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; モルガンの為政について
 
; モルガンの為政について
 
: 圧倒的な力と恐怖による支配で妖精たちを押さえつけ妖精國ブリテンを統治していたモルガンであったが、その実は国民たる妖精の殆どが人間の模倣によってどうしようも無く我儘で悪辣な感性を持つ<ruby><rb>生物</rb><rt>イキモノ</rt></ruby>と化しており<ref group="注">「妖精特有の本質に伴う価値観なのだから仕方がない」という意見もあるが、そもそも汎人類史における妖精は本来なら独自のルールと制約を敷いて生活し、集団的秩序と統括が正しくとれていたという点で云えば人間に近い存在なのである。だが、妖精國ブリテンにおける妖精はそんな統治者やルールさえも、'''自己の気まぐれと勝手な都合によって「邪魔だからもう要らない」と看做せばすぐさま壊してしまう'''連中ばかりであった。</ref>、皆が好き勝手しないように見張りつつ国を運営するにはそれを上回る力で抑圧するしか後がない状態だったことが明らかになると、ブリテンに対する思いをずっと何度も妖精たちに踏み躙られてきた彼女の処遇に、プレイヤーからは多くの同情と憐れみの声が上がった。
 
: 圧倒的な力と恐怖による支配で妖精たちを押さえつけ妖精國ブリテンを統治していたモルガンであったが、その実は国民たる妖精の殆どが人間の模倣によってどうしようも無く我儘で悪辣な感性を持つ<ruby><rb>生物</rb><rt>イキモノ</rt></ruby>と化しており<ref group="注">「妖精特有の本質に伴う価値観なのだから仕方がない」という意見もあるが、そもそも汎人類史における妖精は本来なら独自のルールと制約を敷いて生活し、集団的秩序と統括が正しくとれていたという点で云えば人間に近い存在なのである。だが、妖精國ブリテンにおける妖精はそんな統治者やルールさえも、'''自己の気まぐれと勝手な都合によって「邪魔だからもう要らない」と看做せばすぐさま壊してしまう'''連中ばかりであった。</ref>、皆が好き勝手しないように見張りつつ国を運営するにはそれを上回る力で抑圧するしか後がない状態だったことが明らかになると、ブリテンに対する思いをずっと何度も妖精たちに踏み躙られてきた彼女の処遇に、プレイヤーからは多くの同情と憐れみの声が上がった。
: だが、一方で『娘』のバーヴァン・シーを慮ったためとはいえど彼女の暴虐を指導し<ref group="注">モルガンは国立殺戮劇場を創立し、バーヴァン・シーが妖精を虐殺する度に褒めるなど彼女が悪辣に育つように指導し、そのせいで40万人の妖精が死んでいる。ベリル・ガットにはバーヴァン・シーが更に残虐に育つように指導を依頼している</ref>していたこと、存在税として妖精から大量の魔力を吸い上げるという一種の淘汰行為<ref group="注">「妖精國は救うが妖精たちは救わない」という宣告も、裏を返せば妖精は死ぬと次代が発生するシステムそのものをモルガンが掌握しているため、「国民たる妖精は国の土台とそれ相応の魔力を持つ人物がいれば何度でも替えがきく」状態でもあった為と解釈出来る。</ref>を頭に妖精たちを露骨に蔑ろにしているような言動が多かったことから'''「今までのツケがいっぺんに回ってきただけの因果応報」「所詮はモルガンの野心から来る独りよがりに過ぎなかった」'''と言った声も少なからず存在する。
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: だが、一方で『娘』のバーヴァン・シーを慮ったためとはいえど彼女の暴虐を半ば黙認<ref group="注">モルガン自身としては'''悪辣な性格に教育をした'''だけで具体的に何をすれば良いか指示した訳ではなく、『暴挙』と呼ばれるまでに膨れあげさせたのはむしろ彼女を唆し利用したベリル・ガットの方である。</ref>していたこと、存在税として妖精から大量の魔力を吸い上げるという一種の淘汰行為<ref group="注">「妖精國は救うが妖精たちは救わない」という宣告も、裏を返せば妖精は死ぬと次代が発生するシステムそのものをモルガンが掌握しているため、「国民たる妖精は国の土台とそれ相応の魔力を持つ人物がいれば何度でも替えがきく」状態でもあった為と解釈出来る。</ref>を頭に妖精たちを露骨に蔑ろにしているような言動が多かったことから'''「今までのツケがいっぺんに回ってきただけの因果応報」「所詮はモルガンの野心から来る独りよがりに過ぎなかった」'''と言った声も少なからず存在する。
 
: これに関しては彼女自身の愛情表現の不器用さに加えて、モルガンが遭ってきた今までの境遇やバーヴァン・シーに施した教育から考えると、心の奥底では'''「もう二度と大事な仲間を失いたくなかった」'''という妖精たちへの懐疑心とまた全てを台無しにされる恐怖に凝り固まっていた事、更には'''「『大厄災』への対抗策さえ整えれば、自分が所有する莫大な神秘の力だけで何とか出来ると自負していた<ref group="注">この部分は奇しくも汎人類史におけるアルトリアの思想にも通じる所があるが、彼女はどちらかというと「自分の力だけで何とかしなくては'''いけない'''」という責任感によるものが強い。</ref>」'''事による、あくまでも『自分の国を守る』目的だけに振り切り過ぎた自己完結型に近い考えと過剰なまでの自己過信が上乗せした結果、臣下との溝を深め孤立化するに至った要因だと考えられる。<br>自分の死後における妖精國ブリテン運営についてもまた、せめて[[ウッドワス|自分が最も信頼出来る家臣と看做していた者]]や、価値観に相違はあれど[[妖精騎士ガウェイン|自分と同じ様にブリテンを愛していた者]]に、ノクナレアとの密約を含めた玉座やロンゴミニアド、ひいてはこの国で暮らす妖精たちや『[[ケルヌンノス|大厄災]]』の正体について核心に迫る部分だけでも予め話しておけたならば、少なくとも妖精國ブリテンの最期については少しでも変化した可能性は考えられただろう。
 
: これに関しては彼女自身の愛情表現の不器用さに加えて、モルガンが遭ってきた今までの境遇やバーヴァン・シーに施した教育から考えると、心の奥底では'''「もう二度と大事な仲間を失いたくなかった」'''という妖精たちへの懐疑心とまた全てを台無しにされる恐怖に凝り固まっていた事、更には'''「『大厄災』への対抗策さえ整えれば、自分が所有する莫大な神秘の力だけで何とか出来ると自負していた<ref group="注">この部分は奇しくも汎人類史におけるアルトリアの思想にも通じる所があるが、彼女はどちらかというと「自分の力だけで何とかしなくては'''いけない'''」という責任感によるものが強い。</ref>」'''事による、あくまでも『自分の国を守る』目的だけに振り切り過ぎた自己完結型に近い考えと過剰なまでの自己過信が上乗せした結果、臣下との溝を深め孤立化するに至った要因だと考えられる。<br>自分の死後における妖精國ブリテン運営についてもまた、せめて[[ウッドワス|自分が最も信頼出来る家臣と看做していた者]]や、価値観に相違はあれど[[妖精騎士ガウェイン|自分と同じ様にブリテンを愛していた者]]に、ノクナレアとの密約を含めた玉座やロンゴミニアド、ひいてはこの国で暮らす妖精たちや『[[ケルヌンノス|大厄災]]』の正体について核心に迫る部分だけでも予め話しておけたならば、少なくとも妖精國ブリテンの最期については少しでも変化した可能性は考えられただろう。