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57 バイト追加 、 2014年4月23日 (水) 01:41
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;人物
 
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: 悲劇から闘争から多くの人間を救うことを自身に課しているが、幼き日の出来事から私情を排し、救う優先順を命の数で判断することを信条とする。目標を達することでより多くの命が救えると判断したならば無関係の人間、さらには自分の近しい人や愛する人間すら利用し切り捨て巻き添えにすることも厭わない。自身を冷酷な戦闘機械として扱うが、「冷酷である」という人格を用意したわけではなく普通の人間と変わらない、むしろ普通より繊細な感情を持ち続けており、あくまで自分の意志で非情な思考と行動を貫こうとしていた。<br>幼き日は「正義の味方」に憧れていたが、アリマゴ島の惨劇の後からの過酷な日々で早々に憧れを消失しており、遂には正義を憎むまでになっていたが、それまでに犠牲や代償に失ってきた人々を無価値にしたくないという一心から止まることが出来ず深みに嵌っていった。<br>「戦場こそ地獄」「流血は悪」という考えからやり場のない怒りと嘆きを「英雄」という構造そのものに抱いているが、これは自身がかつて「正義の味方」に憧れ、絶望したが故の反動とも言えるもので、自身のやり方でも闘争が終わらないことは理解しており、それ故に人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を求め、アインツベルンの誘いに乗り聖杯戦争に参加することとなる。<br>魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。戦闘に赴く場合は幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから。戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。<br>魔術師としてだけでなくガンマンとしても異端であり、第四次聖杯戦争で使った銃を見ても「コストが高すぎる」「重すぎる」「スコープが銃本体より大きい」「照準が付けにくい」「連射ができない」など、「一般人」の戦場での実用性には致命的な欠陥を抱えたゲテモノ揃いである。<br>しかしこれらは全て、尋常な戦場にあらず条理の外にある魔術師を殺すための「魔術師殺し」衛宮切嗣としての装備であり、同時に彼の[[魔術礼装]]たる「起源弾」を最大に引き出すための「魔術師」衛宮切嗣の装備でもある。相手がどのような魔術を使うかも解らない状況での遭遇戦が多いであろう聖杯戦争で、「機動力」を損なわず「狙撃」「制圧射撃」「大口径弾使用による標的の沈黙」を行う事を想定すれば彼の銃のチョイスは非常に理に敵うものである。<br>その外道戦術で戦いを生き抜き、まだその腕前を買われてアインツベルンに招かれたが、愛する妻子を得て過ごした9年間の平和な生活で危うく脆弱に変化しており、聖杯戦争に勝ち残るために、かつての非情な思考と行動だけの自分に戻ろうとするだけでも相当な無理を強いられていた。これまで犠牲にしてきた人々を無駄にしたくないという想い、自分が負ければ聖杯戦争の過程で死ぬ妻の命が無駄になってしまうこと、勝たなければイリヤが次の聖杯戦争で聖杯にされてしまうこと、そういった情のために勝とうと非情で在ろうとする矛盾、その他諸々から精神は軋みを上げており、自分を保つだけでも精一杯であった。セイバーへの拒絶もその弱さ故である。<br>第四次聖杯戦争を経てからは冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、病院で初めて切嗣と会話した士郎から見た切嗣の第一印象は「とにかくうだつのあがらない、頼りなさそうなヤツ」であった。晩年は背広姿ではなく着物姿でいることも多く、穏やかな若隠居のような存在であった。
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: 悲劇から闘争から多くの人間を救うことを自身に課しているが、幼き日の出来事から私情を排し、救う優先順を命の数で判断することを信条とする。目標を達することでより多くの命が救えると判断したならば無関係の人間、さらには自分の近しい人や愛する人間すら利用し切り捨て巻き添えにすることも厭わない。自身を冷酷な戦闘機械として扱うが、「冷酷である」という人格を用意したわけではなく普通の人間と変わらない、むしろ普通より繊細な感情を持ち続けており、あくまで自分の意志で非情な思考と行動を貫こうとしていた。<br>幼き日は「正義の味方」に憧れていたが、アリマゴ島の惨劇の後からの過酷な日々で早々に憧れを消失しており、遂には正義を憎むまでになっていたが、それまでに犠牲や代償に失ってきた人々を無価値にしたくないという一心から止まることが出来ず深みに嵌っていった。<br>「戦場こそ地獄」「流血は悪」という考えからやり場のない怒りと嘆きを「英雄」という構造そのものに抱いているが、これは自身がかつて「正義の味方」に憧れ、絶望したが故の反動とも言えるもので、自身のやり方でも闘争が終わらないことは理解しており、それ故に人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を求め、アインツベルンの誘いに乗り聖杯戦争に参加することとなる。<br>魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。戦闘に赴く場合は幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから。戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。<br>魔術師としてだけでなくガンマンとしても異端であり、第四次聖杯戦争で使った銃を見ても「コストが高すぎる」「重すぎる」「スコープが銃本体より大きい」「照準が付けにくい」「連射ができない」など、「一般人」の戦場での実用性には致命的な欠陥を抱えたゲテモノ揃いである。<br>しかしこれらは全て、尋常な戦場にあらず条理の外にある魔術師を殺すための「魔術師殺し」衛宮切嗣としての装備であり、同時に彼の[[魔術礼装]]たる「起源弾」を最大に引き出すための「魔術師」衛宮切嗣の装備でもある。相手がどのような魔術を使うかも解らない状況での遭遇戦が多いであろう聖杯戦争で、「機動力」を損なわず「狙撃」「制圧射撃」「大口径弾使用による標的の沈黙」を行う事を想定すれば彼の銃のチョイスは非常に理に敵うものである。<br>その外道戦術で戦いを生き抜き、まだその腕前を買われてアインツベルンに招かれたが、愛する妻子を得て過ごした9年間の平和な生活で危うく脆弱に変化しており、聖杯戦争に勝ち残るために、かつての非情な思考と行動だけの自分に戻ろうとするだけでも相当な無理を強いられていた。これまで犠牲にしてきた人々を無駄にしたくないという想い、自分が負ければ聖杯戦争の過程で死ぬ妻の命が無駄になってしまうこと、勝たなければ娘が次の聖杯戦争で聖杯にされてしまうこと、そういった情のために勝とうと非情で在ろうとする矛盾、その他諸々から精神は軋みを上げており、自分を保つだけでも精一杯であった。セイバーへの拒絶もその弱さ故である。<br>第四次聖杯戦争を経てからは冷酷な戦闘機械としての顔は影を潜め、病院で初めて切嗣と会話した士郎から見た切嗣の第一印象は「とにかくうだつのあがらない、頼りなさそうなヤツ」であった。晩年は背広姿ではなく着物姿でいることも多く、穏やかな若隠居のような存在であった。
    
;能力
 
;能力
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;[[シャーレイ]]
 
;[[シャーレイ]]
:衛宮家に仕えた家政婦の少女で、初恋の相手。<br>初めの頃は父親を取られたように感じて、屋敷に来る彼女を本気で疎ましく思った時もあったが、彼女の明るい気性と優しさに絆されるのに時間はかからなかった。事故で死亡する。
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:衛宮家に仕えた家政婦の少女で、初恋の相手。<br>初めの頃は父親を取られたように感じて、屋敷に来る彼女を本気で疎ましく思った時もあったが<br>彼女の明るい気性と優しさに絆されるのに時間はかからなかった。事故で死亡する。
    
;[[ナタリア・カミンスキー]]
 
;[[ナタリア・カミンスキー]]
:賞金稼ぎもしくは情報屋で生計を立てるフリーの魔術師。<br>天涯孤独となった切嗣にとっては母親にも近い存在。<br>切嗣に賞金稼ぎのノウハウを教えたり魔術道具を与え、起源弾を製作したのも彼女。
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:賞金稼ぎもしくは情報屋で生計を立てるフリーの魔術師。切嗣が母親のように思った女性。<br>切嗣に賞金稼ぎのノウハウを教えたり魔術道具を与え、起源弾を製作したのも彼女。
    
;[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
;[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]
:最愛の妻。初めて出会ったのは培養槽越し、その時目を開けた彼女の瞳の緋色の奥底に魅入られた。馴れ初めはアイリスフィールの起動した瞬間から。<br>最終的に犠牲になる聖杯の器に人間の肉体と人格を与えるというユーブスタクハイトのやり方に、アイリへの憐れみと非道への不快感を抱いた切嗣は、アイリを最低限の自衛能力さえ備えておらず、むしろ足手纏いになると評した。この発言は彼女を守るための方便であったが、それを聞いたユーブスタクハイトは彼女の性能を証明するため、アイリを吹雪の森の中に全裸で放置し独力で生存させるという過酷な方法で試験を行う。<br>この試験は性能試験というよりは切嗣への当てつけで、アイリは試験に耐えきれず気を失って倒れ生命の危機に陥るが、それを見かねた切嗣は彼女を救助し介抱する。この出来事を切っ掛けに切嗣からアイリに対する「人形」という認識は急速に薄れていき、二人は親しくなっていった。
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:最愛の妻。初めて出会ったのは培養槽越し、その時目を開けた彼女の瞳の緋色の奥底に魅入られた。<br>馴れ初めはアイリスフィールの起動した瞬間から。
    
;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
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;「いやいやイリヤ、あの枝はサワグルミといってだな、クルミの仲間なんだよ。だからあれも、クルミの冬芽だ」
 
;「いやいやイリヤ、あの枝はサワグルミといってだな、クルミの仲間なんだよ。だからあれも、クルミの冬芽だ」
 
;「するする。もうサワグルミはなし」
 
;「するする。もうサワグルミはなし」
:もう遊んであげないと言われたので謝りつつも今度はノグルミがあるなと胸の中でほくそ笑んでいた…大人げない父親である。<br>だがノグルミの樹は見当たらなかったためか今回の勝負はイリヤの勝ちだった。
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:もう遊んであげないと言われたので謝りつつも今度はノグルミがあるなと胸の中では考えており全然反省していない。大人げない父親だった。<br>だがノグルミの樹は見当たらなかったためか今回の勝負はイリヤが勝った。
    
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
 
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
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;「……舞弥、悪いが旧ソ連の軍人と話をつけてくれ。<br> 原潜のSLBMで、冬木市諸共キャスターを吹き飛ばす!」
 
;「……舞弥、悪いが旧ソ連の軍人と話をつけてくれ。<br> 原潜のSLBMで、冬木市諸共キャスターを吹き飛ばす!」
:イリヤの存在に食いつき、アイリに「紹介して!」とねだった[[雨生龍之介|龍之介]]と彼女の娘なら芸術品として称賛されるだろうと発言したキャスターに対して。父親として当然の感情であるが巻き込まれる冬木市民的には迷惑以外の何物でもない過激さであろう。
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:イリヤの存在に食いつき、アイリに「紹介して!」とねだった[[雨生龍之介|龍之介]]と彼女の娘なら芸術品として称賛されるだろうと発言したキャスターに対して。父親として当然の感情であるが、犠牲者の人数だけを考えたら切嗣の方が冬木市民には脅威である。
    
;「アイリの作ってくれた手料理だ。<br> 食べるさ。食べるとも。例えそれが、劣化ウランじみた変化を遂げたおにぎりでも。<br> もっきゅ、もっきゅ……。<br><br> ああ……僕は幸せだな……。くそ…幸せすぎて涙が出てきたぞ」
 
;「アイリの作ってくれた手料理だ。<br> 食べるさ。食べるとも。例えそれが、劣化ウランじみた変化を遂げたおにぎりでも。<br> もっきゅ、もっきゅ……。<br><br> ああ……僕は幸せだな……。くそ…幸せすぎて涙が出てきたぞ」
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===Fate/Zero一期BD-BOX特典CD===
 
===Fate/Zero一期BD-BOX特典CD===
 
;「正気の沙汰じゃない。いくらホムンクルスとはいえ、あんたが手ずから作った娘だろうが」
 
;「正気の沙汰じゃない。いくらホムンクルスとはいえ、あんたが手ずから作った娘だろうが」
:身を守る事も満足に出来ない欠陥品なら叩き壊して違う器を用意して貰った方がいいとアイリに言いながら廃棄所に放置したアハトを非難し、吹雪の中迎えに行った。<br>情を捨てる事が出来ないその優しさは性分であり仕方ないのだろが、感情で動き過ぎではないか…。
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:身を守る事も満足に出来ない欠陥品なら叩き壊して違う器を用意して貰った方がいいとアイリに言いながらアハトを非難し、狼や怨霊もいる吹雪の中迎えに行った。<br>情を捨てる事が出来ない優しさは性分であり仕方ないのだろが感情で動き過ぎでは…。
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;「まったく!こんなところから面倒を見なきゃならないなんて…分かった、僕が教えてやる。<br> そうだな、まずは君の、あぁ…一々こんな呼び方ってのがまず無い。<br> 君には、名前は無いのか?器とかホムンクルスとかじゃなく、君固有の呼び名は?」
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;「この世に生まれ落ちた事、自分に課された使命について、喜びや誇りを感じるか?今回蔑ろにされたのは、君のそういう部分なんだよ」
:切嗣は後に思い知る。死に追いやると決まってる相手に感情を、命への執着や未練を教え込もうとしていた自分の愚かさと残酷さを。
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:使命を果たすことも出来ず死にかけた原因である切嗣とアハト翁に怒りを懐かないその在り方を否定し、闘争には怒りの感情が必要だと説明する。
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;「まったく、こんなところから面倒を見なきゃならないなんて…分かった、僕が教えてやる。<br> そうだな、まずは君の、あぁ…一々こんな呼び方ってのがまず無い。<br> 君には、名前は無いのか?器とかホムンクルスとかじゃなく、君固有の呼び名は?」
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:切嗣は後に思い知る。死に追いやる相手に感情を、命への執着、未練を教え込もうとしていた自分の愚かさと残酷さを。
    
;「今あるすべてを捨て去ることで、君は一からやり直す事だって出来る。君がそれを…望むなら」
 
;「今あるすべてを捨て去ることで、君は一からやり直す事だって出来る。君がそれを…望むなら」
 
:道具は自分の意思で戦えない、意思を備えたものは道具じゃ無い、道具でなくなったものは自分の意思で戦うか決めるべき。<br>アイリに逃げ出すか使命を取るかを自身で選ぶべきだと述べた。
 
:道具は自分の意思で戦えない、意思を備えたものは道具じゃ無い、道具でなくなったものは自分の意思で戦うか決めるべき。<br>アイリに逃げ出すか使命を取るかを自身で選ぶべきだと述べた。
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;「男女の愛情というのは、そんな生易しい話じゃないんだ! ああ、まったく!<br> こんなところから説明しなきゃならないなんて…分かった。とりあえずは教えてやる。<br> 自分がどれだけ見当違いな事を言っていたのか、君はすぐにも、思い知ることになるだろう」
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;「…いや、その…僕の方にだって都合というものが」
:自分の心の持ちようの話だから貴方に迷惑はかけない、と言うアイリに対して。<br>アイリはこの返答に興味深い、とても期待してると実に楽しげである。<br>にしてもアイリが自分を対象にしたいという愛情が異性へのそれだと切嗣はよく把握出来たな。
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;「男女の愛情というのは、そんな生易しい話じゃないんだ! ああ、まったく、<br> こんなところから説明しなきゃならないなんて…分かった。とりあえずは教えてやる。<br> 自分がどれだけ見当違いな事を言っていたのか、君はすぐにも、思い知ることになるだろう」
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:自分の心の持ちようの話だから貴方に迷惑はかけない、と言うアイリに対して。<br>アイリはこの返答に興味深い、とても期待してると実に楽しげ。無邪気って強い。<br>にしてもアイリが自分を対象にしたいという愛情が異性へのそれだと切嗣はよく把握出来たな。
    
;「君を救えない僕も、希望を持たない君も、愛し合うことなど不可能な生き物なんだ。<br> 現に、君は僕を愛すると言いながら、結局未だに、君自身を愛することが出来ていない。<br> 滅びることに悲しみの感情を懐かないのが、その証拠だ。」
 
;「君を救えない僕も、希望を持たない君も、愛し合うことなど不可能な生き物なんだ。<br> 現に、君は僕を愛すると言いながら、結局未だに、君自身を愛することが出来ていない。<br> 滅びることに悲しみの感情を懐かないのが、その証拠だ。」
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*一人称は「僕」。こんな恐ろしいオッサンがボクって……
 
*一人称は「僕」。こんな恐ろしいオッサンがボクって……
 
*直接の死因は「この世全ての悪」の呪い。聖杯に選ばれながらも拒絶したために、第四次聖杯戦争終結後も呪われ続けた。
 
*直接の死因は「この世全ての悪」の呪い。聖杯に選ばれながらも拒絶したために、第四次聖杯戦争終結後も呪われ続けた。
*「魔術師殺し」として活動した期間は意外に短い。享年から逆算するとアインツベルンに迎えられたのが20歳ごろ、ナタリアと一緒に仕事をするようになったのが10代前半、死別して独り立ちしたのが10代後半と思われるため、その期間は数年程度であり、以後は第四次聖杯戦争まで活動を控えていた。<br>つまりその数年間に「起源弾」で葬った魔術師だけで37人、もちろんその他にも魔術師たちを魔術師らしからぬ手段で殺害してきたことになる。<br>さらにその合間に世界各地の紛争に武力介入している。
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*「魔術師殺し」として活動した期間は意外に短い。享年から逆算するとアインツベルンに迎えられたのが20歳ごろ、ナタリアと一緒に仕事をするようになったのが10代前半、死別して独り立ちしたのが10代後半と思われるため、その期間は数年程度であり、以後は第四次聖杯戦争まで活動を控えていた。<br>つまりその数年間に「起源弾」で葬った魔術師だけで37人、もちろんその他にも魔術師たちを魔術師らしからぬ手段で殺害してきたことになる。さらにその合間に世界各地の紛争に武力介入している。
 
*その信念もあって、呼び出すサーヴァントは自分に扱いやすい「魔術師」か「暗殺者」クラスを所望していた。それが真逆のセイバーだったのは皮肉としか言い様がない。<br>さらにいえば、彼の望んだ「騎士道にこだわらず、情も捨てて戦えるサーヴァント」に[[アーチャー|信念の継承を試みた彼]]が該当するのもまた皮肉と言える。
 
*その信念もあって、呼び出すサーヴァントは自分に扱いやすい「魔術師」か「暗殺者」クラスを所望していた。それが真逆のセイバーだったのは皮肉としか言い様がない。<br>さらにいえば、彼の望んだ「騎士道にこだわらず、情も捨てて戦えるサーヴァント」に[[アーチャー|信念の継承を試みた彼]]が該当するのもまた皮肉と言える。
*セイバーと性格的に相容れなかった一方で、彼女にかけられた呪いを解くためにランサー陣営を最優先に襲撃したり、「約束された勝利の剣」の被害が周辺に及ばないよう配慮したり、カスタムV-MAXを手配したりとその能力を活かすことには余念が無かった。<br>マスターとしての手腕は確かであり、セイバーもその点は認めていた。
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*あの鞘を使う以上召喚される人物は決まっており相性の悪さは承知の上であったが、ケイネス戦の時にランサーをこちらに来させた事に「扱いに困る駒」「自身のサーヴァントは慎重に選ぶべきだった」とあり方の違いを痛感していた。
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*セイバーと性格的に相容れなかった一方で、彼女にかけられた呪いを解くためにランサー陣営を最優先に襲撃したり、「約束された勝利の剣」の被害が周辺に及ばないよう配慮したり、カスタムV-MAXを手配したりとその能力を活かすことには余念が無かった。マスターとしての手腕は確かであり、セイバーもその点は認めていた。
 
*彼と契約していた時のセイバーは幸運がDランクと、理不尽なほど低下している。反面、騎乗スキルはAランクに向上してマシンも扱えるようになっており、彼のマスター適正の傾向が窺える。
 
*彼と契約していた時のセイバーは幸運がDランクと、理不尽なほど低下している。反面、騎乗スキルはAランクに向上してマシンも扱えるようになっており、彼のマスター適正の傾向が窺える。
 
*セイバーを無視する態度はシリーズを通して徹底しており、『タイころアッパー』でセイバーと再会した時も彼女の存在を無視した。
 
*セイバーを無視する態度はシリーズを通して徹底しており、『タイころアッパー』でセイバーと再会した時も彼女の存在を無視した。
 
**セイバーを無視していたのは、栄誉を重んじる騎士道など、戦いに関する価値観が違い過ぎるから。アイリの考察によると「アーサー王が実は女性だった」という事実に対して憤ったのもある模様。<br>男性であると期待していたのに伝説との食い違いに失望した、ということではなく、王の重荷を一人の少女に背負わせた周囲の人間たちとそれを受け入れたセイバーの生き方を許容できなかったため。後に士郎も同じ様に怒り、セイバーと衝突したが、彼は言うだけ無駄と諦めて口にしなかった。
 
**セイバーを無視していたのは、栄誉を重んじる騎士道など、戦いに関する価値観が違い過ぎるから。アイリの考察によると「アーサー王が実は女性だった」という事実に対して憤ったのもある模様。<br>男性であると期待していたのに伝説との食い違いに失望した、ということではなく、王の重荷を一人の少女に背負わせた周囲の人間たちとそれを受け入れたセイバーの生き方を許容できなかったため。後に士郎も同じ様に怒り、セイバーと衝突したが、彼は言うだけ無駄と諦めて口にしなかった。
**それに加えて、第四次当時の切嗣に精神的余裕が少なかったこともある。「守るものがない」ことがかつての彼の強みの一つでもあったのに、アインツベルンで『家族』を得てしまったことで精神的に弱くなっていた。<br>そのうえ、「厄介な敵」言峰綺礼に狙われることで、セイバーとの妥協や説得すら受け入れられないほど追い詰められていた。
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**また士郎と違い切嗣はセイバーの境遇の件があるにしろ初戦のランサー戦時に「己の手駒」の力量を見極めておくのもいいかと思っており道具として使おうとしていた。
**ただ、完全に無視できていた訳ではなく、セイバーから「若き日の本当の貴方は、『正義の味方』になりたかったはずだ」と指摘された時はセイバーの方に振り返って険しい表情を見せている。
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**それに加えて、第四次当時の切嗣に精神的余裕が少なかったこともある。「守るものがない」ことがかつての彼の強みの一つでもあったのに、アインツベルンで『家族』を得てしまったことで精神的に弱くなっていた。そのうえ、「厄介な敵」言峰綺礼に狙われることで、セイバーとの妥協や説得すら受け入れられないほど追い詰められていた。
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**セイバーから「若き日の本当の貴方は、『正義の味方』になりたかったはずだ」と指摘される以前に切嗣がセイバーに示してきた態度は黙殺か冷ややかな蔑視だけだった。<br>だがこの時初めてその二つ以外の感情を向けた。それは怒りの情念だった。
 
**アインツベルン城でのセイバー同席の上での作戦会議の後は聖杯戦争からアイリを連れて逃げ出すことを提案するほどの弱さを見せ、ランサー消滅後のセイバーの糾弾にも英雄や正義への憎しみの感情を発露するなど、無視してなおセイバーと関わると激しい感情の揺さぶりを起こしている。
 
**アインツベルン城でのセイバー同席の上での作戦会議の後は聖杯戦争からアイリを連れて逃げ出すことを提案するほどの弱さを見せ、ランサー消滅後のセイバーの糾弾にも英雄や正義への憎しみの感情を発露するなど、無視してなおセイバーと関わると激しい感情の揺さぶりを起こしている。
 
*魔術回路を励起させると術者の体温に独特の変化パターンが表れることを発見しており、体温の探知に魔術を用いないことで、魔術師相手に完全な不意討ちや策敵を可能にする応用戦術を編み出した。<br>ワルサー狙撃銃に、携行性を損なうのを承知で熱感知スコープを取り付けているのはこのためである。
 
*魔術回路を励起させると術者の体温に独特の変化パターンが表れることを発見しており、体温の探知に魔術を用いないことで、魔術師相手に完全な不意討ちや策敵を可能にする応用戦術を編み出した。<br>ワルサー狙撃銃に、携行性を損なうのを承知で熱感知スコープを取り付けているのはこのためである。
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