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*「イスカンダル」はアラビア語・ペルシャ語での呼び名。日本で一般に言うところのアレキサンダー大王、またはアレクサンドロス3世。正しくは「アリスカンダル (Aliskandar)」なのだが、アラビア語では定冠詞に「al」を使うため(「アルジャジーラ」や「アルカイーダ」の「アル」)、「アル・イスカンダル (Al-Iskandar)」と勘違いされたことからこの呼び名が生まれた。<br>真名に「イスカンダル」が採用されたのは、「[[アレキサンダー]]」や「アレクサンドロス」が西洋圏ではありふれた名前なのに対し、この呼び名はその由来から「ただ一人の英雄」を指すためなのかもしれない。
 
*「イスカンダル」はアラビア語・ペルシャ語での呼び名。日本で一般に言うところのアレキサンダー大王、またはアレクサンドロス3世。正しくは「アリスカンダル (Aliskandar)」なのだが、アラビア語では定冠詞に「al」を使うため(「アルジャジーラ」や「アルカイーダ」の「アル」)、「アル・イスカンダル (Al-Iskandar)」と勘違いされたことからこの呼び名が生まれた。<br>真名に「イスカンダル」が採用されたのは、「[[アレキサンダー]]」や「アレクサンドロス」が西洋圏ではありふれた名前なのに対し、この呼び名はその由来から「ただ一人の英雄」を指すためなのかもしれない。
 
**ちなみにどの程度ありふれているのかというと、イスカンダル(アレクサンドロスIII世)の父方の伯父、母方の叔父、彼の死後産まれた息子、甥(異母妹の子)がみなアレクサンドロスである。
 
**ちなみにどの程度ありふれているのかというと、イスカンダル(アレクサンドロスIII世)の父方の伯父、母方の叔父、彼の死後産まれた息子、甥(異母妹の子)がみなアレクサンドロスである。
**なお「アレクサンドロス」という名は女神ヘラの別名「戦士たちの庇護者」の意味を持ち、神話の中ではトロイア(イリオス)の王子パリスの本来の名前として知られる。
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**なお「アレクサンドロス」という名は女神ヘラの別名「戦士たちの庇護者」の意味を持ち、神話の中ではトロイア(イリオス)の王子[[パリス]]の本来の名前として知られる。イスカンダルの母、オリュンピアスの故国エペイロスの王家は(アキレウスの子)ネオプトレモスとトロイアの王女を祖とすることを主張しており、特にアリュバス王の時代には自らの王子や王女に「アレクサンドロス」「ポリュクセネー」などトロイア戦争時のプリアモス王の息子や娘にちなんだ命名をするほどだったという。王女ポリュクセネーはマケドニア王家への輿入れに際して「ミュルタレ」と改名し、やがて王子の誕生と同時期に夫フィリッポスⅡ世がオリュンピア大祭の戦車競技で優勝したことの記念として「オリュンピアス」と名を改めた。彼女の弟アレクサンドロスⅠ世は、のちにフィリッポスⅡ世とオリュンピアスの娘クレオパトラ(イスカンダルの妹)と結婚し、マケドニアの後ろ盾を得てエペイロス王に即位するがその数年後、イタリア遠征の最中に死亡(病死とも暗殺とも言われる)。偉大すぎる甥にして義兄と区別するために「西に行った方のアレクサンドロス」などと呼ばれたりもする気の毒な人物である。
 
*遠征中にフリギア王都ゴルディオンに立ち寄り、「神殿の柱に供物を紐でつないだ複雑で頑丈な結び目があり、それを解いた者は全アジアの王となる」という言い伝えを聞く。数百年間、誰も解けなかった結び目だが、彼は剣で絶つことで「解いた」。後にアジアを征服し尽くしたことで「ゴルディアスの結び目」は最も有名な逸話となり、難題を大胆に解決するという意味の故事成語にもなった。<br>供物は荷車または牛車だったと言われており、戦車として解釈したのがFateの「神威の車輪」である。
 
*遠征中にフリギア王都ゴルディオンに立ち寄り、「神殿の柱に供物を紐でつないだ複雑で頑丈な結び目があり、それを解いた者は全アジアの王となる」という言い伝えを聞く。数百年間、誰も解けなかった結び目だが、彼は剣で絶つことで「解いた」。後にアジアを征服し尽くしたことで「ゴルディアスの結び目」は最も有名な逸話となり、難題を大胆に解決するという意味の故事成語にもなった。<br>供物は荷車または牛車だったと言われており、戦車として解釈したのがFateの「神威の車輪」である。
 
*父方のマケドニア王家は[[ヘラクレス]]を先祖とし、母方のエペイロス王家は[[アキレウス]]を先祖としていた。<br>さらに上述のゴルディアスの結び目を解いた際にゼウスのシンボルである雷が鳴ったことからゼウスの子孫と語られるようになり、本人もそう信じていたとされる。「神性」スキルを持つのはこのためである。
 
*父方のマケドニア王家は[[ヘラクレス]]を先祖とし、母方のエペイロス王家は[[アキレウス]]を先祖としていた。<br>さらに上述のゴルディアスの結び目を解いた際にゼウスのシンボルである雷が鳴ったことからゼウスの子孫と語られるようになり、本人もそう信じていたとされる。「神性」スキルを持つのはこのためである。
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