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| '''''全能な少女の駆る聖杯戦争が悲劇を生んだ――''''' | | '''''全能な少女の駆る聖杯戦争が悲劇を生んだ――''''' |
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− | コンプティーク2013年8月号より連載が開始された、『[[Fate/Prototype]]』の外伝小説。<br>小説は元ライアーソフトのシナリオライターで現在小説家の桜井光氏が、絵は『[[トラぶる花札道中記|とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦]]』でイラストに携わった中原氏が担当する。
| + | コンプティーク2013年8月号より連載が開始され、2016年10月号に完結した『[[Fate/Prototype]]』の外伝小説。<br>小説は元ライアーソフトのシナリオライターで現在小説家の桜井光氏が、絵は『[[トラぶる花札道中記|とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦]]』でイラストに携わった中原氏が担当する。 |
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| 本文・イラスト共にフルカラーで収録された単行本が発売中(既刊四巻)。全五巻完結予定。 | | 本文・イラスト共にフルカラーで収録された単行本が発売中(既刊四巻)。全五巻完結予定。 |
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− | 『[[Fate/stay night]]』で言うところの『[[Fate/Zero]]』にあたる作品で、『Prototype』の前日譚の物語。全五部構成であり、東京で行われた八年前の聖杯戦争を複数の人物の視点で断片的に描く。<br>第一部『Little Lady』では『Prototype』の黒幕である[[沙条愛歌]]を主人公として、彼女とセイバーの出会い、過ごした穏やかな日々、そして聖杯戦争での暗躍が描かれる。<br>第二部『Best Friend』ではライバルキャラである[[玲瓏館美沙夜]]を主人公として、美沙夜の側から見るPrototype本編と、幼い頃の彼女の視点で見る八年前の聖杯戦争が描かれる。<br>第三部『Beautiful Mind』ではライダー陣営とバーサーカー陣営のマスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。<br>その後は一旦休止し、愛歌を主人公とした別ストーリー『[[Fate/Labyrinth]]』を連載。<br>第四部『Dear My Hero』ではアーチャー陣営とランサー陣営のマスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。<br>第五部『Knight of Fate』では主にセイバー視点から、聖杯戦争がほぼ完結しかかった状態でセイバー自身の願いに決着をつける物語がオムニバス形式で描かれる。 | + | 『[[Fate/stay night]]』で言うところの『[[Fate/Zero]]』にあたる作品で、『Prototype』の前日譚の物語。全五部構成であり、東京で行われた八年前の聖杯戦争を『Prototype』の黒幕である[[沙条愛歌]]を中心としながら複数の人物の視点で断片的に描く。<br>第一部『Little Lady』では愛歌とセイバーの出会い、過ごした穏やかな日々、そして聖杯戦争での暗躍が描かれる。<br>第二部『Best Friend』では[[玲瓏館美沙夜]]を主人公として、美沙夜の側から見る『Prototype』本編と、幼い頃の彼女の視点で見る八年前の聖杯戦争が描かれる。<br>第三部『Beautiful Mind』ではライダー陣営とバーサーカー陣営を主人公格とし、マスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。<br>その後は一旦休止し、愛歌を主人公とした別ストーリー『[[Fate/Labyrinth]]』を連載。<br>第四部『Dear My Hero』ではアーチャー陣営とランサー陣営を主人公格とし、マスターとそのサーヴァントの物語がオムニバス形式で描かれる。<br>第五部『Knight of Fate』では主にセイバー視点から、聖杯戦争がほぼ完結しかかった状態でセイバー自身の願いに決着をつける物語がオムニバス形式で描かれる。 |
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| ==登場人物== | | ==登場人物== |
| ===メインキャラクター=== | | ===メインキャラクター=== |
− | ;[[沙条愛歌]] | + | ; [[沙条愛歌]] |
− | :第一部の主人公。沙条家の娘でセイバーのマスター。マスター階梯第一位。 | + | : 主人公。沙条家の娘でセイバーのマスター。マスター階梯第一位。 |
− | :綾香には一緒にご飯を作ったりする何でも出来て優しいおねぇちゃん、セイバーには頑張りが空回りしがちな恋する乙女の顔を見せ、一見すると穏やかな日常が描かれる。 | + | : 綾香には一緒にご飯を作ったりする何でも出来て優しいおねぇちゃん、セイバーには頑張りが空回りしがちな恋する乙女の顔を見せ、一見すると穏やかな日常が描かれる。 |
− | :だが…… | + | : だが…… |
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− | ;[[アーサー・ペンドラゴン|セイバー]] | + | ; [[アーサー・ペンドラゴン|セイバー]] |
− | :愛歌のサーヴァント。サーヴァント階位第一位。 | + | : 愛歌のサーヴァント。サーヴァント階位第一位。 |
− | :昼は兄妹のように仲の良い主従として過ごし、夜は最強のマスターを据えた最優のサーヴァントとして剣を振るう。 | + | : 昼は兄妹のように仲の良い主従として過ごし、夜は最強のマスターを据えた最優のサーヴァントとして剣を振るう。 |
− | :聖杯戦争の開始前から愛歌の危うさに気づき、彼女が道を誤らないように誠意をこめて接するが……。 | + | : 聖杯戦争の開始前から愛歌の危うさに気づき、彼女が道を誤らないように誠意をこめて接するが……。 |
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− | ;[[沙条綾香]] | + | ; [[沙条綾香]] |
− | :愛歌の妹。 | + | : 愛歌の妹。 |
− | :幼い頃から、姉の優秀さとそれを鼻にかけず優しく接してくれることに憧憬の念と引け目を感じていた。 | + | : 幼い頃から、姉の優秀さとそれを鼻にかけず優しく接してくれることに憧憬の念と引け目を感じていた。 |
− | :だがある時を境に、姉に対して得体のしれないものを感じるようになっていく。 | + | : だがある時を境に、姉に対して得体のしれないものを感じるようになっていく。 |
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− | ;[[玲瓏館美沙夜]]
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− | :第二部の主人公。玲瓏館家の娘。
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− | :現在の視点では『Prototype』本編で詳しい事が分からなかった彼女の内面が描かれる。過去の視点では10歳の幼い彼女が登場し、「早く大人になりたい」と背伸びしたり父を「最も優れた魔術師」として慕うなど子供らしい、現代では絶対に見ることが出来ない微笑ましい光景を垣間見ることが出来る。
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− | ===現代の聖杯戦争参加者・関係者===
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− | ;[[クー・フーリン (Prototype)|ランサー]]
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− | :美沙夜のサーヴァント。第二部から登場。
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− | ;[[ペルセウス|ライダー]]
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− | :現代編から登場。「伊勢三」という偽名で綾香の学校に溶け込んでいる。
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− | ;[[ギルガメッシュ (Prototype)|アーチャー]]
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− | :現代編から登場。都心を闊歩し、ランサーと出会う。
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− | ;[[サンクレイド・ファーン]]
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− | :第四部ACT-0から登場。綾香を騙し討ちした際の一幕が描かれる。
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| ===八年前の聖杯戦争参加者・関係者=== | | ===八年前の聖杯戦争参加者・関係者=== |
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| : 玲瓏館のサーヴァント。サーヴァント階位第六位。 | | : 玲瓏館のサーヴァント。サーヴァント階位第六位。 |
| : 女性と見紛う容姿をした魔術師の青年。強固な陣地を形成し、他のサーヴァントの侵入を阻んでいる。 | | : 女性と見紛う容姿をした魔術師の青年。強固な陣地を形成し、他のサーヴァントの侵入を阻んでいる。 |
| + | ;[[玲瓏館美沙夜]] |
| + | : 玲瓏館家の娘。 |
| + | : 現在の視点では『Prototype』本編で詳しい事が分からなかった彼女の内面が描かれる。過去の視点では10歳の幼い彼女が登場し、「早く大人になりたい」と背伸びしたり父を「最も優れた魔術師」として慕うなど子供らしい、現代では絶対に見ることが出来ない微笑ましい光景を垣間見ることが出来る。 |
| ; [[エルザ・西条]] | | ; [[エルザ・西条]] |
| : アーチャーのマスター。マスター階梯第五位。ドイツ人と日本人のハーフで、ドイツにある零落しかかった魔術師一族の出身。 | | : アーチャーのマスター。マスター階梯第五位。ドイツ人と日本人のハーフで、ドイツにある零落しかかった魔術師一族の出身。 |
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| : 巽のサーヴァント。サーヴァント階位第二位。 | | : 巽のサーヴァント。サーヴァント階位第二位。 |
| : 整った顔立ちで落ち着いた風貌の青年。あるいは月に吠える狂獣。 | | : 整った顔立ちで落ち着いた風貌の青年。あるいは月に吠える狂獣。 |
| + | ; 來野環 |
| + | : 巽の妹。消息を絶った巽を探すため、はるばる上京してくる。 |
| ; [[伊勢三玄莉]] | | ; [[伊勢三玄莉]] |
| : ライダーのマスター。マスター階梯第四位。数多くの魔術師を束ねる一族の長で、東京西部の山岳地帯にて強固な結界や死の罠を何重にも張り巡らせた完璧な魔術工房を造り上げ、そこを拠点とした籠城戦を目論む。 | | : ライダーのマスター。マスター階梯第四位。数多くの魔術師を束ねる一族の長で、東京西部の山岳地帯にて強固な結界や死の罠を何重にも張り巡らせた完璧な魔術工房を造り上げ、そこを拠点とした籠城戦を目論む。 |
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| : 八年後の聖杯戦争におけるライダーのマスター。過去章の時点では伊勢三一族の築いた工房の中で医療機器に繋がれ生かされている幼子であるが、その幼さ、己の身を蝕む苦痛にもかかわらず自分以外のすべての人間の幸福をのみ願う高潔な精神で、もともとはこの聖杯戦争への参加に乗り気でなかった傲岸なるファラオを感嘆させ、彼の中の無二の友の記憶を想起させる。 | | : 八年後の聖杯戦争におけるライダーのマスター。過去章の時点では伊勢三一族の築いた工房の中で医療機器に繋がれ生かされている幼子であるが、その幼さ、己の身を蝕む苦痛にもかかわらず自分以外のすべての人間の幸福をのみ願う高潔な精神で、もともとはこの聖杯戦争への参加に乗り気でなかった傲岸なるファラオを感嘆させ、彼の中の無二の友の記憶を想起させる。 |
| : のちに工房への襲撃を行い一族を全滅させた愛歌に全くの好奇心からビーストを体内に埋め込まれ、呪いに内側から喰らいつくされた凄惨な状態で発見される。 | | : のちに工房への襲撃を行い一族を全滅させた愛歌に全くの好奇心からビーストを体内に埋め込まれ、呪いに内側から喰らいつくされた凄惨な状態で発見される。 |
− | ; 來野環
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− | : 上記の巽の妹。消息を絶った巽を探すため、はるばる上京してくる。
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| ===サーヴァントの生前の関係者=== | | ===サーヴァントの生前の関係者=== |
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| ; [[ルキウス・ヒベリウス]] | | ; [[ルキウス・ヒベリウス]] |
| : セイバーが生前戦ったローマ皇帝。 | | : セイバーが生前戦ったローマ皇帝。 |
| + | |
| + | ===現代の聖杯戦争参加者=== |
| + | ; [[クー・フーリン (Prototype)|ランサー]] |
| + | : 現代編に登場。『Prototype』における美沙夜のサーヴァント。 |
| + | ; [[ペルセウス|ライダー]] |
| + | : 現代編に登場。「伊勢三」という偽名で綾香の学校に溶け込んでいる。 |
| + | ; [[ギルガメッシュ (Prototype)|アーチャー]] |
| + | : 現代編に登場。都心を闊歩し、ランサーと出会う。 |
| + | ; [[サンクレイド・ファーン]] |
| + | : 現代編に登場。綾香を騙し討ちした際の一幕が描かれる。 |
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| ==メモ== | | ==メモ== |
| *冬木やトゥリファスなど架空の土地が舞台になる他のFateシリーズと異なり、東京が舞台ということで現実の土地名が数多く出てきている。 | | *冬木やトゥリファスなど架空の土地が舞台になる他のFateシリーズと異なり、東京が舞台ということで現実の土地名が数多く出てきている。 |
| *『Prototype』終盤では[[ビースト]]と共に、この時召喚されたセイバー以外のサーヴァントが愛歌の手駒として登場することになっている。 | | *『Prototype』終盤では[[ビースト]]と共に、この時召喚されたセイバー以外のサーヴァントが愛歌の手駒として登場することになっている。 |
− | *八年前の聖杯戦争では、最優の名に恥じないセイバー、弓を使うアーチャー、正統派の魔術師であり自分の目的のためなら裏切りも辞さないキャスター、敵マスターを仕留める山の翁たるアサシン、狂化で低い能力を補うバーサーカー、とクラスの常道通りのサーヴァントが揃っている。<br>エクストラクラスや例外的な召喚もないため、シリーズ10年目にようやくオーソドックスな布陣の聖杯戦争となった。 | + | *最優の名に恥じないセイバー、弓を使うアーチャー、正統派の魔術師であり自分の目的のためなら裏切りも辞さないキャスター、敵マスターを仕留める山の翁たるアサシン、狂化で低い能力を補うバーサーカー、とクラスの常道通りのサーヴァントが揃っている。<br>エクストラクラスや例外的な召喚もないため、シリーズ10年目にようやくオーソドックスな布陣の聖杯戦争となった。 |
− | *[[ペルセウス|ライダー]]の「サーヴァントとしては例外的に生前悲劇的な死を遂げていない」という設定を踏まえ、今作の登場サーヴァントには悲劇的な死を遂げている(と物語上解釈できる)英霊を可能な限り選定している。 | + | *『Prototype』における[[ペルセウス|ライダー]]の「サーヴァントとしては例外的に生前悲劇的な死を遂げていない」という設定を踏まえ、今作の登場サーヴァントには悲劇的な死を遂げている(と物語上解釈できる)英霊を可能な限り選定している。 |
| *桜井光氏の作品タイトルは大半が「色を含む漢字+カタカナ語」となっており、「蒼銀のフラグメンツ」もそのルールに則ったタイトルになっている。 | | *桜井光氏の作品タイトルは大半が「色を含む漢字+カタカナ語」となっており、「蒼銀のフラグメンツ」もそのルールに則ったタイトルになっている。 |
| *第三部連載終了から第四部連載開始までの数ヶ月に間が空いたのは[[アーラシュ|アーチャー]]と[[ブリュンヒルデ|ランサー]]のビジュアルを『[[Fate/Grand Order]]』で公開する予定になっていたため。その期間を埋めるための作品として『[[Fate/Labyrinth]]』が生まれた。 | | *第三部連載終了から第四部連載開始までの数ヶ月に間が空いたのは[[アーラシュ|アーチャー]]と[[ブリュンヒルデ|ランサー]]のビジュアルを『[[Fate/Grand Order]]』で公開する予定になっていたため。その期間を埋めるための作品として『[[Fate/Labyrinth]]』が生まれた。 |