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見た目と位置関係は汎人類史におけるイギリスの本土そのものだが、アイルランドやスコットランドにあたる大部分が存在しない。この領域もまた外からの観測が不可能となっているが、他の異聞帯と異なり、第六特異点と同じく「ロンゴミニアドの光の壁」と莫大な魔力に覆われている。<br>ブリテンの大半を構成する丘陵は見渡す限りの草原に僅かな岩山と木々や草が生え一見すると和やかな田園風景だが、大地を構成するこれらは全て妖精達の死骸が積もり固まって出来たものであるため、汎人類史において妖精の一番の象徴たる自然の花がひとつも咲いていない。昼間は常に夜明けを思わせる虹色の光と金色の雲が漂う黄昏色に染まり青空にはならず、夜間は満天の星が一面に輝く澄み渡った空になる<ref group="注">ただし時たまにだが雨が降る事はある模様。</ref>ため、より幻想的な妖精の世界を醸し出している。妖精以外では野生動物や幻想種も生息している他、妖精が呪いによって変貌した「モース」があちこちをさ迷っている。<br>一方で「厄災」による積年の呪いの残滓が煤となって常に降り注いでおり、特に中央でケルヌンノスの屍体が眠る『大穴』の片方半分はこの煤と妖精の死骸によって白い樹と大地に囲われている。妖精國ブリテンの妖精達は本能的にこの『大穴』を恐れて近付かないのだが、稀にここへ「いらないもの」を捨てに来る者達がいる。<br>ブリテンそのものは罪都キャメロットを挟んで南と北の上下に大別され、南部および中原は氏族長達がそれぞれ統治する都市によって繁栄しているが、北部に至るほど過去の戦争で朽ち荒れ果てたまま捨て置かれるようになっていく。
 
見た目と位置関係は汎人類史におけるイギリスの本土そのものだが、アイルランドやスコットランドにあたる大部分が存在しない。この領域もまた外からの観測が不可能となっているが、他の異聞帯と異なり、第六特異点と同じく「ロンゴミニアドの光の壁」と莫大な魔力に覆われている。<br>ブリテンの大半を構成する丘陵は見渡す限りの草原に僅かな岩山と木々や草が生え一見すると和やかな田園風景だが、大地を構成するこれらは全て妖精達の死骸が積もり固まって出来たものであるため、汎人類史において妖精の一番の象徴たる自然の花がひとつも咲いていない。昼間は常に夜明けを思わせる虹色の光と金色の雲が漂う黄昏色に染まり青空にはならず、夜間は満天の星が一面に輝く澄み渡った空になる<ref group="注">ただし時たまにだが雨が降る事はある模様。</ref>ため、より幻想的な妖精の世界を醸し出している。妖精以外では野生動物や幻想種も生息している他、妖精が呪いによって変貌した「モース」があちこちをさ迷っている。<br>一方で「厄災」による積年の呪いの残滓が煤となって常に降り注いでおり、特に中央でケルヌンノスの屍体が眠る『大穴』の片方半分はこの煤と妖精の死骸によって白い樹と大地に囲われている。妖精國ブリテンの妖精達は本能的にこの『大穴』を恐れて近付かないのだが、稀にここへ「いらないもの」を捨てに来る者達がいる。<br>ブリテンそのものは罪都キャメロットを挟んで南と北の上下に大別され、南部および中原は氏族長達がそれぞれ統治する都市によって繁栄しているが、北部に至るほど過去の戦争で朽ち荒れ果てたまま捨て置かれるようになっていく。
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=== 特徴 ===
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===特徴===
モルガンは「ブリテンは救うが妖精は救わない」とあらかじめ宣言しており、その一つとして隷属と運営に必要な人間の数と提供を上級妖精に限定する形で徹底的に管理しており、下級の妖精に宛てがわれることは無い。また、女王暦の始めにモルガンによってブリテンとともに復活した以降の妖精達には『妖精紋様』と呼ばれる令呪が刻みつけられており、妖精領域の拡大という名目で年に一度膨大な魔力の半分を存在税として「献上」しなければならない。なので妖精達はこれを賄えるまでの魔力を1年以内に貯めておかなければならず、できないものはこの時点で即死してしまう。また、度重なる献上に耐えられず働けなくなって逃亡する者もおり、そういった妖精は見つかり次第連行・処刑されてしまう。<br>ブリテンを脅かす『厄災』についても「水鏡」を使って払うこそすれど、その影響で周囲の街や住んでいる妖精と人間達が吹き飛ぶ事になっても知ったことではなく、乞われれば復興に必要な支援金は出すが再建そのものは各領主たる氏族長に任せきりである。妖精達はそんなモルガンの政治体制を快く思っていないが、''厄災を何とかしてくれる存在が事実上彼女しか居ない''ため仕方なく頼っている…というのが目下の現状。<br>領地を治めている氏族長もそれぞれの価値観・思考の違いから統治方法が全く異なる一種の『都市国家』と化しており、地域によっては制約や規則の関係でかなり特色に偏りが生じている。<br>ここでは各都市・地域を北から順番<ref group="出">『TYPE-MOONエースVOL.14』別冊付録『Fate/Grand Order Lostbelt No.6: Fae Round Table Domain, Avalon le Fae Remittance』p.13 妖精國MAP。</ref>に分けて記述する。
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モルガンは「ブリテンは救うが妖精は救わない」とあらかじめ宣言しており、その一つとして隷属と運営に必要な人間の数と提供を上級妖精に限定する形で徹底的に管理しており、下級の妖精に宛てがわれることは無い。また、女王暦の始めにモルガンによってブリテンとともに復活した以降の妖精達には『妖精紋様』と呼ばれる令呪が刻みつけられており、妖精領域の拡大という名目で年に一度膨大な魔力の半分を存在税として「献上」しなければならない。なので妖精達はこれを賄えるまでの魔力を1年以内に貯めておかなければならず、できないものはこの時点で即死してしまう。また、度重なる献上に耐えられず働けなくなって逃亡する者もおり、そういった妖精は見つかり次第連行・処刑されてしまう。<br>ブリテンを脅かす『厄災』についても「水鏡」を使って払うこそすれど、その影響で周囲の街や住んでいる妖精と人間達が吹き飛ぶ事になっても知ったことではなく、乞われれば復興に必要な支援金は出すが再建そのものは各領主たる氏族長に任せきりである。妖精達はそんなモルガンの政治体制を快く思っていないが、''厄災を何とかしてくれる存在が事実上彼女しか居ない''ため仕方なく頼っている…というのが目下の現状。
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領地を治めている氏族長はそれぞれの価値観・思考の違いから統治方法が全く異なる一種の『都市国家』と化しており、それらによる制約や規則の関係でかなり特色に偏りが生じている。<br>ここでは各都市・地域を北から順番<ref group="出">『TYPE-MOONエースVOL.14』別冊付録『Fate/Grand Order Lostbelt No.6: Fae Round Table Domain, Avalon le Fae Remittance』p.13 妖精國MAP。</ref>に分けて記述する。
 
;エディンバラ
 
;エディンバラ
 
:[[ノクナレア]]率いる王の氏族が暮らす女王都市。廃墟となったオークニーを除けば一番真北にあり、気候そのものもあちらの影響を受けているのか気温は比較的低く、外は薄く雪らしきものが積もっている。
 
:[[ノクナレア]]率いる王の氏族が暮らす女王都市。廃墟となったオークニーを除けば一番真北にあり、気候そのものもあちらの影響を受けているのか気温は比較的低く、外は薄く雪らしきものが積もっている。
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;ソールズベリー
 
;ソールズベリー
 
:[[オーロラ]]が統治するブリテン唯一の自由都市。一番真南にある。
 
:[[オーロラ]]が統治するブリテン唯一の自由都市。一番真南にある。
:特にこれといった掟が存在しない街で、人口も地方都市の中では一番多く、自然発生した妖精達の他、独立権を手にした人間も多数居住している。ただし、独立権も妖精の主も持たない人間は、人間牧場脱走者とみなされニュー・ダーリントン送りにされてしまう。
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:特にこれといった妖精の掟が存在しない街で、人口も地方都市の中では一番多く、自然発生した妖精達の他、独立権を手にした人間も多数居住している。ただし、独立権も妖精の主も持たない人間は、人間牧場脱走者とみなされニュー・ダーリントン送りにされてしまう。
 
:また、主要都市の中では最も『人間の模倣』に発展を頼りきっており、美しく整備された街並みは最早汎人類史のそれと大差がない。
 
:また、主要都市の中では最も『人間の模倣』に発展を頼りきっており、美しく整備された街並みは最早汎人類史のそれと大差がない。
 
;ノリッジ
 
;ノリッジ
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これらの都市のうち、ノリッジ、ソールズベリー、グロスター、オークニー、オックスフォードには予言にも記されている『巡礼の鐘』と呼ばれる「6翅の亜鈴」が遺した鐘が安置された鐘撞き堂があり、領主はこの鐘の番人も兼任している。そして各地にあるこの場合を訪れては鐘を鳴らす旅の事を『巡礼の旅』と呼び、予言の子はこれを成し遂げる事が役割だという。<br>この他にも持ち主や意図は不明だが、巨大な蜂の巣やサザエ、鳥の巣、じゃがいも状の岩などがあちこちにある。また、どの領主と領地にも属さない、或いは事情によって溢れた妖精達によって構成された小規模の<ruby><rb>森</rb><rt>むら</rt></ruby>が所々に散らばる形で存在している。
 
これらの都市のうち、ノリッジ、ソールズベリー、グロスター、オークニー、オックスフォードには予言にも記されている『巡礼の鐘』と呼ばれる「6翅の亜鈴」が遺した鐘が安置された鐘撞き堂があり、領主はこの鐘の番人も兼任している。そして各地にあるこの場合を訪れては鐘を鳴らす旅の事を『巡礼の旅』と呼び、予言の子はこれを成し遂げる事が役割だという。<br>この他にも持ち主や意図は不明だが、巨大な蜂の巣やサザエ、鳥の巣、じゃがいも状の岩などがあちこちにある。また、どの領主と領地にも属さない、或いは事情によって溢れた妖精達によって構成された小規模の<ruby><rb>森</rb><rt>むら</rt></ruby>が所々に散らばる形で存在している。
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一見すると各都市は発展しているように見えるが、実のところは妖精が本能的にもっている閉鎖的な価値観<ref group="注">端的に説明すると「今いる街の中でのんびり暮らしている方が楽しいから、外の事など気にしなくてもいい」、「他の街と同じものをわざわざ拵える必要はない」という感覚に近い。</ref>故に生活物資量の格差が激しく、商人や目新しいもの好き、或いは領主の掟に耐えられなかったり反発して逃亡した者を除けば、氏族長はまだしも都市の住民による交流は殆どなく、地域特色の偏りが顕著なのはこれに起因している。
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一見すると各都市は発展しているように見えるが、実のところは妖精が本能的にもっている閉鎖的な娯楽価値観<ref group="注">端的に説明すると「今いる街の中でのんびり暮らしている方が楽しいから、外の事など気にしなくてもいい」、「他の街と同じものをわざわざ拵える必要はない」という感覚に近い。</ref>故に生活物資量の格差が激しく、商人や目新しいもの好き、或いは領主の掟に耐えられなかったり反発して逃亡した者を除けば、氏族長はまだしも都市の住民による交流は殆どない。地域特色の偏りが顕著なのはこれに起因している。
    
=== 住民 ===
 
=== 住民 ===
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