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;略歴
 
;略歴
:かつては[[封印指定]]を受けた[[魔術|魔術師]]の父・[[衛宮矩賢]]と共に、[[魔術協会]]から潜伏しながらの生活をしていた。母親についてはその逃避行の最中に死亡している。<br>潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際、羅患した幼馴染の少女・[[シャーレイ]]が、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。しかし彼は幼さ故の未熟さも手伝い、恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めようとする。<br>その結果として島は地獄と化し、彼は「一人を殺せなかったために大勢を殺す」という、強烈なトラウマを刻み込まれる。原因となった父がまた同じ事を繰り返すであろうことを予見した彼は、今度こそ、その手で父を殺害する。<br>その後、父を狙っていた[[ナタリア・カミンスキー]]と共に島を脱し、そのままナタリアの元でハンターとしての腕を磨き、傭兵のような生活を送る。仕事の途中、ナタリア一人と他の大勢の命を天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。<br>ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。<br>「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前に[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン|アイリスフィール]]と夫婦になり、娘の[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン|イリヤスフィール]]を設けている。<br>発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。<br>戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた[[衛宮士郎|少年]]を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。士郎を養子に迎えた後も、「世界旅行」と称して屋敷を離れて、最愛の娘を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、[[ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン|アハト翁]]の妨害に遭い、娘と再会することは叶わなかった。<br>聖杯戦争終結から五年後、士郎に看取られながら聖杯の呪いにより短い生涯を終える。享年三十四。
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:かつては[[封印指定]]を受けた[[魔術|魔術師]]の父・[[衛宮矩賢]]と共に、[[魔術協会]]から潜伏しながらの生活をしていた。母親についてはその逃避行の最中に死亡している。<br>自分を産んでまもなく他界したため母親の事は憶えていない。<br>潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際、羅患した幼馴染の少女・[[シャーレイ]]が、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。<br>しかし彼は幼さ故の未熟さも手伝い、恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めようとする。<br>その結果として島は地獄と化し、彼は「一人を殺せなかったために大勢を殺す」という、強烈なトラウマを刻み込まれる。原因となった父がまた同じ事を繰り返すであろうことを予見した彼は<br>今度こそ、その手で父を殺害する。<br>その後、父を狙っていた[[ナタリア・カミンスキー]]と共に島を脱し、そのままナタリアの元でハンターとしての腕を磨き、傭兵のような生活を送る。仕事の途中、ナタリア一人と他の大勢の命を<br>天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。<br>ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。魔術師関連の殺しと並行して戦況がもっとも激化し破滅的になった時期に傭兵として各地の戦地に赴いていた。<br>「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前に[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン|アイリスフィール]]と夫婦になり、娘の[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン|イリヤスフィール]]を設けている。<br>発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。<br>戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた[[衛宮士郎|少年]]を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。士郎を養子に迎えた後も、「世界旅行」と称して屋敷を離れて<br>我が子を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、[[ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン|アハト翁]]の妨害に遭い、娘と再会することは叶わなかった。<br>聖杯戦争終結から五年後、士郎に看取られながら聖杯の呪いにより短い生涯を終える。享年三十四。
    
;人物
 
;人物
:魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。<br>戦闘に赴く場合は幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから。戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。<br>目標を達することでより多くの命が救えると判断したならば無関係の人間を利用し、巻き添えにすることすらためらわず、自分を一個の戦闘機械としてみている。<br>「戦場こそ地獄」「流血は悪」という信条を持ち、人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を望んで聖杯戦争に挑む。その信条ゆえ英雄を軽蔑しているが、これはかつて「正義の味方」に憧れたが故の反動とも言える。<br>戦闘機械として振舞う一方、娘・イリヤスフィールのことは溺愛しており、イリヤの前では親バカなお父さんの顔を見せる。だが聖杯戦争の渦中では、その人間性の矛盾に幾度と無く苦しむことになる。<br>相棒である[[久宇舞弥]]は自分の右腕であり、「衛宮切嗣という機械を完全に動作させるための補助機械」として育ててきた。<br>魔術師としてだけでなくガンマンとしても異端であり、第四次聖杯戦争で使った銃を見ても「コストが高すぎる」「重すぎる」「スコープが銃本体より大きい」「照準が付けにくい」「連射ができない」など、「一般人」の戦場での実用性には致命的な欠陥を抱えたゲテモノ揃いである。<br>しかしこれらは全て、尋常な戦場にあらず条理の外にある魔術師を殺すための「魔術師殺し」衛宮切嗣としての装備であり、同時に彼の[[魔術礼装]]たる「起源弾」を最大に引き出すための「魔術師」衛宮切嗣の装備でもある。<br>相手がどのような魔術を使うかも解らない状況での遭遇戦が多いであろう聖杯戦争で、「機動力」を損なわず「狙撃」「制圧射撃」「大口径弾使用による標的の沈黙」を行う事を想定すれば彼の銃のチョイスは非常に理に敵うものである。<br>第四次聖杯戦争を経てからは冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、病院で初めて切嗣と会話した士郎から見た切嗣の第一印象は「とにかくうだつのあがらない、頼りなさそうなヤツ」であった。晩年は背広姿ではなく着物姿でいることも多く、穏やかな若隠居のような存在であった。
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:魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。<br>戦闘に赴く場合は幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから。戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。<br>目標を達することでより多くの命が救えると判断したならば無関係の人間を利用し、巻き添えにすることすらためらわず、自分を一個の戦闘機械としてみているが、普通の人間と変わらない感情を持ち続けていた。<br>「戦場こそ地獄」「流血は悪」という信条を持ち、人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を望んで聖杯戦争に挑む。その信条ゆえ英雄を軽蔑しているが、これはかつて「正義の味方」に憧れたが故の反動とも言える。<br>相棒である[[久宇舞弥]]は自分の右腕であり、「衛宮切嗣という機械を完全に動作させるための補助機械」として育ててきた。<br>魔術師としてだけでなくガンマンとしても異端であり、第四次聖杯戦争で使った銃を見ても「コストが高すぎる」「重すぎる」「スコープが銃本体より大きい」「照準が付けにくい」「連射ができない」など、「一般人」の戦場での実用性には致命的な欠陥を抱えたゲテモノ揃いである。<br>しかしこれらは全て、尋常な戦場にあらず条理の外にある魔術師を殺すための「魔術師殺し」衛宮切嗣としての装備であり、同時に彼の[[魔術礼装]]たる「起源弾」を最大に引き出すための「魔術師」衛宮切嗣の装備でもある。<br>相手がどのような魔術を使うかも解らない状況での遭遇戦が多いであろう聖杯戦争で、「機動力」を損なわず「狙撃」「制圧射撃」「大口径弾使用による標的の沈黙」を行う事を想定すれば彼の銃のチョイスは非常に理に敵うものである。<br>第四次聖杯戦争を経てからは冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、病院で初めて切嗣と会話した士郎から見た切嗣の第一印象は「とにかくうだつのあがらない、頼りなさそうなヤツ」であった。晩年は背広姿ではなく着物姿でいることも多く、穏やかな若隠居のような存在であった。
    
;能力
 
;能力
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;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
:愛おしい愛娘。
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:最愛の娘、愛おしい愛娘である。幸の多い人生であってほしいと願っていた。
 
;[[久宇舞弥]]
 
;[[久宇舞弥]]
:自分が知る限りの戦いの手段を教え込んだ助手であり相棒。おそらく彼の生涯で一番付き合いが長い人物。
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:戦場で拾った少女。自分が知る限りの戦いの手段を教え込んだ助手であり相棒。おそらく彼の生涯で一番付き合いが長い人物。
 
;[[セイバー]]
 
;[[セイバー]]
 
:第四次聖杯戦争で契約していたサーヴァント。<br>目指した場所は同じながらも、行動指針は真逆で、結局相容れることはなかった。
 
:第四次聖杯戦争で契約していたサーヴァント。<br>目指した場所は同じながらも、行動指針は真逆で、結局相容れることはなかった。
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;「誰よりも激しい生き方ばかりを選んできたくせに、この男の人生には、ただの一度も“情熱”がない。<br> こいつは――きっと、危険なヤツだ」
 
;「誰よりも激しい生き方ばかりを選んできたくせに、この男の人生には、ただの一度も“情熱”がない。<br> こいつは――きっと、危険なヤツだ」
 
:言峰綺礼の経歴を見て評した言葉。この評価は正しく、最終決戦で激戦を繰り広げた。
 
:言峰綺礼の経歴を見て評した言葉。この評価は正しく、最終決戦で激戦を繰り広げた。
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;「いやいやイリヤ、あの枝はサワグルミといってだな、クルミの仲間なんだよ。だからあれも、クルミの冬芽だ」
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;「するする。もうサワグルミはなし」
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:もう遊んであげないと言われたので謝りつつも今度はノグルミがあるなと胸の中でほくそ笑んでいた…大人げない父親である。<br>だがノグルミの樹は見当たらなかったためか今回の勝負はイリヤの勝ちだった。
    
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
 
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
 
:いきなり真名を名乗った[[ライダー (第四次)]]の第一印象。<br>征服王の豪快かつ奔放すぎる性格には、さすがに呆れていた。
 
:いきなり真名を名乗った[[ライダー (第四次)]]の第一印象。<br>征服王の豪快かつ奔放すぎる性格には、さすがに呆れていた。
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;「もし僕が今ここで、何もかも抛り投げて逃げ出すと決めたら――アイリ、君は一緒に来てくれるか?」
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:考え得る限りにおいて、衛宮切嗣が絶対に口にするはずがない言葉だった。そのためアイリは驚きのあまり言葉を失った。
    
;「いいや。そこのサーヴァントには話すことなど何もない。<br> 栄光だの名誉だの、そんなものを嬉々としてもてはやす殺人者には、何を語り聞かせても無駄だ」
 
;「いいや。そこのサーヴァントには話すことなど何もない。<br> 栄光だの名誉だの、そんなものを嬉々としてもてはやす殺人者には、何を語り聞かせても無駄だ」
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;「ふざけるな……ふざけるなッ! 馬鹿野郎ッ!!」
 
;「ふざけるな……ふざけるなッ! 馬鹿野郎ッ!!」
 
:ナタリアを手にかけ、吼える切嗣。正義の代償。理想の代価。<br>この呪いと怒りを、切嗣は受け入れる。これが、少年の日の終わり――
 
:ナタリアを手にかけ、吼える切嗣。正義の代償。理想の代価。<br>この呪いと怒りを、切嗣は受け入れる。これが、少年の日の終わり――
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;「それでいい。言ったはずだ。――僕は、オマエを担うと」
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:それは数日前に喩えとして口にした決意の言葉。<br>頬を伝う涙の意味さえ忘れ、黒いドレスの女を絞殺しながらそれを受け入れた。
    
===フェイト/タイガーころしあむ アッパー===
 
===フェイト/タイガーころしあむ アッパー===
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*大河を可愛がっていたのは[[シャーレイ|初恋の女性]]に似た雰囲気があったためらしい。
 
*大河を可愛がっていたのは[[シャーレイ|初恋の女性]]に似た雰囲気があったためらしい。
 
*『Fate/Zero』著者・虚淵氏によれば、「正義の味方」としての格は[[アーチャー|同姓の英霊]]より大いに劣るとのこと。
 
*『Fate/Zero』著者・虚淵氏によれば、「正義の味方」としての格は[[アーチャー|同姓の英霊]]より大いに劣るとのこと。
*切嗣は多数を守るという理想を追求していった結果正義の味方を諦め、士郎(アーチャー)は正義の味方になるために多数を守る理想を追求していった。ただし、どちらも自分の情を入れない点で共通している。
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*切嗣は多数を守るという理想を追求していった結果正義の味方を諦め、士郎(アーチャー)は正義の味方になるために多数を守る理想を追求していった。ただし、どちらも自分の情を入れない点で共通している。また切嗣は初期に憧れを喪失し、正義を呪うまでになりながら「今までの犠牲を無駄にしたくない」という一心から深みに嵌っていった。
 
*第四次聖杯戦争終了後から死亡するまでの間に大聖杯の位置を探り当てており、次の聖杯戦争が行われるだろう約六十年後までに大聖杯を破壊しようと仕掛けを施していた。目算では、三十~四十年もあれば破壊できるだけの魔力の「瘤」ができる筈だった。<br>ただし、第五次は第四次の十年後という、切嗣の予想外に短い期間の後に起こってしまったため、この仕掛けが効果を発揮することはなかった。<br>さらに、桜ルートでは凛と桜の死闘によって洞窟が破壊されたため、仕掛けじたいが完全に無用のものと化した。
 
*第四次聖杯戦争終了後から死亡するまでの間に大聖杯の位置を探り当てており、次の聖杯戦争が行われるだろう約六十年後までに大聖杯を破壊しようと仕掛けを施していた。目算では、三十~四十年もあれば破壊できるだけの魔力の「瘤」ができる筈だった。<br>ただし、第五次は第四次の十年後という、切嗣の予想外に短い期間の後に起こってしまったため、この仕掛けが効果を発揮することはなかった。<br>さらに、桜ルートでは凛と桜の死闘によって洞窟が破壊されたため、仕掛けじたいが完全に無用のものと化した。
 
*士郎に「魔術回路を逐一作り直す」「強化魔術」という非効率な魔術を教えたのはワザと。本心では魔術を教えたくなかったが、強さを求める士郎を納得させるために、成果の出ない方法を教えた。<br>しかし士郎はこの使い物にならない魔術の訓練を5年以上も続け、ある未来においては[[アーチャー|自分だけの境地]]に辿り着いてしまうこととなる。
 
*士郎に「魔術回路を逐一作り直す」「強化魔術」という非効率な魔術を教えたのはワザと。本心では魔術を教えたくなかったが、強さを求める士郎を納得させるために、成果の出ない方法を教えた。<br>しかし士郎はこの使い物にならない魔術の訓練を5年以上も続け、ある未来においては[[アーチャー|自分だけの境地]]に辿り着いてしまうこととなる。
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