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'''「ええ?!本当にこいつが僕の後輩になるんですか?!だってこのいがいがしてる臭い、絶対先生を困らせますよ!噛まれる前に噛みちぎったほうが!」'''
 
'''「ええ?!本当にこいつが僕の後輩になるんですか?!だってこのいがいがしてる臭い、絶対先生を困らせますよ!噛まれる前に噛みちぎったほうが!」'''
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  フラットとの初対面にて、この相手はエルメロイ二世に害をなすものだとスヴィンは考え、それぐらいならさっさと壊そうという合理的で魔術師らしい思考に至った。
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  フラットとの初対面にて、この相手はエルメロイ二世に害をなすものだとスヴィンは考え、それぐらいならさっさと壊そうという合理的で魔術師らしい思考に至った。後に、その点で言えば自分は魔術師としてはなはだしく劣化したと思っている。
    
'''フラット「だって、俺はもう」'''
 
'''フラット「だって、俺はもう」'''
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*当初人間離れした嗅覚や常に魔力を帯びる体質から、おそらくは人狼に連なる[[幻想種]]か、あるいはそれに限りなく近づいた[[混血]]のどちらかと思われていた。
 
*当初人間離れした嗅覚や常に魔力を帯びる体質から、おそらくは人狼に連なる[[幻想種]]か、あるいはそれに限りなく近づいた[[混血]]のどちらかと思われていた。
 
**姿形や立ち振る舞いもどことなく[[ルゥ=ベオウルフ|それ]]に似ており、彼と相対した[[蒼崎橙子]]からは実際に「なんだか懐かしくなってしまって」と感想を述べられた。
 
**姿形や立ち振る舞いもどことなく[[ルゥ=ベオウルフ|それ]]に似ており、彼と相対した[[蒼崎橙子]]からは実際に「なんだか懐かしくなってしまって」と感想を述べられた。
*獣性魔術は存在こそ有名なものの、獣の要素を人間が取り込むという性質から使い手が人間性を失う危険性があるため、知名度に反して使い手は非常に少ない魔術であるとのこと。己を作り変える魔術でもあり、魔術回路はもちろんのこと神経、筋肉、骨格、大脳すらも置き換える。スヴィンの家系は代々続いている獣性魔術を使う家系として有名だが、これはこのデメリットを克服したのではなく'''魔術刻印を移植された者が最悪発狂などしたとしても、強引に魔術刻印の移植を続けてきた'''だけに過ぎない。事実、家系の生み出した栄えある成功例として時計塔に送られてきたスヴィンでさえ、上記のように日常的な行為に魔力を伴ってしまうといった弊害を起こしている。
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*獣性魔術は存在こそ有名なものの、獣の要素を人間が取り込むという性質から使い手が人間性を失う危険性があるため、知名度に反して使い手は非常に少ない魔術であるとのこと。己を作り変える魔術でもあり、魔術回路はもちろん神経、筋肉、骨格、大脳すらも置き換える。スヴィンの家系は代々続いている獣性魔術を使う家系として有名だが、これはこのデメリットを克服したのではなく'''魔術刻印を移植された者が最悪発狂などしたとしても、強引に魔術刻印の移植を続けてきた'''だけに過ぎない。事実、家系の生み出した栄えある成功例として時計塔に送られてきたスヴィンでさえ、上記のように日常的な行為に魔力を伴ってしまうといった弊害を起こしている。
 
*獣性魔術を受け継がせても精神が壊れないと見極められてから、スヴィンの身体には'''背中の皮を剝がされ再生能力を確かめられる、煮えたぎった油に腕を突っ込まされる'''といった幾多の術式や実験が施された。本人は当時の気持ちをもう憶えていない。獣に成り果てた身ならば、それらに快楽を感じた可能性さえある。ただ、記憶として泣きはらしていたことは確かだという。
 
*獣性魔術を受け継がせても精神が壊れないと見極められてから、スヴィンの身体には'''背中の皮を剝がされ再生能力を確かめられる、煮えたぎった油に腕を突っ込まされる'''といった幾多の術式や実験が施された。本人は当時の気持ちをもう憶えていない。獣に成り果てた身ならば、それらに快楽を感じた可能性さえある。ただ、記憶として泣きはらしていたことは確かだという。
 
*使い手がほとんど存在しない獣性魔術使いであり、単純に生徒としても優秀である一方、本人は自分が人間でも獣でもない存在という感覚を覚えており、それにより周囲からの疎外感を密かに抱えている。時計塔へ来てからも埋まらなかったこの感覚がグレイと出会った時に初めて埋まったように感じ、それが彼がグレイに執着する理由である。本人はこれを「自分と同じような周囲と馴染めない感覚を持つ苦悩を分かち合いたいだけなのかもしれない」と自己分析しつつも、それでもこの感情を恋患いとして彼女を想っている。……一番の問題である変態的行動を止められていない上に、当のグレイからは「いつも息を荒げて攻撃的に接近してくるのは自分を嫌いだからなのだろう」「他のことをしていてもちらちらこちらを見てくるのは牽制しているのだろう」などと誤解されてしまっているが。
 
*使い手がほとんど存在しない獣性魔術使いであり、単純に生徒としても優秀である一方、本人は自分が人間でも獣でもない存在という感覚を覚えており、それにより周囲からの疎外感を密かに抱えている。時計塔へ来てからも埋まらなかったこの感覚がグレイと出会った時に初めて埋まったように感じ、それが彼がグレイに執着する理由である。本人はこれを「自分と同じような周囲と馴染めない感覚を持つ苦悩を分かち合いたいだけなのかもしれない」と自己分析しつつも、それでもこの感情を恋患いとして彼女を想っている。……一番の問題である変態的行動を止められていない上に、当のグレイからは「いつも息を荒げて攻撃的に接近してくるのは自分を嫌いだからなのだろう」「他のことをしていてもちらちらこちらを見てくるのは牽制しているのだろう」などと誤解されてしまっているが。
 
*前述のとおり、フラットからはル・シアンと呼ばれている他、出会いを描いた『Fake』でもロボかベートとあだ名の候補にされた。
 
*前述のとおり、フラットからはル・シアンと呼ばれている他、出会いを描いた『Fake』でもロボかベートとあだ名の候補にされた。
 
**ロボは『シートン動物記』に登場する狼王であり、『Grand Order』でも[[ヘシアン・ロボ]]として参戦した。ベートは18世紀フランスに現れたジェヴォーダンの獣から来ている。
 
**ロボは『シートン動物記』に登場する狼王であり、『Grand Order』でも[[ヘシアン・ロボ]]として参戦した。ベートは18世紀フランスに現れたジェヴォーダンの獣から来ている。
*時計塔に来た事でスヴィンは少しだけ救われる。エルメロイ二世は普通の魔術師とは異なり魔術そのものの器でしかないスヴィン・グラシュエートという存在を正しく理解した。同じ理由で他人とまったく折り合いのつかない、行き過ぎた合格品だからこそ自分と同じ規定外であるフラットを初対面で毛嫌いし、ヒトでも魔術師でもない彼方の誰かに作られた香りを持つグレイが特別となった。
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*時計塔に来た事でスヴィンは少しだけ救われる。エルメロイ二世は普通の魔術師とは異なり魔術そのものの器でしかないスヴィン・グラシュエートという存在を正しく理解した。同じ理由で行き過ぎた合格品であり他人とまったく折り合いのつかない、自分と同じ規定外であるフラットを初対面では毛嫌いし、ヒトでも魔術師でもない彼方の誰かに作られた香りを持つグレイが特別となった。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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