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| : 生前の島原の乱の折、民と、民の信じる神の嘆きを聞き、重税と弾圧に苦しむ人々を一人でも救いたいと考え続けたが、その結果戦う意志を見せて敗北するのが最善である「勝ってはいけない戦い」であることを理解しながらも制圧軍の一部に勝利してしまい、本腰を入れて一揆勢を攻撃した幕府軍によって四郎自身も含め愛する人々を尽く惨殺された。彼らを救えるならば自分の命を喜んで投げ出す覚悟を持っていた彼だったが、それでもどうにもできなかった現実と、大局を取ることを決断できなかった後悔から、人間を救うのではなく人類を救うことで全てを救うという願いを抱くようになる。 | | : 生前の島原の乱の折、民と、民の信じる神の嘆きを聞き、重税と弾圧に苦しむ人々を一人でも救いたいと考え続けたが、その結果戦う意志を見せて敗北するのが最善である「勝ってはいけない戦い」であることを理解しながらも制圧軍の一部に勝利してしまい、本腰を入れて一揆勢を攻撃した幕府軍によって四郎自身も含め愛する人々を尽く惨殺された。彼らを救えるならば自分の命を喜んで投げ出す覚悟を持っていた彼だったが、それでもどうにもできなかった現実と、大局を取ることを決断できなかった後悔から、人間を救うのではなく人類を救うことで全てを救うという願いを抱くようになる。 |
| : 全ての救済のため、「人間は嫌いだが、人類を深く愛する」そのように自分の心を歪ませるという考えに至る。島原の乱で人間の邪悪で残酷な一面を見た事が強く心に残っており、また自身が体験した第三次聖杯戦争とその直後に起きた第二次世界大戦の出来事を見てその想いをより強く持つようになる。そして、人類を救済するには大聖杯の奇跡、即ち第三魔法「魂の物質化」しかないと結論付け、「万人が善性であり、万人が幸福である世界。あらゆる悪が駆逐された『この世全ての善』を手に入れる」という夢の実現を目指すようになった。 | | : 全ての救済のため、「人間は嫌いだが、人類を深く愛する」そのように自分の心を歪ませるという考えに至る。島原の乱で人間の邪悪で残酷な一面を見た事が強く心に残っており、また自身が体験した第三次聖杯戦争とその直後に起きた第二次世界大戦の出来事を見てその想いをより強く持つようになる。そして、人類を救済するには大聖杯の奇跡、即ち第三魔法「魂の物質化」しかないと結論付け、「万人が善性であり、万人が幸福である世界。あらゆる悪が駆逐された『この世全ての善』を手に入れる」という夢の実現を目指すようになった。 |
− | : 仲間たちの魂の鎮魂のために戦いという愛や悲しみも、仲間や家族を殺した敵への憎しみや怒りを持たなかったわけではなく、悲劇を生み出し続ける人類という機構への憎しみがなかったわけでもない。しかし大いなる目的のためにそうした思いは人類や人間に向ける感情と共に抑え込む。また受肉してからは長い年月をかけて自身の信条さえも裏切るような精神性を身につけるようになり、目的のためなら敵対者どころか無辜の民すらも無慈悲に容赦無く犠牲にする。そしてそうした自身の思想や振る舞いの非道さや傲慢さを理解しながらも神の意志と赦しを信じてそのまま突き進み、自分が信じる形での人類救済を求め続けている。 | + | : 仲間たちの魂の鎮魂のために戦いという愛や悲しみも、仲間や家族を殺した敵への憎しみや怒りを持たなかったわけではなく、悲劇を生み出し続ける人類という機構への憎しみがなかったわけでもない。しかし人類救済に必要な精神性を身につけるため自分自身を裏切り、長い年月をかけてそうした彼自身の人間らしさを置き去りにし、封印し、目を背け、目的を叶えるためならば誰であろうと排除する覚悟を決めた。そのエゴや傲慢さも非道も理解しながらも、それでもそう在ろうと悩み、考え、迷いながら神に赦されることを祈って人類救済を求め続けている。 |
− | : 『Apocrypha』では黒幕であるが、その存在自体は善良なものである。彼の思想は人類がいつか辿り着くであろう場所、そこにほんの僅か近道への案内をするものであると言える。一方で、彼が見据えた物はあくまでも「人類」という種の救済であり、「人間」個人を我欲や喜怒哀楽、生の苦悶といったものから救済する事では決してない。そのため、その存在や思想の善良さに反し、その過程や行動は悪であるとも言える。 | + | : 『Apocrypha』では黒幕であるが、その存在自体は善良なものである。彼の思想は人類がいつか辿り着くであろう場所、そこにほんの僅か近道への案内をするものであると言える。一方で、彼が見据えた物はあくまでも「人類」という種の救済であり、「人間」個人を我欲や喜怒哀楽、生への苦悶といったものから救済する事では決してない。そのため、その存在や思想の善良さに反し、その過程や行動は悪であるとも言える。 |
| : このように、他者から非難されるような手法や策略を用いてでも自分の理想を叶えようと、その真意や本性を滅多に明かす事無く暗躍する彼であるが、人間関係に置いては他人と強固に壁を作るというよりかは、常に他者と敵対関係にも親しい関係にもならない程度に距離感を開けて置くタイプであり、マスターとの関係も極めて穏当なものに留まる。 | | : このように、他者から非難されるような手法や策略を用いてでも自分の理想を叶えようと、その真意や本性を滅多に明かす事無く暗躍する彼であるが、人間関係に置いては他人と強固に壁を作るというよりかは、常に他者と敵対関係にも親しい関係にもならない程度に距離感を開けて置くタイプであり、マスターとの関係も極めて穏当なものに留まる。 |
| : しかし、それでも彼の中での最優先事項は聖杯の願望を叶えることに変わりはなく、どれほど親しくなろうともマスターが自分の理想や考え方を受け入れてくれない限りは容赦無く粛清の対象とみなす。しかし、逆に彼の意見や思想に賛同してその力を振るう者、そして夢を託すに相応しい人間だと認めた者に対しては、喜んで自分の命さえも差し出す。 | | : しかし、それでも彼の中での最優先事項は聖杯の願望を叶えることに変わりはなく、どれほど親しくなろうともマスターが自分の理想や考え方を受け入れてくれない限りは容赦無く粛清の対象とみなす。しかし、逆に彼の意見や思想に賛同してその力を振るう者、そして夢を託すに相応しい人間だと認めた者に対しては、喜んで自分の命さえも差し出す。 |
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| ;「―――かつて、憎んだことはある」<br>「神も、人も、全てを憎んだことはある。それは認めようライダー。<br> 私はかつて、確かに人間が憎かった。自分を殺されたからでも、仲間を虐殺されたからでもない。<br> それを歴史の<RUBY><RB>構造</RB><RT>システム</RT></RUBY>として受け入れる人類そのものが憎かった。<br> 強者と弱者があり、互いに喰らい合い、命を浪費することで成長し続けるという人類がただただ憎かった」<br />「だから、私は捨てたぞライダー。<br> 彼らを憎悪するという心を、人類救済のために切り捨てた。<br> だから今は憎くなどない。この世界の誰であろうと、必ず救う。必ずだ」 | | ;「―――かつて、憎んだことはある」<br>「神も、人も、全てを憎んだことはある。それは認めようライダー。<br> 私はかつて、確かに人間が憎かった。自分を殺されたからでも、仲間を虐殺されたからでもない。<br> それを歴史の<RUBY><RB>構造</RB><RT>システム</RT></RUBY>として受け入れる人類そのものが憎かった。<br> 強者と弱者があり、互いに喰らい合い、命を浪費することで成長し続けるという人類がただただ憎かった」<br />「だから、私は捨てたぞライダー。<br> 彼らを憎悪するという心を、人類救済のために切り捨てた。<br> だから今は憎くなどない。この世界の誰であろうと、必ず救う。必ずだ」 |
| :ライダーから自分と自分に付き従った連中を殺した人間が憎くないのかと問われた際の返答。返答次第では即座に槍を使うつもりだったライダーに対し、向かい合い、目線は逸らさない。そこに狂気の片鱗はなく、強者の驕りもない。「奇跡」と謳われ挫折した少年の瞳は、ぞっとするほど、透明だった。言葉の後には、ただ沈黙が広がる。 | | :ライダーから自分と自分に付き従った連中を殺した人間が憎くないのかと問われた際の返答。返答次第では即座に槍を使うつもりだったライダーに対し、向かい合い、目線は逸らさない。そこに狂気の片鱗はなく、強者の驕りもない。「奇跡」と謳われ挫折した少年の瞳は、ぞっとするほど、透明だった。言葉の後には、ただ沈黙が広がる。 |
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| + | ;「ええ。六十年もの間考え続けて、悩み続けた結果、私は此処にいることを選んだのです。恐怖はあっても、後悔はない。それではキャスター、準備を――する前に」 |
| + | :長い時間を考え、悩み、遂に迷いを捨てた四郎は負ければ終わりの戦いへと挑むが…その前にやることがあった。 |
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| + | ;「令呪を以て命ずる。キャスター、私に関して悲劇を書くな」 |
| + | :シェイクスピアはこの状況下なら悲劇を書きたがると信頼していたことで使われた令呪。あまりに残酷と嘆かせたが、四郎にそう決意させたのはシェイクスピアの書いた四大悲劇を読んだからであり、読むように頼んだのはシェイクスピア本人である。 |
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| + | ;“我が右腕は邪を喰らい、我が左腕は天を繋ぐ” |
| + | : 大聖杯中枢への宝具接続。Dランク宝具に過ぎない二つの腕は人類救済を叶えるために大聖杯の改変へと挑む。 |
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| ;全てを憎むか。全てを悲しむか。<br>……私は選んだのだ。全てを悲しもう、全てを慈しもう。私は人間を信じている。いつか、当たり前のようにそこへ到達するのだと信じている。<br>だけど、辿り着くまでに失うものは沢山あって。<br>無念は雪のように降り積もっていく。<br>私にできることはないだろうか。私が人の哀しみを癒やす方法はあるのだろうか。<br>――あった。<br>確かにそれは人を正しく救済する。辿り着くべき場所に至る唯一の近道だった。 | | ;全てを憎むか。全てを悲しむか。<br>……私は選んだのだ。全てを悲しもう、全てを慈しもう。私は人間を信じている。いつか、当たり前のようにそこへ到達するのだと信じている。<br>だけど、辿り着くまでに失うものは沢山あって。<br>無念は雪のように降り積もっていく。<br>私にできることはないだろうか。私が人の哀しみを癒やす方法はあるのだろうか。<br>――あった。<br>確かにそれは人を正しく救済する。辿り着くべき場所に至る唯一の近道だった。 |
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| ;聖人では人は救えても、現実から救うことも未来を得ることもできなかった。<br>戦いは人類を成長させる。それは事実かもしれない。だけど、それでは――それでは、弱者が踏みにじられ続ける世界となってしまう。<br>だから救う。<br>全てを救うのだ―― | | ;聖人では人は救えても、現実から救うことも未来を得ることもできなかった。<br>戦いは人類を成長させる。それは事実かもしれない。だけど、それでは――それでは、弱者が踏みにじられ続ける世界となってしまう。<br>だから救う。<br>全てを救うのだ―― |
− | : セミラミスを召喚するなり語った目的。当然戯言だと一笑に付されたが、その後契約を結び、彼の足掻きを理解した最古の暗殺者は彼への協力を誓う。 | + | : セミラミスを召喚するなり語った目的。当然戯言だと一笑に付されたが、その後契約を結び、彼の足掻きを理解した最古の毒殺者は彼への協力を誓う。 |
| + | |
| + | ;「そうだ。だからこれは、この私を――天草四郎時貞を信じてくれた、皆の力だ」 |
| + | :かつて民に、奇跡を信じさせて「しまった」両腕。呪いと思い、生前の虐殺時に切断されたことで四郎に絶望ではなく歓喜を抱かせた腕は、四郎を信じた人々の信仰により、英霊となった彼の願いを叶える力となる。 |
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| ;「――聖杯に問う。我が奇跡は誤りか、我が願いは異端か、我々が信じたものは切り捨てられるべきものなのか」<br>「ならば。我々は何故美しいと思うのか。何故平和を愛し、幸福を愛し――それが第三者のものでさえ、愛しく思えるのか」<br>「それは、いつかここに辿り着くべきだと。<br>そう考えていたからではないか。答えよ、万能の願望機、答えてみせろ!我が願望に邪悪はあるか!!我らの希望に汚点はあるかッ!?<br>「ならば、我が願いを聞き届けよ。我らの祈りを確かなものとしろ!<br>聖杯、己はその真の役割に殉じるがいい!人類は天の杯を掴み、無限の星々に至るのだから!」 | | ;「――聖杯に問う。我が奇跡は誤りか、我が願いは異端か、我々が信じたものは切り捨てられるべきものなのか」<br>「ならば。我々は何故美しいと思うのか。何故平和を愛し、幸福を愛し――それが第三者のものでさえ、愛しく思えるのか」<br>「それは、いつかここに辿り着くべきだと。<br>そう考えていたからではないか。答えよ、万能の願望機、答えてみせろ!我が願望に邪悪はあるか!!我らの希望に汚点はあるかッ!?<br>「ならば、我が願いを聞き届けよ。我らの祈りを確かなものとしろ!<br>聖杯、己はその真の役割に殉じるがいい!人類は天の杯を掴み、無限の星々に至るのだから!」 |
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| :「クリスマスには恋人関係が進展して行為に走る事が多い」という、とても聖職者とは思えないようなブラックジョーク。それを聞いた主人公からは「ジャックに変なこと吹き込む奴は霊基変換の刑に処す」と怒られた。 | | :「クリスマスには恋人関係が進展して行為に走る事が多い」という、とても聖職者とは思えないようなブラックジョーク。それを聞いた主人公からは「ジャックに変なこと吹き込む奴は霊基変換の刑に処す」と怒られた。 |
| :元ネタはタキシード仮面が美少女戦士に下ネタトリビアを披露する有名な怪文書コピペ「タキシードクイズ」。 | | :元ネタはタキシード仮面が美少女戦士に下ネタトリビアを披露する有名な怪文書コピペ「タキシードクイズ」。 |
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| + | ;彼らに罪があるとすれば、私を信じたこと。私についてきてくれたことしかない。<br/>我が命を喜んで捧げよう。だから、彼らを救う方法を教えて欲しい。<br/>だが、もし救えぬのであれば。この戦いの結末に、彼らの命が必要なのであれば。<br/>人を救うことを止めて、人類を救済しよう。<br/>善も悪も、弱き民も、強き者も、誰も彼も全て救ってみせる。<br/> <br/>これは、ある少年が英雄であることを捨てた話。<br/>そのエゴイズムを理解しながら、それでもそうあろう、と願った話。 |
| + | :絆礼装「天草四郎陣中旗」の詳細の一部。生前の彼の苦悩と、英霊化後の彼が進むと決意する道の始まり。 |
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| + | ;救う、という行為は本来傲慢なものです。 |
| + | ;ですが、その傲慢さを容認しなければ、人は人を引っ張り上げられない。 |
| + | ;個々人を救済するのは簡単です。彼ら彼女らに思いを砕けば、それでいい。 |
| + | ;では、世界を救済するとはどういうことなのか。 |
| + | ;私はわかったつもりでいるのですが、その実何もわかっていないのかもしれません。 |
| + | ;だから、必要なのは問答無用の力。 |
| + | ;この世全て、万物を公平に――無慈悲なまでに救済する力。 |
| + | ;私が召喚に応じたのは、もちろん人理修復が目的ですが。 |
| + | ;それでも、心の何処かでその無慈悲な力を探しているのです。 |
| + | ;――そう、聖杯という無慈悲な救済を。 |
| + | :幕間の物語冒頭にて。FGOの天草はApocryphaの事件の記録を通っているため、冬木大聖杯でなくとも聖杯に未だ強い関心を持ち続けている。 |
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