具『三〇一秒の永久氷宮』の中にて。氷に閉ざされた極寒の空間で、時間と共に酸素が失われていくという苦しい状況下でも、強がりだけはやめようとしない。
「『人を傷つけちゃダメ』……っていってたのに お姉ちゃんウソツキだね」
エリカを引き取りにきたダリウスと交戦後。
確かに先に攻撃したのはこっち側だが、美遊を拉致したのは向こう側である。根本的に「ズレている」ことを感じされる言葉。
「よかったね! これで美遊お姉ちゃんとイリヤお姉ちゃんは ずっといっしょにいられるよ!」
イリヤを拉致して、精神をぬいぐるみと置換しての一言。
心底嬉しそうな態度で、自分のやっていることに欠片の疑問も抱いていない。イリヤも「歪な子」とドン引きした。……平行世界で自分がやらかした行為でもあるが。
「…お兄ちゃんの ジャマをしないでギルガメッシュ
 わたしにはもうむずかしいことはわからないけど お兄ちゃんが…みんなを…すくってくれるの
 だからわたしはなにも考えなくていいんだって わたしはただ…
 がんばってピトスをあけるの」
本当の望みについて、ジュリアンを問いつめる子ギルに対して。
「ピトス」という気になる言葉が入っているが、これを聞いた子ギルは全てを悟ったのか態度を一変させる。
「さすがイリヤお姉ちゃん! やさしいね! えっとね それじゃあね…
 わたしを殺してくれる?」
穂群原学園で再会したイリヤがエリカを助けるという言葉への返答。
ソレを聞いたイリヤは凍りついてしまう。
「だからせめてわたしだけは イリヤお姉ちゃんに本当のことを言うね
 私の望みは自分が死ぬこと
 死だけが私の救い」
同上。エインズワース家を嘘ばっかりと断じ、かつて自分に優しくしてくれたイリヤに本当の望みを告げる。
朗らかな少女だったエリカの昏く虚ろな眼差しにイリヤは竦み上がってしまう。

メモ編集

  • 作者曰く「非常に難しい役どころ」であり、諸星すみれ氏がエリカを演じたのは、「単なるロリヴォイスではならぬ、これまでのプリヤにないある種の異質さを伴った存在感のある声」して作者が指名したため。

話題まとめ編集

パンドラと箱
子ギルからは「災厄の泥人形」と呼ばれており、その正体はギリシャ神話において世界最初の女性である「パンドラ」。エインズワースが「匣・甕」を指す「ピトス」と呼んでいる黒い立方体は、彼女の持ち物であった「あらゆる災厄とたった一つの希望が入っていた箱」である。
パンドラは神々によって泥から作られた人間の女性であり、『全ての贈り物』を意味する名の通り、女性としての美貌、知性、魅力を与えられたとされている。神々はパンドラに対し、絶対に開けてはならないと言い含めて箱を渡したが、パンドラは好奇心に勝てず、箱の蓋を開けてしまう。中からあらゆる災いが飛び出し、パンドラは慌てて蓋を閉めるも、既に一つを除いて災厄と絶望は世界中に拡散してしまい、人間は疫病、飢餓、争いに苦しめられることになる。唯一箱に残ったものであるエルピスは『希望』『予兆』『未来視』と様々な解釈がある正体不明の何かであり、それが箱から出て行かなかったおかげで、かろうじて人類が滅ぶことはなかった。また、凛はソレを『聖杯を超える聖杯』『神代の神々が作った願望器』と仮定している。
ダリウスの目的はパンドラの箱を開けることだと思われるが、当然ながら「パンドラの箱を開く」という行為には危険が付き纏う。実際五年前に冬木市で起きた災害の原因も箱が引き起こしたものである。
「死と新生」というフレーズや新たな人類史の一歩をダリウスとエリカで作り上げるという時点で嫌な予感しかしない。実際、「パンドラの箱の最後に残されていて出て行かなかった物は『未来視』であり、絶望的な未来を見なくて済んだから人間には希望が残された」という解釈も存在する。

脚注編集

注釈編集

  1. エリカの言動が「パンドラ」のものになったのも、ピトスの泥を浴びてからなので、このタイミングで姿と共に全ての記憶が戻ったものと思われる。

出典編集


関連商品編集

リンク編集