248行目:
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; この七年間、毎朝、罰のように思い知っていた。
; この七年間、毎朝、罰のように思い知っていた。
:旧作から大きく変更がなされた『眩病月』へと続くシーンでの台詞と独白。表面的には旧作を踏襲しているが、本当に何も分かっていなかったようにしか見えない旧作とは違い、こちらはあからさまな茶化した発言と共に、裏腹の冷めきった内面が描写されている。志貴は、自分の貧血が『強制終了』ではなく『肉体側の防護策』であるという指摘に驚きはしたものの、その前提である貧血が『臨死状態』であるという事は正しく認識しており、そしてそれは『毎夜の就寝』で起きていることであり『いつもどおりの出来事』であると切り捨てている。彼からすれば『生死の境をさまよう』くらい騒ぎ立てていたら、日常生活を送ることすら出来ないのである。この性向は、本編のあらゆる箇所で見受けられる。
:旧作から大きく変更がなされた『眩病月』へと続くシーンでの台詞と独白。表面的には旧作を踏襲しているが、本当に何も分かっていなかったようにしか見えない旧作とは違い、こちらはあからさまな茶化した発言と共に、裏腹の冷めきった内面が描写されている。志貴は、自分の貧血が『強制終了』ではなく『肉体側の防護策』であるという指摘に驚きはしたものの、その前提である貧血が『臨死状態』であるという事は正しく認識しており、そしてそれは『毎夜の就寝』で起きていることであり『いつもどおりの出来事』であると切り捨てている。彼からすれば『生死の境をさまよう』くらい騒ぎ立てていたら、日常生活を送ることすら出来ないのである。この性向は、本編のあらゆる箇所で見受けられる。
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;「だって、時間の無駄でしょう」
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;報復も鎮魂も、断罪も俺には不要に思えた。
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;過去の為に行う行動は人間的すぎた。
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;殺すと決めたのならば殺せばいい。
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;女と違い、俺にそんな余分な<ruby><rb>時間</rb><rt>エネルギー</rt></ruby>はない。
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;未来の事を考えるなら、事は淡泊に済ませるべきだ。
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:かつて自分を陥れた死者の一人を解体する場面の言葉と独白。耐え重なる責め苦の果てに、死者は心底からの改心をした様子だった。しかし志貴にはそんなことはどうでもいい。それは決して彼へ怒りや憎しみがあったからでも、ましてや因果応報の正義感があったからでもない。ただその方が「手早く話が進みそうだったから」という理由でこの行動を選んだのだ。もちろん、これはロアの転生の影響が出た結果であり、BAD ENDへと続く分岐である。ただし同時に、これは彼の『本性』であり『一度(このシーン)で躓くと「中立・善」から「中立・悪」に戻ってしまう』と語られている。ロアはあくまでも自制しているものを後押しをしただけであり、その由来は志貴本人にある。
===歌月十夜===
===歌月十夜===