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:上記の続き。ゆえに『兄』は聖杯に願った。世界を救うのではなく、大切な『妹』の幸せ…ごく当たり前の願いを叶えるために。それが、悪だと言われようとも。そして願いは「'''――我 聖杯に願う'''」の言葉とともに本節の冒頭「美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように」へと続く。
 
:上記の続き。ゆえに『兄』は聖杯に願った。世界を救うのではなく、大切な『妹』の幸せ…ごく当たり前の願いを叶えるために。それが、悪だと言われようとも。そして願いは「'''――我 聖杯に願う'''」の言葉とともに本節の冒頭「美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように」へと続く。
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;「悪いが付き合ってもらうぞ 俺の<ruby><rb>剣</rb><rt>からだ</rt></ruby>が尽きるまで…!」
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;「無限の剣を内包する世界<br> 俺にはこの全てが<br> 墓標に見えるよ」
 
:過去におけるアンジェリカとの戦いで、自身の固有結界を展開して。
 
:過去におけるアンジェリカとの戦いで、自身の固有結界を展開して。
 
:たった一人の妹の人並みの幸せの為に全人類を犠牲にする決断をして、別の自分に浸食され、自分が生きていることを何かの間違いと言う果てに至ったのは、無数の剣が墓標のように突立つ、闇に閉ざされて月も星も道も見えない「無明の雪原」であった。
 
:たった一人の妹の人並みの幸せの為に全人類を犠牲にする決断をして、別の自分に浸食され、自分が生きていることを何かの間違いと言う果てに至ったのは、無数の剣が墓標のように突立つ、闇に閉ざされて月も星も道も見えない「無明の雪原」であった。
:別世界で英雄王に対して固有結界を披露した時のようなシチュエーションだが、自分自身を「間違い」と断じた以上、出てくるのは誇りある言葉ではなく妹以外のすべてを閉ざすような言葉。経歴を思えば当然だが、何とも悲痛である。
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:その世界に立つ剣の全てを、世界を展開した張本人は「墓標」だと言い切る。救いの無い世界を興しても、死せる者の武具を叩き起こしてこれを冒涜しても、それでも「たったひとつ」「たったひとりの妹」のために「悪」である兄は、その全てを振るう。それがどれほどの許されぬ罪であったとしても。
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;「悪いが付き合ってもらうぞ 俺の<ruby><rb>剣</rb><rt>からだ</rt></ruby>が尽きるまで…!」
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:別世界で英雄王に対して固有結界を披露した時のようなシチュエーションだが、自分自身を「間違い」と断じた以上、出てくるのは誇りある言葉ではなく妹以外のすべてを閉ざすような言葉。
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:この時点で、自身の狙いは美遊のための「時間稼ぎ」で、そのために自らの全てを捨て駒と定義し「生きること」そのものを放棄している。ここまでの経歴と決意を思えば当然だが、何とも悲痛かつ悲壮な覚悟を思わせる。当然、その様を理解できないアンジェリカは激怒した。
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;「勝ったよ………切嗣」
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:アンジェリカに押し負け、戦いに負けた士郎の勝利宣言。だが、戦いには負けても「美遊を逃がす」という目的は果たし、紛れもない勝利を得た。
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:自らを「悪」とし、それが養父の理想とかけ離れたものであると知りながら、士郎はそれでも胸を張って義父に向かいそれを誇った。
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:それは善悪を超越し「たったひとつ」を貫き続けた「男」が得た「勝利」の言葉だった。
    
=== カプセルさーばんと ===
 
=== カプセルさーばんと ===
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