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: にも関わらずマリーが言った事にされたのは、革命期前後のフランスにおいて貴族を糾弾するための材料として引用され、いつの間にかマリーが言ったことにされた為である……と言うのが、現在の主流説である。
 
: にも関わらずマリーが言った事にされたのは、革命期前後のフランスにおいて貴族を糾弾するための材料として引用され、いつの間にかマリーが言ったことにされた為である……と言うのが、現在の主流説である。
 
: なお、「ケーキ」というのは日本語に意訳した時のもので、これは「ブリオッシュ」(フランス発祥の菓子パン)を指しているとされる。ブリオッシュは卵黄とバターを多量に使った黄色い生地が特徴であり、マリーのマイルーム会話の中にもこれが好きだとの発言がある。
 
: なお、「ケーキ」というのは日本語に意訳した時のもので、これは「ブリオッシュ」(フランス発祥の菓子パン)を指しているとされる。ブリオッシュは卵黄とバターを多量に使った黄色い生地が特徴であり、マリーのマイルーム会話の中にもこれが好きだとの発言がある。
: 余談だが、当時ブリオッシュの値段はパンより安かったので、本来は「(高価な)パンがないのなら、(安価な)ブリオッシュを食べればいい」という意味の言葉だったとも言う説もあるのだが、デマである可能性が非常に高い。確かに当時、アイスランド・ラキ火山の大噴火の影響で凶作と食糧不足が発生し、小麦が高騰していた、と言うのは事実だが、砂糖や卵をふんだんに使ったブリオッシュが、パンより安いと言うのは少々考えにくい。
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: 余談だが、当時ブリオッシュの値段はパンより安かったので、本来は「(高価な)パンがないのなら、(安価な)ブリオッシュを食べればいい」という意味の言葉だった……とも言う説もあるのだが、これはデマである可能性が非常に高い。確かに当時、アイスランド・ラキ火山の大噴火の影響で凶作と食糧不足が発生していたと言うのは事実であり、小麦だけで作るパンの方が、混ぜ物をするブリオッシュよりも高騰の影響を受けやすい、と言うのは事実である。だが、それを踏まえても、砂糖や卵をふんだんに使ったブリオッシュが、パンより安いと言うのは考えにくい。
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: そもそも、仮に小麦の高騰でパンがブリオッシュより高くなったのだとしても、それは別にブリオッシュが安くなっている訳ではない(むしろパン程ではなくとも高くなっているはず)ので、何ひとつ解決にもなっていない。
 
: これに関しては、漫画『マリー・アントワネットの料理人』の創作が、まるで真実のように広まってしまった、と言うのが真相のようだ。
 
: これに関しては、漫画『マリー・アントワネットの料理人』の創作が、まるで真実のように広まってしまった、と言うのが真相のようだ。
: そもそも、仮に値段が「パン>ブリオッシュ」だったとしても、それは「元々高価なブリオッシュよりも、さらにパンが高くなっている」と言うだけで、別にブリオッシュが安い訳ではないので、何の解決策にもなっていない。
   
: ちなみに似たような逸話に中国は西晋王朝の恵帝が言ったとされる「何不食肉糜(米粥が食べられないなら肉粥を食べればいいではないか)」があるが、こちらは確かに言ったという史実ソースがある。アジアからヨーロッパに恵帝のこの逸話が流れ流れてマリーの「パンがなければ……」になったのではという仮説もあるが、前述の通りそもそもの趣旨からして異なっているため信憑性に乏しい。
 
: ちなみに似たような逸話に中国は西晋王朝の恵帝が言ったとされる「何不食肉糜(米粥が食べられないなら肉粥を食べればいいではないか)」があるが、こちらは確かに言ったという史実ソースがある。アジアからヨーロッパに恵帝のこの逸話が流れ流れてマリーの「パンがなければ……」になったのではという仮説もあるが、前述の通りそもそもの趣旨からして異なっているため信憑性に乏しい。
 
; 鉄壁の要塞
 
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