差分

1,612 バイト追加 、 2024年1月28日 (日)
8行目: 8行目:  
剣、槍、弓といった武器が多いとされるが、それらに限らず、盾、指輪、王冠といった他のものもある。<br>
 
剣、槍、弓といった武器が多いとされるが、それらに限らず、盾、指輪、王冠といった他のものもある。<br>
 
主に英霊が持つ、彼らが生前に築き上げた伝説の象徴。逸話や伝説、あるいは真に存在した武器道具そのものを基盤として誕生したもの。伝説を形にした「物質化した奇跡」である。故に、宝具名のルビはその英霊の伝説を表すものとなっている。<br>
 
主に英霊が持つ、彼らが生前に築き上げた伝説の象徴。逸話や伝説、あるいは真に存在した武器道具そのものを基盤として誕生したもの。伝説を形にした「物質化した奇跡」である。故に、宝具名のルビはその英霊の伝説を表すものとなっている。<br>
本来は、その英霊の伝説に登場するとりわけ有名なアイテムが宝具となるが<ref group = "注">例としては[[アルトリア・ペンドラゴン]]の『約束された勝利の剣』がある</ref>、その英霊が有する伝説上の「特殊能力」も宝具に該当する場合がある。<br>
  −
また、「生前に築き上げた伝説がカタチになったもの」という性質から、伝説には明確なカタチで登場せずとも、英霊となったことで得られた、いわば死後の後天的な宝具というものも存在する<ref group = "注">例としては[[メディア]]の『破戒すべき全ての符』、[[ランスロット]]の『騎士は徒手にて死せず』、[[イスカンダル]]の『王の軍勢』などがある。</ref>。
     −
聖杯戦争においては死がゴールとなるため、「このサーヴァントを殺したものはこの宝具である」→「つまりこのサーヴァントの死の傍らにはこの宝具がなくてはならない」という理由で「自分の結末」に関わった伝承の宝具、つまり自分を殺した武器を宝具として獲得する場合もある<ref group = "注">例としては[[酒呑童子]]の「千紫万紅・神便鬼毒」、[[メドゥーサ〔シャドウランサー〕]]のハルペーなどがある。</ref>。<br>
+
パターンとしてはいくつか上げられ
それら後天的に得られた宝具でも、所有者にとっては自身の分身ともいえるものであり、本来の所有者は別であっても何の問題も無く自身の手足の様に操れる。
+
*英霊の伝説に登場するとりわけ有名なアイテム。宝具の最も基本的な形<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン]]の「約束された勝利の剣」など。</ref>
 +
*英霊が有する、伝説上の特殊能力や技<ref group = "注">[[ヘラクレス]]の「十二の試練」や「射殺す百頭」など。</ref>
 +
*生前は所有しておらず、死後サーヴァントとなってから後天的に得られた宝具
 +
などがある。さらに、後天的な獲得に関してはその獲得理由も様々であり、
 +
*自身の有名な伝説を再現するもの。特に具体的なエピソードがあるタイプ<ref group = "注">[[ランスロット]]の「騎士は徒手にて死せず」、[[ヴラド三世 (Apocrypha)]]の「極刑王」など</ref>
 +
*自身の生き方を再現するもの。具体的なエピソードではなく、その生涯を通したイメージから与えられる<ref group = "注">[[メディア]]の「破戒すべき全ての符」、[[イスカンダル]]の「王の軍勢」など。</ref>
 +
*自身の作風や代表作をイメージさせるもの。生前戦闘力を持たなかった作家や芸術家などの文化系サーヴァントの宝具は、ほぼ全てがこのパターンである
 +
*自身の死因に関連するもの。「サーヴァントの死の傍らにはこの宝具がなくてはならない」と言う理由で与えられる<ref group = "注">[[酒呑童子]]の「千紫万紅・神便鬼毒」、[[メドゥーサ〔シャドウランサー〕]]のハルペーなど</ref>
 +
など、やはり様々なパターンがある。それら後天的に得られた宝具でも所有者にとっては自身の分身ともいえるものであり、生前の能力と一切無縁でも、死因パターンのように本来の所有者は別であっても、何の問題も無く自身の手足の様に操れる。
    
多くの宝具は真名を詠唱する「真名解放」によりその能力を発揮し、伝説における力を再現するが、これに関しては、様々なパターンが存在する。まず宝具そのものの種類として
 
多くの宝具は真名を詠唱する「真名解放」によりその能力を発揮し、伝説における力を再現するが、これに関しては、様々なパターンが存在する。まず宝具そのものの種類として
 
*平時からアイテムなどとして使用可能だが、真名解放によって最大の力を発揮する<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン]]の「約束された勝利の剣」などをはじめとする大多数の宝具。</ref>
 
*平時からアイテムなどとして使用可能だが、真名解放によって最大の力を発揮する<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン]]の「約束された勝利の剣」などをはじめとする大多数の宝具。</ref>
*技や固有結界などが宝具になっており、真名を解放する事で発生する。未開放時は存在すらしない<ref group = "注">[[ネロ・クラウディウス]]の[[招き蕩う黄金劇場]]、李書文の[[无二打]]など</ref>
+
*魔術や技などが宝具になっており、真名を解放する事で発生する。未開放時は存在すらしない<ref group = "注">[[ネロ・クラウディウス]]の[[招き蕩う黄金劇場]]、李書文の[[无二打]]など</ref>
 
*真名解放を行わなくとも、武器や英霊自身の属性や特殊能力が宝具としての力を帯びている。特に「常時発動型」と分類されるタイプ<ref group = "注">[[ヘラクレス]]の「十二の試練」、[[ディルムッド・オディナ]]の「破魔の紅薔薇」など。</ref>
 
*真名解放を行わなくとも、武器や英霊自身の属性や特殊能力が宝具としての力を帯びている。特に「常時発動型」と分類されるタイプ<ref group = "注">[[ヘラクレス]]の「十二の試練」、[[ディルムッド・オディナ]]の「破魔の紅薔薇」など。</ref>
 
*英霊自身が宝具である<ref group = "注">[[ナーサリー・ライム]]の「誰かの為の物語」</ref>
 
*英霊自身が宝具である<ref group = "注">[[ナーサリー・ライム]]の「誰かの為の物語」</ref>
23行目: 29行目:  
*常時発動型宝具の特別な使用法に、別の真名が設定されている<ref group = "注">[[イスカンダル]]の「神威の車輪」を用いた「遥かなる蹂躙制覇」、[[ランスロット〔セイバー〕]]の「無毀なる湖光」を用いた「縛鎖全断・過重湖光」など。</ref>
 
*常時発動型宝具の特別な使用法に、別の真名が設定されている<ref group = "注">[[イスカンダル]]の「神威の車輪」を用いた「遥かなる蹂躙制覇」、[[ランスロット〔セイバー〕]]の「無毀なる湖光」を用いた「縛鎖全断・過重湖光」など。</ref>
 
*真名を知らないなどの理由で、別の真名を付けて使用されている。「疑似展開」などと呼称され、本当の真名解放に比べると能力が制限される<ref group = "注">[[アストルフォ]]の「魔術万能攻略書」、[[マシュ・キリエライト]]の「仮想宝具 擬似展開/人理の礎」、[[ゲーティア]]の「光帯収束環」など。</ref>
 
*真名を知らないなどの理由で、別の真名を付けて使用されている。「疑似展開」などと呼称され、本当の真名解放に比べると能力が制限される<ref group = "注">[[アストルフォ]]の「魔術万能攻略書」、[[マシュ・キリエライト]]の「仮想宝具 擬似展開/人理の礎」、[[ゲーティア]]の「光帯収束環」など。</ref>
などなど、多彩な真名のパターンが存在する。そのため、宝具や真名がどういったものであるかと言う定義を一義に定める事は難しい。唯一の共通点として挙げられるのは、それが「サーヴァントにとって切り札である」と言う点であり、逆に言えばそこさえ満たしていれば自由度は高い。
+
などなど、多彩な真名のパターンが存在する。
   −
また例外として『現世で実際に制作する必要のある宝具』が存在する。そういった宝具は『単体の英霊が所有するには、余りに巨大な物』、『未完成であるが故に、伝説に刻まれた代物』のどちらかに属する。<br>城主だから城を動かせる、という宝具を召喚時点で所有できるのは、大帝クラスの特別な英霊のみである。
+
またさらに稀な例外として、「紛れもない自身の宝具ではあるが、召喚時には所有していない」と言うパターンがあり
 +
*生前においては所有者だったが、破棄されたなどの伝承があるので現在は所有していない<ref group = "注">[[アルトリア・ペンドラゴン]]の「全て遠き理想郷」など。</ref>
 +
*生前は未完成であったため所有していないが、伝承には確かに刻まれている<ref group = "注">[[セミラミス]]の「虚栄の空中庭園」、[[アヴィケブロン]]の「王冠:叡智の光」など。</ref>
 +
*生前から所有しているが、単体の英霊が所有するには余りに巨大なので召喚できない<ref group = "注">アヴィケブロンの宝具解説文で触れられているが、実例については不明。</ref>
 +
などの理由がある。現世で作成するか、もしくは見つけてくる事が出来れば、本来持っていたのと同じような扱いで使用可能となる。
 +
なお、「城主だから城を動かせる、という宝具を召喚時点で所有できるのは、大帝クラスの特別な英霊のみ」と言う設定がある一方で、英霊としてそこまで格が高い訳ではないと思われる[[エリザベート=バートリー]]が「鮮血魔嬢」で監禁城チェイテを召喚出来るため、基準は曖昧(常時展開出来るかどうか、と言う意味合いなのかもしれないが、一時展開タイプとそれすら出来ないタイプの差異は不明)。
 +
 
 +
このように、一口に宝具や真名がと言っても、それがどういったものであるかと言う定義を一義に定める事は難しい。唯一の共通点として挙げられるのは、それが'''サーヴァントにとって切り札である'''と言う点であり、逆に言えばそこさえ満たしていれば自由度は高いといえる。
    
初期の作品では、英霊が持つ宝具は原則1つとされており、複数の宝具を持つ者もいるが、それでも2つが限度とされていた<ref group = "出">『Fate/stay night』でのアルトリアのギルガメッシュへの発言から</ref>。しかし、メドゥーサは3つ宝具を持っており、この法則は『stay night』の時点からすでに破綻している。とはいえ一応、コンプリートマテリアルで「メドゥーサの宝具数(3つ)はサーヴァント中トップクラス」と説明されているので、説明がつかない事もない。<br>
 
初期の作品では、英霊が持つ宝具は原則1つとされており、複数の宝具を持つ者もいるが、それでも2つが限度とされていた<ref group = "出">『Fate/stay night』でのアルトリアのギルガメッシュへの発言から</ref>。しかし、メドゥーサは3つ宝具を持っており、この法則は『stay night』の時点からすでに破綻している。とはいえ一応、コンプリートマテリアルで「メドゥーサの宝具数(3つ)はサーヴァント中トップクラス」と説明されているので、説明がつかない事もない。<br>