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: 美沙夜に語った講義で。
 
: 美沙夜に語った講義で。
 
: 魔術師は魔術に夢見がちな感慨を抱くべきものではないと考えていた美沙夜は、偉大な魔術師が「素敵」という言葉を使ったのに大きな驚きを覚える。
 
: 魔術師は魔術に夢見がちな感慨を抱くべきものではないと考えていた美沙夜は、偉大な魔術師が「素敵」という言葉を使ったのに大きな驚きを覚える。
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; 「エーテルの窮極は、失われた神代の秘儀に通じると私は考えているのです。<br /> 遥か古代、カルデアの賢者たちが到達した正しき星辰の輝きを、私は手にしたい。<br /> それは宇宙に充ち満ちて瞬く窮極の光であって、<br /> そして同時に、この星の光でもあるのでしょう」
 
; 「エーテルの窮極は、失われた神代の秘儀に通じると私は考えているのです。<br /> 遥か古代、カルデアの賢者たちが到達した正しき星辰の輝きを、私は手にしたい。<br /> それは宇宙に充ち満ちて瞬く窮極の光であって、<br /> そして同時に、この星の光でもあるのでしょう」
 
: 美沙夜に語ったエーテル論。
 
: 美沙夜に語ったエーテル論。
 
: エレメンタル、錬金術、魔術基盤、それに星の光。彼は自分が生きていた時代より神秘が格段に薄まっている事を痛ましく思いながらも、サーヴァントとしての役目を全うしようと考えている。
 
: エレメンタル、錬金術、魔術基盤、それに星の光。彼は自分が生きていた時代より神秘が格段に薄まっている事を痛ましく思いながらも、サーヴァントとしての役目を全うしようと考えている。
 
: 美沙夜は「些か大言壮語(ボンバトゥス)が過ぎる気もするけど」と感じながらも、好感を抱くに足る真摯な回答を繰り返す彼に対する評価を更に上げていく。
 
: 美沙夜は「些か大言壮語(ボンバトゥス)が過ぎる気もするけど」と感じながらも、好感を抱くに足る真摯な回答を繰り返す彼に対する評価を更に上げていく。
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; 「いつの時代も王とは厄介なものであると思っていましたが、どうやら、少しばかり評価を改めねばならないようですね。王を見出すかの如き王も、世に在る」<br />「魔術の器は魔術師が見抜くもの。王の器は、王が見抜くものなのでしょう。かの<ruby><rb>大魔術師</rb><rt>マーリン</rt></ruby>ほどの人物であるならば、例外もあるのでしょうが」
 
; 「いつの時代も王とは厄介なものであると思っていましたが、どうやら、少しばかり評価を改めねばならないようですね。王を見出すかの如き王も、世に在る」<br />「魔術の器は魔術師が見抜くもの。王の器は、王が見抜くものなのでしょう。かの<ruby><rb>大魔術師</rb><rt>マーリン</rt></ruby>ほどの人物であるならば、例外もあるのでしょうが」
 
: 自分が見抜けなかった美沙夜の「王の器」を見抜いたライダーへの素直な称賛。同時に美沙夜の評価もさらに上がり、「かつて自分が成し遂げられなかった事さえも彼女なら」と期待を寄せる。
 
: 自分が見抜けなかった美沙夜の「王の器」を見抜いたライダーへの素直な称賛。同時に美沙夜の評価もさらに上がり、「かつて自分が成し遂げられなかった事さえも彼女なら」と期待を寄せる。
 
: だがその直後、美沙夜どころか、全ての魔術師の頂点に立つ[[沙条愛歌|根源接続者]]がキャスターの目の前に現れる……。
 
: だがその直後、美沙夜どころか、全ての魔術師の頂点に立つ[[沙条愛歌|根源接続者]]がキャスターの目の前に現れる……。
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; 「いいえ。世界のすべては貴方のものです。<br /> その貴方がお決めになった事柄であれば、私の情などに何の意味がありましょう」<br />「我が主、万物を統べるべく生まれ落ちたる、根源接続者よ。<br /> 真なる星の光充ちた遥か過去の神々でさえ、貴方の輝きには敵うべくもない」<br />「──沙条愛歌さま」
 
; 「いいえ。世界のすべては貴方のものです。<br /> その貴方がお決めになった事柄であれば、私の情などに何の意味がありましょう」<br />「我が主、万物を統べるべく生まれ落ちたる、根源接続者よ。<br /> 真なる星の光充ちた遥か過去の神々でさえ、貴方の輝きには敵うべくもない」<br />「──沙条愛歌さま」
 
: 交わされた最悪の契約。自分を信じて眠りについた美沙夜を尊き生贄として定め、一瞬憂いを帯びたが、そのような感傷は根源とそれに通じる少女のもたらす輝きに比べれば取るに足らない物だった。
 
: 交わされた最悪の契約。自分を信じて眠りについた美沙夜を尊き生贄として定め、一瞬憂いを帯びたが、そのような感傷は根源とそれに通じる少女のもたらす輝きに比べれば取るに足らない物だった。
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; 「良いですか、小さなお嬢さん。若き魔術師にして、未だ幼き王よ」<br />「過去もそうでした」<br />「現代も変わらない」<br />「──魔術師に、真の意味での友人などいませんよ」
 
; 「良いですか、小さなお嬢さん。若き魔術師にして、未だ幼き王よ」<br />「過去もそうでした」<br />「現代も変わらない」<br />「──魔術師に、真の意味での友人などいませんよ」
 
: 全てが終わり、呆然とする美沙夜に。愛しい教え子の小さな不注意を注意するように、自身の裏切りと彼女に掛けられた死の呪いを肯定する。
 
: 全てが終わり、呆然とする美沙夜に。愛しい教え子の小さな不注意を注意するように、自身の裏切りと彼女に掛けられた死の呪いを肯定する。
 
: ひどく透明で冷ややかな声と、穏やかさを漂わせながら感情が感じられない不気味な様子は、美沙夜が初めて彼と出会った際に感じた「氷の魔」そのものであった。
 
: ひどく透明で冷ややかな声と、穏やかさを漂わせながら感情が感じられない不気味な様子は、美沙夜が初めて彼と出会った際に感じた「氷の魔」そのものであった。
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; 「やっと、分かりました。高潔の騎士であるはずの貴方を前にして、大逆の悪を成したこの私の首が、未だ、胴と離れることなく据えられている理由が。<br /> 私は不思議に思っていたのです。この極東の都をオジマンディアスの暴威から救い、敵対するマスターの娘さえバーサーカーの凶刃から助けてみせた貴方が、何故…」<br />「何故、私を殺し、<ruby><rb>根源の女王</rb><rt>ポトニアテローン</rt></ruby>にその聖剣を向けないのか」<br /> ──亡国の騎士王よ。<br /> ──貴方はきっと、正義の味方ではないのでしょうね。
 
; 「やっと、分かりました。高潔の騎士であるはずの貴方を前にして、大逆の悪を成したこの私の首が、未だ、胴と離れることなく据えられている理由が。<br /> 私は不思議に思っていたのです。この極東の都をオジマンディアスの暴威から救い、敵対するマスターの娘さえバーサーカーの凶刃から助けてみせた貴方が、何故…」<br />「何故、私を殺し、<ruby><rb>根源の女王</rb><rt>ポトニアテローン</rt></ruby>にその聖剣を向けないのか」<br /> ──亡国の騎士王よ。<br /> ──貴方はきっと、正義の味方ではないのでしょうね。
 
: ライダー陣営に大打撃を与え、手傷を負ったセイバーを治療しながら、聖杯を求める動機を聞いて。
 
: ライダー陣営に大打撃を与え、手傷を負ったセイバーを治療しながら、聖杯を求める動機を聞いて。
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