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390 バイト追加 、 2014年1月3日 (金) 23:04
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== [[宝具]] ==
 
== [[宝具]] ==
 
;虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)
 
;虚栄の空中庭園(ハンギングガーデンズ・オブ・バビロン)
:想像を絶する巨大な浮遊要塞。セミラミスが生前に作り上げられたと伝えられている空中庭園。<br>規則正しく並べられた緑豊かな浮島と、大理石で出来た床や柱で構成されている。全体にあらゆる種の植物が絡んでおり、混沌の醜さと絢爛の美しさが同一化している。<br>魔力による顕現は不可能で召喚に彼女が生きていた土地の木材、石材、鉱物、植物、水といった材料を全て揃え、長時間の儀式を行ってようやく完成する。このような面倒なプロセスが必要なのは、彼女が実際は空中庭園など建設しておらず、後付けの神秘として自身に刻み付けられたためで、「虚栄」とは事実に反する紛い物である事を意味する。<br>だが、真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている『逆しまである』という概念を利用し大聖杯を格納するための機能がシロウの要望によって組み込まれており、宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。<br>巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われ、ステータス全てが強化され、[[魔法]]の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。<br>だが欠点は多く、彼女はこの庭園の外に出た途端、戦闘能力のほとんどを失い大幅に弱体化する。<br>また不必要なまでに巨大なため、隠密行動は事実上不可能であり、実体化させたままでしか移動できず、迷彩や偽装を用いて敵陣に奇襲をかける事もできない。更に移動速度が遅いため、接近すれば確実に発見され迎撃されるなど「暗殺者」の宝具としては非常に問題が多いものとなっている。
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:想像を絶する巨大な浮遊要塞。セミラミスが生前に作り上げられたと伝えられている空中庭園。<br>規則正しく並べられた緑豊かな浮島と、大理石で出来た床や柱で構成されている。全体にあらゆる種の植物が絡んでおり、混沌の醜さと絢爛の美しさが同一化している。<br>魔力による顕現は不可能で召喚に彼女が生きていた土地の木材、石材、鉱物、植物、水といった材料を全て揃え、長時間の儀式を行ってようやく完成する。このような面倒なプロセスが必要なのは、彼女が実際は空中庭園など建設しておらず、後付けの神秘として自身に刻み付けられたためで、「虚栄」とは事実に反する紛い物である事を意味する。<br>だが、真実よりも遥かに巨大かつ出鱈目で、浮遊に使われている『逆しまである』という概念を利用し大聖杯を格納するための機能がシロウの要望によって組み込まれており、宝具でありながら持ち主の意思で作り変えることが出来る。<br>巨大な戦略拠点であるのはもちろんとして、キャスターのクラス別スキル『陣地作成』における『大神殿』に相当する効果があり、どこへ行っても内部は彼女の領域として扱われ、ステータス全てが強化され、[[魔法]]の領域に踏み込んだ魔術すら使用可能となる。<br>だが欠点は多く、彼女はこの庭園の外に出た途端、戦闘能力のほとんどを失い大幅に弱体化する。<br>また不必要なまでに巨大なため隠密行動は事実上不可能であり、一応一般人対策の認識阻害の効果は持っているが魔術的な探知は無力化できず、迷彩や偽装を用いて敵陣に奇襲をかける事もできない。更に移動速度が遅いため、接近すれば確実に発見され迎撃されるなど「暗殺者」の宝具としては非常に問題が多いものとなっている。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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== メモ ==
 
== メモ ==
 
*キャラクターデザインは森井しづき氏。設定制作を担当したのはTYPE MOON。
 
*キャラクターデザインは森井しづき氏。設定制作を担当したのはTYPE MOON。
*奈須氏一押しのキャラクター。ただ「運命はもう決まったようなものだな(笑)」「………[[ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ|ソラウ]]臭がする」と、額面通り受け取るには余りに危険なコメントがされている。<br>が、作中における描写ではソラウに似た印象は受け難く、むしろマスターに対する忠節は[[キャスター]]に近い……どっちにしろ危険ではあるが。
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*奈須氏一押しのキャラクター。ただ「運命はもう決まったようなものだな(笑)」「………[[ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ|ソラウ]]臭がする」と、額面通り受け取るには余りに危険なコメントがされている。<br>が、作中における描写ではソラウに似た印象は受け難く、むしろマスターに対する忠節は[[キャスター|メディア]]に近い……どっちにしろ危険ではあるが。
 
*東出氏によれば、シロウとの関係は「おしどり夫婦」。
 
*東出氏によれば、シロウとの関係は「おしどり夫婦」。
 
*[[キャスター|若奥様]]と同じくエルフ耳。彼女より長い。
 
*[[キャスター|若奥様]]と同じくエルフ耳。彼女より長い。
 
*彼女は魚の女神デルケトーとシリア人の間にできた娘であるとされ、幼くして捨てられ、鳩によって育てられたという。死後は鳩となって飛び去ったという逸話もあり、彼女自身が鳩の化身だといわれる。これが彼女が鳩を使役できる所以と思われる。
 
*彼女は魚の女神デルケトーとシリア人の間にできた娘であるとされ、幼くして捨てられ、鳩によって育てられたという。死後は鳩となって飛び去ったという逸話もあり、彼女自身が鳩の化身だといわれる。これが彼女が鳩を使役できる所以と思われる。
 
*その魔術に特化した能力や、暗殺者には相応しくない目立ち過ぎな宝具から、「魔術も使えるアサシン」と言うよりは「気配遮断も使えるキャスター」という表現がしっくりくる。
 
*その魔術に特化した能力や、暗殺者には相応しくない目立ち過ぎな宝具から、「魔術も使えるアサシン」と言うよりは「気配遮断も使えるキャスター」という表現がしっくりくる。
**メタ的な理由としてはやはり、[[キャスター (Apocrypha・赤)]]との兼ね合いによるものだろう。「キャスターらしからぬキャスター」の穴を埋める為、「キャスター以外のクラスでキャスターの役割を果たすサーヴァント」の存在が求められ、結果としてこのような設定になったのだと思われる。
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**メタ的な理由としてはやはり、[[キャスター (Apocrypha・赤)|キャスター]]との兼ね合いによるものだろう。「キャスターらしからぬキャスター」の穴を埋める為、「キャスター以外のクラスでキャスターの役割を果たすサーヴァント」の存在が求められ、結果としてこのような設定になったのだと思われる。
**特に、巨大な上に材料が現世由来の宝具は先述したように隠密性ゼロ。しかもミレニア城塞はトゥリファス中心地にあり、しっかり住民に目撃されている。目撃者は少なく見積もっても数万人であり、もう[[キャスター (第四次)|大海魔]]どころの騒ぎではない、'''手の付けようのない事態である'''。<br>彼女のマスターは本来「神秘の秘匿」を担うはずの監督役なのだが、その職務を放棄して大聖杯を得る為に手段を選んでいない事がよく分かる。
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**特に、巨大な上に材料が現世由来の宝具は先述したように隠密性ゼロ。しかもミレニア城塞はトゥリファス中心地にあり、しっかり住民に目撃されている。目撃者は少なく見積もっても数万人でありどころの騒ぎではない。後に[[ユグドミレニア]]の認識操作を始めとした隠蔽工作でミレニア城塞で大規模な戦闘は「隕石の落下」ということで落ち着き、一応移動中は姿を隠している事が分かった。<br>だが[[キャスター (第四次)|大海魔]]の件で分かるように、例え隠蔽工作が上手くいくとしても本来は衆目に神秘を晒すような事は絶対に行ってはならない振る舞いである。また彼女のマスターは本来「神秘の秘匿」を担うはずの監督役なのだが、その職務を放棄して大聖杯を得る為に手段を選んでいない事がよく分かる。
 
***空中庭園がどう見ても「キャスターとしての宝具」である事から「アサシンとしての宝具」も所有している可能性があるが、その点については今のところ不明。
 
***空中庭園がどう見ても「キャスターとしての宝具」である事から「アサシンとしての宝具」も所有している可能性があるが、その点については今のところ不明。
 
***彼女の宝具に限らず、英霊はその時代のイメージに大きく左右され、生前は持っていなかった能力を後付で所有する事は少なくない。聖杯大戦においても[[ランサー (Apocrypha・黒)|黒のランサー]]の鮮血の伝承は「後の口伝」を具現化するものだし、[[アサシン (Apocrypha・黒)|黒のアサシン]]に至ってはその能力のほとんどが死後の伝承によって形成されている。他作品でも、複数の英霊のイメージが統合されている[[アーチャー (EXTRA・緑)]]などがこれにあたる。
 
***彼女の宝具に限らず、英霊はその時代のイメージに大きく左右され、生前は持っていなかった能力を後付で所有する事は少なくない。聖杯大戦においても[[ランサー (Apocrypha・黒)|黒のランサー]]の鮮血の伝承は「後の口伝」を具現化するものだし、[[アサシン (Apocrypha・黒)|黒のアサシン]]に至ってはその能力のほとんどが死後の伝承によって形成されている。他作品でも、複数の英霊のイメージが統合されている[[アーチャー (EXTRA・緑)]]などがこれにあたる。
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;バビロンの空中庭園
 
;バビロンの空中庭園
 
:世界七不思議の一つ。紀元前600年ごろにバビロニアで実際に建設されたと思われる巨大庭園。名称から空に浮かぶ庭園のように思われるが、実際は高台に造られた屋上庭園である。<br>実際に敢行したのは、ネブカドネザル2世であると史実には記録されている。<br>実在していたという記録はあるのだがどこに建設されたのかもわからず、バビロンの遺跡から見つかった資料にも庭園の存在をほのめかすものはなかった為、本当に実在していたかは不明である。<br>なお、[[ルーラー]]によれば、ネブカドネザル2世はセミラミスの使うような紛い物ではない、「本物の空中庭園」を宝具として所有するらしい。
 
:世界七不思議の一つ。紀元前600年ごろにバビロニアで実際に建設されたと思われる巨大庭園。名称から空に浮かぶ庭園のように思われるが、実際は高台に造られた屋上庭園である。<br>実際に敢行したのは、ネブカドネザル2世であると史実には記録されている。<br>実在していたという記録はあるのだがどこに建設されたのかもわからず、バビロンの遺跡から見つかった資料にも庭園の存在をほのめかすものはなかった為、本当に実在していたかは不明である。<br>なお、[[ルーラー]]によれば、ネブカドネザル2世はセミラミスの使うような紛い物ではない、「本物の空中庭園」を宝具として所有するらしい。
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;王を毒殺した動機
 
;王を毒殺した動機
 
:夫であるニノス王を毒殺して玉座を奪った悪女というイメージが先行しているが、実情はだいぶ異なる。セミラミスにとってニノス王は2人目の夫で、最初の夫はアッシリアの将軍オンネスであった。<br>オンネスは老人と言ってもよい年齢だったが、夫婦仲は非常に良好だったという。しかし、セミラミスの美貌に目を付けたニノス王は無理やり2人を引き離して彼女を後宮に入れ、更にオンネスを自殺に追い込んでしまう。<br>セミラミスは何気ない風を装ってニノス王に軍事などの献策を行う事で王の信頼を得ていき、遂に王妃となるも、婚姻の数日後に王を毒殺する。つまり、毒殺した理由は'''夫の復讐'''であり、玉座の簒奪は2の次なのである。それくらい、オンネスに深い愛情を注いでいたのであろう。
 
:夫であるニノス王を毒殺して玉座を奪った悪女というイメージが先行しているが、実情はだいぶ異なる。セミラミスにとってニノス王は2人目の夫で、最初の夫はアッシリアの将軍オンネスであった。<br>オンネスは老人と言ってもよい年齢だったが、夫婦仲は非常に良好だったという。しかし、セミラミスの美貌に目を付けたニノス王は無理やり2人を引き離して彼女を後宮に入れ、更にオンネスを自殺に追い込んでしまう。<br>セミラミスは何気ない風を装ってニノス王に軍事などの献策を行う事で王の信頼を得ていき、遂に王妃となるも、婚姻の数日後に王を毒殺する。つまり、毒殺した理由は'''夫の復讐'''であり、玉座の簒奪は2の次なのである。それくらい、オンネスに深い愛情を注いでいたのであろう。
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;モデルとなった女性
 
;モデルとなった女性
 
:セミラミスのモデルとなったサンムラマートは紀元前9世紀~8世紀のアッシリア王妃で、シャムシ・アダト5世の妻であった。夫の死後、息子のアダト・ニラリ3世が王位に付くも成人していなかったので摂政になったとされる。摂政として統治を行ったのは5年程だが、関係が深い宦官を重要なポストに付けるなどしたので後にアッシリアが弱体する一因を作ったと言われている。ただし、この時期のアッシリアは領土拡大戦争を繰り返し成功させて国力を高めており、アッシリアの黄金時代とも言える時代であった。<br>夫を毒殺する事や、1人の男の為に戦争を起す事はやっておらず、なぜセミラミスのような人物像が出来上がったのかは、よく判っていない。
 
:セミラミスのモデルとなったサンムラマートは紀元前9世紀~8世紀のアッシリア王妃で、シャムシ・アダト5世の妻であった。夫の死後、息子のアダト・ニラリ3世が王位に付くも成人していなかったので摂政になったとされる。摂政として統治を行ったのは5年程だが、関係が深い宦官を重要なポストに付けるなどしたので後にアッシリアが弱体する一因を作ったと言われている。ただし、この時期のアッシリアは領土拡大戦争を繰り返し成功させて国力を高めており、アッシリアの黄金時代とも言える時代であった。<br>夫を毒殺する事や、1人の男の為に戦争を起す事はやっておらず、なぜセミラミスのような人物像が出来上がったのかは、よく判っていない。
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