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| ==真名:シバの女王== | | ==真名:シバの女王== |
− | 誰もが一度は名前を耳にしている伝説の女王。その実態はいまだ謎に包まれる神秘の人物。
| + | :南方より来る女。誰もが一度は名前を耳にしている伝説の女王。その実態はいまだ謎に包まれる神秘の人物。 |
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− | 『旧約聖書(列王記)』『新約聖書』などに登場。 | + | :『旧約聖書(列王記)』『新約聖書』などに登場。 |
− | エルサレムの南方にある「シバ王国」を統治したとされる謎多き女王。しかし、女王と王国の実在を示す確かな証拠は一切発見されていない。 | + | :エルサレムの南方にある「シバ王国」を統治したとされる謎多き女王。しかし、女王と王国の実在を示す確かな証拠は一切発見されていない。 |
− | 王国候補地の一つである東アフリカのエチオピアでは、女王はソロモン王と結ばれ、初代皇帝の母となった、とする壮麗な建国神話が残されている。 | + | :王国候補地の一つである東アフリカのエチオピアでは、女王はソロモン王と結ばれ、初代皇帝の母となった、とする壮麗な建国神話が残されている。 |
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− | ある時、女王は、名高き賢者ソロモンの知恵を授かろうと、大量の献上品をたずさえてエルサレムを訪れた。<br>ソロモンを試す三つの謎掛けはことごとく看破され、エルサレムの繁栄ぶりに女王は感服する。女王とソロモン王は互いに贈り物を交わし、そして再び帰路についた。 | + | :ある時、女王は、名高き賢者ソロモンの知恵を授かろうと、大量の献上品をたずさえてエルサレムを訪れた。<br>ソロモンを試す三つの謎掛けはことごとく看破され、エルサレムの繁栄ぶりに女王は感服する。女王とソロモン王は互いに贈り物を交わし、そして再び帰路についた。 |
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− | 蜃気楼のような不確かな存在でありながら、否、それゆえなのか、シバの女王はソロモン王の威厳ある姿にもひけをとらぬ「絶世の美女であった」と多くの伝承に残されている。 | + | :蜃気楼のような不確かな存在でありながら、否、それゆえなのか、シバの女王はソロモン王の威厳ある姿にもひけをとらぬ「絶世の美女であった」と多くの伝承に残されている。 |
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− | また他に「人間離れした身樣の持ち主であった」という伝説も各地に残る。<br> | + | :また他に「人間離れした身樣の持ち主であった」という伝説も各地に残る。<br> |
| いわくアラビアでは「女王は毛深い脚とロバの蹄を持っていた」。南仏では「足にガチョウのような水かきがあった」など。<br> | | いわくアラビアでは「女王は毛深い脚とロバの蹄を持っていた」。南仏では「足にガチョウのような水かきがあった」など。<br> |
| 極めつけは「霊鬼の女と人間の男との間に生まれた娘」とする逸話である。<br> | | 極めつけは「霊鬼の女と人間の男との間に生まれた娘」とする逸話である。<br> |
| 女王には、あたかも光を屈折させるレンズのごとく、多彩な姿を見せる変幻自在の力が備わっていたとも思われる。 | | 女王には、あたかも光を屈折させるレンズのごとく、多彩な姿を見せる変幻自在の力が備わっていたとも思われる。 |
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− | 時代と幻想を超えて彼女は我々カルデアスの前に姿を現した。 | + | :時代と幻想を超えて彼女は我々カルデアスの前に姿を現した。 |
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− | 決して忘れがたき、 | + | :決して忘れがたき、<br> |
| 一つの約束を果たすために―――。 | | 一つの約束を果たすために―――。 |
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