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サイズ変更なし 、 2014年5月15日 (木) 22:25
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「''人より多くのものを戴いて生まれた自分は、人より優れた“生の証”を示すべきだ。<br>そうでなければ、力無き人々が報われない''」
 
「''人より多くのものを戴いて生まれた自分は、人より優れた“生の証”を示すべきだ。<br>そうでなければ、力無き人々が報われない''」
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カルナにあるものは「父の威光を汚さず、報いてくれた人々に恥じる事なく生きる」という信念だけで、“冷酷、無慈悲ではあるが、同時に尊厳に満ちている”という英雄カルナのスタンスはこうして形作られていった。<br>そうして青年に成長したカルナはクル族の協議会に参加することとなる。協議会ではパーンダヴァ五兄弟がその武芸によって名声を欲しい侭にし、特に三男アルジュナの弓の腕は素晴らしく、誰も敵う者はいまいと称えられていた。<br>普段誰も羨まず、誰も憎まないはずだったカルナは、アルジュナと彼の武芸を目にしたことで消極的な姿勢を守り切れず、飛び入りで協議に参加しアルジュナに並ぶ武芸を披露する。<br>そして優劣を決しようとアルジュナに挑戦しようとするが、王族であるアルジュナに挑戦するにはクシャトリア(カースト制度でいう所の武門、王族。カルナは商人である「ヴァイシャ」、あるいは奴隷の「シュードラ」であったと言われる)以上の資格が必要とされ、身分の差から挑戦を断られ笑いものにされてしまった。
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カルナにあるものは「父の威光を汚さず、報いてくれた人々に恥じる事なく生きる」という信念だけで、“冷酷、無慈悲ではあるが、同時に尊厳に満ちている”という英雄カルナのスタンスはこうして形作られていった。<br>そうして青年に成長したカルナはクル族の競技会に参加することとなる。協議会ではパーンダヴァ五兄弟がその武芸によって名声を欲しい侭にし、特に三男アルジュナの弓の腕は素晴らしく、誰も敵う者はいまいと称えられていた。<br>普段誰も羨まず、誰も憎まないはずだったカルナは、アルジュナと彼の武芸を目にしたことで消極的な姿勢を守り切れず、飛び入りで協議に参加しアルジュナに並ぶ武芸を披露する。<br>そして優劣を決しようとアルジュナに挑戦しようとするが、王族であるアルジュナに挑戦するにはクシャトリア(カースト制度でいう所の武門、王族。カルナは商人である「ヴァイシャ」、あるいは奴隷の「シュードラ」であったと言われる)以上の資格が必要とされ、身分の差から挑戦を断られ笑いものにされてしまった。
    
そんなカルナを救ったのはパーンダヴァと対立する王家であるカウラヴァ百王子の長兄、ドゥリーヨダナだった。<br>彼はカルナを気に入り、その場で王族として迎え入れた。これによってカルナは不名誉から救われたかに見たその時、彼の出世聞きつけた養父が現れたことで本来の出自が判明してしまった。<br>パーンダヴァ五兄弟は自分達より上の武芸を見せたカルナを更なる笑いものにした。<br>“御者の息子風情が恥を知れ”と。<br>カルナはこの言葉に激怒した。自分の事なら甘んじて受けるが、養父を侮辱された事は聞き逃せない。例えそれが欲に駆られて名乗り出た養父だとしても、カルナにとっては捨て子の自分を育ててくれた、大恩ある父であったからである。ここにカルナと五兄弟の対立は最早引き下がれない物となるが、日没を迎えたことで協議会は幕を下ろした。<br>以後、カルナは自分を救い、王族として扱ってくれたドゥリーヨダナを友とし、彼らカウラヴァ百王子のために奮戦することとなる。<br>その先に待つ、パーンダヴァ五兄弟――血を分けた大英雄・アルジュナとの過酷な戦いを理解した上で。
 
そんなカルナを救ったのはパーンダヴァと対立する王家であるカウラヴァ百王子の長兄、ドゥリーヨダナだった。<br>彼はカルナを気に入り、その場で王族として迎え入れた。これによってカルナは不名誉から救われたかに見たその時、彼の出世聞きつけた養父が現れたことで本来の出自が判明してしまった。<br>パーンダヴァ五兄弟は自分達より上の武芸を見せたカルナを更なる笑いものにした。<br>“御者の息子風情が恥を知れ”と。<br>カルナはこの言葉に激怒した。自分の事なら甘んじて受けるが、養父を侮辱された事は聞き逃せない。例えそれが欲に駆られて名乗り出た養父だとしても、カルナにとっては捨て子の自分を育ててくれた、大恩ある父であったからである。ここにカルナと五兄弟の対立は最早引き下がれない物となるが、日没を迎えたことで協議会は幕を下ろした。<br>以後、カルナは自分を救い、王族として扱ってくれたドゥリーヨダナを友とし、彼らカウラヴァ百王子のために奮戦することとなる。<br>その先に待つ、パーンダヴァ五兄弟――血を分けた大英雄・アルジュナとの過酷な戦いを理解した上で。
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