差分

1,765 バイト除去 、 2017年1月9日 (月) 14:24
編集の要約なし
78行目: 78行目:  
:だが彼は英雄として生き、死んだことに何ら後悔は無く、死の間際、ようやくやりたいことが明瞭に浮かび上がった。<br>誰に認められなくてもいい、誰に賞賛されなくても構わない、ただ自分が信じるものの側に立って生きていきたい。<br>誰かのためでもなく、己のためでもなく、自らの信じるものの為に戦う者。
 
:だが彼は英雄として生き、死んだことに何ら後悔は無く、死の間際、ようやくやりたいことが明瞭に浮かび上がった。<br>誰に認められなくてもいい、誰に賞賛されなくても構わない、ただ自分が信じるものの側に立って生きていきたい。<br>誰かのためでもなく、己のためでもなく、自らの信じるものの為に戦う者。
 
:そう、彼の願いは'''『正義の味方』になること'''だった。
 
:そう、彼の願いは'''『正義の味方』になること'''だった。
===関連===
  −
;バルムンク
  −
:彼の愛剣「バルムンク」は作中で『聖剣』と呼ばれているが、その来歴は血塗られている。<br>バルムンクは元々ニーベルンゲン族のシルブンクとニベルンクが、彼に財宝の分配を依頼した際に贈る品だった。だが分配に不平を漏らすものがおり、彼はその依頼を果たすことは出来なかった。怒った二人の王とニーベルンゲン族の勇者たちに襲われたために反撃(ジークフリートが怒って勇者達を斬り殺したと言われることもあるが、古くからある写本にはそのように書かれていないため、近代の創作である)、結果としてバルムンクを初めとする彼らの宝を手に入れることになった。<br>要するに'''持ち主を殺して奪い取った宝具'''である。<br>尤も、これはニーベルンゲンの財宝の呪いのようなものでもあり、この後に財宝を狙うハーゲンによって彼は暗殺され、バルムンクも奪われる。そして「彼がくれた贈り物」として財宝を奪い返そうとするクリームヒルトによって財宝と復讐の争いがおき、最後にはクリームヒルトが動けないハーゲンを奪い返したバルムンクで斬首。そして彼女もハーゲンの旧友ヒルデブラントに切り殺された。<br>強い呪いを孕むこの剣を『聖剣』と呼んでいいかは怪しいものだが、本作では"使い手次第で聖剣にも魔剣にもなり得る"という設定なので、この剣を手にした後に理想的英雄足らんとしてそう振る舞い続けた入手後の彼に応じて、聖剣としての性質を帯び、『呪われた聖剣』という矛盾した代物となった模様。<br>その後、この剣は行方知れずとなっているが、写本によってはヒルデブラントが所有している事になっている。
     −
;英雄ジークフリートの性格
  −
:上記のような経緯に限らず、彼には英雄と呼ぶには相応しくない粗暴な振る舞いも多いが、その大半は作中初期(彼がまだ年若い頃)の時代の話であり、精神的成長を果たしている中盤以降の彼は誠実で落ち着いた人物である。<br>『ニーベルンゲンの歌』においては、彼は徹頭徹尾クリームヒルトに一途な愛を誓っており、ブリュンヒルトとは面識があった程度で、むしろ彼は高慢なブリュンヒルトから見下されていた節もある。<br>彼の伝承は時代・地域ごとに様々な作品が存在し、性格に統一性が見られない(これは、ジークフリートの伝説は5・6世紀頃に成立し、その後各地域に拡散して1,000年以上に渡って様々な作品が作られている上に、著作権が無いので現代の編者が自己解釈で改変を加えることがあるのが原因)ため、あながち作中の高潔な性格は伝承と相違ないとも言える。<br>このような「粗暴な振る舞いが多いにも関わらず、Fate作品内では紳士的な人物として描かれた英雄」は彼の他に(虎聖杯の影響を受けている可能性もあるが)[[ヘラクレス]]が挙げられる。<br>余談だが、本作では魔剣グラムをバルムンクの原典としたため、『ヴォルスング・サガ』のシグルスが『ニーベルンゲンの歌』のジークフリートの原典と認識する人も居るが、この二作は先述の通り、起源を同じくする別の派生した叙事詩であり各作品の推定成立時期も同じなので、この認識は間違いである。
   
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
; [[Fate/Apocrypha]] (企画段階)
 
; [[Fate/Apocrypha]] (企画段階)
95行目: 90行目:  
*〔セイバー〕キャラクターデザイン:近衛乙嗣、KN(原案) / 設定制作:東出祐一郎・奈須きのこ / レア度:☆4
 
*〔セイバー〕キャラクターデザイン:近衛乙嗣、KN(原案) / 設定制作:東出祐一郎・奈須きのこ / レア度:☆4
 
: ストーリー上では第一章に味方として登場。邪竜への切り札という重要な存在となっている。
 
: ストーリー上では第一章に味方として登場。邪竜への切り札という重要な存在となっている。
: ……しかし肝心の戦闘ではどうかというと、クラス相性が物を言う本作においては、たとえ対竜種用のスキルを持っていようが、セイバーである彼よりそこら辺のアサシンの方がよっぽど竜に対して有効になってしまっている。
  −
: しかも、NPC枠で参戦する際のレベルが彼のステータスが伸びやすいレベル帯に達しておらず、ついでに宝具も全体攻撃なので単体で出現する肝心のファヴニールに有効ではない……とゲームシステム上の都合がとことん向かい風。
  −
: そんな状況を知ってか知らずかストーリー中の言動が謙虚すぎるのも相まって、ネタキャラとして親しまれてしまうことに……。
      
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
127行目: 119行目:  
=== 生前 ===
 
=== 生前 ===
 
; ファヴニール
 
; ファヴニール
: 生前に討ち果たした邪竜。
+
: 生前に討ち果たした邪竜。伝説に曰く、かつて人間だった存在。
: 彼を打倒したことで財宝と傷つかない肉体を手に入れたが、同時に不幸な運命が確約されてしまった。
+
: 与えられた黄金を分け合うことを拒み、兄弟で浅ましく殺し合い、勝利した彼は人ならざるモノになることを選んだのだという。
 +
: ジークフリートは彼を打倒したことで財宝と傷つかない肉体を手に入れたが、同時に不幸な運命が確約されてしまった。
 
: 血を浴びたことで一種の共感関係が成立してしまい、互いの存在を微かだが感じ取ることもできる。
 
: 血を浴びたことで一種の共感関係が成立してしまい、互いの存在を微かだが感じ取ることもできる。
 
; ハーゲン
 
; ハーゲン
158行目: 151行目:  
:台詞にもある通り、送り返されたのには「現状を招いた原因に肝心のエリザベートが全く気付いていなかった」という立派な理由があるのだが、これまで(そしてこれ以降も)影も形もなかった彼の唐突極まりない登場が一切合切を吹き飛ばす。
 
:台詞にもある通り、送り返されたのには「現状を招いた原因に肝心のエリザベートが全く気付いていなかった」という立派な理由があるのだが、これまで(そしてこれ以降も)影も形もなかった彼の唐突極まりない登場が一切合切を吹き飛ばす。
 
:ついでにこのクエストの報酬は聖晶石一個。…詫び石?
 
:ついでにこのクエストの報酬は聖晶石一個。…詫び石?
:なお、このシーンは本イベントの最大のパロディ元である『魔界村』シリーズにおける、姫に2周目の開始を告げられる演出が元ネタである。<del>姫じゃなくて本当にすまない……</del>
+
:なお、このシーンは本イベントの最大のパロディ元である『魔界村』シリーズにおける、姫に2周目の開始を告げられる演出が元ネタである。<del>姫じゃなくて本当にすまない……</del>
    
== メモ ==
 
== メモ ==
 
*北欧神話の大英雄[[シグルド]]がジークフリートのモデルという説と、同一人物という説がある。Fateシリーズでは以下のような扱いをされている。<br>『stay night』:[[ギルガメッシュ]]の宝具解説にて、シグルドの持つ魔剣グラムはバルムンクの別名という設定がある。<br>『Apocrypha』:『ニーベルンゲンの歌』の設定が彼の人物設定と明記され、クリームヒルトやハーゲンとの関係から「ジークフリートとシグルドは別人」と判明した。しかし作中における彼の経歴は、ジークフリートとシグルズの伝承がごちゃ混ぜになっている。<br>『CCC』:[[ブリュンヒルデ]]の説明にて「シグルド(ジークフリート)」と表記され同一視されている。<br>バルムンクへの解説で「原典である魔剣グラム」という表現が登場し、結局「'''関連はあるが別人'''」というのが公式設定となったようである。
 
*北欧神話の大英雄[[シグルド]]がジークフリートのモデルという説と、同一人物という説がある。Fateシリーズでは以下のような扱いをされている。<br>『stay night』:[[ギルガメッシュ]]の宝具解説にて、シグルドの持つ魔剣グラムはバルムンクの別名という設定がある。<br>『Apocrypha』:『ニーベルンゲンの歌』の設定が彼の人物設定と明記され、クリームヒルトやハーゲンとの関係から「ジークフリートとシグルドは別人」と判明した。しかし作中における彼の経歴は、ジークフリートとシグルズの伝承がごちゃ混ぜになっている。<br>『CCC』:[[ブリュンヒルデ]]の説明にて「シグルド(ジークフリート)」と表記され同一視されている。<br>バルムンクへの解説で「原典である魔剣グラム」という表現が登場し、結局「'''関連はあるが別人'''」というのが公式設定となったようである。
*マスターであるゴルドは、彼の真名に関して、過剰に警戒しすぎていたと言わざるを得ない。確かに聖杯戦争において真名の秘匿は基本中の基本であり、セイバーの背中の弱点には十分に留意する必要が有った。<br>だが無防備な背後から攻撃を受けるのは、特殊な防御能力を持たない限り、どのような大英雄でも敗北必至の危機的状況であり、彼の弱点も所詮は「'''当たり前の事'''」に過ぎなかった。<br>真名の秘匿のみを重視し、サーヴァントとまともにコミュニケーションを取ろうともしなかったゴルドの失点は余りに大きい。
  −
**尤もそれはその関係を良しとしたセイバー自身にも非があると言える事でもある。互いにコミュニケーションを取っていれば、あの結末を回避出来た可能性がある事が示唆されている。この辺りは[[ディルムッド・オディナ|四次ランサー]]と[[ケイネス・エルメロイ・アーチボルト|ケイネス]]に通じるものがあると言える。ゴルドがサーヴァントの魔力供給に用いた裏技もこの2人の取った手法と似ているため、オマージュなのかもしれない。
   
*企画段階『Apocrypha』での彼は一切の言葉を喋れないという設定であり、ライダーとしての適性も持っていた。しかし、前者の設定は小説版『Apocrypha』以降はなくなっており、また後者も騎乗スキルがBランクとなっていることを考えるとこの設定が残っているかは怪しいところ。
 
*企画段階『Apocrypha』での彼は一切の言葉を喋れないという設定であり、ライダーとしての適性も持っていた。しかし、前者の設定は小説版『Apocrypha』以降はなくなっており、また後者も騎乗スキルがBランクとなっていることを考えるとこの設定が残っているかは怪しいところ。
 
**尤も騎乗スキルのランクが上下しているアルトリアという前例があるので、マスターやクラスの影響も考えられる。
 
**尤も騎乗スキルのランクが上下しているアルトリアという前例があるので、マスターやクラスの影響も考えられる。
173行目: 164行目:     
== 話題まとめ ==
 
== 話題まとめ ==
 +
;バルムンク
 +
:彼の愛剣「バルムンク」は作中で『聖剣』と呼ばれているが、その来歴は血塗られている。<br>バルムンクは元々ニーベルンゲン族のシルブンクとニベルンクが、彼に財宝の分配を依頼した際に贈る品だった。だが分配に不平を漏らすものがおり、彼はその依頼を果たすことは出来なかった。怒った二人の王とニーベルンゲン族の勇者たちに襲われたために反撃(ジークフリートが怒って勇者達を斬り殺したと言われることもあるが、古くからある写本にはそのように書かれていないため、近代の創作である)、結果としてバルムンクを初めとする彼らの宝を手に入れることになった。<br>要するに'''持ち主を殺して奪い取った宝具'''である。<br>尤も、これはニーベルンゲンの財宝の呪いのようなものでもあり、この後に財宝を狙うハーゲンによって彼は暗殺され、バルムンクも奪われる。そして「彼がくれた贈り物」として財宝を奪い返そうとするクリームヒルトによって財宝と復讐の争いがおき、最後にはクリームヒルトが動けないハーゲンを奪い返したバルムンクで斬首。そして彼女もハーゲンの旧友ヒルデブラントに切り殺された。<br>強い呪いを孕むこの剣を『聖剣』と呼んでいいかは怪しいものだが、本作では"使い手次第で聖剣にも魔剣にもなり得る"という設定なので、この剣を手にした後に理想的英雄足らんとしてそう振る舞い続けた入手後の彼に応じて、聖剣としての性質を帯び、『呪われた聖剣』という矛盾した代物となった模様。<br>その後、この剣は行方知れずとなっているが、写本によってはヒルデブラントが所有している事になっている。
 +
 +
;英雄ジークフリートの性格
 +
:上記のような経緯に限らず、彼には英雄と呼ぶには相応しくない粗暴な振る舞いも多いが、その大半は作中初期(彼がまだ年若い頃)の時代の話であり、精神的成長を果たしている中盤以降の彼は誠実で落ち着いた人物である。<br>『ニーベルンゲンの歌』においては、彼は徹頭徹尾クリームヒルトに一途な愛を誓っており、ブリュンヒルトとは面識があった程度で、むしろ彼は高慢なブリュンヒルトから見下されていた節もある。<br>彼の伝承は時代・地域ごとに様々な作品が存在し、性格に統一性が見られない(これは、ジークフリートの伝説は5・6世紀頃に成立し、その後各地域に拡散して1,000年以上に渡って様々な作品が作られている上に、著作権が無いので現代の編者が自己解釈で改変を加えることがあるのが原因)ため、あながち作中の高潔な性格は伝承と相違ないとも言える。<br>このような「粗暴な振る舞いが多いにも関わらず、Fate作品内では紳士的な人物として描かれた英雄」は彼の他に(虎聖杯の影響を受けている可能性もあるが)[[ヘラクレス]]が挙げられる。<br>余談だが、本作では魔剣グラムをバルムンクの原典としたため、『ヴォルスング・サガ』のシグルスが『ニーベルンゲンの歌』のジークフリートの原典と認識する人も居るが、この二作は先述の通り、起源を同じくする別の派生した叙事詩であり各作品の推定成立時期も同じなので、この認識は間違いである。
 +
 
;すまないさん
 
;すまないさん
:『Grand Order』ではサービス開始当初から、ストーリー登場時の彼の数々の卑屈な発言や共闘時にはあまり活躍できない性能面などが'''逆に人気を呼んでしまい'''、結果的に'''すまないさん'''という愛称が付けられてしまった。
+
:『Grand Order』ではサービス開始当初から、一章登場時の彼の数々の卑屈な発言やサポート鯖として使用する際のあまり活躍できない性能面などが'''逆に人気を呼んでしまい'''、結果的に'''すまないさん'''という愛称が付けられてしまった。
:一応彼の名誉のためにも、最大レベル時の総合ステータスは☆4の中ではトップクラスである事を記しておく。せめて早熟型であったならばオルレアンでも活躍できただろうに……。ちなみに愛称である「すまないさん」は中国まで広まっており、あだ名も'''中国語に訳したのではなく日本語のまま'''となっている。[[コハエース]]でも[[沖田総司|おき太]]が病弱スキルで活躍できなかった際に'''「すまない……、病弱スキルがのべつくまなしに発動するセイバーですまない……」'''とネタにしている。イベント『ネロ祭』では終盤に初の'''ランサークラスのドラゴン'''「セプテムの言祝ぎ」が登場し(扱いとしては前座だが、後に控えているサーヴァント戦もセイバー有利な構成)、竜殺しの面目躍如としてにわかに話題となった。なお、このドラゴンの名前は後に'''「七つの丘の一冠インヴィディア」'''という、原典を考えるとかなりヤバい存在であることが判明した。
+
: クラス相性が物を言う『Grand Order』においては、たとえ対竜種用のスキルを持っていようが、セイバーである彼よりそこら辺のアサシンの方がよっぽど竜に対して有効になってしまっている。
 +
: しかも、NPC枠で参戦する際のレベルが彼のステータスが伸びやすいレベル帯に達しておらず、ついでに宝具も全体攻撃なので単体で出現する肝心のファヴニールに有効ではない……とゲームシステム上の都合がとことん向かい風。
 +
: そんな状況を知ってか知らずかストーリー中の言動が謙虚すぎるのも相まって、ネタキャラとして親しまれてしまうことに。せめて早熟型であったならばオルレアンでも活躍できただろうに……。ちなみに愛称である「すまないさん」は中国まで広まっており、あだ名も'''中国語に訳したのではなく日本語のまま'''となっている。[[コハエース]]でも[[沖田総司|おき太]]が病弱スキルで活躍できなかった際に'''「すまない……、病弱スキルがのべつくまなしに発動するセイバーですまない……」'''とネタにしている。
 
:後に『Grand Order』のシナリオライターである東出氏もTwitterでネタにしており、マチ★アソビ Vol.15のイベントにおいても触れられている。
 
:後に『Grand Order』のシナリオライターである東出氏もTwitterでネタにしており、マチ★アソビ Vol.15のイベントにおいても触れられている。
    
;✝舞い降りし最強の魔竜✝
 
;✝舞い降りし最強の魔竜✝
:『Grand Order』のハロウィンイベント『歌うカボチャ城の冒険~マッドパーティー2015~』中のゲリラクエスト“雨夜の訪問者 ~竜の宴~”において、敵として登場した際の彼に付けられていた名前。中二病あふれるそのネーミングにファンの腹筋を崩壊させた。再臨3回目の姿で登場している。
+
:『Grand Order』のハロウィンイベント『歌うカボチャ城の冒険~マッドパーティー2015~』中のゲリラクエスト“雨夜の訪問者 ~竜の宴~”において、敵として登場した際の彼に付けられていた名前。中二病あふれるそのネーミングにファンの腹筋を崩壊させた。再臨3回目の姿で登場している。
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
<references/>
1,646

回編集